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公開番号2025090870
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2022067683
出願日2022-04-15
発明の名称ヒートポンプサイクル装置
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人かいせい特許事務所
主分類F25B 1/00 20060101AFI20250611BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】運転モードを切り替えても、圧縮機を適切に保護することが可能なヒートポンプサイクル装置を提供する。
【解決手段】ヒートポンプサイクル装置である車両用空調装置1は、アキュムレータ23と、圧縮機11と、運転モード切替部と、を備える。運転モード切替部は、第1運転モードと、アキュムレータ23内の冷媒圧力である吸入側冷媒圧力PSが第1運転モード時よりも低くなる第2運転モードと、を切り替える。第1運転モードに切り替えている際に冷媒が流通しない冷媒流路には、冷媒を流入させることが可能な回収用流路24が形成されている。運転モード切替部が運転モードを、第1運転モードから第2運転モードへ切り替える際に、冷媒を回収用流路24へ流入させることによって、アキュムレータ23内の液相冷媒量を低減させる液量低減制御を行う。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
冷媒の気液を分離して分離された液相冷媒を蓄えるアキュムレータ(23)と、
前記アキュムレータにて分離された気相冷媒を吸入して圧縮する圧縮機(11)と、
運転モードを切り替える運転モード切替部(14a~14d、22a、22b、43)と、を備え、
前記運転モード切替部が切替可能な運転モードとして、第1運転モードと、前記アキュムレータ内の冷媒圧力である吸入側冷媒圧力(PS)が前記第1運転モード時よりも低くなる第2運転モードと、を有し、
前記運転モード切替部が前記第1運転モードに切り替えている際に前記冷媒が流通しない冷媒流路には、前記冷媒を流入させることが可能な回収用流路(24、24a)が形成されており、
前記運転モード切替部が前記運転モードを、前記第1運転モードから前記第2運転モードへ切り替える際に、前記冷媒を前記回収用流路へ流入させることによって前記アキュムレータ内の液相冷媒量を低減させる液量低減制御を行うヒートポンプサイクル装置。
続きを表示(約 3,100 文字)【請求項2】
前記回収用流路は、前記第1運転モード時に高圧側の前記冷媒が流通する部位と低圧側の前記冷媒が流通する部位とを接続可能に形成されている請求項1に記載のヒートポンプサイクル装置。
【請求項3】
前記回収用流路は、前記第2運転モード時に前記冷媒が流通する部位に形成されている請求項1または2に記載のヒートポンプサイクル装置。
【請求項4】
前記圧縮機から吐出された前記冷媒の流れを分岐する吐出側分岐部(12a)と、
前記吐出側分岐部の一方の流出口から流出した前記冷媒を熱源として加熱対象物を加熱する加熱部(13、30)と、
前記吐出側分岐部の他方の流出口から流出した前記冷媒を流通させるバイパス通路(21a)と、
外気が有する外気側熱を前記冷媒に吸熱させる外気用吸熱部(15)と、を備え、
前記運転モード切替部は、前記外気用吸熱部へ流入する冷媒を減圧させる外気用減圧部(14a)、および前記バイパス通路を流通する前記冷媒の流量を調整するバイパス側流量調整部(14d)を有し、
前記運転モード切替部は、
前記第1運転モード時には、前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記吐出側分岐部、前記加熱部、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の順に循環するとともに、前記吐出側分岐部、前記バイパス通路、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替え、
前記第2運転モード時には、前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記加熱部、前記外気用減圧部、前記外気用吸熱部、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替える請求項1に記載のヒートポンプサイクル装置。
【請求項5】
前記圧縮機から吐出された前記冷媒を熱源として加熱対象物を加熱する加熱部(13、30)と、
外気が有する外気側熱を前記冷媒に吸熱させる外気用吸熱部(15)と、
作動時に発熱する発熱機器(70)が発生させた機器側熱を前記冷媒に吸熱させる機器用吸熱部(20)と、を備え、
