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公開番号2025091008
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023205947
出願日2023-12-06
発明の名称床版支持構造
出願人テクノス株式会社,株式会社誠和ダイア
代理人個人
主分類E01D 19/12 20060101AFI20250611BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】構成部品を少なくでき、かつ、道路を通行止めにすることなく、桁から切り離された床版を道路として供用できる状態に施工可能な床版支持構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る床版支持構造1は、橋梁100の桁2に接合されていた床版3が水平方向に沿って切断され、桁2から切り離された当該床版3の荷重及び当該桁から切り離された床版上を走行する車両の荷重を桁に伝達するように構成された床版支持構造であって、床版3の切断により発生した切断溝31に設置された荷重伝達手段を介して当該切断された床版3の荷重及び当該桁から切り離された床版上を走行する車両の荷重を桁2に伝達するように構成され、荷重伝達手段は、切断溝31に嵌入された荷重伝達板10により構成されたことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
橋梁の桁に接合されていた床版が水平方向に沿って切断され、桁から切り離された当該床版の荷重及び当該桁から切り離された床版上を走行する車両の荷重を桁に伝達するように構成された床版支持構造であって、
床版の切断により発生した切断溝に設置された荷重伝達手段を介して当該切断された床版の荷重及び当該桁から切り離された床版上を走行する車両の荷重を桁に伝達するように構成され、
荷重伝達手段は、切断溝に嵌入された荷重伝達板により構成されたことを特徴とする床版支持構造。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
荷重伝達板は、上下に重ねられた複数枚の板により構成されたことを特徴とする請求項1に記載の床版支持構造。
【請求項3】
板は、平板であることを特徴とする請求項2に記載の床版支持構造。
【請求項4】
荷重伝達板は、切断溝を橋軸直角方向に沿って貫通するように設置されたことを特徴とする請求項2に記載の床版支持構造。
【請求項5】
荷重伝達板は、
切断溝の橋軸直角方向の一端側に位置される切断溝一端側開口から挿入されて切断溝幅方向中央位置近傍まで到達するように設置された一端側荷重伝達板と、
切断溝の橋軸直角方向の他端側に位置される切断溝他端側開口から挿入されて切断溝幅方向中央位置近傍まで到達するように設置された他端側荷重伝達板と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の床版支持構造。
【請求項6】
一端側荷重伝達板、及び、他端側荷重伝達板は、それぞれ、
切断溝内の切断溝幅方向中央位置近傍まで到達するように設置された下板と、
切断溝内の切断溝幅方向中央位置近傍まで到達するように設置された上板と、
切断溝に設置された下板と上板との間に嵌入されて切断溝内の切断溝幅方向中央位置近傍まで到達するように設置された中板とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の床版支持構造。
【請求項7】
荷重伝達板を複数備え、複数の荷重伝達板が、切断溝の橋軸方向に沿って所定の間隔を隔てて設置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の床版支持構造。
【請求項8】
切断溝の橋軸方向に沿って所定の間隔を隔てて隣り合うように設置された一方の荷重伝達板と他方の荷重伝達板との間の切断溝内に注入された充填材を備えたことを特徴とする請求項7に記載の床版支持構造。
【請求項9】
切断溝の橋軸方向に沿って所定の間隔を隔てて隣り合うように設置された一方の荷重伝達板と他方の荷重伝達板との間の充填材が注入されている切断溝内に設置された板材を備えたことを特徴とする請求項8に記載の床版支持構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、桁から切り離された床版を桁に支持させるための床版支持構造に関する。
続きを表示(約 5,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、道路橋、鉄道橋、水路橋等の橋梁の鉄筋コンクリート製の床版を新しい床版に更新する床版更新工事においては、現存の桁を再利用することから、桁の上に設けられて桁と接合された床版を切断して桁から切り離して撤去した後、桁の上に新しい床版を接合するようにしている。
床版更新工事では、更新予定範囲の床版をワイヤーソー等の切断装置を用いて切断して桁から切り離す床版切断工事と、桁から切り離された床版を撤去する床版撤去工事とを繰り返した後に、床版が撤去された桁の上に新しい床版を接合する床版接合工事を行なわなければならないため、更新予定範囲の床版更新工事にかかる時間が長くなってしまう。
この場合、床版切断工事から床版接合工事が終了するまでの期間、道路を通行止めにしなくてはならないので、連続する通行止め期間が長期化して、道路の通行止めに伴う道路管理者及び道路使用者の不利益が大きくなってしまう。
