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公開番号2025113260
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2025070096,2024082037
出願日2025-04-22,2020-08-17
発明の名称換気空調システム
出願人株式会社FHアライアンス
代理人個人,個人
主分類F24F 7/007 20060101AFI20250725BHJP(加熱;レンジ;換気)
要約【課題】通常は、省エネで、均一な温度、空質のよい、快適空間を実現し、有害物質が流入、発生した場合は、すばやく有害物質の排出をしながら、他の空間への拡散を防止するとともに、還気の熱や空気質を有効利用する換気空調システムを提供することを目的とする。
【解決手段】建物内の複数の部屋に吸気部16と排気手段19を設け、吸気部16に複数のダクト17で送風する複数の送風部13を設け、複数の排気手段19から合流して、送風部13に戻る還気路を設け、送風部13により、建物内に室内空気を循環させ、還気路に、開閉機構を有する室外空気導入路を繋ぐとともに、複数の部屋に、開閉機構27を有する室外への排気手段26を設け、建物内で、室外空気と室内空気を循環しながら、複数の部屋ごとに独立して、室外へ排気するように切替可能とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
建物内の複数の部屋に吸気部と排気手段を設け、
前記吸気部に複数のダクトで送風する複数の送風部を設け、
複数の前記排気手段から合流して、前記送風部に戻る還気路を設け、
前記送風部により、前記建物内に室内空気を循環させ、
前記還気路に、開閉機構を有する室外空気導入路を繋ぐとともに、
前記複数の部屋に、開閉機構を有する室外への排気手段を設け、
前記建物内で、室外空気と前記室内空気を循環しながら、
前記複数の部屋ごとに独立して、室外へ排気するように切替可能な換気空調システム。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
建物内の複数の部屋に吸気部と開閉機構を有する室外への排気手段を設け、
前記複数の部屋以外の空間に前記吸気部と排気手段を設け、
前記吸気部に複数のダクトで送風する複数の送風部を設け、
複数の前記排気手段から合流して、前記送風部に戻る還気路を設け、
前記還気路の途中に、少なくとも1つの空調部と複数の前記送風部とを有する空調区画を設け、
前記還気路に繋いだ室外空気導入路に、室外空気を導入するファンを設け、
前記建物内で、前記室外空気と室内空気を循環しながら、
前記複数の部屋ごとに独立して、室外へ排気するように切替可能な換気空調システムにおいて、
複数の前記送風部の合計送風量を前記空調部の空調風量及び前記ファンの室外空気導入量よりも多くしたことを特徴とする換気空調システム。
【請求項3】
前記室外への排気手段に換気扇を設けたことを特徴とする請求項2に記載の換気空調システム。
【請求項4】
建物内の複数の部屋に吸気部と排気手段と開閉機構を有する室外への排気手段を設け、
前記複数の部屋以外の部屋に前記吸気部と前記室外への排気手段と気密性の高いドアを設け、
前記吸気部に複数のダクトで送風する複数の送風部を設け、
複数の前記排気手段と前記気密性の高いドアから合流して、前記送風部に戻る還気路を設け、
前記還気路の途中に、少なくとも1つの空調部と複数の前記送風部とを有する空調区画を設け、
前記還気路に繋いだ室外空気導入路に、室外空気を導入するファンを設け、
前記建物内で、前記室外空気と室内空気を循環しながら、
前記複数の部屋及び、前記複数の部屋以外の部屋ごとに独立して、室外へ排気するように切替可能な換気空調システムにおいて、
複数の前記送風部の合計送風量を前記空調部の空調風量及び前記ファンの室外空気導入量よりも多くしたことを特徴とする換気空調システム。
【請求項5】
前記室外への排気手段に換気扇を設けたことを特徴とする請求項4に記載の換気空調システム。
【請求項6】
建物内の複数の部屋に吸気部と排気手段を設け、
