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公開番号
2025092514
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2025041317,2024071294
出願日
2025-03-14,2023-06-30
発明の名称
親水化処理エアロゲル粒子を含む水性スラリー及びこれを用いた抄紙用懸濁液
出願人
井前工業株式会社
代理人
個人
主分類
C01B
33/152 20060101AFI20250612BHJP(無機化学)
要約
【課題】 本発明は、軽量薄型の断熱・遮炎シートを提供するための抄紙用懸濁液、及びこれに用いる親水化処理エアロゲルスラリーを提供する。
【解決手段】 疎水性エアロゲル粒子の表面の表面の少なくとも一部が、複数の水酸基を有する親水性高分子で被覆された親水化処理エアロゲル粒子を含む水性スラリー。当該水性スラリーと無機繊維とを含む抄紙用懸濁液。かかる抄紙用懸濁液を湿式抄紙することにより得られるシートは、軽量薄型で優れた断熱性、遮炎性を有する。
【選択図】 図7
特許請求の範囲
【請求項1】
疎水性エアロゲル粒子の表面の表面の少なくとも一部が、複数の水酸基を有する親水性高分子で被覆された親水化処理エアロゲル粒子を含む水性スラリー。
続きを表示(約 530 文字)
【請求項2】
前記疎水性エアロゲル粒子は、平均粒径5~200μmで且つ水に対する濡れ角度が100°以上であるシリカエアロゲルである請求項1に記載の水性スラリー。
【請求項3】
前記親水性高分子は、水溶性高分子である請求項1に記載の水性スラリー。
【請求項4】
前記疎水性エアロゲル粒子の粒子密度は、100~200g/cm
3
である請求項1に記載の水性スラリー。
【請求項5】
疎水性エアロゲルに対する前記親水性高分子の含有比率は、親水性高分子/疎水性エアロゲル粒子(重量比)で1/2~1/100である請求項1に記載の水性スラリー。
【請求項6】
前記水性スラリーに含まれる有機溶剤及び/又は界面活性剤の含有率は、10重量%未満である請求項1に記載の水性スラリー。
【請求項7】
親水性高分子の水溶液に、表面が疎水性で、平均粒径5~200μmのシリカエアロゲル粒子を添加混合する工程を含む請求項1~6のいずれかに記載の水性スラリーの製造方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の水性スラリーと、無機繊維とを含む抄紙用懸濁液。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、親水化処理エアロゲル粒子を含む水性スラリー及びこれを用いた抄紙用懸濁液に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
電動モータで駆動する電気自動車又はハイブリッド車等には、駆動用電動モータの電源として、複数の電池セルが直列又は並列に接続、モジュール化された組電池が搭載されている。この電池セルには、高容量かつ高出力が可能なリチウムイオン二次電池が主に用いられている。
【0003】
電池の内部短絡や過充電等が原因で、ある電池セルが急激に昇温し、熱暴走を起こした場合、隣接する他の電池セルに伝播して、連鎖的に隣接する電池セルの熱暴走を引き起こしたり、熱暴走を起こした電池セルから高温のリチウム電解液が噴出するなどにより、発火等の大事故を引き起こすおそれがある。
このため、組電池では、ある電池セルが熱暴走したときに、隣接するセルに伝播する熱を抑制、さらには火炎による延焼を抑制するための技術として、例えば、図1に示すように、電池セル11、11間に断熱・遮炎シート10を介在させることが提案されている。複数個の電池セルは、通常、まとめて筐体12内に収納される。
【0004】
また、電池モジュールのパッケージングとしては、例えば、図2に示すように、角型の電池セル11’を並列させて、筐体12’に収納した後、筐体12’の蓋体12’aで密封したものがある。この蓋体12’aの裏面に、断熱・遮炎シート10を粘着剤10aを用いて貼り付けておくことで、パッケージングされる電池セルの1個が熱暴走することにより噴出した高温のリチウム電解液、これにより発生した火炎が、周辺の機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0005】
