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公開番号2025114637
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-05
出願番号2025074125,2024019177
出願日2025-04-28,2023-09-15
発明の名称ジルコニア組成物及びその製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C04B 35/488 20060101AFI20250729BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】従来の仮焼体よりも加工しやすく、なおかつ、製造ロット間の硬度の相違が抑制された仮焼体を提供する。
【解決手段】マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)及び銀(Ag)の群から選ばれる1以上の第1の遷移金属元素と、ランタノイド希土類元素及び第1の遷移金属元素と種類の異なる第2の遷移金属元素の少なくともいずれかの着色元素と、安定化元素含有ジルコニアと、を含み、前記第1の遷移金属元素の含有量が100質量ppm以上であり、前記第2の遷移金属元素の含有量が100質量ppm未満であり、なおかつ、市販粉末から得られる仮焼体の硬度に対する、硬度の差の絶対値が、10HV以下である仮焼体が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)及び銀(Ag)の群から選ばれる1以上の第1の遷移金属元素と、
ランタノイド希土類元素、並びに、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム及び銀の群から選ばれる1以上の遷移金属元素であり、なおかつ、第1の遷移金属元素と種類の異なる第2の遷移金属元素の少なくともいずれかの着色元素と、
安定化元素含有ジルコニアと、を含み、
前記第1の遷移金属元素の含有量が100質量ppm以上であり、
前記第2の遷移金属元素の含有量が100質量ppm未満であり、なおかつ、
以下の成形条件及び仮焼条件で市販粉末(製品名:Zpex4、東ソー社製)から得られる仮焼体の硬度に対する、

度の差の絶対値が、10HV以下である仮焼体。
(成形条件) 成形方法 :一軸加圧及びCIP処理
一軸加圧圧力 :49±3MPa
CIP圧力 :196±5MPa
(仮焼条件) 仮焼方法 :常圧焼成
雰囲気 :大気雰囲気
焼成温度 :1000℃
焼成時間 :1時間
昇温速度 :50±5℃/時間
降温速度 :300±10℃/時間
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
実測密度が2.8g/cm

以上である請求項1に記載の仮焼体。
【請求項3】
ビッカース硬度が25HV以上150HV以下である請求項1又は2に記載の仮焼体。
【請求項4】
前記ランタノイド希土類元素が、ジルコニアに固溶したランタノイド希土類元素である、請求項1又は2に記載の仮焼体。
【請求項5】
ランタノイド希土類元素の含有量が1.0質量%以下である、請求項1又は2に記載の仮焼体。
【請求項6】
前記第3の遷移金属元素の含有量が0質量%超1.0質量%以下である、請求項1又は2に記載の仮焼体。
【請求項7】
アルミナ(Al



)、シリカ(SiO

)及びゲルマニア(Ge



)の群から
選ばれる1以上を含む、請求項1又は2に記載の仮焼体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ジルコニアを主成分とする組成物及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
着色成分を含むジルコニア(ZrO

