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公開番号2025117555
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2025010960
出願日2025-01-24
発明の名称熱回収容器への高温粒状物の装入装置及び装入方法並びに高温粒状物からの熱回収方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人
主分類C04B 5/00 20060101AFI20250804BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】熱回収容器内での鉄鋼スラグを含む高温粒状物の偏析を抑制することが可能であり、これにより熱回収容器内でのガスの偏流を抑制して高効率の熱回収及び炭酸化を達成し得る、熱回収容器への高温粒状物の装入装置を提供する。
【解決手段】熱回収容器10への高温粒状物Sgの装入装置100は、高温粒状物Sgを供給するフィーダ20と、底部32が開閉可能であり、頂部34が開口した筒状の中間容器30と、中間容器30をその中心線Xを軸として回転させる回転機構40と、中間容器30を搬送する搬送機構50と、を有する。中間容器30の底部32が閉じた状態で中間容器30を回転機構40により回転させつつ、フィーダ20から供給される高温粒状物Sgを中間容器30に装入する。その後、搬送機構50により中間容器30を搬送して熱回収容器10の上方に配置する。その後、中間容器30の底部32を開放して高温粒状物Sgを落下させて熱回収容器10に装入する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄鋼スラグを含む高温粒状物を収容した状態で内部にガスを通気させて、前記ガスにより前記高温粒状物から熱回収を行うための熱回収容器に、前記高温粒状物を装入する装置であって、
前記高温粒状物を供給するフィーダと、
底部が開閉可能であり、頂部が開口した筒状の中間容器と、
前記中間容器をその中心線を軸として回転させる回転機構と、
前記中間容器を搬送する搬送機構と、
を有し、
前記中間容器の前記底部が閉じた状態で、前記フィーダの下方に位置する前記中間容器を前記回転機構により回転させつつ、前記フィーダから供給される前記高温粒状物を前記頂部から前記中間容器に装入可能であり、
前記搬送機構により前記高温粒状物を収容した前記中間容器を搬送して、頂部が開口した前記熱回収容器の上方に配置可能であり、
前記中間容器の前記底部を開放して前記高温粒状物を落下させて、前記高温粒状物を前記頂部から前記熱回収容器に装入可能である、
ことを特徴とする熱回収容器への高温粒状物の装入装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記フィーダが振動フィーダである、請求項1に記載の熱回収容器への高温粒状物の装入装置。
【請求項3】
前記熱回収容器の前記頂部にチャージングベルが配置された、請求項1又は2に記載の熱回収容器への高温粒状物の装入装置。
【請求項4】
前記フィーダからの前記高温粒状物の供給量1kg当たりに要する時間が1秒以上60秒以下となるように前記フィーダが制御される、請求項1又は2に記載の熱回収容器への高温粒状物の装入装置。
【請求項5】
前記フィーダからの前記高温粒状物の供給量1kg当たりの前記中間容器の回転数が0.1回転以上8回転以下となるように前記回転機構が制御される、請求項1又は2に記載の熱回収容器への高温粒状物の装入装置。
【請求項6】
鉄鋼スラグを含む高温粒状物を収容した状態で内部にガスを通気させて、前記ガスにより前記高温粒状物から熱回収を行うための熱回収容器に、前記高温粒状物を装入する方法であって、
前記高温粒状物をフィーダで供給する第1工程と、
底部が開閉可能であり、頂部が開口した筒状の中間容器を用意し、前記中間容器の前記底部が閉じた状態で、前記中間容器を前記フィーダの下方に配置し、前記中間容器をその中心線を軸として回転させつつ、前記フィーダから供給される前記高温粒状物を前記頂部から前記中間容器に装入する第2工程と、
前記高温粒状物を収容した前記中間容器を搬送して、頂部が開口した前記熱回収容器の上方に配置する第3工程と、
前記中間容器の前記底部を開放して前記高温粒状物を落下させて、前記高温粒状物を前記頂部から前記熱回収容器に装入する第4工程と、
を有する熱回収容器への高温粒状物の装入方法。
【請求項7】
前記フィーダが振動フィーダである、請求項6に記載の熱回収容器への高温粒状物の装入方法。
【請求項8】
前記熱回収容器の前記頂部にチャージングベルを配置した状態で前記第4工程を行う、請求項6に記載の熱回収容器への高温粒状物の装入方法。
【請求項9】
前記第2工程において、前記フィーダからの前記高温粒状物の供給量1kg当たりに要する時間を1秒以上60秒以下とする、請求項6に記載の熱回収容器への高温粒状物の装入方法。
【請求項10】
前記第2工程において、前記フィーダからの前記高温粒状物の供給量1kg当たりの前記中間容器の回転数を0.1回転以上8回転以下とする、請求項6に記載の熱回収容器への高温粒状物の装入方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼スラグを含む高温粒状物を収容した状態で内部にガスを通気させて、当該ガスにより高温粒状物から熱回収を行うための熱回収容器に、前記高温粒状物を装入する装置及び方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
高炉法をはじめとする鉄鋼製造プロセスでは、副産物として鉄鋼スラグが発生する。鉄鋼スラグは、鉄鉱石又はスクラップといった製鉄原料に含まれる、アルカリ土類金属をはじめとする不純物が、鉄の精製過程で分離回収されたものである。回収された溶融スラグは、1200℃以上の高温であり、約1.8GJ/t-slagの熱を保有している。このため、この熱を回収して利用することで、省エネルギー化によるCO

