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公開番号2025109254
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-25
出願番号2024002967
出願日2024-01-12
発明の名称低ホルムアルデヒド含有ポリアセタール繊維の製造法及び繊維
出願人株式会社プレジール,圓井繊維機械株式会社
代理人
主分類D01F 6/94 20060101AFI20250717BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】繊維から発生するホルムアルデヒド量が少ない、低ホルムアルデヒド含有POM繊維の製造法とその方法によって製造されたPOM繊維を提供する。
【解決手段】POM重合反応後の、粗重合体に0.1から5%wt%のメラミンあるいはメラミン誘導体、及び0.01から5wt%のアルカリ土類金属水酸化物、0.01~5wt%酸化防止剤を添加して得た熱安定化されたPOM樹脂に0.01から5wt%のホルマリンスカベンジャーを添加して溶融紡糸し、低ホルムアルデヒド含有POM繊維を得る方法である。POMとPBSあるいはPLAの様な生分解性ポリエステル樹脂のアロイを紡糸する場合は、さらに0.1から5wt%のカルボジイミド化合物を含むことにより、安全な低ホルムアルデヒド含有の繊維が得られる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第一工程としてホルムアルデヒドの3量体であるトリオキサンとエチレンオキサイド、1,3-ジオキソラン、1,3,6-トリオキソカン、1,3-ジオキセパン等の炭素数2~4のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーを共重合することによって得られたオキシメチレン末端を有するポリアセタール(POM)粗重合体に、0.1~5%wt%のメラミンあるいはメラミン誘導体及び0.01~5wt%のアルカリ土類金属水酸化物、0.01~5wt%酸化防止剤を添加し、POM粗重合体を190℃~250℃に加熱溶融してオキシメチレン分子鎖末端を分解して、発生するホルムアルデヒドを分離除去し、分子鎖末端をオキシエチレン末端としたPOM樹脂を得たのち、第二工程として0.01~5wt%のホルマリンスカベンジャーを添加したPOM樹脂を樹脂温度190~250℃で溶融紡糸して、低ホルムアルデヒド含有POM繊維を製造する、POM繊維の製造方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
第一工程としてホルムアルデヒドの3量体であるトリオキサンとエチレンオキサイド、1,3-ジオキソラン、1,3,6-トリオキソカン、1,3-ジオキセパン等の炭素数2~4のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーを共重合することによって得られたオキシメチレン末端を有するポリアセタール(POM)粗重合体に、0.1~5%wt%のメラミンあるいはメラミン誘導体及び0.01~5wt%のアルカリ土類金属水酸化物、0.01~5wt%酸化防止剤を添加し、POM粗重合体を190℃~250℃に加熱溶融してオキシメチレン分子鎖末端を分解して、発生するホルムアルデヒドを分離除去し、分子鎖末端をオキシエチレン末端としたPOM樹脂を得たのち、第二工程としてPOM樹脂50から100wt%に対して生分解性ポリエステル樹脂0~50t%を加え、0.01~5wt%のホルマリンスカベンジャーを添加し、樹脂温度190~250℃で溶融紡糸して、低ホルムアルデヒド含有POMアロイ繊維を製造する、POMアロイ繊維の製造法。
【請求項3】
オキシメチレン基(-CH2O-) とオキシメチレン基以外の構成単位を1種以上含むPOMを50~100wt%と生分解性ポリエステル樹脂0~50wt%を溶融紡糸して得られる繊維径0.5~100μmの単層あるいは多層の合成繊維であり、これらが0.1~5wt%のメラミンあるいはメラミン誘導体及び、0.01~5wt%のアルカリ土類金属水酸化物、0.01~5wt%酸化防止剤、0.01~5wt%のホルマリンスカベンジャーを含む遊離ホルムアルデヒドが16ppm以下であるPOM繊維。
【請求項4】
メラミン誘導体がメチロールメラミン、グアナミン、メラミンシアヌレート、メラミン-ホルムアルデヒド重縮合物である請求項1~3記載の低ホルムアルデヒド含有POM繊維の製造法およびPOM繊維。
【請求項5】
