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公開番号2025088442
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023203148
出願日2023-11-30
発明の名称洗剤及びその製造方法
出願人ケイナンクリーン株式会社
代理人個人
主分類C11D 7/26 20060101AFI20250604BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】界面活性剤を含まず、副生グリセリンを含む洗剤において、粘性及び洗浄力が高い洗剤を提供すること。
【解決手段】バイオディーゼル燃料製造の副産物である副生グリセリンを用いた洗剤であって、副生グリセリンと、酢酸リナリルと、リナロールとを含有し、界面活性剤を含有しない洗剤とする。また、バイオディーゼル燃料製造の副産物である副生グリセリンを用いた洗剤であって、副生グリセリンと、ラベンダー精油とを含有し、界面活性剤を含有しない洗剤とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
バイオディーゼル燃料製造の副産物である副生グリセリンを用いた洗剤であって、
前記副生グリセリンと、酢酸リナリルと、リナロールとを含有し、界面活性剤を含有しない、洗剤。
続きを表示（約 420 文字）【請求項２】
バイオディーゼル燃料製造の副産物である副生グリセリンを用いた洗剤であって、
前記副生グリセリンと、ラベンダー精油とを含有し、界面活性剤を含有しない、洗剤。
【請求項３】
酢酸リナリルの含有量が０．０５～１．０質量％である、請求項１又は２に記載の洗剤。
【請求項４】
ｐＨが７．２～１１．０である、請求項１又は２に記載の洗剤。
【請求項５】
洗剤の製造方法であって、
前記洗剤は界面活性剤を含まず、
バイオディーゼル燃料製造の副産物である副生グリセリンと、酢酸リナリルと、リナロールとを混合する工程を含む、洗剤の製造方法。
【請求項６】
洗剤の製造方法であって、
前記洗剤は界面活性剤を含まず、
バイオディーゼル燃料製造の副産物である副生グリセリンと、ラベンダー精油とを混合する工程を含む、洗剤の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、洗剤及びその製造方法に関し、詳しくは、バイオディーゼル燃料の製造過程における副産物である副生グリセリンを洗剤の成分として利用する技術に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
バイオディーゼル燃料は、廃食用油等の油脂を原料としたディーゼルエンジン用の燃料であり、カーボンニュートラル等の観点から化石燃料の代替燃料として注目されている。バイオディーゼル燃料は、工業的には主に、油脂とアルコールとのエステル交換反応により製造されている。バイオディーゼル燃料の製造過程では、油脂の主成分であるトリグリセリドを低分子化することによってバイオディーゼル燃料となる脂肪酸アルキルエステルを生成する。その際、副産物としてグリセリン廃液が生成される。グリセリン廃液は不純物を多く含むことから、従来では廃棄されることが多かった。
【０００３】
これに対し、近年、バイオディーゼル燃料の製造過程において生成するグリセリン廃液を有効利用する試みが種々行われている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１には、廃植物油を原料とするバイオディーゼル燃料の製造工程において副生される粗グリセリンを洗剤の材料として用いることが開示されている。具体的には、特許文献１に記載のものでは、軟水にアルカリ触媒として苛性ソーダと苛性カリとを加えて溶かし込むことにより第一の溶液を作り、第一の溶液を粗グリセリンに加えて撹拌しながら溶かし込んだ後に練り上げることにより第二の溶液を作り、第二の溶液に更に軟水を加えて撹拌することにより第三の溶液を作り、第三の溶液を沸騰するまで加熱した後に冷却することにより洗剤を得ている。この特許文献１の洗剤は界面活性剤を含まないことから、環境への影響を少なくできるというメリットがある。
【０００４】
また、本出願人は、廃食用油を原料にしてバイオディーゼル燃料を製造するとともに、バイオディーゼル燃料の製造過程において副生するグリセリン廃液を活用して、自然由来で界面活性剤不使用の洗剤である商品名グリポン（登録商標）を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０１６－３７５２３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、界面活性剤を含まない洗剤は粘性が低く、汚れた箇所に吹き付けた洗剤が直ぐに広がったり液だれしたりしてしまう。この場合、頑固な汚れに対して洗剤が十分に接触せず、グリセリン由来の洗浄力を十分に発揮できないことが懸念される。
【０００７】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、界面活性剤を含まず、副生グリセリンを含む洗剤において、粘性及び洗浄力が高い洗剤を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明者らは、バイオディーゼル燃料の製造過程において副生する副生グリセリンの粘性を上げることが可能な天然成分を種々検討した。その結果、副生グリセリンに特定の成分を配合することにより、グリセリンにより発揮される洗浄力を高度に保ちながら洗剤の粘性を上げることができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明によれば以下の手段が提供される。
【０００９】
〔１〕バイオディーゼル燃料製造の副産物である副生グリセリンを用いた洗剤であって、前記副生グリセリンと、酢酸リナリルと、リナロールとを含有し、界面活性剤を含有しない、洗剤。
〔２〕バイオディーゼル燃料製造の副産物である副生グリセリンを用いた洗剤であって、前記副生グリセリンと、ラベンダー精油とを含有し、界面活性剤を含有しない、洗剤。
〔３〕酢酸リナリルの含有量が０．０５～１．０％である、上記〔１〕又は〔２〕に記載の洗剤。
〔４〕ｐＨが７．２～１１．０である、上記〔１〕～〔３〕のいずれかの洗剤。
〔５〕洗剤の製造方法であって、前記洗剤は界面活性剤を含まず、バイオディーゼル燃料製造の副産物である副生グリセリンと、酢酸リナリルと、リナロールとを混合する工程を含む、洗剤の製造方法。
〔６〕洗剤の製造方法であって、前記洗剤は界面活性剤を含まず、バイオディーゼル燃料製造の副産物である副生グリセリンと、ラベンダー精油とを混合する工程を含む、洗剤の製造方法。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、界面活性剤を含まず、副生グリセリンを含むものとしながら、高い粘性と高い洗浄力とを発揮する洗剤を得ることができる。また、本発明の洗剤は、酢酸リナリルとリナロールとを含有することにより、副生グリセリンに由来する臭いを和らげることができ、香りのよい洗剤とすることができる。さらに、環境にもやさしい洗剤とすることができる。
【図面の簡単な説明】
（【００１１】以降は省略されています）

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