そこで、床版を桁から切断した後、桁から切り離された床版を撤去するまでの間に、当該桁から切り離された床版を道路として供用できるようにして、橋梁上での交通解放期間を確保することを可能とするための方策として、桁から切り離された床版と桁とを合成するようにした合成化構造が知られている(特許文献1参照)。
当該合成化構造は、床版のハンチ部であって切断面に設けられたあと施工アンカーと、桁に設けられた締結材と、切断によりハンチ部に形成された隙間に打ち込まれた空間保持材と、この隙間に充填された充填材と、合成治具とを備えた構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-25288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された合成化構造においては、切断によりハンチ部に形成された隙間に空間保持材が配置された状態(即ち、特許文献1の図5(c)に示された状態)では、桁から切り離された床版を空間保持材によって安定に支持することはできない。
つまり、空間保持材と、あと施工アンカーと、桁に設けられた締結材と、隙間に充填されたモルタル等の充填材と、合成治具とを用いることで、桁から切り離された床版を安定に支持することができる合成化構造が構成されている。
従って、特許文献1に開示された合成化構造による床版支持構造では、構成部品が多いため、施工が煩雑になり、施工コストが嵩む等の課題があった。
また、特許文献1に開示された合成化構造の場合、床版が桁から切り離された後、合成化構造が完成するまでの間は、桁から切り離された床版を道路として供用できないので、道路を通行止めにしなくてはならない。
即ち、当該合成化構造では、桁から切り離された床版及び当該床版上を走行する車両の荷重を、空間保持材とモルタルとで分担して主桁全体に作用させることにより、床版を安定に支持することが可能な構造となっている。
従って、当該合成化構造を採用する場合には、合成治具を設置するとともに、作業切断によりハンチ部に形成された隙間にモルタルを充填し、かつ、当該モルタルが硬化して、当該硬化したモルタル及び合成治具によって床版が主桁に安定に支持された状態になるまで、桁から切り離された床版を道路として供用できないことになる。
このように、当該合成化構造を採用する場合には、床版を切断した後、合成化構造が完成するまでの工事期間中は、道路の通行止めが必要となるという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、構成部品を少なくでき、かつ、道路を通行止めにすることなく、桁から切り離された床版を道路として供用できる状態に施工可能な床版支持構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る床版支持構造は、橋梁の桁に接合されていた床版が水平方向に沿って切断され、桁から切り離された当該床版の荷重及び当該桁から切り離された床版上を走行する車両の荷重を桁に伝達するように構成された床版支持構造であって、床版の切断により発生した切断溝に設置された荷重伝達手段を介して当該切断された床版の荷重及び当該桁から切り離された床版上を走行する車両の荷重を桁に伝達するように構成され、荷重伝達手段は、切断溝に嵌入された荷重伝達板により構成されたことを特徴とする。
本発明に係る床版支持構造によれば、構成部品を少なくでき、かつ、道路を通行止めにすることなく、桁から切り離された床版を道路として供用できる状態に施工可能な床版支持構造を提供できるようになった。
また、荷重伝達板は、上下に重ねられた複数枚の板により構成されたことを特徴とするので、桁から切り離された床版をより安定に支持できる床版支持構造を提供できる。
また、板は、平板であることを特徴とするので、施工が容易となり、施工コストを抑制できるようになる。
また、荷重伝達板は、切断溝を橋軸直角方向に沿って貫通するように設置されたことを特徴とするので、桁から切り離された床版をさらに安定に支持できる床版支持構造を提供できる。
また、荷重伝達板は、切断溝の橋軸直角方向の一端側に位置される切断溝一端側開口から挿入されて切断溝幅方向中央位置近傍まで到達するように設置された一端側荷重伝達板と、切断溝の橋軸直角方向の他端側に位置される切断溝他端側開口から挿入されて切断溝幅方向中央位置近傍まで到達するように設置された他端側荷重伝達板と、を備えたことを特徴とするので、施工容易性が向上するとともに、桁から切り離された床版を安定に支持できる床版支持構造を提供できる。
また、一端側荷重伝達板、及び、他端側荷重伝達板は、それぞれ、切断溝内の切断溝幅方向中央位置近傍まで到達するように設置された下板と、切断溝内の切断溝幅方向中央位置近傍まで到達するように設置された上板と、切断溝に設置された下板と上板との間に嵌入されて切断溝内の切断溝幅方向中央位置近傍まで到達するように設置された中板とを備えたことを特徴とするので、桁から切り離された床版をより安定に支持できる床版支持構造を提供できる。
また、荷重伝達板を複数備え、複数の荷重伝達板が、切断溝の橋軸方向に沿って所定の間隔を隔てて設置されたことを特徴とするので、桁から切り離された床版をさらに安定に支持できる床版支持構造を提供できる。
また、切断溝の橋軸方向に沿って所定の間隔を隔てて隣り合うように設置された一方の荷重伝達板と他方の荷重伝達板との間の切断溝内に注入された充填材を備えたことを特徴とするので、桁から切り離された床版を、長期間に渡って、安定に支持できる床版支持構造を構築できるようになり、桁から切り離された床版を道路として供用する期間が長期間に渡るような場合に適した床版支持構造を提供できる。