前記複数の部屋以外の部屋に前記吸気部と室外への排気手段と気密性の高いドアを設け、
前記吸気部に複数のダクトで送風する複数の送風部を設け、
複数の前記排気手段と前記気密性の高いドアから合流して、前記送風部に戻る還気路を設け、
前記還気路の途中に、少なくとも1つの空調部と複数の前記送風部とを有する空調区画を設け、
前記還気路に繋いだ室外空気導入路と室内空気排気路に、室外空気と前記排気手段からの還気の一部を熱交換しながら、前記還気路に前記室外空気を導入し、前記還気の一部を室外に排気する熱交換気ユニットを設け、
前記建物内で、熱交換した室外空気と室内空気を循環しながら、
前記複数の部屋以外の部屋ごとに独立して、室外へ排気するように切替可能な換気空調システムにおいて、
複数の前記送風部の合計送風量を前記空調部の空調風量及び前記熱交換気ユニットの室外空気導入量よりも多くしたことを特徴とする換気空調システム。
【請求項7】
前記室外への排気手段に換気扇を設けたことを特徴とする請求項6に記載の換気空調システム。
【請求項8】
前記複数の部屋以外の部屋に前記還気路に繋いだ開閉機構を有する排気手段を設けたことを特徴とする請求項4乃至請求項7いずれか1項に記載の換気空調システム。
【請求項9】
建物内の複数の部屋に吸気部と開閉機構を有する排気手段と開閉機構を有する室外への排気手段と気密性の高いドアを設け、
前記吸気部に複数のダクトで送風する複数の送風部を設け、
複数の前記排気手段と前記気密性の高いドアから合流して、前記送風部に戻る還気路を設け、
前記還気路の途中に、少なくとも1つの空調部と複数の前記送風部とを有する空調区画を設け、
前記還気路に繋いだ室外空気導入路と室内空気排気路に、室外空気と前記排気手段からの還気の一部を熱交換しながら、前記還気路に前記室外空気を導入し、前記還気の一部を室外に排気する熱交換気ユニットを設け、
前記建物内で、熱交換した室外空気と室内空気を循環しながら、
前記複数の部屋ごとに独立して、室外へ排気するように切替可能な換気空調システムにおいて、
複数の前記送風部の合計送風量を前記空調部の空調風量及び前記熱交換気ユニットの室外空気導入量よりも多くしたことを特徴とする換気空調システム。
【請求項10】
前記室外への排気手段に換気扇を設けたことを特徴とする請求項9に記載の換気空調システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内の複数の部屋を換気し、空調する換気空調システムに関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
建物は省エネで快適な暮らし実現のため、ますます高気密化、高断熱化が進んでいる。一方、空気がきれいで健康な暮らし実現のため、換気の重要性が増している。
建物内の部屋、空間をくまなく換気、空調する換気空調システムを有する住宅、非住宅では、換気や空調した空気が、建物内の各部屋や各空間を循環しているため、ある部屋、空間で発生または流入した臭いや菌などの有害物質が、他の部屋や空間、通路等に流入し、他の人が不快になり、菌により感染するリスクがある。
建物全体の換気風量を米国疾病予防管理センター(CDC(2003))のガイドライン(厚生労働省 ホームページ 参考資料 商業施設等における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気について P1-P2 令和2年3月30日)により、換気回数6~12回/h以上の大風量にして、すばやく建物内の空気を室外空気と入れ替えれば、臭いや菌などの有害物質を排出することはできるが、騒音も増大し、イニシャルコストが高く、空調負荷が大幅に増大することにより、ランニングコストも高いため、一般の住宅や非住宅では、実際には実現は困難である。
各部屋、空間毎に換気と空調を行うシステムを導入した場合は、その部屋内、空間内だけで、換気や空調した空気が循環するため、他の部屋や空間に臭いや菌などの流入リスクはないが、イニシャル、ランニングコストが高くなり、機器スペースも必要で、各部屋、各空間等の形状や機器の設置、運転状況により、各部屋、各空間毎に、温湿度や菌、埃、臭い等の分布が均一でなく、不快な部屋、空間が発生する。
