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公開番号2025117530
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024185373
出願日2024-10-21
発明の名称ガス分離回収方法およびガス分離回収設備
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 53/047 20060101AFI20250804BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】原料ガスから目的ガス成分を含む目的ガスをより効率的に分離して回収する方法および設備を提案する。
【解決手段】圧力スイング吸着法により原料ガスから目的ガス成分を含む目的ガスを分離回収する方法において、吸着工程と、脱着工程とを有するとともに、上記吸着工程と上記脱着工程との間に洗浄工程を有しないガス分離回収方法であって、脱着工程において、真空ポンプ14aにより吸着塔11a、11bの内部を減圧し、目的ガス成分以外の不純物ガス成分を吸着塔11a、11bのオフガスの排出側から脱着し、真空ポンプ14bにより吸着塔11a、11bの内部を減圧し、目的ガス成分を吸着塔11a、11bの原料ガスの供給側から脱着して、目的ガスを分離回収することを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
圧力スイング吸着法により原料ガスから目的ガス成分を含む目的ガスを分離回収する方法において、前記原料ガスを吸着剤が充填された吸着塔に供給して前記吸着剤に前記目的ガス成分を吸着させるとともに、前記吸着剤に吸着しなかった非吸着ガス成分を含むオフガスを前記吸着塔から排出する吸着工程と、該吸着工程において前記吸着剤に吸着させた前記目的ガス成分を脱着させて前記目的ガス成分を含む前記目的ガスを回収する脱着工程とを有するとともに、前記吸着工程と前記脱着工程との間に他の吸着塔から排出された目的ガスを洗浄ガスとして前記吸着塔に供給する洗浄工程を有しないガス分離回収方法であって、
前記脱着工程において、真空ポンプにより前記吸着塔の内部を減圧し、前記目的ガス成分以外の不純物ガス成分を前記吸着塔の前記オフガスの排出側から脱着し、前記目的ガス成分を吸着塔の前記原料ガスの供給側から脱着して、前記目的ガスを分離回収することを特徴とする、ガス分離回収方法。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
圧力スイング吸着法により原料ガスから目的ガス成分を含む目的ガスを分離回収する方法において、前記原料ガスを吸着剤が充填された吸着塔に供給して前記吸着剤に前記目的ガス成分を吸着させるとともに、前記吸着剤に吸着しなかった非吸着ガス成分を含むオフガスを前記吸着塔から排出する吸着工程と、該吸着工程において前記吸着剤に吸着させた前記目的ガス成分を脱着させて前記目的ガス成分を含む前記目的ガスを回収する脱着工程とを有するとともに、前記吸着工程と前記脱着工程との間に他の吸着塔から排出された目的ガスの一部を洗浄ガスとして前記吸着塔に供給する洗浄工程を有しないガス分離回収方法であって、
前記目的ガス成分または前記目的ガス成分以外の不純物ガス成分を脱着する真空ポンプが設けられ、前記吸着塔の前記オフガスの排出側に、前記真空ポンプに繋がる第1の吸気ラインおよび第1のラインバルブが設けられ、前記吸着塔の前記原料ガス供給配管側に、前記真空ポンプへ繋がる第2の吸気ラインおよび第2のラインバルブが設けられており、
前記脱着工程において、複数に区分けした時間帯毎に前記第1のラインバルブおよび前記第2のラインバルブの開度を変化させて、前記真空ポンプにより前記吸着塔の内部を減圧して前記吸着塔の前記オフガスの排出側から前記不純物ガス成分を脱着し、前記真空ポンプにより前記吸着塔の内部を減圧して前記吸着塔の前記原料ガスの供給側から前記目的ガス成分を脱着し、前記不純物ガス成分を含む不純物ガスと前記目的ガスとを独立して分離回収することを特徴とする、ガス分離回収方法。
【請求項3】
前記吸着塔は、その内部をガスが上下方向に流れる縦型吸着塔であり、
前記吸着工程では、前記原料ガスを前記吸着塔の上部から導入して前記オフガスを前記吸着塔の下部から排出し、
前記脱着工程では、前記不純物ガス成分を前記吸着塔の下部から脱着し、前記目的ガス成分を前記吸着塔の上部から脱着する、請求項1または2に記載のガス分離回収方法。
【請求項4】
前記吸着塔に、前記吸着塔の内部の圧力を低下させるための放圧弁を有する放圧管が接続されており、
