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公開番号
2025075650
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-15
出願番号
2023186959
出願日
2023-10-31
発明の名称
核酸の増幅方法、標的核酸の存在状態の判定方法、標的核酸が由来する生物の存在状態の判定方法、標的核酸が由来する生物の同定方法、及び標的核酸の存在状態を判定するためのキット
出願人
三井化学株式会社
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
C12Q
1/6844 20180101AFI20250508BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】検出感度の高い、核酸の増幅方法、標的核酸の存在状態の判定方法、標的核酸が由来する生物の存在状態の判定方法、標的核酸が由来する生物の同定方法、及び標的核酸の存在状態を判定するためのキットを提供する。
【解決手段】(1)標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸と、(2)前記標的核酸中の7塩基以上の連続領域に対して配列相補性を有する第1鋳型標的認識領域を含む第1鋳型核酸と、(3)前記標的核酸中の7塩基以上の連続領域に対して配列同一性を有する第2鋳型標的対応領域を含む第2鋳型核酸と、(4)ポリメラーゼと、(5)ニック形成酵素と、(6)ラムダエキソヌクレアーゼと、を混合することを含む、核酸の増幅方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
(1)標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸と、
(2)前記標的核酸中の7塩基以上の連続領域に対して配列相補性を有する第1鋳型標的認識領域を含む第1鋳型核酸と、
(3)前記標的核酸中の7塩基以上の連続領域に対して配列同一性を有する第2鋳型標的対応領域を含む第2鋳型核酸と、
(4)ポリメラーゼと、
(5)ニック形成酵素と、
(6)ラムダエキソヌクレアーゼと、を混合することを含み、
前記第2鋳型核酸が、上流から順に、安定化領域と、ニック形成部位と、前記第2鋳型標的対応領域と、を含み、
前記標的核酸は、上流から順に、第2鋳型核酸に対して配列同一性を有する領域と、第1鋳型核酸に対して配列相補性を有する領域と、を含み、
前記ニック形成酵素は、前記第2鋳型核酸のみにおいてニックを形成し得る、
核酸の増幅方法。
続きを表示(約 940 文字)
【請求項2】
前記第2鋳型核酸が、上流から順に、安定化領域と、ニック形成部位と、付加領域と、前記第2鋳型標的対応領域と、を含む、請求項1に記載の核酸の増幅方法。
【請求項3】
前記第1鋳型核酸が、上流から順に、付加領域と、前記第1鋳型標的認識領域と、を含む、請求項1又は請求項2に記載の核酸の増幅方法。
【請求項4】
前記第2鋳型核酸において、安定化領域における3塩基以上の連続領域と、前記3塩基以上の連続領域よりも下流に存在する連続領域とが、配列相補性を有してヘアピン構造を形成することが可能である、請求項1又は請求項2に記載の核酸の増幅方法。
【請求項5】
前記第2鋳型核酸における安定化領域のTm値が30℃以上である、請求項1又は請求項2に記載の核酸の増幅方法。
【請求項6】
前記第2鋳型核酸において、
(1)5’末端の連続する2塩基、
(2)3’末端の連続する2塩基、
(3)ニック形成酵素のニッキングにより生じ得る5’末端の連続する2塩基、及び
(4)ニック形成酵素のニッキングにより生じ得る3’末端の連続する2塩基が、
互いに、配列同一性及び配列相補性のいずれも有さない、請求項1又は請求項2に記載の核酸の増幅方法。
【請求項7】
前記第1鋳型核酸の3’末端と前記第2鋳型核酸の3’末端とを前記標的核酸に対してアラインメントした場合、前記第1鋳型標的認識領域と前記第2鋳型標的対応領域とは、1塩基以上の間隔を有して配置されるか、間隔無く接するか、又は1塩基以上重複して配置されるか、である、請求項1又は請求項2に記載の核酸の増幅方法。
【請求項8】
前記第2鋳型核酸において、3’末端は修飾されている、請求項1又は請求項2に記載の核酸の増幅方法。
【請求項9】
前記ポリメラーゼが鎖置換活性を有する、請求項1又は請求項2に記載の核酸の増幅方法。
【請求項10】
