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公開番号2025142711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2024042222
出願日2024-03-18
発明の名称窒化ホウ素凝集粉末、複合材組成物、放熱部材、半導体デバイス
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 21/064 20060101AFI20250924BHJP(無機化学)
要約【課題】極めて高密度で充填性に優れた窒化ホウ素凝集粉末の提供。
【解決手段】水銀圧入細孔分布測定法による細孔分布において、粒子間隙に相当する第1ピークより小細孔径側に、凝集粒子内細孔に相当する第2ピークを有しない、窒化ホウ素凝集粉末。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水銀圧入細孔分布測定法による細孔分布において、粒子間隙に相当する第1ピークより小細孔径側に、凝集粒子内細孔に相当する第2ピークを有しない、窒化ホウ素凝集粉末。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
投影画像における円形度が82%以上である、請求項1に記載の窒化ホウ素凝集粉末。
【請求項3】
水銀圧入細孔分布測定法による粒子内空隙率が40%以下である、請求項1又は2に記載の窒化ホウ素凝集粉末。
【請求項4】
窒化ホウ素凝集粉末に対してアルミニウム元素を0.1質量%以上含む、請求項1又は2に記載の窒化ホウ素凝集粉末。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の窒化ホウ素凝集粉末と、マトリクス材を含む、複合材組成物。
【請求項6】
前記マトリクス材が樹脂を含む、請求項5に記載の複合材組成物。
【請求項7】
請求項5に記載の複合材組成物を成形してなる、放熱部材。
【請求項8】
請求項7に記載の放熱部材を備える、半導体デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は窒化ホウ素凝集粉末、前記窒化ホウ素凝集粉末を含む複合材組成物、前記複合材組成物を用いた放熱部材、前記放熱部材を用いた半導体デバイスに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
窒化ホウ素(BN)は、絶縁性のセラミックであり、ダイヤモンド構造を持つc-BN、黒鉛構造をもつh-BN、乱層構造を持つα-BN、β-BNなど様々な結晶型が知られている。
これらの中で、h-BNは、黒鉛と同じ層状構造を有し、合成が比較的容易でかつ熱伝導性、固体潤滑性、化学的安定性、耐熱性に優れるという特徴を備えていることから、電気・電子材料分野で多く利用されている。
【0003】
近年、特に電気・電子分野では集積回路の高密度化に伴う発熱が大きな問題となっており、いかに熱を放熱するかが緊急の課題となっている。h-BNは、絶縁性であるにもかかわらず、高い熱伝導性を有するという特徴を活かして、このような放熱部材用熱伝導性フィラーとして注目を集めている。
【0004】
凝集粒子における粒子内細孔の制御による高密度化によって、高熱伝導性のフィラーを得る取り組みが様々行われている。特許文献1では、通常、窒化ホウ素凝集粒子は、ISO 15901-1規格に従って評価される水銀ポロシメーター法により、凝集粒子内の細孔を表すピーク(細孔径)と凝集粒子間のピーク(粒子間隙)に分けられることが記載されており、好ましい粒子内細孔径の範囲が記載されている。また、特許文献2には、窒化ホウ素凝集粒子の平均細孔径の記載がある。特許文献3には、窒化ホウ素の焼結体において、針状粒子を併用して細孔を埋めることで、平均細孔径を小さくして、熱伝導率を向上できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2016/203164号
国際公開第2022/202827号
国際公開第2022/163650号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のように、通常、窒化ホウ素凝集粒子において、構成する窒化ホウ素一次粒子間に微細な空孔が発生することは、凝集粒子の粒子密度の低下要因となる。それは、ISO 15901-1規格に従った水銀ポロシメーター法により、凝集粒子内の細孔を表すピーク(細孔径)と凝集粒子間のピーク(粒子間隙)に分けることで、評価できる。特許文献2では、平均細孔径を小さくする取り組みがなされているが、平均細孔径はあくまでも細孔の大きさを示すものであり、緻密な細孔が多量にある場合、平均細孔径は小さくなるが高密度にはならない。粒子であれば、必ず粒子間隙のピークは存在するが、凝集粒子内の細孔を無くして凝集粒子の密度を高めることで、粒子内の細孔を示すピークは消滅する。よって、粒子内の細孔に相当する特定のピークを持たないことが高密度凝集粒子の観点からは、重要である。特許文献3は、成型体の合成プロセスに特徴があり、窒化ホウ素凝集粒子に適用することは難しい。
本発明は、窒化ホウ素凝集粒子の粒子内細孔を可能な限り減らす試みにより、細孔分布のピークにおいて、粒子間隙を示す第1ピークの小細孔径側に粒子内細孔を示す第2のピークを有しない、極めて高密度で充填性に優れた窒化ホウ素凝集粉末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の態様を有する。
[1] 水銀圧入細孔分布測定法による細孔分布において、粒子間隙に相当する第1ピークより小細孔径側に、凝集粒子内細孔に相当する第2ピークを有しない、窒化ホウ素凝集粉末。
[2] 投影画像における円形度が82%以上である、[1]に記載の窒化ホウ素凝集粉末。
[3] 水銀圧入細孔分布測定法による粒子内空隙率が40%以下である、[1]又は[2]に記載の窒化ホウ素凝集粉末。
[4] 窒化ホウ素凝集粉末に対してアルミニウム元素を0.1質量%以上含む、[1]~[3]のいずれかに記載の窒化ホウ素凝集粉末。
[5] 前記[1]~[4]のいずれかに記載の窒化ホウ素凝集粉末と、マトリクス材を含む、複合材組成物。
[6] 前記マトリクス材が樹脂を含む、[5]に記載の複合材組成物。
[7] 前記[5]又は[6]に記載の複合材組成物を成形してなる、放熱部材。
[8] 前記[7]に記載の放熱部材を備える、半導体デバイス。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、細孔分布のピークにおいて、粒子間隙を示す第1ピークの小細孔径側に粒子内細孔を示す第2のピークを有しないことから、極めて高密度で充填性に優れた窒化ホウ素凝集粉末が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1~3及び比較例1~3のBN凝集粉末における、水銀圧入細孔分布測定法による細孔分布である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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