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公開番号2025111888
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-31
出願番号2024005794
出願日2024-01-18
発明の名称大梁・小梁接合構造
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人
主分類E04B 1/58 20060101AFI20250724BHJP(建築物)
要約【課題】施工が容易な隅肉溶接を用いて大梁と小梁を剛接合し、小梁下フランジ側の溶接長を十分に確保することができる大梁・小梁接合構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る大梁・小梁接合構造1は、小梁上フランジ5aを大梁上フランジ3aに剛接合、又は相対する小梁上フランジ5a同士を剛接合した小梁上フランジ接合部7と、小梁ウェブ5bを大梁ウェブ3bに接合された鉛直プレート19に剛接合した小梁ウェブ接合部9と、小梁下フランジ5cを、大梁下フランジ3cの下面に接合された下フランジ溶接プレート25に接合した小梁下フランジ接合部11とを有し、下フランジ溶接プレート25は、大梁下フランジ3cの両側端から延出する小梁下フランジ5cよりも幅広のプレートであり、小梁下フランジ接合部11は小梁下フランジ5cの材軸方向側端部5caが下フランジ溶接プレート25に隅肉溶接接合されている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
H形鋼を用いた大梁に、該大梁に直交する方向に該大梁を挟んで両側に前記大梁と同じ梁成のH形鋼を用いた一対の小梁を相対させて接合する大梁・小梁接合構造であって、
相対する小梁の小梁上フランジを大梁上フランジにそれぞれ剛接合、又は相対する小梁上フランジ同士を部材を介して剛接合した小梁上フランジ接合部と、
相対する小梁の小梁ウェブを、大梁ウェブに接合された鉛直プレートにそれぞれ剛接合した小梁ウェブ接合部と、
相対する小梁の小梁下フランジを、大梁下フランジの下面に接合された下フランジ溶接プレートに接合した小梁下フランジ接合部と、を有し、
前記下フランジ溶接プレートは、前記大梁下フランジの長手方向に直交し、前記大梁下フランジの両側端から延出する前記小梁下フランジよりも幅広のプレートであり、
前記小梁下フランジ接合部は、前記小梁下フランジの下面が前記下フランジ溶接プレートに接触した状態で前記小梁下フランジの材軸方向側端部が前記下フランジ溶接プレートに隅肉溶接接合されていることを特徴とする大梁・小梁接合構造。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記小梁下フランジの材軸方向先端部が前記下フランジ溶接プレートに隅肉溶接接合されていることを特徴とする請求項1に記載の大梁・小梁接合構造。
【請求項3】
前記大梁上フランジの上面に、該大梁上フランジの長手方向に直交し、前記大梁上フランジの両側端から延出する上フランジ溶接プレートが配置され、
該上フランジ溶接プレートは、前記小梁上フランジよりも幅狭のプレートであり、
前記小梁上フランジ接合部は、相対する小梁の小梁上フランジを、前記上フランジ溶接プレートに接合したものであり、前記上フランジ溶接プレートの下面が前記小梁上フランジに接触した状態で該上フランジ溶接プレートの外周部が前記小梁上フランジに隅肉溶接接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の大梁・小梁接合構造。
【請求項4】
H形鋼を用いた大梁に、該大梁に直交する方向に該大梁を挟んで両側にH形鋼を用いた一対の小梁を相対させて接合する大梁・小梁接合構造であって、
相対する小梁の小梁上フランジを、大梁上フランジの上面に配置された上フランジ溶接プレートに接合した小梁上フランジ接合部と、
相対する小梁の小梁ウェブを、大梁ウェブに接合された鉛直プレートにそれぞれ剛接合した小梁ウェブ接合部と、
相対する小梁の小梁下フランジを大梁下フランジにそれぞれ剛接合、又は相対する小梁下フランジ同士を部材を介して剛接合した小梁下フランジ接合部と、を有し、
前記上フランジ溶接プレートは、前記大梁上フランジの長手方向に直交し、前記大梁上フランジの両側端から延出する前記小梁上フランジよりも幅狭のプレートであり、
前記小梁上フランジ接合部は、前記上フランジ溶接プレートの下面が前記小梁上フランジに接触した状態で該上フランジ溶接プレートの外周部が前記小梁上フランジに隅肉溶接接合されていることを特徴とする大梁・小梁接合構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄骨造における架構の大梁・小梁接合構造に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、鉄骨造のコンクリート床を支える架構は、所定の間隔で平行に配された大梁と、該大梁同士を連結するように配置された小梁によって構成されている。
