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公開番号2025118617
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2025061908,2022020496
出願日2025-04-03,2014-07-31
発明の名称アフコシル化された抗FGFR2IIIB抗体
出願人ファイヴ プライム セラピューティクス インク
代理人弁理士法人川口國際特許事務所
主分類C07K 16/28 20060101AFI20250805BHJP(有機化学)
要約【課題】FGFR2IIIbに結合する抗体を含む組成物を提供する。
【解決手段】複数の抗FGFR2IIIb抗体を含む組成物であって、各抗FGFR2IIIb抗体が、重鎖及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域がそれぞれ特定のアミノ酸配列を含む(i)HVR-H1、(ii)HVR-H2、及び(iii)HVR-H3を含み、かつ軽鎖可変領域がそれぞれ特定のアミノ酸配列を含む(iv)HVR-L1、(v)HVR-L2、及び(vi)HVR-L3を含み、組成物中の抗FGFR2IIIb抗体の少なくとも95%がアフコシル化されている、組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
複数の抗FGFR2IIIb抗体を含む組成物であって、
各抗FGFR2IIIb抗体が、重鎖及び軽鎖可変領域を含み、
重鎖可変領域が
(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H1、
(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び
(iii)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み、かつ
軽鎖可変領域が
(iv)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L1、
(v)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び
(vi)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含み、
組成物中の抗FGFR2IIIb抗体の少なくとも95%がアフコシル化されている、
組成物。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
重鎖可変領域ドメインが、配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
軽鎖可変領域ドメインが、配列番号5のアミノ酸配列を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
重鎖可変領域ドメインが、配列番号4のアミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域ドメインが、配列番号5のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
重鎖が配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項1~4の何れか一項に記載の組成物。
【請求項6】
軽鎖が配列番号3のアミノ酸配列を含む、請求項1~5の何れか一項に記載の組成物。
【請求項7】
重鎖が、配列番号2のアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖が配列番号3のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
複数のアフコシル化抗FGFR2IIIb抗体を含む組成物であって、
抗FGFR2IIIb抗体が、配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む抗体と、FGFR2IIIbに対する結合について競合する、組成物。
【請求項9】
抗体が、モノクローナル抗体である、請求項1~8何れか一項に記載の組成物。
【請求項10】
抗体が、キメラ抗体である、請求項1~9の何れか一項に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
アフコシル化された抗FGFR2IIIb抗体が提供される。
続きを表示(約 5,700 文字)【背景技術】
【0002】
線維芽細胞増殖因子(EGF)ファミリーメンバーは、様々な程度で異なるFGFRに
結合する異なるFGFにより、4種のチロシンキナーゼ受容体である線維芽細胞増殖因子
受容体1~4(FGFR1~4)、及びそれらのアイソフォームに結合する(Zhang et a
l., J. Biol. Chem. 281:15694, 2006)。ヒトFGFR2のタンパク質配列は、例えば、
GenBank ローカス AF487553に提供されている。各EGFRは、3種の免
疫グロブリン(Ig)様ドメイン(D1、D2及びD3)を含む細胞外ドメイン(ECD
)、一回膜貫通へリックス、及び細胞内触媒キナーゼドメインからなる(Mohammadi et a
l., Cytokine Growth Factor Revs, 16:107, 2005)。D1及びD2の間のリンカーには
、「アシッド・ボックス(acid box)」(AB)と呼ばれる隣接するアミノ酸の
範囲がある。D1及びABを含む領域は、リガンドへの結合により緩和される、受容体の
