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公開番号2025102841
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2025049351,2022541376
出願日2025-03-25,2020-08-04
発明の名称ガス製造装置、ガス製造システムおよびガス製造方法
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人
主分類C01B 32/40 20170101AFI20250701BHJP(無機化学)
要約【課題】エネルギー効率を高めつつ、二酸化炭素を含む原料ガスから、一酸化炭素を含む生成ガスを効率よく製造することができるガス製造装置を提供する。
【解決手段】ガス製造装置1は、原料ガスと二酸化炭素を還元する還元剤4Rとを接触させて生成ガスを製造する装置であり、原料ガスを供給する接続部2と、酸化状態の還元剤4Rを還元する水素を含む還元ガスを供給する還元ガス供給部3と、接続部2および還元ガス供給部3にそれぞれ接続され、供給する原料ガスと還元ガスとを切換可能な複数の反応器4a,4bとを有する。各反応器4a,4bは、ハウジングと、ハウジング内に配置され、還元剤4Rを収容するとともに、還元剤4Rとの接触により生成した水と水素との分離および一酸化炭素と二酸化炭素との分離のうちの少なくとも一方が可能な分離筒とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
二酸化炭素を含む原料ガスと、前記二酸化炭素を還元する金属酸化物を含む還元剤とを接触させて、一酸化炭素を含む生成ガスを製造するガス製造装置であって、
前記原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
前記二酸化炭素との接触により酸化された前記還元剤を還元する還元物質を含む還元ガスを供給する還元ガス供給部と、
前記原料ガス供給部および前記還元ガス供給部にそれぞれ接続され、供給する前記原料ガスと前記還元ガスとを切換可能な複数の反応器とを有し、
各前記反応器は、前記還元剤を収容する反応器本体を有し、前記還元剤との接触により生成した前記還元物質の酸化物と前記還元物質との分離、および、前記一酸化炭素と前記二酸化炭素との分離のうちの少なくとも一方が可能に構成されており、
前記反応器への前記原料ガスの供給量をP[mL/分]とし、前記反応器への前記還元ガスの供給量をQ[mL/分]としたとき、P/Qは、0.9~2なる関係を満足することを特徴とするガス製造装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
二酸化炭素を含む原料ガスと、前記二酸化炭素を還元する金属酸化物を含む還元剤とを接触させて、一酸化炭素を含む生成ガスを製造するガス製造装置であって、
前記原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
前記二酸化炭素との接触により酸化された前記還元剤を還元する還元物質を含む還元ガスを供給する還元ガス供給部と、
前記原料ガス供給部および前記還元ガス供給部にそれぞれ接続され、供給する前記原料ガスと前記還元ガスとを切換可能な複数の反応器とを有し、
各前記反応器は、前記還元剤を収容する反応器本体を有し、前記還元剤との接触により生成した前記還元物質の酸化物と前記還元物質との分離、および、前記一酸化炭素と前記二酸化炭素との分離のうちの少なくとも一方が可能に構成されており、
前記反応器に供給する前記原料ガスと前記還元ガスとを切替えるタイミングは、
条件I:前記反応器へ所定の量の前記原料ガスを供給したとき、または
条件II:前記二酸化炭素の前記一酸化炭素への変換効率が所定の値を下回ったときであり、
前記条件Iにおける前記所定の量は、前記還元剤に占める質量の割合が最も多い金属元素1モル当たり、前記二酸化炭素が0.01~3モルの量であり、
前記条件IIにおける前記所定の値は、50~100%であることを特徴とするガス製造装置。
【請求項3】
前記還元物質は水素であり、前記還元物質の酸化物は水であり、
前記分離筒は、その平均空孔径が600pm以下である請求項1または2に記載のガス製造装置。
【請求項4】
前記還元剤に含まれる前記金属酸化物は、第3族~第12族に属する金属元素から選択される少なくとも1種を含有する請求項1~3のいずれか1項に記載のガス製造装置。
