TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025107478
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-17
出願番号
2025081619,2021027277
出願日
2025-05-15,2021-02-24
発明の名称
カルバミン酸エステルの製造方法
出願人
国立研究開発法人産業技術総合研究所
,
東ソー株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
C07C
269/00 20060101AFI20250710BHJP(有機化学)
要約
【課題】カルバミン酸塩を原料として、犠牲試薬もハロゲン化アルキルも用いずにカルバミン酸エステルを製造する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】式(B-1)又は(B-2)で表されるカルバミン酸塩とアルコキシシランとから、式(A-1)又は(A-2)で表されるカルバミン酸エステルを生成する反応工程を含むカルバミン酸エステルの製造方法(R
11
は水素原子又は炭化水素基を表し;R
21
、R
31
は炭化水素基を表し;R
12
は水素原子又は炭化水素基を表し;R
22
は炭化水素基を表し;R
32
は炭化水素基を表し;Qはq価の対カチオンを表し;qは1又は2であり;Q’は(2/q’)価の対カチオンを表し;q’は1又は2である。)。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025107478000026.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">29</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(B-1)または(B-2)で表されるカルバミン酸塩とアルコキシシランとから、下記式(A-1)または(A-2)で表されるカルバミン酸エステルを生成する反応工程(ただし、亜鉛化合物の存在下で行われるものを除く)を含む、カルバミン酸エステルの製造方法。
TIFF
2025107478000022.tif
32
170
TIFF
2025107478000023.tif
33
170
(上記式中、R
11
は水素原子または無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し;R
21
、R
31
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し;R
12
はそれぞれ独立して水素原子または無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し;R
22
は無置換もしくは置換基を有する2価の炭化水素基を表し;R
32
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し;Qはq価の対カチオンを表し;qは1又は2であり;Q’は(2/q’)価の対カチオンを表し;q’は1又は2である。)
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記カルバミン酸塩が前記式(B-1)で表されるカルバミン酸塩であり、前記アルコキシシランが下記式(C-1)で表されるアルコキシシランであり、前記カルバミン酸エステルが前記式(A-1)で表されるカルバミン酸エステルである、請求項1に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
TIFF
2025107478000024.tif
18
170
(上記式中、R
31
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し;R
41
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する炭化水素配位子、-OR
31
とは異なる、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ配位子、アミド配位子、ハライド配位子を表し;Mはケイ素を表し;nは4であり;(n-m)は1~4の整数であり;mは0~3の整数を表す。)
【請求項3】
前記Qが、アンモニウムカチオン、アミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ホスファゼニウムカチオン、カルボカチオン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンからなる群より選択されるカチオンである、請求項1または2に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
【請求項4】
前記カルバミン酸塩が前記式(B-2)で表されるカルバミン酸塩であり、前記アルコキ
シシランが下記式(C-2)で表されるアルコキシシランであり、前記カルバミン酸エステルが前記式(A-2)で表されるカルバミン酸エステルである、請求項1に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
TIFF
2025107478000025.tif
18
170
(上記式中、R
32
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し;R
42
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する炭化水素配位子、-OR
32
とは異なる、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ配位子、アミド配位子、又はハライド配位子を表し;M’はケイ素を表し、n’は4であり;(n’-m’)は1~4の整数であり;m’は0~3の整数を表す。)
【請求項5】
前記Q’が、アンモニウムカチオン、アミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ホスファゼニウムカチオン、カルボカチオン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンからなる群より選択されるカチオンである、請求項1または4に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
【請求項6】
前記反応工程が非プロトン性溶媒の存在下で行われる、請求項1~5のいずれか1項に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
【請求項7】
溶媒中で、塩基存在下、アミノ基含有有機化合物を、二酸化炭素含有混合ガスと接触させることにより、前記カルバミン酸塩を生成するカルバミン酸塩生成工程を更に含み、前記二酸化炭素含有混合ガス中の二酸化炭素の体積が0.01%以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルバミン酸エステルの製造方法に関する。
