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公開番号2025098804
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023215182
出願日2023-12-20
発明の名称含フッ素アクリル酸エステル類及びそれらの製造方法
出願人日本ゼオン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07C 67/08 20060101AFI20250625BHJP(有機化学)
要約【課題】含フッ素2級ベンジルアルコールからα、β-ハロゲノプロピオン酸エステルを簡便に、且つ、収率良く、短工程で工業的に有利に製造する方法の提供。
【解決手段】含フッ素2級ベンジルアルコールとα、β-ジハロゲノプロピオン酸とを、無溶媒下、且つ、特定の酸触媒の存在下にて、一定の範囲内の温度下で接触させることで、含フッ素α、β-ジハロゲノプロピオン酸エステルを製造する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で示される含フッ素2級ベンジルアルコールと、下記式(2)で示されるα、β-ジハロゲノプロピオン酸とを、無溶媒下、且つ、硫酸、リン酸、アルキルスルホン酸、及びフルオロアルキルスルホン酸から選択される少なくとも一種の酸触媒の存在下にて、温度50℃以上120℃以下の範囲で接触させることを特徴とする、下記式(3)で示される含フッ素α、β-ジハロゲノプロピオン酸エステルを製造する方法。
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(式中、Rfは炭素数1以上5以下の含フッ素アルキル基を表す。)
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(式中、X及びYは、独立にフッ素、塩素、又は臭素から選択されるハロゲン原子を表す。)
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(式中、Rfは炭素数1以上5以下の含フッ素アルキル基を表し、X及びYは、独立にフッ素、塩素、又は臭素から選択されるハロゲン原子を表す。)
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記式(2)及び(3)のX及びYが塩素原子であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記酸触媒が、硫酸、メタンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
下記構造式(4)で示される含フッ素α、β-ジハロゲノプロピオン酸エステル。
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(式中、Rf

はペンタフルオロエチル又はヘプタフルオロイソプロピルを表す。)
【請求項5】
請求項1~3の何れかに記載の方法により製造された前記式(3)で示される含フッ素α、β-ジハロゲノプロピオン酸エステルを、さらに塩基と接触させることを特徴とする、下記構造式(5)で示される含フッ素α-ハロゲノアクリル酸エステルの製造方法。
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(式中、Rf及びXは前記と同じ意味を示す。)
【請求項6】
前記式(5)のXが塩素原子であることを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
下記構造式(6)で示される含フッ素α-クロロアクリル酸エステル。
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(式中、Rf

はペンタフルオロエチル又はヘプタフルオロイソプロピルを表す。)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レジストを構成する重合体を製造する際に使用されるモノマー(含フッ素α-ハロゲノアクリル酸エステル)、その前駆体、及びそれらの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造等の分野において、電子線などの電離放射線及び紫外線などの短波長の光(以下、電離放射線と短波長の光とを合わせて「電離放射線等」と称することがある。)の照射により主鎖が切断されて現像液に対する溶解性が増大する重合体が、主鎖切断型のポジ型レジストとして使用されており、高性能化を図るために、共重合体を構成するモノマーが種々検討されてきている。
【0003】
このような背景から、本出願人も最先端のリソグラフィー加工にも対応できる主鎖切断型のレジストを開発し、とりわけ、α-クロロアクリル酸エステルからなる共重合体が非常に優れた性能を有することを見出している(特許文献1及び2)。
【0004】