;二酸化ジルコニウム)の焼結体は、携帯電子機器部材、装飾部材、歯科補綴物など幅広い用途で適用されている。ジルコニアの焼結体は強度が高く加工が困難である。そのため、歯科補綴物などの形状が複雑な焼結体を得る場合は、ジルコニアの成形体(圧粉体)を焼結温度未満で熱処理することによって得られ、加工に適した強度を有する状態のジルコニア、いわゆる仮焼体(半焼結体、予備焼結体)が使用される。仮焼体は、CAD/CAMを用いて所望の形状に切削加工された後、焼結され、焼結体が作製される。
【0003】
自然歯の色調を有する焼結体を得るため、着色溶液に浸漬したジルコニアの仮焼体を焼結する方法(いわゆる浸漬法)がある(例えば、特許文献1)。浸漬法により着色された仮焼体は、仮焼体の表面と内部との着色溶液の浸透度合いの差による着色ムラが生じる。これに加え、浸漬法では、患者ごとの自然歯の色調に合わせた微細な色調を得ることが難しかった。
【0004】
一方、着色成分とジルコニアを粉末の状態で混合して得られる粉末組成物を成形及び仮焼し、仮焼した時点で着色成分を含有する仮焼体を焼結する方法(いわゆる粉末混合法)が知られている(特許文献2)。粉末混合法により得られる仮焼体は、浸漬法で得られる仮焼体と比べて着色ムラが極めて小さく、なおかつ、得られる焼結体の色調の微細な調整も容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
欧州特許出願公開第3892254号明細書
米国特許第9428422号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
組成、特に着色成分の種類及び含有量を調整することで、仮焼体から得られる焼結体の色調が定まる。一方、着色成分は、微量であってもジルコニア組成物の熱収縮挙動に影響を及ぼす。そのため、組成の異なるジルコニア組成物は互いに熱収縮挙動が異なる。その結果、色調の異なる焼結体を与える仮焼体は、互いに硬度が相違していた。硬度が相違する仮焼体は、加工器具に与える負担が異なるため、熟練した加工技術が必要とされる。さらに、硬度が高いほど仮焼体の加工しにくくなる。
【0007】
組成の違いに由来する加工特性の相違に加え、着色成分を含む成形体を仮焼して得られる仮焼体は、同じ組成の仮焼体であっても製造ロット間での硬度が相違することがあった。仮焼体の組成(色調)に応じて異なる仮焼条件を適用することにより、組成の差異に由来する硬度の相違はある程度抑制できる。しかしながら、仮焼体の組成により仮焼条件を変更することは仮焼体の作製工程を煩雑にするため好ましくない。さらに、同一組成の仮焼体においては、複数の仮焼条件を適用したとしても、製造ロット間の硬度の相違は抑制できない。
【0008】
これらに鑑み、本開示は、従来の仮焼体よりも加工しやすく、なおかつ、製造ロット間の硬度の相違が抑制された仮焼体、その製造方法、及び、これにより得られる焼結体、並びに、このような仮焼体の原料となるジルコニア組成物の少なくともいずれかを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、仮焼体の前駆体となるジルコニア組成物について、熱収縮挙動や組成について詳細に検討した。その結果、着色成分中でも遷移金属元素がジルコニア組成物の熱収縮挙動に与える影響が大きいこと、更には一定以上の含有量の遷移金属元素の状態を制御することにより、本質的な組成を変えることなく熱収縮挙動が変化することを見出した。これにより、従来の仮焼体から得られる焼結体と同等の色調を呈する焼結体が得られ、なおかつ、製造ロット間の仮焼体の硬度の相違が抑制された仮焼体、及び、このような仮焼体の前駆体となるジルコニアの組成物を見出した。
【0010】
すなわち、本発明は特許請求の範囲のとおりであり、また、本開示の要旨は以下のとおりである。
[1] マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)及び銀(Ag)の群から選ばれる1以上の第1の遷移金属元素と、
ランタノイド希土類元素、及び第1の遷移金属元素と種類の異なる第2の遷移金属元素の少なくともいずれかの着色元素と、
安定化元素含有ジルコニアと、を含み、
前記第1の遷移金属元素の含有量が100質量ppm以上であり、
前記第2の遷移金属元素の含有量が100質量ppm未満であり、なおかつ、
そのジルコニウム元素の特性X線及び第1の遷移金属元素の特性X線を測定したときの、ジルコニウム元素の特性X線の強度に対する第1の遷移金属元素の特性X線の強度の比が0.05以上となる測定点の割合が、全測定点の3%以下であること、及び、
そのジルコニウム元素の特性X線及び第1の遷移金属元素の特性X線を測定したときの、ジルコニウム元素の特性X線の強度に対する第1の遷移金属元素の特性X線の強度の比の分布幅が0.3以下であることの少なくともいずれかを満たす、ジルコニア組成物。
[2] そのジルコニウム元素の特性X線及び第1の遷移金属元素の特性X線を測定したときの、ジルコニウム元素の特性X線の強度に対する第1の遷移金属元素の特性X線の強度の比の分布幅が0.3以下である、上記[1]に記載のジルコニア組成物。
[3] そのジルコニウム元素の特性X線及び第1の遷移金属元素の特性X線を測定したときの、ジルコニウム元素の特性X線の強度に対する第1の遷移金属元素の特性X線の強度の比が0.05以上となる測定点の割合が、全測定点の3%以下である、上記[1]又は[2]に記載のジルコニア組成物。
[4] 前記第2の遷移金属元素が、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム及び銀の群から選ばれる1以上の遷移金属元素である、上記[1]乃至[3]のいずれかひとつに記載のジルコニア組成物。
[5] 前記ランタノイド希土類元素が、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリウム(Gd)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)及びイッテルビウム(Yb)の群から選ばれる1以上である、上記[1]乃至[4]のいずれかひとつに記載のジルコニア組成物。
[6] 前記ランタノイド希土類元素が、ジルコニアに固溶したランタノイド希土類元素である、上記[1]乃至[5]のいずれかひとつに記載のジルコニア組成物。
[7] ランタノイド希土類元素の含有量が1.0質量%以下である、上記[1]乃至[6]のいずれかひとつに記載のジルコニア組成物。
[8] チタン(Ti)、バナジウム(V)及びニオブ(Nb)の群から選ばれる1つ以上の第3の遷移金属元素を含む、上記[1]乃至[7]のいずれかひとつに記載のジルコニア組成物。
[9] アルミナ(Al



)、シリカ(SiO

)及びゲルマニア(Ge



)の群から選ばれる1以上を含む、上記[1]乃至[8]のいずれかひとつに記載のジルコニア組成物。
[10] BET比表面積が8m

/g以上15m

/g以下である、上記[1]乃至[9]のいずれかひとつに記載のジルコニア組成物。
[11] 前記ジルコニア組成物が粉末である、上記[1]乃至[10]のいずれかひとつに記載のジルコニア組成物。
[12] 前記ジルコニア組成物3.0±0.1gを直径25mmの金型に充電し、圧力49MPaの一軸加圧成形をした後、圧力196MPaでCIP処理した場合の実測密度が3.2g/cm

以上である、上記[11]に記載のジルコニア組成物。
[13] 前記ジルコニア組成物が成形体である、上記[1]乃至[10]のいずれかひとつに記載のジルコニア組成物。
[14] ビッカース硬度が11.0以上である、上記[13]に記載のジルコニア組成物。
[15] 上記[1]乃至[14]のいずれかひとつに記載のジルコニア組成物を仮焼する工程を有する仮焼体の製造方法。
[16] 上記[15]に記載の製造方法で得られた仮焼体を焼結する工程を有する焼結体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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