前記混合により等温増幅反応が起こる、請求項1又は請求項2に記載の核酸の増幅方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、核酸の増幅方法、標的核酸の存在状態の判定方法、標的核酸が由来する生物の存在状態の判定方法、標的核酸が由来する生物の同定方法、及び標的核酸の存在状態を判定するためのキットに関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
核酸の検出は、医療分野及び生物学の分野をはじめとした、幅広い技術分野で用いられている。核酸の高感度な検出方法としては、PCR(Polymerase Chain Reaction)等の核酸増幅を用いる方法が一般的に知られている。また、温度サイクルを必要とするPCRに代わり、SDA法(Strand Displacement Amplification;鎖置換型増幅法)、NEAR法(Nicking Enzyme Amplification Reaction;反応様式はSDA法に包含されるので、ここではSDA法の一種とみなす)、EXPAR法(Exponential Amplification Reaction)、LAMP法(Loop-Mediated Isothermal Amplification)、及びICAN法(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)等の等温増幅反応を用いる方法も知られている。
【0003】
等温増幅反応は、PCRのように反応温度を上下させる必要が無く、一定温度で遺伝子を増幅できることから、反応速度が速い。さらに、等温増幅反応は、PCRのような精緻な温度制御が不要であるため、検査装置の小型化及び簡易化が容易であり、クリニック、食品検査、野外検査といった現場検査(オンサイト検査)における活用が期待されている。そして、等温増幅反応を利用した上記方法の中でも、SDA法及びEXPAR法は、ニック形成酵素を使用する方法である。そのため、特に、SDA法及びEXPAR法は、低分子の増幅が可能であり反応速度が速いこと、鋳型の構成がシンプルであり鋳型の設計が容易であること、及び37℃以下でも反応可能であること等から、POCT(Point Of Care Testing;臨床現場即時検査)化に適している。
【0004】
例えば、特許文献1には、SDA法の一つとして、ニック形成部位を有する第1鋳型と、ニック形成部位を有する第2鋳型と、の2種類の鋳型を用いて、実質的な等温条件下でヌクレオチド配列を増幅する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2010-533494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1においては、目的のヌクレオチド配列の増幅と共に非特異的な核酸増幅(以下、「バックグラウンド増幅」とも記す。)も発生し、これが不十分な感度の原因となっていた。本開示は上記に鑑みてなされたものであり、本開示は、従来のSDA法及びEXPAR法と比較して、検出感度の高い、核酸の増幅方法、標的核酸の存在状態の判定方法、標的核酸が由来する生物の存在状態の判定方法、標的核酸が由来する生物の同定方法、及び標的核酸の存在状態を判定するためのキットの提供に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の態様が含まれる。
<1> (1)標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸と、
(2)前記標的核酸中の7塩基以上の連続領域に対して配列相補性を有する第1鋳型標的認識領域を含む第1鋳型核酸と、
(3)前記標的核酸中の7塩基以上の連続領域に対して配列同一性を有する第2鋳型標的対応領域を含む第2鋳型核酸と、
(4)ポリメラーゼと、
(5)ニック形成酵素と、
(6)ラムダエキソヌクレアーゼと、を混合することを含み、
前記第2鋳型核酸が、上流から順に、安定化領域と、ニック形成部位と、前記第2鋳型標的対応領域と、を含み、
前記標的核酸は、上流から順に、第2鋳型核酸に対して配列同一性を有する領域と、第1鋳型核酸に対して配列相補性を有する領域と、を含み、
前記ニック形成酵素は、前記第2鋳型核酸のみにおいてニックを形成し得る、
核酸の増幅方法。
<2> 前記第2鋳型核酸が、上流から順に、安定化領域と、ニック形成部位と、付加領域と、前記第2鋳型標的対応領域と、を含む、<1>に記載の核酸の増幅方法。
<3> 前記第1鋳型核酸が、上流から順に、付加領域と、前記第1鋳型標的認識領域と、を含む、<1>又は<2>に記載の核酸の増幅方法。
<4> 前記第2鋳型核酸において、安定化領域における3塩基以上の連続領域と、前記3塩基以上の連続領域よりも下流に存在する連続領域とが、配列相補性を有してヘアピン構造を形成することが可能である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の核酸の増幅方法。