【請求項5】
さらに、前記反応器を通過し、分離された後のガス同士を合流させて、混合ガスを生成するガス合流部を有する請求項1~4のいずれか1項に記載のガス製造装置。
【請求項6】
さらに、各前記反応器に接続され、分離された後のガスを移送する互いに独立したガスラインを有する請求項1~5のいずれか1項に記載のガス製造装置。
【請求項7】
さらに、前記反応器に供給する前の前記原料ガスを加熱する原料ガス加熱部と、
前記反応器に供給する前の前記還元ガスを加熱する還元ガス加熱部とを有する請求項1~6のいずれか1項に記載のガス製造装置。
【請求項8】
二酸化炭素を含む原料ガスを生成する原料ガス生成部と、
請求項1~7のいずれか1項に記載のガス製造装置とを備え、
前記ガス製造装置が、前記原料ガス供給部を介して前記原料ガス生成部に接続されていることを特徴とするガス製造システム。
【請求項9】
二酸化炭素を含む原料ガスと、前記二酸化炭素を還元する金属酸化物を含む還元剤とを接触させて、一酸化炭素を含む生成ガスを製造するガス製造方法であって、
前記還元剤を収容する反応器本体を有する複数の反応器と、前記原料ガスと、前記二酸化炭素との接触により酸化された前記還元剤を還元する還元物質を含む還元ガスとを準備し、
前記原料ガスと前記還元ガスとを供給する前記反応器を切り換えることにより、各前記反応器内において前記還元剤に前記原料ガスと前記還元ガスとを交互に接触させて、前記二酸化炭素を前記一酸化炭素に変換した後、前記酸化された還元剤を還元するに際し、
前記反応器は、前記還元剤との接触により生成した前記還元物質の酸化物と前記還元物質との分離、および、前記一酸化炭素と前記二酸化炭素との分離のうちの少なくとも一方が可能であり、
前記反応器への前記原料ガスの供給量をP[mL/分]とし、前記反応器への前記還元ガスの供給量をQ[mL/分]としたとき、P/Qは、0.9~2なる関係を満足することを特徴とするガス製造方法。
【請求項10】
二酸化炭素を含む原料ガスと、前記二酸化炭素を還元する金属酸化物を含む還元剤とを接触させて、一酸化炭素を含む生成ガスを製造するガス製造方法であって、
前記還元剤を収容する反応器本体を有する複数の反応器と、前記原料ガスと、前記二酸化炭素との接触により酸化された前記還元剤を還元する還元物質を含む還元ガスとを準備し、
前記原料ガスと前記還元ガスとを供給する前記反応器を切り換えることにより、各前記反応器内において前記還元剤に前記原料ガスと前記還元ガスとを交互に接触させて、前記二酸化炭素を前記一酸化炭素に変換した後、前記酸化された還元剤を還元するに際し、
前記反応器は、前記還元剤との接触により生成した前記還元物質の酸化物と前記還元物質との分離、および、前記一酸化炭素と前記二酸化炭素との分離のうちの少なくとも一方が可能であり、
前記反応器に供給する前記原料ガスと前記還元ガスとを切替えるタイミングは、
条件I:前記反応器へ所定の量の前記原料ガスを供給したとき、または
条件II:前記二酸化炭素の前記一酸化炭素への変換効率が所定の値を下回ったときであり、
前記条件Iにおける前記所定の量は、前記還元剤に占める質量の割合が最も多い金属元素1モル当たり、前記二酸化炭素が0.01~3モルの量であり、
前記条件IIにおける前記所定の値は、50~100%であることを特徴とするガス製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス製造装置、ガス製造システムおよびガス製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、温室効果ガスの一種である二酸化炭素(CO

)は、その大気中の濃度が上昇を続けている。大気中の二酸化炭素の濃度の上昇は、地球温暖化を助長する。したがって、大気中に放出される二酸化炭素を回収することは重要であり、さらに回収した二酸化炭素を有価物質に変換して再利用できれば、炭素循環社会を実現することができる。
また、地球規模の施策としても、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書にもあるように、地球温暖化の原因となる二酸化炭素について、先進国における削減率を、1990年を基準として各国別に定め、共同で約束期間内に削減目標値を達成することが定められている。
【0003】
その削減目標を達成するため、製鉄所、精錬所または火力発電所から発生した二酸化炭素を含む排気ガスも対象となっており、これらの業界における二酸化炭素の削減に関して、様々な技術改良が行われている。かかる技術の一例としては、CO

