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公開番号2025116040
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2025085833,2021540709
出願日2025-05-22,2020-08-04
発明の名称放射性金属錯体の製造方法
出願人日本メジフィジックス株式会社
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類C07D 257/02 20060101AFI20250731BHJP(有機化学)
要約【課題】DOTA、その誘導体、又はDOTAに類似する構造を含む配位子において、錯形成効率に優れる放射性金属錯体の製造方法を提供すること。
【解決手段】放射性金属錯体の製造方法は、放射性金属と、DOTA又はその誘導体である配位子とを反応液中で反応させて、放射性金属錯体を形成させる工程を備える。前記反応液が、水、緩衝剤及び水溶性有機溶媒を含む。前記放射性金属は89Zr又は225Acである。前記配位子は、その構造中にペプチドが連結された基を有し得る。前記反応液に含まれる前記水溶性有機溶媒の含有量が2体積%以上50体積%以下であることも好適である。30℃以上80℃以下の前記反応液中で、前記放射性金属と前記配位子とを反応させることも好適である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
放射性金属と、下記式(1)で表される配位子とを反応液中で反応させて、放射性金属錯体を形成させる工程を備え、
前記反応液が、水、緩衝剤及び水溶性有機溶媒を含み、
前記放射性金属が
89
Zr又は
225
Acである、放射性金属錯体の製造方法。
TIFF
2025116040000009.tif
45
136
(式中、R
11
、R
12
及びR
13
は、それぞれ独立して、-(CH



COOH、-(CH







N、-(CH



PO



、又は-(CH



CONH

からなる基であり、R
14
又はR
15
の一方が、水素原子、-(CH



COOH、-(CH







N、-(CH



PO



、-(CH



CONH

、又は、-(CHCOOH)(CH



COOHからなる基であり、他方が、-(CH



COOH、-(CH







N、-(CH



PO



、若しくは、-(CH


続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記配位子が難水溶性の配位子である、請求項1に記載の放射性金属錯体の製造方法。
【請求項3】
前記式中、R
11
、R
12
及びR
13
はいずれも-(CH



COOHからなる基であり、R
14
又はR
15
の一方が、水素原子、又は、-(CH



COOHからなる基であり、他方が、-(CH



COOHからなる基であるか、又は、ペプチドと連結している基であり、

14
がペプチドと連結している基である場合は、R
15
は水素原子であり、

14
がペプチドと連結している基でない場合は、R
15
はペプチドと連結している基である、請求項1又は2に記載の放射性金属錯体の製造方法。
【請求項4】
前記反応液に含まれる前記水溶性有機溶媒の含有量が2体積%以上50体積%以下である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の放射性金属錯体の製造方法。
【請求項5】
前記水溶性有機溶媒が極性溶媒である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の放射性金属錯体の製造方法。
【請求項6】
前記水溶性有機溶媒が、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びエタノールから選ばれる少なくとも一種である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の放射性金属錯体の製造方法。
【請求項7】
前記反応液が、前記水溶性有機溶媒として20体積%以上50体積%以下のジメチルスルホキシドを含む、請求項6に記載の放射性金属錯体の製造方法。
【請求項8】
前記反応液が、前記水溶性有機溶媒として2体積%以上50体積%以下のエタノール又はアセトニトリルを含む、請求項6又は7に記載の放射性金属錯体の製造方法。
【請求項9】
前記緩衝剤が、酢酸及びその塩、リン酸及びその塩、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]-エタンスルホン酸、テトラメチルアンモニウム酢酸、並びに塩基性アミノ酸のうち一種である、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の放射性金属錯体の製造方法。
【請求項10】
前記反応液に含まれる前記緩衝剤の濃度が、0.01mol/L以上5.0mol/L以下である、請求項9に記載の放射性金属錯体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性金属錯体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
標的分子の検出のための試薬及び診断薬、あるいは、疾患の治療のための医薬品への利用を目的として、放射性金属に配位子が配位した放射性金属錯体に関する検討が進められている。特許文献1には、抗体とコンジュゲートさせるキレート剤として、DOTAを用い、これと放射性金属とを配位させて、抗体への
90
Y標識を行っている。また非特許文献1には、放射性金属である
89
Zrと、配位子であるDOTAとを緩衝液中で反応させて、放射性金属錯体を形成する方法が記載されている。
非特許文献2には、
68
Ga又は
44
Scと、配位子としてDOTA誘導体であるDOTATOCとを緩衝液中で反応させて、放射性金属錯体を形成する方法が記載されている。
非特許文献3には、
68
Ga又は
44
Scと、DOTAとをエタノール含有生理食塩水中で反応させて、放射性金属錯体を形成する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
US 2005/191239 A1
【非特許文献】
【0004】
Pandya et al., Chem Sci. 2017;8(3):2309-14.
Eppard et al., EJNMMI Radiopharm. Chem. 2017; 1,6.
Perez-Malo et al., Inorg. Chem. 2018, 57(10), 6107-6117.
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、配位子として、DOTAにペプチドなどの抗体以外の標的分子を結合させた誘導体を用いた場合に、特許文献1や非特許文献1~3に開示された条件では、DOTAと特定の放射性金属との間の錯形成がうまく進行しないことがあることが本発明者らの知見により明らかとなった。このような問題は、DOTAに限らず、DOTAGAなどDOTAに類似する誘導体においても同様に生じる問題である。
【0006】
したがって、本発明の課題は、DOTA、その誘導体、又はDOTAに類似する構造を含む配位子において、錯形成効率に優れる放射性金属錯体の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明は、放射性金属と、下記式(1)で表される配位子とを反応液中で反応させて、放射性金属錯体を形成させる工程を備え、
前記反応液が、水、緩衝剤及び水溶性有機溶媒を含み、
前記放射性金属が
89
Zr又は
225
Acである、放射性金属錯体の製造方法を提供するものである。
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2025116040000001.tif
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136
(式中、R
11
、R
12
及びR
13
は、それぞれ独立して、-(CH



COOH、-(CH







N、-(CH



PO



、又は-(CH



CONH

からなる基であり、R
14
又はR
15
の一方が、水素原子、-(CH



COOH、-(CH







N、-(CH



PO



、-(CH



CONH

、又は、-(CHCOOH)(CH



COOHからなる基であり、他方が、-(CH



COOH、-(CH







N、-(CH



PO



、若しくは、-(CH


【発明を実施するための形態】
【0008】
本出願は、2019年8月21日に出願された日本国特許出願2019-151480号に基づく優先権を主張する出願であり、日本国特許出願2019-151480号のすべての内容は、本明細書の一部として本明細書に組み入れられる。
【0009】
本発明によれば、DOTA、その誘導体、又はDOTAに類似する構造を含む配位子において、錯形成効率に優れる放射性金属錯体の製造方法を提供することができる。本発明は、特に、難水溶性の配位子を用いた場合に効果的である。
【0010】
以下、本発明の放射性金属錯体の製造方法を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の製造方法は、放射性金属と、配位子とを、水、緩衝剤及び水溶性有機溶媒を含む反応液中で反応させて、放射性金属錯体を形成させる工程(錯体形成工程)を備える。
(【0011】以降は省略されています)

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