前記運転モード切替部は、前記外気用吸熱部へ流入する冷媒を減圧させる外気用減圧部(14a)、および前記機器用吸熱部へ流入する冷媒を減圧させる機器用減圧部(14c)を有し、
前記運転モード切替部は、
前記第1運転モード時には、前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記加熱部、前記機器用減圧部、前記機器用吸熱部、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の循環する冷媒回路に切り替え、
前記第2運転モード時には、前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記加熱部、前記外気用減圧部、前記外気用吸熱部、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の循環する冷媒回路に切り替える請求項1に記載のヒートポンプサイクル装置。
【請求項6】
前記外気用減圧部および前記外気用吸熱部は、前記回収用流路を形成しており、
前記液量低減制御では、前記外気用減圧部を開く請求項4または5に記載のヒートポンプサイクル装置。
【請求項7】
前記圧縮機から吐出された前記冷媒の流れを分岐する吐出側分岐部(12a)と、
前記吐出側分岐部の一方の流出口から流出した前記冷媒を熱源として加熱対象物を加熱する加熱部(13、30)と、
前記吐出側分岐部の他方の流出口から流出した前記冷媒を流通させるバイパス通路(21a)と、
作動時に発熱する発熱機器(70)が発生させた機器側熱を前記冷媒に吸熱させる機器用吸熱部(20)と、を備え、
前記運転モード切替部は、前記機器用吸熱部(20)へ流入する冷媒を減圧させる機器用減圧部(14c)、および前記バイパス通路を流通する前記冷媒の流量を調整するバイパス側流量調整部(14d)を有し、
前記運転モード切替部は、
前記第1運転モード時には、前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記吐出側分岐部、前記加熱部、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の順に循環するとともに、前記吐出側分岐部、前記バイパス通路、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替え、
前記第2運転モード時には、前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記加熱部、前記機器用減圧部、前記機器用吸熱部、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替える請求項1に記載のヒートポンプサイクル装置。
【請求項8】
前記圧縮機から吐出された前記冷媒の流れを分岐する吐出側分岐部(12a)と、
前記吐出側分岐部の一方の流出口から流出した前記冷媒を熱源として加熱対象物を加熱する加熱部(13、30a)と、
前記吐出側分岐部の他方の流出口から流出した前記冷媒を流通させるバイパス通路(21a)と、
作動時に発熱する発熱機器(70)が発生させた機器側熱、および外気が有する外気側熱の少なくとも一方を前記冷媒に吸熱させる共用吸熱部(20)と、を備え、
前記運転モード切替部は、前記共用吸熱部へ流入する冷媒を減圧させる共用減圧部(14c)、前記バイパス通路を流通する前記冷媒の流量を調整するバイパス側流量調整部(14d)、および前記共用吸熱部にて前記冷媒に吸熱させる熱における前記外気側熱と前記機器側熱との割合を調整する吸熱割合調整部(43)を有し、
前記運転モード切替部は、
前記第1運転モード時には、前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記吐出側分岐部、前記加熱部、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の順に循環するとともに、前記吐出側分岐部、前記バイパス通路、前記アキュムレータ、圧縮機の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替え、さらに、前記共用吸熱部における前記冷媒の吸熱を停止させ、
前記第2運転モード時には、前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記加熱部、前記共用減圧部、前記共用吸熱部、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替え、さらに、前記共用吸熱部にて前記外気が有する熱および前記発熱機器が発生させた熱の少なくとも一方を前記冷媒に吸熱させる請求項1に記載のヒートポンプサイクル装置。
【請求項9】
前記圧縮機から吐出された前記冷媒を熱源として加熱対象物を加熱する加熱部(13、30a)と、
