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公開番号2025112457
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2024006683
出願日2024-01-19
発明の名称クラフトパルプおよびクラフト紙
出願人王子ホールディングス株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類D21H 11/12 20060101AFI20250725BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】優れた比引裂強さと比引張強さとを両立するクラフト紙を製造可能なクラフトパルプを効率よく提供する。
【解決手段】非木材の葉脈繊維、または非木材の葉脈繊維と、広葉樹および針葉樹から選ばれる1種以上とを原料として含むクラフトパルプ。非木材の葉脈繊維または非木材の葉脈繊維と、広葉樹および針葉樹から選ばれる1種以上とを原料として含む前記クラフトパルプを、抄紙してなるクラフト紙。非木材の葉脈繊維または非木材の葉脈繊維と、広葉樹および針葉樹から選ばれる1種以上とをクラフト法により蒸解する、クラフトパルプの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非木材の葉脈繊維、または非木材の葉脈繊維と、広葉樹および針葉樹から選ばれる1種以上とを原料として含む、クラフトパルプ。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
長さ加重平均繊維長が、0.9mm以上4.2mm以下である、請求項1に記載のクラフトパルプ。
【請求項3】
カナダ標準ろ水度が600mL以下である、請求項1または2に記載のクラフトパルプ。
【請求項4】
原料が、非木材の葉脈繊維を2質量%以上含む、請求項1または2に記載のクラフトパルプ。
【請求項5】
請求項1または2に記載のクラフトパルプを抄紙してなるクラフト紙。
【請求項6】
比引張強さが54N・m/g以上である、請求項5に記載のクラフト紙。
【請求項7】
比引裂強さが14mN・m

/g以上である、請求項5に記載のクラフト紙。
【請求項8】
坪量が、30g/m

以上200g/m

以下である、請求項5に記載のクラフト紙。
【請求項9】
非木材の葉脈繊維、または非木材の葉脈繊維と、広葉樹および針葉樹から選ばれる1種以上とをクラフト法により蒸解する、クラフトパルプの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、クラフトパルプおよびクラフト紙に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、パルプの原料となる木材は、一般的にクラフト法により蒸解され(クラフト蒸解)、パルプ化されている。一方、マニラ麻などの非木材の葉脈繊維は、一般的に亜硫酸法により蒸解され(サルファイト蒸解)、パルプ化されている。
【0003】
特許文献1には、クラフトパルプと葉脈繊維パルプとを混合した原料パルプを抄紙することによって得られ、葉脈繊維パルプのフリーネスが特定の値以上である、クラフト紙が開示され、当該クラフト紙は、単層構造でありながら高い引張強度および伸びを有し、繊維結束が少なく地合に優れるため、各種電気機器用の電気絶縁紙として、特に電線巻紙用クラフト紙として好適に用いることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-185260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたクラフト紙は、別途蒸解してパルプ化した、クラフトパルプと葉脈繊維パルプとを混合した原料パルプを用いているため、製造工数が多い。また、特許文献1に記載されたクラフト紙は、電線巻紙用途に特に好適なものとしているため、引裂強さについては着目していない。したがって、クラフト紙に重要な強度である、比引裂強さと比引張強さとを両立するクラフト紙の実現が望まれていた。
【0006】
本発明は、上記課題の存在に鑑みてなされたものであり、優れた比引裂強さと比引張強さとを両立するクラフト紙を製造可能なクラフトパルプを効率よく提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、非木材の葉脈繊維または非木材の葉脈繊維と、広葉樹および針葉樹から選ばれる1種以上とを原料として含むクラフトパルプを用いてなる、クラフト紙が、優れた比引裂強さと比引張強さとを両立できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下のような構成を有する。
<1> 非木材の葉脈繊維、または非木材の葉脈繊維と、広葉樹および針葉樹から選ばれる1種以上とを原料として含む、クラフトパルプ。
<2> 長さ加重平均繊維長が、0.9mm以上4.2mm以下である、<1>に記載のクラフトパルプ。
<3> カナダ標準ろ水度が600mL以下である、<1>または<2>に記載のクラフトパルプ。
<4> 原料が、非木材の葉脈繊維を2質量%以上含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載のクラフトパルプ。
<5> <1>~<4>のいずれか1つに記載のクラフトパルプを抄紙してなるクラフト紙。
<6> 比引張強さが54N・m/g以上である、<5>に記載のクラフト紙。
<7> 比引裂強さが14mN・m

/g以上である、<5>または<6>に記載のクラフト紙。
<8> 坪量が、30g/m

以上200g/m

以下である、<5>~<7>のいずれか1つに記載のクラフト紙。
<9> 非木材の葉脈繊維、または非木材の葉脈繊維と、広葉樹および針葉樹から選ばれる1種以上とをクラフト法により蒸解する、クラフトパルプの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、優れた比引裂強さと比引張強さとを両立するクラフト紙を製造可能なクラフトパルプが効率よく提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。本明細書において、「X~Y」を用いて表される数値範囲は、Xを下限値、Yを上限値として含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限および下限は任意に組み合わせることができる。
【0010】
[クラフトパルプ]
本実施形態のクラフトパルプ(以下、単にクラフトパルプともいう)は、非木材の葉脈繊維、または非木材の葉脈繊維と、広葉樹および針葉樹から選ばれる1種以上とを原料として含む。本実施形態のクラフトパルプは、非木材の葉脈繊維をクラフト蒸解してなる非木材の葉脈繊維クラフトパルプを含有することにより、比引裂強さに優れ、かつ比引張強さにも優れるクラフト紙を提供できる。
(【0011】以降は省略されています)

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