前記吸着工程と前記脱着工程との間に、前記放圧弁を開放して前記吸着塔の内部の圧力を低下させる放圧工程をさらに有する、請求項1または2に記載のガス分離回収方法。
【請求項5】
前記脱着工程における一部の時間帯において、前記目的ガス成分の脱着を、前記原料ガスの供給側および前記オフガスの排出側から同時に行う、請求項1に記載のガス分離回収方法。
【請求項6】
圧力スイング吸着法により原料ガスから目的ガス成分を含む目的ガスを分離回収する設備において、前記目的ガス成分を吸着する吸着剤が充填された吸着塔と、前記吸着塔に前記原料ガスを供給する原料ガス供給配管と、前記吸着塔から前記吸着剤に吸着されなかった非吸着ガス成分を含むオフガスを排出するオフガス排出配管とを備え、他の吸着塔から排出された前記目的ガスの一部を洗浄ガスとして前記吸着塔に供給する洗浄ガス供給配管を備えないガス分離回収設備であって、
前記吸着塔の前記オフガス排出配管側に、前記目的ガス成分以外の不純物ガス成分を脱着する第1の真空ポンプと、該第1の真空ポンプに繋がる第1の吸気ラインおよび第1のラインバルブとが設けられ、前記吸着塔の前記原料ガス供給配管側に、前記目的ガス成分を脱着する第2の真空ポンプと、該第2の真空ポンプへ繋がる第2の吸気ラインおよび第2のラインバルブとが設けられている、分離回収設備。
【請求項7】
圧力スイング吸着法により原料ガスから目的ガス成分を含む目的ガスを分離回収する設備において、前記目的ガス成分を吸着する吸着剤が充填された吸着塔と、前記吸着塔に前記原料ガスを供給する原料ガス供給配管と、前記吸着塔から前記吸着剤に吸着されなかった非吸着ガス成分を含むオフガスを排出するオフガス排出配管とを備え、他の吸着塔から排出された前記目的ガスの一部を洗浄ガスとして前記吸着塔に供給する洗浄ガス供給配管を備えないガス分離回収設備であって、
前記目的ガス成分または前記目的ガス成分以外の不純物ガス成分を脱着する真空ポンプが設けられ、前記吸着塔の前記オフガスの排出側に、前記真空ポンプに繋がる第1の吸気ラインおよび第1のラインバルブが設けられ、前記吸着塔の前記原料ガス供給配管側に、前記真空ポンプへ繋がる第2の吸気ラインおよび第2のラインバルブが設けられており、
前記真空ポンプの排気側に、前記不純物ガス成分を含む不純物ガスを回収する第1の分岐ラインおよび第3のラインバルブが設けられ、前記目的ガスを回収する第2の分岐ラインおよび第4のラインバルブが設けられていることを特徴とするガス分離回収設備。
【請求項8】
前記吸着塔は、その内部をガスが上下方向に流れる縦型吸着塔であり、
前記第1の吸気ラインは前記吸着塔の下部に接続されており、前記第2の吸気ラインは前記吸着塔の上部に接続されている、請求項6または7に記載のガス分離回収設備。
【請求項9】
前記吸着塔に、前記吸着塔の内部の圧力を低下させるための放圧弁を有する放圧管が接続されている、請求項6または7に記載のガス分離回収設備。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス分離回収方法およびガス分離回収設備に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、原料ガスに含まれる所定のガス成分を分離する方法として、圧力スイング吸着(Pressure Swing Adsorption、PSA)法が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。PSA法は、吸着剤に対するガス成分の吸着量がガス種およびその分圧によって異なることを利用した分離方法であり、通常、吸着剤にガス成分を吸着させる工程(吸着工程)、吸着剤へのガス成分の吸着率を高めるために、他の吸着塔で脱着された脱着ガスの一部を洗浄ガスとして供給する工程(洗浄工程)、及び吸着したガス成分を吸着剤から脱着させてガスを回収する工程(脱着工程)を有する。
【0003】
上記PSA法は、種々の分野に適用され、原料ガスに含まれる一成分を吸着させることにより、高濃度のガスを製造する方法として利用されることが多い。しかし、ガス分離に要する電力が大きいため、電力量削減を目的に、洗浄工程のない方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-144818号公報
特許第6677181号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1および特許文献2に開示されるPSA法は、脱着ガスを洗浄ガスとして再利用しないため、真空ポンプ等の電力の削減に有効である。一方で、特許文献2におけるガス分離方法では、吸着工程では、吸着剤が充填された吸着塔の上部から原料ガスを供給して目的ガス成分を吸着剤に吸着させるとともに、吸着剤に吸着しなかった非吸着ガス成分を含むオフガスを吸着塔の下部から排出している。また、脱着工程では、図1に示すように、吸着塔のオフガス排出側に接続された真空ポンプを用いて吸着塔の内部を減圧し、まず目的ガス成分以外の不純物ガス成分を脱着させて不純物ガス成分を含む不純物ガスを排出して回収し、次いで吸着剤に吸着した目的ガス成分を脱着させて、目的ガス成分を含む目的ガスを排出して回収している。
