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公開番号2025104819
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023222938
出願日2023-12-28
発明の名称特定の遺伝子型を有するHLAに結合するエピトープの特定方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07K 4/12 20060101AFI20250703BHJP(有機化学)
要約【課題】特定の遺伝子型を有するHLAに結合するエピトープの特定方法を提供すること。
【解決手段】特定の遺伝子型を有するHLAに結合する、エピトープの特定方法であって、異なるHLAの遺伝子型を有する複数のヒト対象由来の古典的単球を用いて調製した樹状細胞から得た少なくとも一つのポリペプチドに共通して含まれるポリペプチドと同じアミノ酸配列を有する部位を、抗原タンパク質における、第1の遺伝子型を有する第1のHLAに結合するエピトープであると決定する工程を含む、方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
特定の遺伝子型を有するHLAに結合する、エピトープの特定方法であって、
第1のHLAが第1の遺伝子型を有し、第2のHLAが第2の遺伝子型を有する対象由来の古典的単球を用いて調製した第1の樹状細胞に対して、抗原タンパク質を接触させた後に、前記第1の樹状細胞から、第1の遺伝子型を有する第1のHLA又は第2の遺伝子型を有する第2のHLAに結合する第1の少なくとも1つのポリペプチドを得る工程、
第1のHLAが第1の遺伝子型を有し、第2のHLAが第3の遺伝子型を有する対象由来の古典的単球を用いて調製した第2の樹状細胞に対して、前記抗原タンパク質を接触させた後に、前記第2の樹状細胞から、第1の遺伝子型を有する第1のHLA又は第3の遺伝子型を有する第2のHLAに結合する第2の少なくとも1つのポリペプチドを得る工程、及び
前記第1の少なくとも1つのポリペプチドと前記第2の少なくとも1つのポリペプチドに共通して含まれるポリペプチドと同じアミノ酸配列を有する部位を、前記抗原タンパク質における、前記第1の遺伝子型を有する第1のHLAに結合するエピトープであると決定する工程
を含む、方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記第1のHLAがHLA-DRB1であり、かつ前記第2のHLAがHLA-DRB3であるか、
前記第1のHLAがHLA-DRB3であり、かつ前記第2のHLAがHLA-DRB1である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のHLAがHLA-DRB1であり、前記第2のHLAがHLA-DRB3であり、前記第1の遺伝子型が03:01である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のHLAがHLA-DRB3であり、前記第2のHLAがHLA-DRB1であり、前記第1の遺伝子型が01:01である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の少なくとも1つのポリペプチドを得る工程及び前記第2の少なくとも1つのポリペプチドを得る工程が、前記第1のHLA及び前記第2のHLAに結合する抗体を用いて行われる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の少なくとも1つのポリペプチドを得る工程及び前記第2の少なくとも1つのポリペプチドを得る工程の後に、前記第1の少なくとも1つのポリペプチド及び前記第2の少なくとも1つのポリペプチドに含まれるポリペプチドのアミノ酸配列を決定する工程を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記エピトープが、重症筋無力症に関与するエピトープである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法にしたがってエピトープを特定する工程、及び特定されたエピトープと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを製造する工程を含む、特定の遺伝子型を有するHLAに結合するポリペプチドの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、特定の遺伝子型を有するHLAに結合するエピトープの特定方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
自己免疫疾患においては、本来であれば生体の外部に由来する異物を除去するための機構である免疫機構が、生体の内部に由来する物質を抗原として認識してしまうことによって、免疫の異常な活性化を生じる。このような免疫の異常な活性化は、自己免疫疾患に罹患した患者の体内において、様々な生体機能の異常を引き起こすことが知られている。
【0003】
ヒト白血球型抗原(HLA)は、ヒトにおける主要組織適合遺伝子複合体(MHC)である。体液性免疫において、HLAは抗原を結合した状態で抗原提示細胞(APC)の細胞表面に曝露され、それによって該抗原に対する抗体産生機構が駆動される。HLAの遺伝子型によって、ヒトの白血球は数万通りの遺伝子型を有している。HLAの遺伝子型は自己免疫疾患におけるリスク要因の一つであり、HLAに特有の遺伝子型を有するヒトにおいて、自己免疫疾患の発症の可能性が高いことが知られている。
【0004】
自己免疫疾患において、HLAは、抗原の一部を認識して、抗原との間で結合を形成している。特に抗原がタンパク質である場合に、抗原タンパク質におけるHLAに認識される部位はエピトープと呼ばれる。このようなエピトープは、自己免疫疾患の治療及び診断の標的としての可能性を秘めているため、種々の自己免疫疾患においてその特定が試みられている。
【0005】
エピトープが結合するHLAの遺伝子シンボル及びその遺伝子型を特定することは、自己免疫疾患の治療及び診断の標的としてエピトープを用いる上で重要である。これまで、このようなHLAの遺伝子シンボル及びその遺伝子型の特定は、特定の遺伝子型のHLAタンパク質又はそれを発現させたモデル動物若しくは細胞に対して、該エピトープを配列の一部に含む可能性があるタンパク質又はそのペプチド断片を接触させて、その結合性又は免疫活性化を評価することによって行われてきた(例えば非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
NitaNagvekar et al., "Scanning a DRB3*0101 (DR52a)-Restricted Epitope Cross-Presentedby DR3: Overlapping Natural and Artificial Determinants in the HumanAcetylcholine Receptor", J Immunol (1999) 162 (7): 4079-4087.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来行われてきた、エピトープが結合するHLAの遺伝子シンボル及びその遺伝子型の特定は、エピトープを配列の一部に含む可能性があるタンパク質又はそのペプチド断片を、個々の遺伝子型を有するHLAタンパク質の発現細胞、発現モデル動物又は精製タンパク質に対して接触させて評価する必要があるため、遺伝子型の特定には多くのトライアンドエラーが必要であった。
【0008】
また、自己免疫疾患に罹患したヒト対象において、エピトープを配列の一部に含むタンパク質は、その全長だけでなく、そのペプチド断片としても存在し、かつそのようなペプチド断片は、アフィニティや体内動態の観点から、より高い免疫活性化作用を有する可能性がある。しかし、そのようなヒト対象において産生されるペプチド断片を細胞等から回収した場合、複数の遺伝子シンボルのHLAに結合するペプチド断片が集団として回収されてしまうため、その回収したペプチド断片を解析するのみでは、ペプチド断片が結合するHLAの遺伝子シンボル及び遺伝子型の特定はできなかった。例えば、抗HLA-DR抗体はHLA-DRB1及びHLA-DRB3の両方に結合してしまうため、ヒト対象において産生されるペプチド断片を抗HLA-DR抗体を用いたプルダウンアッセイによって回収した場合、回収されたペプチド断片が、HLA-DRB1に結合するものなのか、HLA-DRB3に結合するものなのかを決定することができない。そうすると、仮にヒト対象におけるHLAの遺伝子型がわかっていたとしても、その結果のみからはペプチド断片が結合するHLAの遺伝子シンボル及び遺伝子型の特定が困難であった。
【0009】
本開示は、特定の遺伝子型を有するHLAに結合するエピトープの特定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、複数の対象由来の古典的単球を用いてそれぞれ調製した樹状細胞に対して、抗原タンパク質を接触させて、それらの樹状細胞が提示したペプチド断片であるポリペプチドを回収した後に、用いた対象における各HLAタンパク質の遺伝子型と、それぞれの樹状細胞が提示したポリペプチドの集団の中に含まれるポリペプチドの種類との関係から、それぞれのポリペプチドが結合するHLAの遺伝子シンボル及び遺伝子型を特定できることを見出し、本開示を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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