従来、この種の換気空調システムは、室内に外気を導入して空調空気を作り、室内を排気ファンで負圧にして、空調吹出し空気を均一に室内に導入しながら、排気するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、複数の部屋に給気ファンの吹出し口と排気ファンの吸込み口を設け、給気、排気ダクトに設けられた殺菌装置により、外気が殺菌され、各部屋に導入され、排気される。そして、補助換気扇により負圧に保たれた陰圧居室を空調機で空調し、この部屋から他の部屋への逆流防止のため排気も殺菌するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、互いに連通する複数の部屋のうち、任意の部屋で発生した有害物質が、他の部屋に拡散するのを抑制するため、通常は全部屋が第三種集中換気で、有害物質が発生した部屋は第一種換気に切り替える。そして、全館換気空調システムと連動し、有害物質が発生した部屋の給気(還気と外気を空調した空気)量を換気装置の排気風量より少なくするものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、ある部屋で有害物質が発生した場合の拡散防止のため、有害物質センサーと排気ファンと給気ファンと室外排出ダンパーにより、他の部屋に流出せず、室外に排出されるものが知られている(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-221612号公報
特開2005-257198号公報
特開2019-211139号公報
特開2018-151114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の換気空調システムでは、有害物質が室外から流入した場合、又は室内で発生した場合、防虫除菌ユニットによって除菌するが、事務所などで、夜間、人が不在の時に行うことを想定しており、在室時は除菌できず、また、複数の空間、部屋を対象にしておらず、常に外気を空調するため、空調負荷が大きく、イニシャル、ランニングコストが高くなるという問題があった。
また、特許文献2に記載の換気空調システムでは、負圧に保つ部屋に補助換気扇を設け、複数の部屋間を排気ダクトで繋いでいるので、殺菌装置により殺菌されなかった菌が他の部屋に流入するリスクがあるという問題があった。さらに、常に外気を入れて排気しているので、空調負荷が大きく、部屋間の温度も均一でなく、不快であるという問題もあった。
また、特許文献3に記載の換気空調システムでは、第一種換気装置と第三種換気装置の設置された部屋が固定されているので、有害物質が、第三種換気装置の設定された部屋で発生した場合、他の部屋への拡散は防止できないという問題があった。さらに、すべての部屋に第一種換気装置を設けるとイニシャルコストも高くなるという問題もあった。さらにまた、全館換気空調システムの各部屋に供給された空気の還気により、有害物質が他の部屋で発生した場合、他の部屋に拡散するリスクがあるという問題もあった。
また、特許文献4に記載の空調換気システムでは、他の部屋の換気や各部屋の空調、部屋間の空気の移動については記載無く、全館空調換気ができず、有害物質の発生場所が変わった時に対応できないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、通常は、各部屋、各空間の換気と空調を適切に行い、省エネで均一な温度で、空気質のよい、常に快適で、常にきれいな空気の、空間を実現し、いずれかの空間で臭いや菌などの有害物質が流入、発生した場合は、すばやく有害物質の排出をしながら、その空間、空気経路等からの他の空間への拡散を防止するとともに、有害物質が流入、発生していない空間へ供給した空調空気を再び空調に使用し、還気の熱や空気質を有効利用するため、さらに省エネで快適な換気空調システムを提供することを目的としている。