続きを表示(約 4,700 文字)
【背景技術】
【0002】
カルバミン酸エステルは、医薬、農薬、各種ファインケミカルズ、およびこれらの合成原料として広範な用途を有する有用な化合物である。
【0003】
これまでに、常圧の二酸化炭素を利用してカルバミン酸エステルを製造方法する方法が提案されている。
例えば、非特許文献1には、カルバメート誘導体の合成方法として、カルボニル源としてのアミンとCO
2
との反応からin situ合成されたカルバミン酸アンモニウム、当量の
トリフェニルホスフィン、当量のトリクロロイソシアヌル酸(TCCA)を用いる多成分合成が検討されている。非特許文献1では、1気圧のCO
2
ガスを使用し、再生不可能な犠牲試薬を用いている。
非特許文献2には、1気圧のCO
2
ガスを使用し、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンを触媒としてカルバミン酸を経由するカルバミン酸エステルの合成法が報告されている。非特許文献2では、再生不可能な犠牲試薬であるPBu
3
、DBAD(アゾジカルボン酸ジ-tert-ブチル)が用いられている。
非特許文献3には、アミンとCO
2
ガスから、再生不可能な犠牲試薬であるKO
2
/Et
4
NBr等を用いたカルバミン酸エステルの合成が報告されている。
非特許文献4は、1気圧のCO
2
ガスを使用し、カルバミン酸経由で、犠牲試薬であるPh
3
P、DEAD(アゾジカルボン酸ジエチル)を用い、光延反応によるカルバミン酸エステルの合成が報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
S. S. E. Ghodsinia, B. Akhlaghinia, Phosphorus Sulfur Silicon Relat. Elem., 2016, vol.191, p.1-7
Scott L. Peterson, Sabrina M. Stucka, Christopher J. Dinsmore, Org. Lett. 2010, 12, p.1340-1343
Krishna Nand Singh, Synth. Commun. 2007, 37, p.2651-2654
Devdutt Chaturvedi, Nisha Mishura, Virendra Mishra, Monats. Chem. 2007, 138, p.57-60
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のカルバミン酸エステル製造方法は、いずれも犠牲試薬か環境調和性に乏しいハロゲン化アルキルが必要である。
本発明は、カルバミン酸塩を原料として、犠牲試薬もハロゲン化アルキルも用いずにカルバミン酸エステルを製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、カルバミン酸塩と金属アルコキシドとからカルバミン酸エステルが生成することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の具体的態様等を提供する。
[1] カルバミン酸塩と金属アルコキシドとから、下記式(a-1)または(a-2)
で表される構造を有するカルバミン酸エステルを生成することを特徴とする、カルバミン酸エステルの製造方法。
TIFF
2025107478000001.tif
26
170
(上記式中、R
1
はそれぞれ独立して水素原子または無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し、R
2
、R
3
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し、R
20
は無置換もしくは置換基を有する2価の炭化水素基を表す。)
[2] 前記カルバミン酸塩が式(B-1)で表されるカルバミン酸塩であり、前記金属アルコキシドが式(C-1)で表される金属アルコキシドであり、前記式(a-1)で表される構造を有するカルバミン酸エステルが式(A-1)で表されるカルバミン酸エステルである、[1]に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
TIFF
2025107478000002.tif
25
170
(上記式中、R
11
は水素原子または無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し;R
21
、R
31
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し;R
41
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する炭化水素配位子、-OR
31
とは異なる、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ配位子、アミド配位子、ハライド配位子を表し;Mは金属原子または半金属原子を表し;nはMの酸化数を表し、(n-m)は1~6の整数であり;mは0以上、(n-1)以下の整数を表し、Qはq価
の対カチオンを表し;qは1又は2である。)
[3] 前記Qが、アンモニウムカチオン、アミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ホスファゼニウムカチオン、カルボカチオン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンからなる群より選択されるカチオンである、[2]に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
[4] 前記カルバミン酸塩が式(B-2)で表されるカルバミン酸塩であり、前記金属アルコキシドが式(C-2)で表される金属アルコキシドであり、前記式(a-2)で表される構造を有するカルバミン酸エステルが式(A-2)で表されるカルバミン酸エステルである、[1]に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
TIFF
2025107478000003.tif
27
170
(上記式中、R
12
はそれぞれ独立して水素原子または無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し;R
22
は無置換もしくは置換基を有する2価の炭化水素基を表し;R
32
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し;R
42
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する炭化水素配位子、-OR
32
とは異なる、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ配位子、アミド配位子、又はハライド配位子を表し;M’は金属原子または半金属原子を表し、n’はM’の酸化数を表し、(
n’-m’)は1~6の整数であり;m’は0以上、(n’-1)以下の整数を表し;Q
