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公開番号2025109666
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-25
出願番号2024203197
出願日2024-11-21
発明の名称ポリマー被覆ガラス基材
出願人住友ゴム工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C03C 17/32 20060101AFI20250717BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】血球細胞等の正常細胞の吸着を抑制し、がん細胞、幹細胞、T細胞等の特定細胞を選択的に吸着することが可能なポリマー被覆ガラス基材を提供する。
【解決手段】ガラス基材の表面に1層又は2層以上のポリマー層が形成されたポリマー被覆ガラス基材であって、前記ガラスは、水中での気泡の接触角が100度以上120度以下のソーダ石灰ガラスであり、前記ポリマー層の最表面層の表面は、水中または水溶液中での弾性率が1.20MPa以下であるポリマー被覆ガラス基材に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ガラス基材の表面に1層又は2層以上のポリマー層が形成されたポリマー被覆ガラス基材であって、
前記ガラスは、水中での気泡の接触角が100度以上120度以下のソーダ石灰ガラスであり、
前記ポリマー層の最表面層の表面は、水中または水溶液中での弾性率が1.20MPa以下であるポリマー被覆ガラス基材。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記弾性率が0.85MPa以下である請求項1に記載のポリマー被覆ガラス基材。
【請求項3】
前記弾性率が0.75MPa以下である請求項1に記載のポリマー被覆ガラス基材。
【請求項4】
前記弾性率が0.04MPa以上である請求項1に記載のポリマー被覆ガラス基材。
【請求項5】
前記最表面層が、下記式(I)で表されるポリマーにより形成されている請求項1~4のいずれかに記載のポリマー被覆ガラス基材。
JPEG
2025109666000015.jpg
31
156
(式中、R
51
は水素原子又はメチル基、R
52
はアルキル基を表す。pは1~8、mは1~5、nは繰り返し数を表す。)
【請求項6】
前記最表面層が、下記式(I-1)で表されるポリマーにより形成されている請求項1~4のいずれかに記載のポリマー被覆ガラス基材。
JPEG
2025109666000016.jpg
35
156
(式中、R
51
は水素原子又はメチル基、R
52
はアルキル基を表す。mは1~5、nは繰り返し数を表す。)
【請求項7】
前記最表面層が、下記式(II)で表される化合物と他のモノマーとの共重合体により形成されている請求項1~4のいずれかに記載のポリマー被覆ガラス基材。
JPEG
2025109666000017.jpg
27
156
(式中、R
51
は水素原子又はメチル基、R
52
はアルキル基を表す。pは1~8、mは1~5を表す。)
【請求項8】
前記最表面層が、下記式(II-1)で表される化合物と他のモノマーとの共重合体により形成されている請求項1~4のいずれかに記載のポリマー被覆ガラス基材。
JPEG
2025109666000018.jpg
30
156
(式中、R
51
は水素原子又はメチル基、R
52
はアルキル基を表す。mは1~5を表す。)
【請求項9】
前記最表面層が、数平均分子量が10000~60000である前記ポリマーで形成されている請求項5に記載のポリマー被覆ガラス基材。
【請求項10】
前記ポリマー層の総厚みが10~4000nmである請求項1~4のいずれかに記載のポリマー被覆ガラス基材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー被覆ガラス基材に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
血液及び体液中の特定細胞(血球細胞、血液・体液中に存在するがん細胞、幹細胞、T細胞等)を吸着させる器具を作製するために、基材表面を特殊な高分子でコーティングする技術が提案されている。
【0003】
