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公開番号2025116569
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-08
出願番号2024011063
出願日2024-01-29
発明の名称多加水パン生地練込用油脂組成物
出願人株式会社ADEKA
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類A23D 7/00 20060101AFI20250801BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】もちもちとした食感でありながらソフト性としとり感があり、且つ、保形性が良好である多加水パン製品を、生地物性に影響なく安定して製造可能である多加水パン生地練込用油脂組成物を提供すること。
【解決手段】酸化還元酵素、及び、糖分解酵素を含有することを特徴とする多加水パン生地練込用油脂組成物。上記油脂組成物の油相の融点が36℃以上且つ比重が0.9未満であることが好ましい。上記酸化還元酵素がオキシダーゼであることが好ましい。上記糖分解酵素がマルトオリゴ糖生成アミラーゼを含むことも好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸化還元酵素、及び、糖分解酵素を含有する、多加水パン生地練込用油脂組成物。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
上記多加水パン生地練込用油脂組成物の油相の融点が36℃以上且つ比重が0.9未満である、請求項1記載の多加水パン生地練込用油脂組成物。
【請求項3】
上記酸化還元酵素がオキシダーゼである、請求項1又は2に記載の多加水パン生地練込用油脂組成物。
【請求項4】
上記糖分解酵素が、マルトオリゴ糖生成アミラーゼを含む、請求項1又は2に記載の多加水パン生地練込用油脂組成物。
【請求項5】
請求項1又は2記載の多加水パン生地練込用油脂組成物を含有する、多加水パン生地。
【請求項6】
請求項5記載の多加水パン生地の加熱処理品である多加水パン製品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多加水パン生地練込用油脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
パンの食感に対してさまざまな要求があるが、ソフト性及びしとり感は最も多い要求である。さらに近年は、もちもちした食感が求められる場面が増えてきている。
このようなソフト性及びしとり感を有しながら、もちもちした食感のパンを得るには、水の添加量(吸水量)を増加した多加水パン生地とすればよい。水分含量の高いパンとなることからソフト性としとり感が高まることはもちろん、パン生地中の澱粉の糊化度が高まることでもちもち感も向上するためである。
しかし、吸水量は一定以上、たとえば食パン生地であれば70質量部を超えると、生地が流動状となってしまい、各種の成形を行うことが困難になってしまう。
【0003】
近年、得られるパンの品質を維持しつつパン生地の保水力を向上させることを目的とした技術として、ゲル化剤や食物繊維で保水性を高めながら、乳化剤や酵素を併用する方法が各種提案されている(たとえば特許文献1~6参照)。しかしこれらの方法は、多くの場合、生地物性の改善効果がきわめて低く、生地のべたつきの問題はほとんど解消されない。また得られるパンも、もちもち感が低い。また加水率の多いパン生地を用いることに起因した、保形性が不十分でケービング(腰折れ)しやすいという問題についても改善されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2010-252667号公報
特開2011-244777号公報
特開2016-174577号公報
特開2019-180268号公報
特開2022-037867号公報
特開2022-153834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、もちもちとした食感でありながらソフト性としとり感があり、且つ、保形性が良好である多加水パン製品を、生地物性への影響を効果的に抑制して安定して製造可能である多加水パン生地を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等による鋭意検討の結果、酸化還元酵素、及び、糖分解酵素を含有する製パン練込用油脂組成物を多加水パン生地の調製時に用いることで、上記問題を解決可能であることを見出した。
本発明は上記知見に基づくものである。すなわち、本発明は、酸化還元酵素、及び、糖分解酵素を含有することを特徴とする多加水パン生地練込用油脂組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の多加水パン生地練込用油脂組成物を使用することにより、もちもちとした食感でありながらソフト性としとり感があり、且つ、保形性が良好である多加水パン製品を、生地物性への影響を効果的に抑制して安定して製造可能である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の多加水パン生地練込用油脂組成物について詳述する。本発明は特定の酵素の組み合わせを「多加水パン生地生地練込用」という特定用途に用いる点に特徴の一つを有する。
まずは、本発明の油脂組成物の組成について説明する。
本発明の多加水パン生地練込用油脂組成物は、酸化還元酵素を含有する。酸化還元酵素を使用することにより、多加水パン製品の体積が向上し、保形性が好ましく改善され、ケービングをおこしにくくなる。
「酸化還元酵素(oxidoreductase)」とは、基質の酸化還元反応を触媒する活性を有する酵素を指し、酸化還元酵素としては、オキシダーゼ(oxidase)を挙げることができる。
【0009】
「オキシダーゼ」とは、基質を酸化する反応を触媒する活性を有する酵素であり、具体的には、酸素の存在下で基質を酸化する反応を触媒する活性を有する酵素を指す。
オキシダーゼとしては、グルコースオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、ラクトースオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リジルオキシダーゼ等が挙げられる。
「グルコースオキシダーゼ」とは、グルコースを酸化する反応を触媒する活性を有する酵素であり、具体的には、グルコースと酸素を基質としてグルコノラクトンと過酸化水素を生成する反応を触媒する活性を有する酵素を指す。
「ヘキソースオキシダーゼ」とは、ヘキソースを酸化する反応を触媒する活性を有する酵素であり、具体的には、ヘキソースと酸素を基質として対応するラクトンと過酸化水素を生成する反応を触媒する活性を有する酵素を指す。基質とすることができるヘキソースとしては、グルコース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、キシロース、セロビオースが挙げられる。
「ラクトースオキシダーゼ」とは、ラクトースを酸化する反応を触媒する活性を有する酵素であり、具体的には、ラクトースと酸素を基質としてラクトビオン酸と過酸化水素を生成する反応を触媒する活性を有する酵素を指す。
【0010】
「アスコルビン酸オキシダーゼ」とは、アスコルビン酸を酸化する反応を触媒する活性を有する酵素であり、具体的には、アスコルビン酸と酸素を基質としてデヒドロアスコルビン酸と水を生成する反応を触媒する活性を有する酵素を指す。
「フェノールオキシダーゼ」とは、チロシナーゼ、ラッカーゼ、またはポリフェノールオキシダーゼとも呼ばれ、フェノール類を酸化する反応を触媒する活性を有する酵素を指し、具体的には、酸素の存在下でフェノール類を酸化する反応を触媒する活性を有する酵素を指す。
「リジルオキシダーゼ」とは、タンパク質中のリジン残基を酸化する反応を触媒する活性を有する酵素であり、具体的には、酸素の存在下でタンパク質中のリジン残基を脱アミノ化して、アンモニアと過酸化水素を生成する反応を触媒する活性を有する酵素を指す。
(【0011】以降は省略されています)

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