一般的な架構の大梁・小梁接合部は、大梁ウェブに設けられる取り合い部材に小梁ウェブがボルト接合され、小梁の上下フランジは接合しないピン接合として設計される。このように両端がピン接合となった小梁は単純梁と呼ばれ、床を支える際に小梁に生じる曲げモーメントが大梁に伝達しないため、小梁の長手方向中央部に曲げモーメントが集中する。したがって、小梁を大梁にピン接合する構造では、小梁中央部の曲げモーメントに抵抗するために小梁のサイズを大きくせざるをえず、小梁の重量が増加し、コスト増の要因となっていた。
【0003】
ここで、小梁接合部を剛接合とし、端部にもモーメントを発生させることで、小梁の長手方向中央部に集中する曲げモーメントを低減することができる。このような例が例えば特許文献1、2に開示されており、これらは小梁を大梁にピン接合する場合と比べて小梁の重量を低減することができる。
なお、剛接合は、接合部において回転変位(角)を生じないと見做し得る、回転拘束力に富んだ接合であり、ピン接合は接合部において回転変位(角)が生じることを許容した、回転拘束力を発揮しないと見做し得る接合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-68005号公報
特開2009-52302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、小梁の上下フランジを大梁に溶接接合することで大梁と小梁が剛接合されている。この溶接部においては、特許文献1の図4を見ても分かるように突合わせ溶接(完全溶け込み溶接)が用いられているが、突合せ溶接は溶接工の技量が求められる工法であるため、現場での作業負荷が大きかった。また近年は、熟練工の高齢化に伴い、高い技術を有する溶接工が減少傾向にあるので、溶接工の技量に依存しない施工方法が望まれている。
【0006】
これに対し、特許文献2では、小梁の上下フランジを隅肉溶接によって大梁に剛接合している。隅肉溶接は突合せ溶接と比べて溶接工の技量を必要としないので、現場での施工が容易である。
【0007】
隅肉溶接による接合の場合、その接合強度は溶接長が長いほど向上する。したがって、小梁の上下フランジを隅肉溶接によって大梁に接合する場合には、小梁に曲げモーメントが生じた際に接合部に作用する応力に抵抗できるよう、十分な溶接長で隅肉溶接する必要がある。
この点、特許文献2では、小梁の上フランジに切欠きを形成することで、隅肉溶接長を長くする方法が提案されているが(特許文献2の図12参照)、これは小梁の上フランジを加工する必要があり、製造の手間がかかる。
【0008】
また、特許文献2の構造は、大梁の両側に小梁を剛接合して、これら小梁を連梁として機能させる構造であるが、一方の小梁に生じた応力は大梁を介して他方の小梁に伝達されるため、大梁の降伏強度が小梁の降伏強度を下回る場合には適用が難しい場合がある。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、施工が容易な隅肉溶接を用いて大梁・小梁接合部を構成すると共に、必要溶接長を容易に確保することができる大梁・小梁接合構造を提供することを目的とする。
また、大梁の降伏強度が小梁の降伏強度を下回る場合にも適用が可能な、大梁・小梁接合構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明に係る大梁・小梁接合構造は、H形鋼を用いた大梁に、該大梁に直交する方向に該大梁を挟んで両側に前記大梁と同じ梁成のH形鋼を用いた一対の小梁を相対させて接合する大梁・小梁接合構造であって、
相対する小梁の小梁上フランジを大梁上フランジにそれぞれ剛接合、又は相対する小梁上フランジ同士を部材を介して剛接合した小梁上フランジ接合部と、
相対する小梁の小梁ウェブを、大梁ウェブに接合された鉛直プレートにそれぞれ剛接合した小梁ウェブ接合部と、
相対する小梁の小梁下フランジを、大梁下フランジの下面に接合された下フランジ溶接プレートに接合した小梁下フランジ接合部と、を有し、
前記下フランジ溶接プレートは、前記大梁下フランジの長手方向に直交し、前記大梁下フランジの両側端から延出する前記小梁下フランジよりも幅広のプレートであり、
前記小梁下フランジ接合部は、前記小梁下フランジの下面が前記下フランジ溶接プレートに接触した状態で前記小梁下フランジの材軸方向側端部が前記下フランジ溶接プレートに隅肉溶接接合されていることを特徴とするものである。
(【0011】以降は省略されています)

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