外気が有する外気側熱および作動時に発熱する発熱機器(70)が発生させた機器側熱の少なくとも一方を前記冷媒に吸熱させる共用吸熱部(20)と、を備え、
前記運転モード切替部は、前記共用吸熱部へ流入する冷媒を減圧させる共用減圧部(14c)、および前記共用吸熱部にて前記冷媒に吸熱させる熱における前記外気側熱と前記機器側熱との割合を調整する吸熱割合調整部(43)を有し、
前記運転モード切替部は、
前記第1運転モード時には、前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記加熱部、前記共用減圧部、前記共用吸熱部、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替え、さらに、前記共用吸熱部にて前記機器側熱を前記冷媒に吸熱させ、
前記第2運転モード時には、前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記加熱部、前記共用減圧部、前記共用吸熱部、前記アキュムレータ、前記圧縮機の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替え、さらに、前記共用吸熱部にて前記外気側熱を前記冷媒に吸熱させる請求項1に記載のヒートポンプサイクル装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アキュムレータを備え、運転モードを切替可能に構成されたヒートポンプサイクル装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に、アキュムレータを備え、運転モードを切替可能に構成されたヒートポンプサイクル装置が開示されている。アキュムレータは、冷媒の気液を分離して、分離された気相冷媒を圧縮機の吸入口側へ流出させるとともに、分離された液相冷媒をサイクルの余剰冷媒として蓄えるための低圧側の気液分離器である。
【0003】
特許文献1のヒートポンプサイクル装置は、車両用空調装置に適用されており、ホットガス暖房モード、外気吸熱暖房モード等の運転モードを切替可能に構成されている。
【0004】
より具体的には、特許文献1のヒートポンプサイクル装置では、ホットガス暖房モード時に、圧縮機から吐出された吐出冷媒の一部を加熱部へ流入させる冷媒回路に切り替える。加熱部は、吐出冷媒を熱源として、車室内へ送風される送風空気を加熱する。さらに、加熱部から流出した冷媒と圧縮機から吐出された残余の吐出冷媒とを、それぞれ減圧させた後に合流させてアキュムレータへ流入させる冷媒回路に切り替える。
【0005】
また、外気吸熱暖房モード時には、吐出冷媒の全部を加熱部へ流入させる冷媒回路に切り替える。さらに、加熱部から流出した冷媒を減圧させ、減圧させた冷媒に外気の有する外気側熱を吸熱させてアキュムレータへ流入させる冷媒回路に切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-156567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1のホットガス暖房モードにおいて、加熱部における送風空気の加熱能力を向上させるためには、圧縮機の吐出流量を増加させる手段が有効である。圧縮機の吐出流量を増加させるためには、低圧側冷媒の圧力を上昇させて、圧縮機へ吸入される冷媒の吸入密度を増加させる必要がある。つまり、ホットガス暖房モード時に、加熱部における送風空気の加熱能力を向上させるためには、アキュムレータ内の冷媒圧力を上昇させる必要がある。
【0008】
一方、特許文献1の外気吸熱暖房モードにおいて、加熱部における送風空気の加熱能力を向上させるためには、低圧側冷媒の外気からの吸熱量を増加させることが有効である。低圧側冷媒の外気からの吸熱量を増加させるためには、低圧側冷媒の飽和温度を低下させる必要がある。つまり、外気吸熱暖房モード時に、加熱部における送風空気の加熱能力を向上させるためには、アキュムレータ内の冷媒圧力を低下させる必要がある。
【0009】
このため、特許文献1のヒートポンプサイクル装置では、ホットガス暖房モードから外気吸熱暖房モードへ切り替えた際に、アキュムレータ内の冷媒圧力が急激に低下してしまう可能性がある。
【0010】
そして、アキュムレータ内の冷媒圧力が急激に低下してしまうと、アキュムレータ内の液相冷媒が急激に沸騰して液相冷媒を巻き上げてしまう、いわゆるフォーミング現象が生じてしまうことがある。このようなフォーミング現象が生じると、圧縮機が乾き度の低い冷媒を吸入してしまい、液圧縮によって圧縮機の耐久寿命に悪影響を与えてしまう。
(【0011】以降は省略されています)

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