【0006】
上記特許文献2に記載された方法は、不純物ガス成分の除去方法としては有効であるものの、目的ガス成分の脱着という観点では非効率な部分もある。何故なら、吸着工程にて原料ガスが供給される吸着剤充填層の上部には目的ガス成分の吸着量が多く、吸着剤充填層の下部には目的ガス成分の吸着量が少ないため、脱着工程にて目的ガス成分を吸着塔下部から脱着した際に、脱着した目的ガス成分の一部が吸着剤充填層の下部の吸着剤に再吸着するためである。吸着塔の内部は真空ポンプによって徐々に減圧されるため、吸着剤充填層の下部の吸着剤に再吸着した目的ガス成分も最終的には脱着されて分離回収されるが、再吸着した目的ガス成分を再度脱着するために余剰の電力が必要となる。したがって、洗浄ガスを用いないことによる電力量の削減効果が低減されてしまう。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、原料ガスから目的ガス成分を含む目的ガスをより効率的に分離して回収する方法および設備を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明は、以下の通りである。
[1]圧力スイング吸着法により原料ガスから目的ガス成分を含む目的ガスを分離回収する方法において、前記原料ガスを吸着剤が充填された吸着塔に供給して前記吸着剤に前記目的ガス成分を吸着させるとともに、前記吸着剤に吸着しなかった非吸着ガス成分を含むオフガスを前記吸着塔から排出する吸着工程と、該吸着工程において前記吸着剤に吸着させた前記目的ガス成分を脱着させて前記目的ガス成分を含む前記目的ガスを回収する脱着工程とを有するとともに、前記吸着工程と前記脱着工程との間に他の吸着塔から排出された目的ガスを洗浄ガスとして前記吸着塔に供給する洗浄工程を有しないガス分離回収方法であって、
前記脱着工程において、真空ポンプにより前記吸着塔の内部を減圧し、前記目的ガス成分以外の不純物ガス成分を前記吸着塔の前記オフガスの排出側から脱着し、前記目的ガス成分を吸着塔の前記原料ガスの供給側から脱着して、前記目的ガスを分離回収することを特徴とする、ガス分離回収方法。
【0009】
[2]圧力スイング吸着法により原料ガスから目的ガス成分を含む目的ガスを分離回収する方法において、前記原料ガスを吸着剤が充填された吸着塔に供給して前記吸着剤に前記目的ガス成分を吸着させるとともに、前記吸着剤に吸着しなかった非吸着ガス成分を含むオフガスを前記吸着塔から排出する吸着工程と、該吸着工程において前記吸着剤に吸着させた前記目的ガス成分を脱着させて前記目的ガス成分を含む前記目的ガスを回収する脱着工程とを有するとともに、前記吸着工程と前記脱着工程との間に他の吸着塔から排出された目的ガスの一部を洗浄ガスとして前記吸着塔に供給する洗浄工程を有しないガス分離回収方法であって、
前記目的ガス成分または前記目的ガス成分以外の不純物ガス成分を脱着する真空ポンプが設けられ、前記吸着塔の前記オフガスの排出側に、前記真空ポンプに繋がる第1の吸気ラインおよび第1のラインバルブが設けられ、前記吸着塔の前記原料ガス供給配管側に、前記真空ポンプへ繋がる第2の吸気ラインおよび第2のラインバルブが設けられており、
前記脱着工程において、複数に区分けした時間帯毎に前記第1のラインバルブおよび前記第2のラインバルブの開度を変化させて、前記真空ポンプにより前記吸着塔の内部を減圧して前記吸着塔の前記オフガスの排出側から前記不純物ガス成分を脱着し、前記真空ポンプにより前記吸着塔の内部を減圧して前記吸着塔の前記原料ガスの供給側から前記目的ガス成分を脱着し、前記不純物ガス成分を含む不純物ガスと前記目的ガスとを独立して分離回収することを特徴とする、ガス分離回収方法。
【0010】
[3]前記吸着塔は、その内部をガスが上下方向に流れる縦型吸着塔であり、
前記吸着工程では、前記原料ガスを前記吸着塔の上部から導入して前記オフガスを前記吸着塔の下部から排出し、
前記脱着工程では、前記不純物ガス成分を前記吸着塔の下部から脱着し、前記目的ガス成分を前記吸着塔の上部から脱着する、前記[1]または[2]に記載のガス分離回収方法。
(【0011】以降は省略されています)

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