従来から、α-ハロゲノアクリル酸エステル、とりわけ、α-クロロアクリル酸エステルの製造法が幾つかの文献に開示されている。通常、α-クロロアクリル酸エステルに対応するα、β-ジクロロプロピオン酸エステルを有機アミン、あるいは、無機アルカリと接触させて脱塩化水素化反応を起こすことにより、α-クロロアクリル酸エステルへと誘導する方法が良く用いられている。
例えば、特許文献3においては、1級アルコールであるペンタフルオロプロパノールとアクリル酸とを硫酸・発煙硫酸混合物存在下、室温でエステル化を実施してペンタフルオロアクリル酸エステルを合成し、次いで、塩素付加を行って、α、β-ジクロロプロピオン酸ペンタフルオロプロピルエステルに変換している(2段階合成)。さらに、有機アミンとしてキノリンを用いて、目的とするα-クロロアクリル酸ペンタフルオロプロピルエステルを得る方法が開示されている。
特許文献4においては、2級ベンジルアルコールである1-フェニル-2,2,2-トリフルオロエタノールとアクリル酸クロライドとを水酸化ナトリウム下にエステル化し、アクリル酸1-フェニル-2,2,2-トリフルオロエチルエステルを得、次いで、塩素ガスによる付加反応を実施して、2段階で2、3-ジクロロプロピオン酸1-フェニル-2,2,2-トリフルオロエチルエステルを得たことが記載されている。
【0005】
α、β-ジクロロプロピオン酸エステルを合成する方法としては、前記特許文献3及び4に記載されているように、対応するアクリル酸エステルを塩素ガスと接触させて塩素付加させる方法の他、特許文献5に記載されているように、テトラフルオロプロパノールとα、β-ジクロロプロピオン酸とを、ベンゼン溶媒下に、濃硫酸と接触させて、共沸脱水させることにより、α、β-ジクロロプロピオン酸テトラフルオロプロピルエステルを合成する方法が開示されている。
特許文献6においては、含フッ素アルコールを不飽和カルボン酸エステル(α位にハロゲンを有しない)へと変換するにあたり、含フッ素溶媒下、且つ酸触媒の存在下でエステル化を行ったことが記載されている。
また、特許文献7においては、α、β-ジクロロプロピオン酸アルキルエステルと、1級含フッ素アルコールとのエステル交換反応を、酸触媒の存在下にて行うことにより、α-ハロゲノアクリル酸フルオロアルキルエステルを合成した旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2020/66806号パンフレット
特開2020-52144号公報
特開昭57-118535号公報
特開昭63-234006号公報
特開昭63-201145号公報
特開2006-36735号公報
特開2023-46125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の従来技術からも、α、β-ジクロロプロピオン酸エステルは、α-クロロアクリル酸エステルを製造する際に重要な前駆体化合物であることが伺える。すなわち、α、β-ジハロゲノプロピオン酸エステルが工業的に重要な位置付けにある化合物であり、これらを容易に入手できることが望まれる。
【0008】
本発明はかかる実情の下でなされたものであり、含フッ素2級ベンジルアルコールからα、β-ハロゲノプロピオン酸エステルを簡便に、且つ、収率良く、短工程で工業的に有利に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記式(1)で示される含フッ素2級ベンジルアルコールと、下記式(2)で示されるα、β-ジハロゲノプロピオン酸とを、無溶媒下、且つ、特定の酸触媒の存在下にて、一定の範囲内の温度下で接触させることで、下記式(3)で示される含フッ素α、β-ジハロゲノプロピオン酸エステルを製造できることを新たに見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明は、[1]下記式(1)で示される含フッ素2級ベンジルアルコールと、下記式(2)で示されるα、β-ジハロゲノプロピオン酸とを、無溶媒下、且つ、硫酸、リン酸、アルキルスルホン酸、フルオロアルキルスルホン酸から選択される少なくとも一種の酸触媒の存在下にて、温度50℃以上120℃以下の範囲で接触させることを特徴とする、下記式(3)で示される含フッ素α、β-ジハロゲノプロピオン酸エステルを製造する方法である。
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(式中、Rfは炭素数1以上5以下の含フッ素アルキル基を表す。)
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(式中、X及びYは、独立にフッ素、塩素、又は臭素から選択されるハロゲン原子を表す。)
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(式中、Rfは炭素数1以上5以下の含フッ素アルキル基を表し、X及びYは、独立にフッ素、塩素、又は臭素から選択されるハロゲン原子を表す。)
上記方法を用いれば、含フッ素2級ベンジルアルコールからα、β-ハロゲノプロピオン酸エステルを簡便に、且つ、収率良く製造することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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