<5> 前記第2鋳型核酸における安定化領域のTm値が30℃以上である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の核酸の増幅方法。
<6> 前記第2鋳型核酸において、
(1)5’末端の連続する2塩基、
(2)3’末端の連続する2塩基、
(3)ニック形成酵素のニッキングにより生じ得る5’末端の連続する2塩基、及び
(4)ニック形成酵素のニッキングにより生じ得る3’末端の連続する2塩基が、
互いに、配列同一性及び配列相補性のいずれも有さない、<1>~<5>のいずれか1つに記載の核酸の増幅方法。
<7> 前記第1鋳型核酸の3’末端と前記第2鋳型核酸の3’末端とを前記標的核酸に対してアラインメントした場合、前記第1鋳型標的認識領域と前記第2鋳型標的対応領域とは、1塩基以上の間隔を有して配置されるか、間隔無く接するか、又は1塩基以上重複して配置されるか、である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の核酸の増幅方法。
<8> 前記第2鋳型核酸において、3’末端は修飾されている、<1>~<7>のいずれか1つに記載の核酸の増幅方法。
<9> 前記ポリメラーゼが鎖置換活性を有する、<1>~<8>のいずれか1つに記載の核酸の増幅方法。
<10> 前記混合により等温増幅反応が起こる、<1>~<9>のいずれか1つに記載の核酸の増幅方法。
<11> 前記等温増幅反応は20℃~50℃で起こる、<10>に記載の核酸の増幅方法。
<12> 前記標的核酸はDNAである、<1>~<11>のいずれか1つに記載の核酸の増幅方法。
<13> 前記標的核酸はRNAである、<1>~<11>のいずれか1つに記載の核酸の増幅方法。
<14> 標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸を含む試料を用いて、<1>~<13>のいずれか1つに記載の核酸の増幅方法により、核酸を増幅することと、
前記核酸が増幅されたことを検出することと、を含む、
試料中の標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸の存在状態の判定方法。
<15> <14>に記載の試料中の標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸の存在状態の判定方法により、標的核酸が由来する生物の存在状態を判定する、
標的核酸が由来する生物の存在状態の判定方法。
<16> <14>に記載の試料中の標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸の存在状態の判定方法により、標的核酸が由来する生物を同定する、
標的核酸が由来する生物の同定方法。
<17> 標的核酸中の7塩基以上の連続領域に対して配列相補性を有する第1鋳型標的認識領域を含む第1鋳型核酸を含む容器と、
前記標的核酸中の7塩基以上の連続領域に対して配列同一性を有する第2鋳型標的対応領域を含む第2鋳型核酸を含む容器と、
ポリメラーゼを含む容器と、
ニック形成酵素を含む容器と、
ラムダエキソヌクレアーゼを含む容器と、を備える、
試料中の標的ヌクレオチド配列を有する標的核酸の存在状態を判定するためのキット。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、従来のSDA法及びEXPAR法と比較して、検出感度の高い、核酸の増幅方法、標的核酸の存在状態の判定方法、標的核酸が由来する生物の存在状態の判定方法、標的核酸が由来する生物の同定方法、及び標的核酸の存在状態を判定するためのキットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、標的核酸と第1鋳型核酸と第2鋳型核酸との関係を示す模式図である。
図2は、本開示の増幅方法の推定メカニズムを示す模式図である。
図3は、本開示の増幅方法により得られる、核酸の増幅曲線のデータの例である。
図4は、第1鋳型核酸がヘアピン構造を形成した場合の、ヘアピン構造の一例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の開示において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。
(【0011】以降は省略されています)
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