また、還気の流路に除菌または、脱臭機能を設けることにより、建物内を循環する大風量の空気の有害物質や臭いを除去、脱臭するので、より安心な、健康、快適な換気空調システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の換気空調システムは上記目的を達成するために、建物内の複数の部屋に吸気部と排気手段を設け、前記吸気部に複数のダクトで送風する複数の送風部を設け、複数の前記排気手段から合流して、前記送風部に戻る還気路を設け、前記送風部により、前記建物内に室内空気を循環させ、前記還気路に、開閉機構を有する室外空気導入路を繋ぐとともに、前記複数の部屋に、開閉機構を有する室外への排気手段を設け、前記建物内で、室外空気と前記室内空気を循環しながら、前記複数の部屋ごとに独立して、室外へ排気するように切替可能としたものである。
この手段により、送風部により、建物内の複数の部屋に吸気部から空調した室内空気を循環させ、空調後の空気である還気が、複数の部屋の各排気手段、例えば、ドアのアンダーカットなどから、合流して、還気路を通って、再び、空調部により空調され、送風部に戻る。
複数の部屋は、室内空気が供給されるので、室外に対して正圧になり、還気路の合流部では、送風部に吸い込まれるので、室外に対して負圧になる。従って、複数の部屋のそれぞれの室外への排気手段の開閉機構、例えば、窓の開閉量を調整することにより、例えば、ある部屋に有害物質を含んだ室内空気が発生、流入した場合、その部屋の窓の開けた部分から、有害物質を含んだ室内空気が室外に排気される量を調整可能である。また、還気路に繋がった室外空気導入路の開閉機構、例えば、窓の開閉量を調整することにより、還気路に導入される室外空気が導入される量を調整可能である。また、還気路の合流部に室外空気導入路が繋がっているため、窓を閉めている部屋のドアのアンダーカットの負圧が、窓を開けている部屋のアンダーカットの負圧より低く、これらを合流した空気の負圧と室外との差圧が、比較的安定し、室外空気を導入するファンが無くても、室外空気が安定して導入される。これらにより、比較的シンプルな構成で、その部屋の室内空気の排気と室外空気と室内空気の供給が同時に行われ、有害物質が流入又は、発生しても、それを室外に排出しながら、新鮮空気を供給可能な換気空調システムが得られる。
また他の手段は、建物内の複数の部屋に吸気部と開閉機構を有する室外への排気手段を設け、前記複数の部屋以外の空間に前記吸気部と排気手段を設け、前記吸気部に複数のダクトで送風する複数の送風部を設け、複数の前記排気手段から合流して、前記送風部に戻る還気路を設け、前記還気路の途中に、少なくとも1つの空調部と複数の前記送風部とを有する空調区画を設け、前記還気路に繋いだ室外空気導入路に、室外空気を導入するファンを設け、前記建物内で、前記室外空気と室内空気を循環しながら、前記複数の部屋ごとに独立して、室外へ排気するように切替可能な換気空調システムにおいて、複数の前記送風部の合計送風量を前記空調部の空調風量及び前記ファンの室外空気導入量よりも多くしたものである。
この手段により、ファンで導入された新鮮な室外空気と、複数の部屋以外の空間、例えば、床下、天井裏、納戸などの空間の空調後の空気である還気が、排気手段、例えば、ドアのアンダーカットなどから、還気路を通って、空調区画に流れ、空調部により空調され、複数の部屋の吸気部及び複数の部屋以外の空間の吸気部とダクトで接続された複数の送風部により、室外空気と空調空気と還気の混合空気を各部屋、各空間に送風することにより、各部屋と各空間を空調する。そして、各部屋では、室外に対して正圧になるため、その部屋の室内空気が、押し出されるように室外への排気手段の開閉機構、例えば、窓の開閉を調整して、室外に排気されながら、混合空気と入れ替わっていくので、その部屋の排気と新鮮で適度な温度の空気の供給が同時に行われ、有害物質が流入又は発生しても、室外に排出しながら、送風部による送風量とファンによる室外空気導入量の調整により、快適な空間を維持可能な換気空調システムが得られる。そして、空調区画で、送風部による合計送風量が、空調部による空調風量及びファンの室外空気導入量より多いので、室外空気と空調空気と還気がよく混合され、外気温と平均室温との差が小さい温度の新鮮空気を大風量で各部屋に送風するため、省エネで、各部屋が均一な温度で、健康快適な空間となる換気空調システムが得られる。
