発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本開示は、放射線治療支援装置及び放射線治療支援方法に関する。 続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】 【0002】 放射線治療では、高い放射線感受性を備える細胞などに関する特徴量の時間推移が患者の予後に影響を与える可能性がある。例えば、細胞性免疫に関わるキラーT細胞及びヘルパーT細胞などを含むリンパ球は、人体の免疫システムを担う細胞であり、高い放射線感受性を備えることで知られている。放射線治療を受けた患者群のうち、血中リンパ球数(Absolute Lymphocyte Count:ALC)の減少が少ない群は、予後が良好となる可能性が報告されている(非特許文献1参照)。 【0003】 上記の研究結果は、ALCの減少を抑制するように放射線治療の治療計画を立案することで、放射線治療の治療効果が向上する可能性を示唆している。 【0004】 これに対して特許文献1には、放射線被ばくによってALCに影響を与える部位をリンパ球関連リスク臓器(Lymphocyte-Related Organ At Risk:LOAR)とし、他の一般的なリスク臓器(organ at risk:OAR)と同様に線量制約を与えることで、ALCの減少を抑制する治療計画法が開示されている。 【0005】 また、非特許文献2には、治療計画によって得られたLOARの線量指標(例えば、線量体積ヒストグラム(Dose-Volume Histogram:DVH)など)を入力として、ALCの増減を予測するシミュレーション法が開示されている。このようなシミュレーション法は、LOARへの適切な線量制約を決定するのに有用となる。非特許文献2に記載の技術では、数十人分の治療実績から得られたALCの実測値に基づいて、ALCの時間推移が平均的に再現されるように、シミュレーションの内部パラメータが調整される。内部パラメータには、リンパ球の放射線感受性及び時間当たりの回復量が含まれる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 米国2023/0094681号明細書 非特許文献 【0007】 Cho Y, et al., Lymphocyte dynamics during and after chemo-radiation correlate to dose and outcome in stage III NSCLC patients undergoing maintenance immunotherapy. Radiother Oncol. 2022 Mar;168:1-7. Jin JY, Mereniuk, et at., A framework for modeling radiation induced lymphopenia in radiotherapy. Radiother Oncol. 2020 Mar;144:105-113. 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 リンパ球の放射線感受性及び時間当たりの回復量には、個人差がある。しかしながら、非特許文献2に記載の技術では、この個人差については考慮されていないため、ALCの増減を正確に予測できないことがある。このため、個々の患者にとって適切なLOARへの線量制約やそれを考慮した治療計画などを求めることが難しく、患者の個人差を考慮した適切な放射線治療を行うことが難しい。 【0009】 本開示の目的は、患者の個人差を考慮した適切な放射線治療を行うことが可能な放射線治療支援装置及び放射線治療支援方法を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本開示の一態様に従う放射線治療支援装置は、被検者に放射線を照射する放射線治療を支援する放射線治療支援装置であって、記録部と制御部とを有し、前記記録部は、放射線の照射によって前記被検者の体内に形成される3次元線量分布の特徴を表す第1の特徴量の目標値を入力として前記被検者の予後を判断するための第2の特徴量の時間推移を予測して出力するシミュレータを格納し、前記制御部は、前記時間推移に基づいて合格と判定された前記3次元線量分布が前記被検者の体内に形成されるように実行された前記放射線治療を行っている期間の互いに異なる複数の時点で測定された複数の前記第2の特徴量の実測値に基づいて、前記シミュレータの内部パラメータを調整し、前記内部パラメータを調整した前記シミュレータを実行し、当該シミュレータから出力された前記時間推移を表示し、操作者からの操作に従って前記3次元線量分布を調整する。 【発明の効果】 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する