しかしながら、基材表面上にがん細胞、幹細胞、T細胞等の特定細胞が吸着されると同時に、血球細胞も吸着されるという懸念がある。従って、がん細胞、幹細胞、T細胞等の特定細胞がより選択的に吸着される一方で、血球細胞等の正常細胞の吸着を抑制することが可能なポリマー被覆基材の提供が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記課題を解決し、血球細胞等の正常細胞の吸着を抑制し、がん細胞、幹細胞、T細胞等の特定細胞を選択的に吸着することが可能なポリマー被覆ガラス基材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ガラス基材の表面に1層又は2層以上のポリマー層が形成されたポリマー被覆ガラス基材であって、前記ガラスは、水中での気泡の接触角が100度以上120度以下のソーダ石灰ガラスであり、前記ポリマー層の最表面層の表面は、水中または水溶液中での弾性率が1.20MPa以下であるポリマー被覆ガラス基材に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ガラス基材の表面に1層又は2層以上のポリマー層が形成されたポリマー被覆ガラス基材であって、前記ガラスは、水中での気泡の接触角が100度以上120度以下のソーダ石灰ガラスであり、前記ポリマー層の最表面層の表面は、水中または水溶液中での弾性率が1.20MPa以下であるポリマー被覆ガラス基材であるので、血球細胞等の正常細胞の吸着を抑制し、がん細胞、幹細胞、T細胞等の特定細胞を選択的に吸着することが可能である。従って、ポリマー被覆ガラス基材により、がん細胞、幹細胞、T細胞等の特定細胞の吸着性能の向上が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
上記ポリマー被覆ガラス基材は、ガラス基材の表面に1層又は2層以上のポリマー層が形成されたポリマー被覆ガラス基材であって、上記ガラスは、水中での気泡の接触角が100度以上120度以下のソーダ石灰ガラスであり、上記ポリマー層の最表面層の表面は、水中または水溶液中での弾性率が1.20MPa以下である。
【0008】
血中循環腫瘍細胞(数個~数百個/血液1mL)等の体液中にでてきた腫瘍細胞(がん細胞等)は、非常に数が少なく、検査に供するには、採取した体液中に存在する腫瘍細胞をできる限り多く吸着することが重要と考えられる。上記ポリマー被覆ガラス基材は、ポリマーを被覆するガラス基材として特に水中での気泡の接触角が100度以上120度以下であるソーダ石灰ガラスを使用すると共に、基材表面に形成されたポリマー層の最表面層の表面の水中または水溶液中での弾性率が1.20MPa以下であるものである。血球細胞などの正常細胞に比べて、がん細胞等の特定細胞は、一般に柔らかいことが知られている。これは、がん細胞等の特定細胞が転移するときに、細胞の形状を大きく変形して、隙間をすり抜けて移動することと関係がある。このため、変形しにくく、硬い血球細胞などの正常細胞は、表面が柔らかいポリマー基材には、吸着されにくくなる。一方、変形能を獲得したがん細胞等の特定細胞は、表面が柔らかいポリマー基材でも吸着されやすい。また、表面の弾性率が低すぎると吸着性は逆に低下する。すなわち、表面の弾性率には最適値がある。そして、上記ポリマー被覆ガラス基材では、特にガラス基材として特に水中での気泡の接触角が100度以上120度以下のソーダ石灰ガラスを使用し、そのような基材に最表面層の水中または水溶液中での表面の弾性率が1.20MPa以下である1層又は2層以上のポリマー層を形成することにより、血球細胞等の正常細胞の吸着を抑制しつつ、がん細胞、幹細胞、T細胞等の特定細胞を選択的に吸着するという作用効果を顕著に発揮させることが可能となる。尚、上記ポリマー被覆ガラス基材のポリマー層に吸着された腫瘍細胞の数を測定することで、体液中の腫瘍細胞数が判り、がん治療効果の確認等を期待できる。また、吸着した腫瘍細胞を培養し、その培養した細胞で抗がん剤等の効き目を確認することで、抗がん剤等の投与前に、体の外で、抗がん剤等の効き目を確認できると同時に、抗がん剤等の選定にも役立つ。さらに吸着した腫瘍細胞の遺伝子解析をすることで、抗がん剤等の選定に役立つ。また、吸着又は培養した腫瘍細胞から、遺伝子解析を行い、腫瘍細胞の変異状態や発現状態を調べて、抗がん剤等の選定に利用できたり、がんのメカニズム解明に役立てられる。
【0009】
上記ガラス基材を構成するガラスは、ソーダ石灰ガラスである。
上記ソーダ石灰ガラスは、ソーダ石灰ガラス基材の表面が、-N(R



及び/又は-N(R




(R

及びR

は、それぞれ、同一若しくは異なって、水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい置換若しくは非置換の炭化水素基である。)で表される基を有するものでもよい。この場合、血球細胞等の正常細胞の吸着を抑制し、がん細胞、幹細胞、T細胞等の特定細胞を選択的に吸着するという効果が効果的に発揮される傾向がある。
【0010】
「-N(R



及び/又は-N(R




で表される基」に関し、-N(R



で表される基におけるR

、-N(R




で表される基におけるR

は、それぞれ、同一若しくは異なって、(1)水素原子、又は(2)ヘテロ原子を含んでもよい置換若しくは非置換の炭化水素基である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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