アルカリ土類金属水酸化物が水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムである請求項1~3記載の低ホルムアルデヒド含有POM繊維の製造法およびPOM繊維の製造法およびPOM繊維。
【請求項6】
ホルマリンスカベンジャーが、プロピオン酸ジヒドラジド、チオカルボン酸ジヒドジド、シュウ酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ナフタレン酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド及びドデカン二酸ジヒドラジド からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1~3記載の低ホルムアヒド含有POM繊維の製造法およびPOM繊維。
【請求項7】
生分解性ポリエステル樹脂が、ポリ乳酸(以下PLAと云う)、ポリブチレンサクシネート(以下PBSと云う)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシブチレート-コヒドロキシバレレート(PHBV)、ポリブチレンアジペート-テレフタレート(PBAT)、ポリヒドロキシ酪酸-ヒドロキシヘキサン酸(PHBH)からなる群から選ばれた1種以上の樹脂である請求項2~3記載の低ホルムアヒド含有POM繊維の製造法およびPOM繊維。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアセタール樹脂(以下POMと言う)が主成分である単層あるいは多層の合成繊維がJIS L1041に準拠して遊離ホルムアルデヒドを測定した時に、繊維の含有ホルムアルデヒドが16ppm以下であるPOM繊維の製造法及び繊維に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
POMはバランスのとれた機械的性質と良好な耐摩耗性、耐熱性、電気特性、 及び耐薬品性を持つエンジニアリングプラスチックとして、各種の機械部品や 電機部品等に広く使われている。
【0003】
一方で、POMはナイロンやポリエステルとは異なり、繊維として広く用いられることはなかった。これはPOM繊維が染色しにくいこと、紡糸時に結晶化速度が速い為に、繊維の長手方向の太さむらが比較的大きいことなどが問題とされた。
【0004】
またPOMはモノマーの主原料がホルムアルデヒドであることから、樹脂の重合時や成形加工等にかかる熱履歴での僅かな熱分解反応により、きわめて微量のホルムアルデヒドが発生するため、繊維製品として用いる時の遊離ホルムアルデヒドの規制を超えてしまうという問題があった。
【0005】
POMを射出成形や押出成形で工業部品として応用する場合には、従来からホルムアルデヒド発生量を抑制するための添加剤として、メラミン系化合物、ヒドラジン系化合物、尿素系化合物、アミン系やアミド系化合物等の多くの窒素系化合物や、立体障害フェノール(ヒンダードフェノール)系酸化防止剤等と組み合わせた添加剤が提案されている。
【0006】
例えば特許文献1はPOM樹脂にアルキレンウレタン、多塩基性カルボン酸アミド及び又は尿素、ヒンダードフェノールを添加してなる安定化POM組成物が提案されている。しかし、POMの繊維を目的とした特許ではない。
【0007】
特許文献2は優れた摩擦・摩耗特性を有し、かつ金型付着物が少ないPOM樹脂を与えるもので、添加剤としてオレフィン系重合体と少なくとも一種のビニル系重合体、メラミン-ホルムアルデヒド重縮合物、酸化防止剤の組み合せが提案されている。この特許は射出成形用途を対象にした組成物の発明である。
【0008】
特許文献3にはPOM樹脂成形体から添加物の沁み出しが少なく、連続性をしても金型の汚れが少ない、立体障害性フェノール系酸化防止剤と特定の窒素含有化合物、ホウ酸塩の組み合わせが提案されている。この特許も射出成形用POMを対象にしている。
【0009】
特許文献4にはPOM樹脂の繊維製造時に発生するホルムアルデヒドを抑制し、製造時の作業環境の向上を目的として脂肪族、または芳香族ジヒドラジド化合物と立体障害フェノールを添加した繊維が提案されている。しかし、繊維として使用出来る遊離ホルムアルデヒド濃度については言及されていない。
【0010】
特許文献5にはPOM樹脂に無機充填剤0.05~1.3重量部を含むPOM繊維が提案されており、その無機充填剤がマグネシウムおよびケイ素の少なくとも一方を含むPOM繊維とされているが遊離ホルムアルデヒドについては書かれていない。
(【0011】以降は省略されています)

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