また他の手段は、前記室外への排気手段に換気扇を設けたものである。
これにより、室外への排気手段、例えば、室外と繋がった窓などに設けた換気扇の風量を可変制御し、通常は、24時間換気としての小風量排気を行い、省エネで健康快適な空間を実現し、有害物質が流入又は発生した場合などは、大風量排気を行い、より迅速で確実な有害物質の排出が可能で、隙間などからの他の部屋への拡散するリスクが少なく、より細かい空調制御、換気制御が可能な換気空調システムが得られる。
また、他の手段は、建物内の複数の部屋に吸気部と排気手段と開閉機構を有する室外への排気手段を設け、前記複数の部屋以外の部屋に前記吸気部と前記室外への排気手段と気密性の高いドアを設け、前記吸気部に複数のダクトで送風する複数の送風部を設け、複数の前記排気手段と前記気密性の高いドアから合流して、前記送風部に戻る還気路を設け、前記還気路の途中に、少なくとも1つの空調部と複数の前記送風部とを有する空調区画を設け、前記還気路に繋いだ室外空気導入路に、室外空気を導入するファンを設け、前記建物内で、前記室外空気と室内空気を循環しながら、前記複数の部屋及び、前記複数の部屋以外の部屋ごとに独立して、室外へ排気するように切替可能な換気空調システムにおいて、複数の前記送風部の合計送風量を前記空調部の空調風量及び前記ファンの室外空気導入量よりも多くしたものである。
これにより、複数の部屋以外の部屋、例えば、療養室や喫煙室等の有害物質や臭いが発生する可能性の高い部屋に気密性の高いドアを設け、複数の部屋の排気手段、例えば、ドアのアンダーカットなどから複数の部屋の空調後の空気である還気だけが還気路を通って、空調区画に流入し、ファンにより導入された室外空気とともに空調部により空調され、複数の送風部により、室外空気と空調空気と還気の混合空気が、直接ダクトを通って、複数の部屋と複数の部屋以外の部屋の吸気部から送風されて、各部屋が室外に対して正圧になって、複数の部屋以外の部屋の有害物質や臭いを含んだ空気が、押し出されるように室外への排気手段、例えば、窓の開けた部分から室外に排出されながら、混合空気と入れ替わっていき、複数の部屋では、室外への排気手段から室外へ排出されながら、一部の空調後の空気が、還気として、排気手段から空調区画に戻っていくので、複数の部屋以外の部屋で有害物質が流入又は発生しても、すばやく室外に排出し、他の部屋に有害物質や臭いが拡散するリスクが少なく、複数の部屋では送風部による送風量とアンダーカットからの還気風量と窓の開閉による排気風量の調整により、部屋の負荷に対応した空調が行え、また一部の空調後の空気の熱や空気質は還気として再び空調に利用されるので、さらに省エネで高効率な換気空調システムが得られる。そして、空調区画で、送風部による合計送風量が、空調部による空調風量及びファンによる室外空気導入量より多いので、室外空気と空調部で空調された空気と複数の部屋の還気がよく混合され、外気温と平均室温との差が小さい温度の新鮮空気を大風量で各部屋に送風するため、省エネで、各部屋が均一な温度で、健康快適な空間となる換気空調システムが得られる。
また、他の手段は、前記室外への排気手段に換気扇を設けたものである。
これにより、室外への排気手段、例えば、室外と繋がった窓などに設けた換気扇の風量を可変制御し、通常は、複数の部屋以外の部屋では、換気扇による24時間換気としての小風量排気を行い、複数の部屋では、送風部による送風量とアンダーカットからの還気風量と窓に設けた換気扇による排気風量の調整により、部屋の負荷に対応したより細かい空調が行え、省エネで健康快適な空間を実現し、複数の部屋以外の部屋で、有害物質が流入又は発生した場合などは、換気扇による大風量排気を行い、より迅速で確実な有害物質の排出が可能で、他の部屋に拡散するリスクがさらに少ない換気空調システムが得られる。