従来より、このような断熱・遮炎シートには、優れた絶縁性、火炎バリア機能を有するマイカシート(少なくとも80%のマイカを含むシート)を用いることが提案されている。しかしながら、マイカシートは、嵩密度が高いため、電気自動車の電池用途においては、より軽量で、同程度の機能を有する断熱・遮炎シートが求められている。
【0006】
軽量で、断熱性、耐炎性を有するシートとして、無機繊維の織布、不織布、抄紙を用いることが提案されている。無機繊維としてのアルミナ繊維は、高耐熱性(融点約2000℃)、耐燃焼性、高絶縁性で大変優れた特性を有するが、他の無機繊維に比べて高価格である。このため、シートの構成繊維として用いることには適していない。このような状況下、所望の断熱性、遮炎性を有する断熱・遮炎シートとして、無機繊維と断熱効果を有する無機粒子とを組み合わせた断熱シートが提案されている。
【0007】
断熱性に優れた粒子として、エアロゲル(多孔質シリカ粒子)が知られている。
特開2015-163815号(特許文献1)は、主体繊維100重量部に対して、高い断熱効果を有するエアロゲル粒子(平均粒径2~140μm、かつ比表面積が400m
2
/g以上)35~210重量部を配合し、さらにカチオン性ポリマー及び両性ポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの水溶性ポリマー、及び/又は、低融点合成繊維を含むバインダーを含有する断熱材(断熱シート)を提案している。
主体繊維としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の合成繊維の他、セラミック繊維、アルミナ繊維、ガラス繊維といった無機繊維が挙げられている(〔0018〕)が、実施例では、パルプ、ポリエステル繊維、ビニロンバインダー繊維といった有機繊維を用いたシートが作製されているだけである。
バインダーについては、メチルシリケート粒子がアニオン性又は両性を示すため、カチオン性ポリマー及び/又は両性ポリマーをバインダーとして使用することで、パルプ及び多孔質シリカ粒子の凝集を促進し、歩留まりを高めることが可能であると説明されている(〔0026〕)。
具体的実施例では、水中に、主体繊維(パルプ、ポリエステル繊維、ビニロンバインダー繊維といった有機繊維)、エアロゲル、水溶性ポリマーを添加し、撹拌して、抄紙用スラリーを調製し、抄紙法により断熱シートを作製している。得られた断熱シートを紙コップ又はステンレス棒に巻き付け、紙コップに95℃の熱湯をいれた場合、ステンレス棒を100℃に加熱した場合について、断熱シート表面の温度を測定(60秒間)した結果が示されている。
【0008】
また、特開2020-200901号(特許文献2)には、断熱用成分として、ナノメートルサイズの空孔を多数有するエアロゲル粒子、グラスビーズ、又はセラミックビーズを使用し、繊維として生体溶解性ロックウールを使用した断熱シートが提案されている。繊維成分、断熱用成分、バインダーを含むスラリーを含有する抄紙用スラリーを用いて、厚さ1.72~6.3mmのフェルト状または紙状の断熱シートを形成したことが開示されている(実施例の表1)。
ここでは、バインダーとしては、デンプン、ポリビニルアルコール、アクリル澱粉、アクリルポリビニルアルコールが挙げられており(〔0025〕)、基材となる繊維(ロックウール)100重量部に対して、50~300部を配合すると記載されている(〔0026〕)。特許文献2の実施例では、バインダー含有水溶液にエアロゲルを添加混合したエアロゲル分散液と、生体溶解性ロックウールの分散液とを個別に調製し、繊維分散液にエアロゲル分散液を添加して、抄紙用スラリーを調製している。
かかる抄紙用スラリーを用いて、濾紙と網の積層体上に塗布し、網と濾紙を積層した状態で加熱加圧することで、断熱シートを作製している。実施例では、作製した断熱シートの熱伝導率(熱線法)の測定結果が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2015-163815号
特開2020-200901号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1は、エアロゲルを用いた断熱効果が具体的に示されているが、熱源温度は100℃程度である。リチウムイオン電池が熱暴走した場合の熱暴走対策として求められる、遮炎性、500℃以上の高温域における断熱性については、開示がなく、不明である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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