削減が期待されている。さらに、鉄鋼スラグ中のアルカリ土類金属とCO

ガスを反応させ炭酸塩化するCO

固定化技術も期待されている。
【0003】
鉄鋼スラグの保有熱を回収する方法として、溶融スラグを凝固させた直後の高温の凝固スラグを熱回収槽(熱回収容器)に装入して充填層を形成し、容器内の充填層に常温のガスを吹き込み、容器内で凝固スラグの熱を奪って高温化したガスを容器から排出させて回収する方法(充填槽方式)が知られている。この際にCO

を含むガスを吹き込めば、鉄鋼スラグ(凝固スラグ)に含まれる遊離石灰(free-CaO)を炭酸化するプロセスも同時に行うことができる。
【0004】
特許文献1には、「高温凝固物の充填層を内部に収容可能な熱回収槽内に熱回収ガスを送風して熱回収を行う熱回収装置において、前記熱回収槽の下部から前記熱回収槽内に熱回収ガスを供給するための下部送風口と、前記熱回収槽の内壁から前記熱回収槽内に冷媒を供給するための冷媒供給口をそれぞれ設けることを特徴とする、高温凝固物の熱回収装置」と、「前記熱回収槽の内部に高温凝固物を装入し、前記熱回収ガスおよび前記冷媒をそれぞれ用いて高温凝固物から熱回収を行うことを特徴とする、高温凝固物からの熱回収方法」が記載されている。特許文献1では、下部送風口から熱回収槽内に熱回収ガスを送風することに加えて、熱回収槽の内壁に設けた冷媒供給口から熱回収槽内に、ガス、水などの冷媒を供給することで、効率的な熱回収を志向している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-184122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
鉄鋼スラグ(凝固スラグ)は、溶融スラグを凝固させた後、破砕することにより得られるため、粒度がマイクロメートルオーダーの細粒から50mmを超える粗粒まで幅広い粒度分布を有している。このため、熱回収容器に鉄鋼スラグを装入すると、鉄鋼スラグの偏析が発生しやすい。鉄鋼スラグの偏析が発生すると、熱回収容器内でガスの流路や流量が均一にならず、すなわちガスの偏流が発生する。ガスの偏流が発生すると、熱回収及びCO

固定化の速度が熱回収容器内でばらつき、効率の悪化を招いてしまう。
【0007】
特に、粗粒が多い箇所や熱回収容器の内壁周辺でガスの吹き抜けが発生する。熱回収容器内でこのようなガスの偏流が発生すると、熱回収プロセスでは輻射熱の効果が小さい温度帯において、冷却速度が熱回収容器内の場所によって異なることになり、回収されるガスの温度が意図しない高温になるおそれがある。また、炭酸化プロセスにおいてガスの偏流が発生すると、吹き抜けが発生している部分でスラグ温度が低下し、ガスが流れにくい部分ではスラグ温度が高温となる。炭酸化反応において、スラグ温度が高温の部分では反応速度が大きく、スラグ温度が低温の部分では反応速度が小さくなるため、炭酸化量がばらつく。これにより、炭酸化量や熱回収率が不均一となる可能性がある。
【0008】
しかしながら、特許文献1では、鉄鋼スラグを含む高温粒状物の熱回収容器への具体的な装入方法が何ら記載されておらず、熱処理容器内での鉄鋼スラグの偏析を抑制することができていない。
【0009】
そこで本発明は、上記課題に鑑み、熱回収容器内での鉄鋼スラグを含む高温粒状物の偏析を抑制することが可能であり、これにより熱回収容器内でのガスの偏流を抑制して高効率の熱回収及び炭酸化を達成し得る、熱回収容器への高温粒状物の装入装置及び装入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討したところ、熱処理容器内での鉄鋼スラグの偏析は、熱処理容器への鉄鋼スラグの装入方法に起因して発生することを確認し、特定の装入方法を採用することにより、熱処理容器に鉄鋼スラグを均一に装入することができることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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