また、他の手段は、建物内の複数の部屋に吸気部と排気手段を設け、前記複数の部屋以外の部屋に前記吸気部と室外への排気手段と気密性の高いドアを設け、前記吸気部に複数のダクトで送風する複数の送風部を設け、複数の前記排気手段と前記気密性の高いドアから合流して、前記送風部に戻る還気路を設け、前記還気路の途中に、少なくとも1つの空調部と複数の前記送風部とを有する空調区画を設け、前記還気路に繋いだ室外空気導入路と室内空気排気路に、室外空気と前記排気手段からの還気の一部を熱交換しながら、前記還気路に前記室外空気を導入し、前記還気の一部を室外に排気する熱交換気ユニットを設け、前記建物内で、熱交換した室外空気と室内空気を循環しながら、前記複数の部屋以外の部屋ごとに独立して、室外へ排気するように切替可能な換気空調システムにおいて、複数の前記送風部の合計送風量を前記空調部の空調風量及び前記熱交換気ユニットの室外空気導入量よりも多くしたしたものである。
これにより、複数の部屋以外の部屋、例えば、療養室や喫煙室等の有害物質や臭いが発生する可能性が高い部屋に気密性の高いドアを設け、複数の部屋の排気手段、例えば、ドアのアンダーカットなどから複数の部屋の空調後の空気である還気の一部が空調区画に流入し、還気の一部が熱交換気ユニットにより、室外空気と熱交換され、室外に排出される。熱交換された室外空気と還気の一部は、ともに空調部により空調され、複数の送風部により、室外空気と空調空気と還気の混合空気が、直接ダクトを通って、複数の部屋と複数の部屋以外の部屋の吸気部から送風されて、複数の部屋以外の部屋が室外に対して正圧になって、有害物質や臭いを含んだ空気が、押し出されるように室外への排気手段、例えば、窓の開けた部分などから室外に排出されながら、混合空気と入れ替わっていき、複数の部屋では、空調後の空気が、還気として、排気手段、例えば、ドアのアンダーカットから空調区画及び熱交換気ユニットへ戻っていくので、複数の部屋以外の部屋で有害物質が流入又は発生しても、すばやく室外に排出し、他の部屋に有害物質や臭いが拡散するリスクがさらに少なく、複数の部屋では、送風部による送風量とアンダーカットからの還気風量と熱交換気ユニットによる排気風量と室外空気導入量の調整により、部屋の負荷に対応した空調が行え、排気熱を回収し、また一部の空調後の空気の熱や空気質は還気として再び空調に利用されるので、より省エネで高効率な換気空調システムが得られる。そして、空調区画で、送風部による合計送風量が、空調部による空調風量及び熱交換気ユニットによる室外空気導入量より多いので、室外空気と空調部で空調された空気と複数の部屋の還気がよく混合され、外気温と平均室温との差が小さい温度の新鮮空気を大風量で各部屋に送風するため、省エネで、各部屋が均一な温度で、健康快適な空間となる換気空調システムが得られる。
また、他の手段は、前記室外への排気手段に換気扇を設けたものである。
これにより、室外への排気手段、例えば、窓に設けた換気扇の風量を可変制御し、通常は、複数の部屋以外の部屋は、換気扇による24時間換気としての小風量排気を行い、複数の部屋は、熱交換気ユニットによる省エネ高効率な熱交換気を行い、送風部による送風量とアンダーカットからの還気風量と熱交換気ユニットによる排気風量と室外空気導入量の調整により、部屋の負荷に対応したより細かい空調が行え、省エネで健康快適な空間を実現し、複数の部屋以外の部屋で有害物質が流入又は発生した場合などは、換気扇による大風量排気を行い、より迅速で確実な有害物質の排出が可能で、隙間などからの拡散のリスクを減らせる換気空調システムが得られる。
また、他の手段は、前記複数の部屋以外の部屋に前記還気路に繋いだ開閉機構を有する排気手段を設けたものである。
これにより、複数の部屋以外の部屋、例えば、療養室と喫煙室等の有害物質や臭いが発生する可能性の高い部屋で、有害物質や臭いの発生が無い場合、還気路に繋いだ排気手段の開閉機構、例えば、廊下と繋がった気密性の高いドアに設けた窓の開閉を調整して、複数の部屋以外の部屋の空調後の空気である還気の風量を調節し、還気の熱を空調区画での空調に利用し、熱交換気ユニットで熱回収し、より省エネで高効率な換気空調システムが得られる。