回収・貯留(CCS)が挙げられる。しかしながら、この技術では、貯留という物理的な限界があり、根本的な解決策とはなっていない。
その他、例えば、特許文献1には、二酸化炭素から有価物質に変換する技術が開示されている。具体的には、ジルコニウムを含む酸化セリウムを用いて、二酸化炭素から一酸化炭素を製造する製造装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許5858926号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、発明者らの検討によると、特許文献1に記載の発明は、二酸化炭素から一酸化炭素を効果的に変換する金属酸化物を特定する発明である。特許文献1には、一酸化炭素の製造条件や製造装置においても、図にも示されているように概念的または一般的な情報が開示されるのみであり、工業的に一酸化炭素を製造するには、更なる技術改良が必要であることがわかった。また、工業的な一酸化炭素の製造の観点からは、エネルギー効率を高めることも重要である。上記金属酸化物を使用する一酸化炭素の製造では、生成するガスには、一酸化炭素の他、未反応の二酸化炭素も含まれる、また、酸化状態の金属酸化物を再生するために、水素を接触することが行われるが、この際生成するガスに水蒸気(水)の他、未反応の水素も含まれる。
【0006】
すなわち、生成するガスには、金属酸化物(還元剤)に接触する前後の物質(すなわち、金属酸化物と反応する前後の物質)が含まれる。これらの物質を分離するには、冷却により凝縮(液化)する温度の違いを利用することが一般的である。しかしながら、冷却に多大なエネルギーを要し、無駄が多い。
そこで、本発明の目的は、エネルギー効率を高めつつ、二酸化炭素を含む原料ガスから、一酸化炭素を含む生成ガスを効率よく製造することができるガス製造装置(すなわち、工業的に有利な製造装置)、ガス製造システムおよびガス製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
【0008】
(1) 本発明のガス製造装置は、二酸化炭素を含む原料ガスと、前記二酸化炭素を還元する金属酸化物を含む還元剤とを接触させて、一酸化炭素を含む生成ガスを製造するガス製造装置であって、
前記原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
前記二酸化炭素との接触により酸化された前記還元剤を還元する還元物質を含む還元ガスを供給する還元ガス供給部と、
前記原料ガス供給部および前記還元ガス供給部にそれぞれ接続され、供給する前記原料ガスと前記還元ガスとを切換可能な複数の反応器とを有し、
各前記反応器は、反応器本体と、該反応器本体内に配置され、前記還元剤を収容するとともに、前記還元剤との接触により生成した前記還元物質の酸化物と前記還元物質との分離、および、前記一酸化炭素と前記二酸化炭素との分離のうちの少なくとも一方が可能な分離筒とを有する。
【0009】
(2) 本発明のガス製造装置では、前記分離筒は、耐熱性を備えることが好ましい。
(3) 本発明のガス製造装置では、前記分離筒は、金属、無機酸化物または金属有機構造体で構成されていることが好ましい。
(4) 本発明のガス製造装置では、前記分離筒は、隣接する空孔同士が連通する連続空孔を備える多孔質体で構成されていることが好ましい。
(5) 本発明のガス製造装置では、前記分離筒は、その空孔率が10~90%であることが好ましい。
【0010】
(6) 本発明のガス製造装置では、前記還元物質は水素であり、前記還元物質の酸化物は水であり、
前記分離筒は、その平均空孔径が600pm以下であることが好ましい。
(7) 本発明のガス製造装置では、前記分離筒は、親水性を備えることが好ましい。
(8) 本発明のガス製造装置では、前記還元剤に含まれる前記金属酸化物は、第3族~第12族に属する金属元素から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
(9) 本発明のガス製造装置は、さらに、前記反応器を通過し、分離された後のガス同士を合流させて、混合ガスを生成するガス合流部を有することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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