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公開番号2025117901
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024012877
出願日2024-01-31
発明の名称負極組成物、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
出願人住友化学株式会社,国立大学法人京都大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01M 4/1393 20100101AFI20250805BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電極活物質層を厚膜化した場合であっても初期容量が高い負極組成物の提供。
【解決手段】リン原子と炭素原子とを含むリン-炭素複合負極材料と、導電助剤1と、導電助剤2と、を含む負極組成物であって、前記導電助剤1は、平均繊維長が1μmを超える繊維状の炭素材料であり、前記導電助剤2は、平均繊維長が1μm以下の繊維状炭素材料又は粒子状の導電助剤である、負極組成物導電助剤1は繊維長が3μm以上の繊維状の炭素材料であることが好ましい。導電助剤2は粒子状の導電助剤であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リン原子と炭素原子とを含むリン-炭素複合負極材料と、導電助剤1と、導電助剤2と、を含む負極組成物であって、
前記導電助剤1は、平均繊維長が1μmを超える繊維状の炭素材料であり、前記導電助剤2は、平均繊維長が1μm以下の繊維状炭素材料又は粒子状の導電助剤である、負極組成物。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記導電助剤1の平均繊維長が3μm以上である、請求項1に記載の負極組成物。
【請求項3】
前記負極組成物の全量に対する前記導電助剤1の含有割合は5質量%以上20質量%以下である、請求項1又は2に記載の負極組成物。
【請求項4】
前記導電助剤2は粒子状の導電助剤である、請求項1又は2に記載の負極組成物。
【請求項5】
前記リン-炭素複合負極材料は、XPSスペクトルにおいて、リン原子と炭素原子との結合を示すピークを有する、請求項1又は2に記載の負極組成物。
【請求項6】
前記リン-炭素複合負極材料は、CuKα線を用いて測定したXRDプロファイルにおいて、2θ=20°の強度I
20
、2θ=26.3°の強度I
26.3
、及び2θ=40°の強度I
40
が、以下の式(1)~(3)を満たす、請求項1又は2に記載の負極組成物。
|P|/|B|<2 …(1)
P=I
26.3
-I
40
…(2)
B=(I
20
-I
40
)×(26.3-40)/(20-40) …(3)
【請求項7】
前記リン-炭素複合負極材料は、リン原子を含むコア粒子と、
前記コア粒子の表面を覆う炭素皮膜と、を有する、請求項1又は2に記載の負極組成物。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の負極組成物から構成された負極活物質層を集電体の表面に備える、リチウム二次電池用負極。
【請求項9】
前記負極活物質層の膜厚が20μm以上150μm以下である、請求項8に記載のリチウム二次電池用負極。
【請求項10】
請求項8に記載のリチウム二次電池用負極を含むリチウム二次電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、負極組成物、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池は、携帯電話やノートパソコンなどの小型電子機器の電源として用いられている。近年では、リチウム二次電池は、自動車用途や電力貯蔵用途などの中型又は大型電源においても、実用化が進められている。
【0003】
リチウム二次電池の負極活物質として、炭素材料が知られている。従来、電池性能の向上を目的として、炭素材料にさらにリンを含有させた負極活物質が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の負極活物質では、炭素材料とリンとを複合化した負極活物質を用いることにより、充放電容量に優れた負極とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-184861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、より高いエネルギー密度を有するリチウム二次電池が望まれている。
電池のエネルギー密度を高める手段として、1つの電極当たりの電極活物質層を厚くする方法が挙げられる。電極活物質層を厚膜化することで、電池の単位体積当たりの電池反応に寄与する電極活物質層の体積割合が大きくなり、エネルギー密度が向上した電池が得られる。
【0006】
しかしながら、厚膜化した電極活物質層は、厚さ方向の電子伝導性とイオン伝導が低下しやすい。つまり、厚膜化した電極活物質層は電子の移動に関する抵抗が大きくなるのと同時にリチウムイオンが移動しにくくイオンの拡散に関する抵抗が大きい。これにより、初期容量が低下しやすいという課題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、電極活物質層を厚膜化した場合であっても初期容量が高い負極組成物を提供することを目的とする。
さらに本発明によれば、電極活物質層を厚膜化した場合であっても初期容量が高いリチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、以下の態様を包含する。
[1]リン原子と炭素原子とを含むリン-炭素複合負極材料と、導電助剤1と、導電助剤2と、を含む負極組成物であって、前記導電助剤1は、平均繊維長が1μmを超える繊維状の炭素材料であり、前記導電助剤2は、平均繊維長が1μm以下の繊維状炭素材料又は粒子状の導電助剤である、負極組成物。
[2]前記導電助剤1の平均繊維長が3μm以上である、[1]に記載の負極組成物。
[3]前記負極組成物の全量に対する前記導電助剤1の含有割合は5質量%以上20質量%以下である、[1]又は[2]に記載の負極組成物。
[4]前記導電助剤2は粒子状の導電助剤である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の負極組成物。
[5]前記リン-炭素複合負極材料は、XPSスペクトルにおいて、リン原子と炭素原子との結合を示すピークを有する、[1]~[4]のいずれか1つに記載の負極組成物。
[6]前記リン-炭素複合負極材料は、CuKα線を用いて測定したXRDプロファイルにおいて、2θ=20°の強度I
20
、2θ=26.3°の強度I
26.3
、及び2θ=40°の強度I
40
が、以下の式(1)~(3)を満たす、[1]~[5]のいずれか1つに記載の負極組成物。
|P|/|B|<2 …(1)
P=I
26.3
-I
40
…(2)
B=(I
20
-I
40
)×(26.3-40)/(20-40) …(3)
[7]前記リン-炭素複合負極材料は、リン原子を含むコア粒子と、前記コア粒子の表面を覆う炭素皮膜と、を有する、[1]~[6]のいずれか1つに記載の負極組成物。
[8][1]~[7]のいずれか1つに記載の負極組成物から構成された負極活物質層を集電体の表面に備える、リチウム二次電池用負極。
[9]前記負極活物質層の膜厚が20μm以上150μm以下である、[8]に記載のリチウム二次電池用負極。
[10][8]又は[9]に記載のリチウム二次電池用負極を含むリチウム二次電池。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電極活物質層を厚膜化した場合であっても初期容量が高い負極組成物を提供することができる。さらに本発明によれば、電極活物質層を厚膜化した場合であっても初期容量が高いリチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、P-C負極材料のXPSスペクトルである。
図2は、P-C負極材料の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
図3は、P-C負極材料及びP-C混合物のXRDプロファイルである。
図4は、電池の一例である全固体リチウム二次電池を示す模式図である。
図5は、電池の一例である全固体リチウム二次電池を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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