また、他の手段は、建物内の複数の部屋に吸気部と開閉機構を有する排気手段と開閉機構を有する室外への排気手段と気密性の高いドアを設け、前記吸気部に複数のダクトで送風する複数の送風部を設け、複数の前記排気手段と前記気密性の高いドアから合流して、前記送風部に戻る還気路を設け、前記還気路の途中に、少なくとも1つの空調部と複数の前記送風部とを有する空調区画を設け、前記還気路に繋いだ室外空気導入路と室内空気排気路に、室外空気と前記排気手段からの還気の一部を熱交換しながら、前記還気路に前記室外空気を導入し、前記還気の一部を室外に排気する熱交換気ユニットを設け、前記建物内で、熱交換した室外空気と室内空気を循環しながら、前記複数の部屋ごとに独立して、室外へ排気するように切替可能な換気空調システムにおいて、複数の前記送風部の合計送風量を前記空調部の空調風量及び前記熱交換気ユニットの室外空気導入量よりも多くしたものである。
これにより、部屋を選ばず、通常は複数の部屋の排気手段の開閉機構、例えば、廊下と繋がった気密性の高いドアに設けた窓を開け、室外への排気手段の開閉機構、例えば、室外と繋がった窓を閉めて、空調した後の空気である還気の一部が空調区画に流入し、還気の一部が熱交換気ユニットにより室外空気と熱交換され、室外に排出される。熱交換された室外空気と還気の一部は、ともに空調部により空調され、複数の送風部により、室外空気と空調空気と還気の混合空気が、直接ダクトを通って、複数の部屋の吸気部から送風されて、送風部による送風量と気密性の高いドアの窓の開けた部分からの還気風量と熱交換気ユニットによる排気風量と室外空気導入量の調整より、部屋の負荷に対応した空調が行え、排気熱を回収し、また一部の空調後の空気の熱や空気質は還気として再び空調に利用されるので、より省エネで高効率な換気空調システムが得られる。そして、部屋を選ばず、有害物質や臭いが発生した場合は、その部屋の気密性の高いドアの窓を閉じ、室外と繋がった窓を開け、吸気部からの送風により室外に対して正圧になって、有害物質や臭いを含んだ空気が、押し出されるように、窓の開いた部分から室外に排気されながら、混合空気と入れ替わっていき、有害物質が流入又は発生しても、すばやく室外に排出し、他の部屋に有害物質や臭いが拡散するリスクが少ない換気空調システムが得られる。そして、空調区画で、送風部による合計送風量が、空調部による空調風量及び熱交換気ユニットによる室外空気導入量より多いので、室外空気と空調部で空調された空気と複数の部屋の還気がよく混合され、外気温と平均室温との差が小さい温度の新鮮空気を大風量で各部屋に送風するため、省エネで、各部屋が均一な温度で、健康快適な空間となる換気空調システムが得られる。
また、他の手段は、前記室外への排気手段に換気扇を設けたものである。
これにより、部屋を選ばず、通常は、室外への排気手段、例えば、室外と繋がる窓に設けた換気扇の運転を停止し、有害物質が流入又は発生した場合などは、その部屋の換気扇で大風量排気を行い、より迅速で確実な有害物質の排出が可能で、気密性の高いドア、その窓の隙間などからの拡散のリスクを減らせる換気空調システムが得られる。そして、春や秋の中間期や夏の夜間などは、部屋の気密性の高いドアの窓を閉じ、室外と繋がった窓を開けて、その換気扇の風量を調整し、室外空気を還気と熱交換せず、熱交換気ユニットで空調区画に導入して、送風部により各部屋の吸気部から送風することにより、主に室外空気で空調及び換気するので、より省エネで高効率な換気空調システムが得られる。
また、他の手段は、前記複数の部屋又は、前記複数の部屋以外の部屋の各々の前記送風部による送風量が前記室外への排気手段の前記換気扇による排気風量より多い正圧モードと前記送風量と前記排気風量が等しいバランスモードと前記送風量よりも前記排気風量が多い負圧モードを有するものである。
これにより、通常は正圧モードで、空調優先で省エネ快適運転とし、有害物質や臭いが発生した直後や有害物質が拡散し、又は臭いが激しくなった時は負圧モードで、換気優先で大風量排気による健康運転をし、その他の場合は、バランスモードで、換気と空調のバランスをとった健康快適な運転とする換気空調システムが得られる。
また、他の手段は、前記還気路の途中に、除菌または、脱臭する手段を設けたものである。