’は(2/q’)価の対カチオンを表し;q’は1又は2である。)
[5] 前記Q’が、アンモニウムカチオン、アミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ホスファゼニウムカチオン、カルボカチオン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンからなる群より選択されるカチオンである、[4]に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
[6] 前記金属アルコキシドが、チタン化合物、ケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]~[5]のいずれかに記載のカルバミン酸エステルの製
造方法。
[7] 前記金属アルコキシドがアルコキシシランであり、前記反応工程が触媒の存在下で行われる、[1]~[6]のいずれかに記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
[8] 前記触媒が、有機塩基カルボン酸塩、アルカリ金属塩、亜鉛化合物、チタン(IV)化合物、及びジルコニウム(IV)化合物からなる群より選択される少なくとも1種であ
る、[7]に記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
[9]前記反応工程が非プロトン性溶媒の存在下で行われる、[1]~[8]のいずれかに記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
[10]溶媒中で、塩基存在下、アミノ基含有有機化合物を、二酸化炭素含有混合ガスと接触させることにより、前記カルバミン酸塩を生成するカルバミン酸塩生成工程を更に含み、前記二酸化炭素含有混合ガス中の二酸化炭素の体積が0.01%以上である、[1]~[9]のいずれかに記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カルバミン酸塩を原料として、犠牲試薬もハロゲン化アルキルも用いずにカルバミン酸エステルを製造する方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の詳細を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
【0009】
<1.カルバミン酸エステルの製造方法>
本発明の一実施形態に係るカルバミン酸エステルの製造方法は、カルバミン酸塩と金属アルコキシドとから、下記式(a-1)または(a-2)で表される構造を有するカルバミン酸エステルを生成する反応工程(以下、「反応工程」と略す場合がある。)を含むことを特徴とする。
TIFF
2025107478000004.tif
26
170
(上記式中、R
1
はそれぞれ独立して水素原子または無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し、R
2
、R
3
はそれぞれ独立して無置換もしくは置換基を有する1価の炭化水素基を表し、R
20
は無置換もしくは置換基を有する2価の炭化水素基を表す。)
【0010】
カルバミン酸塩と金属アルコキシドとから式(a-1)または(a-2)で表される構造を有するカルバミン酸エステルを生成する反応としては、例えば、以下に示すN-ベンジルカルバミン酸ベンジルアンモニウムとチタンテトラメトキシドとの反応が挙げられる。この場合の反応機構は以下のように推測される。
TIFF
2025107478000005.tif
62
170
本発明は、犠牲試薬も環境調和性に乏しいハロゲン化アルキルも用いずに、カルバミン酸エステルを製造することができる。また、後述するように、本発明は低濃度の二酸化炭素混合ガスを原料としてカルバミン酸塩を製造し、カルバミン酸エステルを製造することも可能であり、排気ガス等に含まれる低濃度二酸化炭素の有効活用を可能とする。さらに、本発明はアルコールで再生可能な金属アルコキシドを用いるため、実質的には低濃度二酸化炭素、アミン、アルコールのみが消費される環境調和性に優れたカルバミン酸エステルの製造を実現できる。以下、本発明のカルバミン酸エステルの製造方法について詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
株式会社トクヤマ
グルコンアミド誘導体
3か月前
株式会社トクヤマ
四塩化炭素の製造方法
9日前
東ソー株式会社
炭素-窒素結合形成方法
9日前
日本化薬株式会社
新規顕色剤及び記録材料
3か月前
日本化薬株式会社
新規顕色剤及び記録材料
3か月前
株式会社トクヤマ
シロキサン類の回収方法
9日前
日産化学株式会社
ピリジン化合物の製造方法
2か月前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
3か月前
株式会社トクヤマ
グルコンアミド誘導体の製造方法
3か月前
日本特殊陶業株式会社
メタン製造装置
1か月前
花王株式会社
新規ピリジニウム化合物
3か月前
金剛化学株式会社
ボルチオキセチンの製造方法
1か月前
四国化成工業株式会社
エポキシ化合物およびその利用
2か月前
ユニチカ株式会社
ビスマレイミドおよびその製造方法
1か月前
artience株式会社
四塩基酸無水物の製造方法
16日前
信越化学工業株式会社
新規化合物
11日前
国立大学法人京都大学
細胞質送達ペプチド
3か月前
日産化学株式会社
ピラゾール化合物及び有害生物防除剤
19日前
四国化成工業株式会社
テレフタル酸化合物およびその利用
2か月前
株式会社トクヤマ
サフィナミド若しくはその塩の製造方法
16日前
四国化成工業株式会社
イソフタル酸化合物およびその利用
2か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
2か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
1か月前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の保存溶液
16日前
小川香料株式会社
化合物及び香料組成物
3か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
1か月前
ダイキン工業株式会社
SF5含有シラン化合物
2か月前
小川香料株式会社
化合物及び香料組成物
3か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
1か月前
株式会社カネカ
プロピレンオキサイド(PO)製造システム
2か月前
旭化成株式会社
トリオキサンの製造方法
19日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
1か月前
JFEスチール株式会社
メタノール合成方法
1か月前
旭化成株式会社
ホルムアルデヒドの製造方法
1か月前
株式会社トクヤマ
精製第4級アンモニウム化合物水溶液の製造方法
2か月前
公立大学法人大阪
カルボン酸化合物の製造方法
12日前
続きを見る
他の特許を見る