また、切断溝の橋軸方向に沿って所定の間隔を隔てて隣り合うように設置された一方の荷重伝達板と他方の荷重伝達板との間の充填材が注入されている切断溝内に設置された板材を備えたことを特徴とするので、桁から切り離された床版を、長期間に渡って、より安定に支持できる床版支持構造を構築できるようになり、桁から切り離された床版を道路として供用する期間が長期間に渡るような場合に適した床版支持構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明に係る床版支持構造を採用した橋梁を示す図であり、(a)は床版支持構造を橋梁の上方から見た図、(b)は(a)のA-A断面図(断面ハッチングは省略)。
床版支持構造を示す図であり、(a)は切断溝に嵌入された荷重伝達板を切断溝内の上方から見た図、(b)は床版支持構造を示す断面図(断面ハッチングは省略)(実施形態1)。
切断溝の橋軸方向に沿って所定の間隔を隔てて設置された複数の荷重伝達板の配置を切断溝内の上方から見た図(実施形態1)。
切断溝の橋軸方向に沿って所定の間隔を隔てて設置された複数の荷重伝達板と荷重伝達板間に設置された板材との配置を切断溝内の上方から見た図(実施形態2)。
床版支持構造の施工方法を示す図((b),(d),(f)の断面図の断面ハッチングは省略)(実施形態2)。
床版支持構造を示す図であり、(a)は切断溝に嵌入された荷重伝達板を切断溝内の上方から見た図、(b)は床版支持構造を示す断面図(断面ハッチングは省略)(実施形態3)。
切断溝の橋軸方向に沿って所定の間隔を隔てて設置された複数の荷重伝達板の配置を切断溝内の上方から見た図(実施形態3)。
床版支持構造を示す図であり、(a)は切断溝に嵌入された荷重伝達板を上方から見た図、(b)は床版支持構造を示す断面図(断面ハッチングは省略)(実施形態6)。
切断溝の橋軸方向に沿って所定の間隔を隔てて設置された複数の荷重伝達板と荷重伝達板間に設置された板材との配置を切断溝内の上方から見た図(実施形態7)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示すように、本発明に係る床版支持構造1は、橋梁100の桁2に接合されていた床版3が水平方向(橋梁100の橋軸方向X及び橋梁100の橋軸直角方向Y)に沿って切断され、桁2から切り離された当該床版3の荷重及び当該桁から切り離された床版3上を走行する車両の荷重を桁2に伝達するように構成された床版支持構造であって、床版3の切断により発生した切断溝31に設置された荷重伝達手段を介して当該切断された床版3の荷重及び当該桁から切り離された床版上を走行する車両の荷重を桁2に伝達するように構成され、荷重伝達手段は、切断溝31に嵌入された荷重伝達板10により構成されている。
荷重伝達板10は、例えばハンマー等を用いて、切断溝31に叩き込むようにして切断溝31に嵌入される。
尚、以下、切断されて桁2から切り離された床版3のことを、「切離床版3」という。
本発明に係る床版支持構造によれば、構成部品としては切断溝31に嵌入された荷重伝達板10だけであり、構成部品が少なくなるので、施工性が向上するとともに、施工コスト抑制効果が得られる。
また、床版3が橋梁100の橋軸方向Xに沿って後述する所定の長さだけ切断された後直ぐに当該切離床版3を安定に支持できる床版支持構造が確立されるので、道路を通行止めにすることなく、桁から切り離された床版を道路として供用できる状態に施工可能な床版支持構造を提供できるようになった。
【0008】
図1に示すように、橋梁100は、道路橋、鉄道橋、水路橋等であり、当該橋梁100は、床版3が桁2を介して橋脚2F(図1(b)参照)により支持された構成であり、床版3の切断対象部位30において床版3が切断されて床版3が桁2から切り離された後は、当該切離床版3が本発明に係る床版支持構造1により支持されて、当該切離床版3を道路として供用できるようになる。
尚、桁2としては、図1(b)に示すように、箱形(断面ロ形)の主桁2A、I形(断面I形)の主桁2B等がある。
【0009】
実施形態1
図2に示すように、実施形態1に係る床版支持構造1では、床版3の切断により発生した切断溝31に嵌入された荷重伝達板10を介して切離床版3の荷重及び当該切離床版3上を走行する車両の荷重を桁に伝達するように構成された床版支持構造において、荷重伝達板10が、上下に重ねられた複数枚の板、例えば、下板11と上板12とで構成されたものとした。
下板11は、切断溝31を橋軸直角方向Yに沿って貫通するように切断溝31に設置されて下面が切断溝31の溝下面(切断溝31の下側切断面)31aと接触する例えば平板により構成される。
上板12は、下板11と切離床版3の下面となる切断溝31の溝上面(切断溝31の上側切断面)31bとの間に嵌入された例えば平板により構成される。
尚、実際には、切断溝31の溝下面(切断溝31の下側切断面)31a、及び、切断溝31の溝上面(切断溝31の上側切断面)31bの面精度(切削精度)は一定にはならないので、下板11と切断溝31の溝下面31aとの接触、上板12と切断溝31の溝上面31bとの接触は、全面接触とはなり難い。
【0010】
上板12は、例えば、切断溝31の橋軸直角方向Yの一端側に位置される切断溝一端側開口31L側において、切断溝31に設置されている下板11と切離床版3の下面(切断溝31の溝上面31b)との間に嵌入された一端側上板12Aと、切断溝31の橋軸直角方向Yの他端側に位置される切断溝他端側開口31R側において、切断溝31に嵌入されている下板11と切離床版3の下面(切断溝31の溝上面31b)との間に嵌入された他端側上板12Bとで構成される。
(【0011】以降は省略されています)

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