これにより、室外から空調区画に導入した室外空気に有害物質や臭いが含まれている場合や排気口からの還気に有害物質や臭いが残留している場合に、例えば、空調区画に設けられた除菌・脱臭装置、例えば、HEPA+脱臭フィルター方式、次亜塩素酸ナトリウム方式、プラズマ放電方式、コロナ放電方式、紫外線照射+光触媒方式などによる装置で、建物内を循環し、空調区画を通過する大風量の空気の有害物質や臭いを除去、脱臭するので、より安心な、健康、快適な換気空調システムが得られる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通常は、各部屋、各空間の小風量排気又は、建物全体での小風量熱交換気と大風量小温度差空調を適切に行い、省エネで、均一な温度、空質のよい、健康快適空間を実現する。いずれかの部屋で臭いや菌などの有害物質が流入、発生した場合は、その部屋の換気風量を増やし、すばやく有害物質の排出をしながら、その部屋、空気経路等からの他の空間への拡散を防止するとともに、有害物質が流入、発生していない部屋、空間へ供給した空調後の大風量の空気を再び空調に使用し、還気の熱や空気質を有効利用するため、さらに省エネで快適な換気空調システムを提供できる。
また、空調又は換気するための大風量の混合空気を除菌または、脱臭することにより、合理的で効率良く、空気質を良くする換気空調システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施の形態1における換気空調システムの構成図
同システムの気密性の高いドア及び排気口、開閉機構の平面図と縦断面図
同システムの室外への排気口及び開閉機構の平面図と縦断面図
本発明の実施の形態2における換気空調システムの構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における換気空調システムの構成図である。
図示するように、高気密高断熱住宅である建物(図示せず)に設置された換気空調システム1は、建物内で複数に区画された、複数の部屋である部屋A5、部屋B6、リビング(図示せず)、寝室(図示せず)、トイレ(図示せず)、洗面所(図示せず)、浴室(図示せず)、台所(図示せず)等と、複数の部屋以外の空間である屋根裏(図示せず)、床下(図示せず)、納戸(図示せず)等と、複数の部屋以外の部屋である療養室7、喫煙室(図示せず)等を空調し、換気する。本実施の形態で、療養室7とは、病気にかかった人や要介護者等が、療養する部屋のことで、喫煙室とは、喫煙のための専用の部屋を言い、その他の複数の部屋以外の部屋として対象となるのは、有害となるほどの量、または不快となるほどの量の二酸化炭素、臭気、揮発性有機化合物、細菌、ウイルス等の有害物質や臭いが発生する可能性がある部屋である。
また、本実施の形態では、部屋は、居室が対象であり、空間とは、非居室が対象となり、居室とは居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室を言い、非居室はそうではない室を言うが、居室として判断が難しい用途の室は、利用実態に応じて判断すればよい。
【0010】
本換気空調システム1で、空調、換気する複数の部屋、空間は、各建物ごとに個別に設定できる。
屋根裏(図示せず)、床下(図示せず)、階段下(図示せず)、階段の踊り場(図示せず)、機械室(図示せず)等の非居室に、空調区画10が設けられている。空調区画10内には、外気を導入する外気導入口11、複数の吸込口12を有する送風部13、複数の部屋である部屋A5と部屋B6等と複数の部屋以外の空間(図示せず)と複数の部屋以外の部屋である療養室7、喫煙室(図示せず)等からの還気を廊下(図示せず)や階段室(図示せず)等の還気路を通って導入する還気口14、室外に設置された空調室外機(図示せず)と冷媒配管及び電気配線で接続された空調部15が設けられている。
空調部15は、熱交換器(図示せず)と送風機(図示せず)を有し、送風部13は、ファン(図示せず)とモーター(図示せず)を有している。
(【0011】以降は省略されています)

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