自己制御に関与すると考えられている。FGFは、主に受容体のD2及びD3における領
域を介して受容体に結合する。FGFRは、様々なアイソフォームをもたらす、そのmR
NAの複数の選択的スプライシングにより特徴づけられる(Ornitz et al., J. Biol. Ch
em. 271:15292, 1996; FGFR2及びそのアイソフォームについてSwiss-Pro
t P21802及びアイソフォームP21802-1からP21802-20も参照の
こと)。とりわけ、3種全てのIgドメインを含むフォーム(αアイソフォーム)、又は
D1を含まず、D2及びD3ドメインの2種のIgドメインのみを含むフォーム(βアイ
ソフォーム)がある。FGFR1~FGFR3において、全てのフォームが、IIIaと
示されるD3の前半部分を含むが、2つの代替的エクソンがD3の後半部分に使用される
ことができ、これにより、IIIb及びIIIcフォームが得られる。FGFR2につい
て、これらは、それぞれFGFR2IIIb及びFGFR2IIIc(又は、単にFGF
R2b及びFGFR2c)と示され;対応するベータフォームは、FGFR2(beta
)IIIb及びFGFR2(beta)IIIcと示される。FGFR2IIIc(K-
sam-Iとも示される)は、FGF1及びFGF2の両方によく結合するもののKGF
ファミリーメンバーには結合しないが、FGFR2(K-sam-IIとも示される)の
FGFR2IIIbフォームは、FGF1及びKGFファミリーメンバー(FGF7、F
GF10、及びFGF22)の両方に対し高親和性受容体である(Miki et al., Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA 89:246, 1992)。実に、FGFR2IIIbが、KGFファミリーメ
ンバーに対する唯一の受容体であり(Ornitz et al., 1996, op. cit.)、そのため、KG
FRと示されている。
【0003】
FGFR及びそのアイソフォームは、様々な組織において、異なる発現をする。FGF
R2IIIb(及び、FGFR1及びFGFR3のIIIbフォーム)は、上皮組織に発
現するが、FGFRIIIcは、間葉組織に発現する(Duan et al., J. Biol. Chem. 267
:16076, 1992; Ornitz et al., 1996, op. cit.)。これらの受容体の特定のFGFリガン
ドは、反対の発現パターンを有する。従って、FGF7(KGF)、FGF10、及びF
GF22を含むKGFサブファミリーメンバーはFGFRIIIbのみに結合し(Zhang e
t al., op. cit.)、かつ、間葉組織に発現し、よって、上皮細胞のパラクラインエフェク
ターであってもよい。一方、FGF4サブファミリーメンバーFGF4~6は、FGFR
2IIIcに結合し、かつ、上皮及び間葉系の両方において発現し、よって、オートクラ
イン又はパラクライン機能の何れかを有していてもよい。FGFR2のアイソフォーム及
びそのリガンドの発現パターンのために、FGFR2は、上皮-間葉相互作用における役
割を果たし(Finch et al., Dev. Dyn. 203:223, 1995)、そのため、マウスにおけるFG
FR2IIIbのノックアウトが、胚性の欠陥及び死亡を引き起こす(De Moerlooze et a
l., Development 127:483, 2000)。
【0004】
KGF(FGF7)及びKGFR(FGFR2IIIb)は、多くの膵臓がんにおいて
、過剰発現しており(Ishiwata et al., Am. J. Pathol. 153: 213, 1998)、それらの共発
現は、予後の悪さと相関している(Cho et al., Am. J. Pathol. 170:1964, 2007)。FG
FR2遺伝子の体細胞変異は、子宮内膜(子宮)癌の大規模パネルの12%に見いだされ
、様々な試験ケースにおいて、腫瘍細胞生存のために必須あった。2種の腫瘍において、
FGFR2変異は、アペール症候群に関連する、同じS252W置換であることが見出さ
れた。FGFR2の増幅と過剰発現は、予後が著しく悪い、未分化型びまん性胃がんと関
連し、低分子化合物によるFGFR2活性の阻害は、そのようながん細胞の増殖を強く阻
害した (Kunii et al., Cancer Res. 68:2340, 2008; Nakamura et al., Gastroenterol.
131:1530, 2006)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Zhang et al., J. Biol. Chem. 281:15694, 2006
Mohammadi et al., Cytokine Growth Factor Revs, 16:107, 2005
Ornitz et al., J. Biol. Chem. 271:15292, 1996
Miki et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:246, 1992
Ornitz et al., 1996, op. cit.
Duan et al., J. Biol. Chem. 267:16076, 1992
Zhang et al., op. cit.
Finch et al., Dev. Dyn. 203:223, 1995
De Moerlooze et al., Development 127:483, 2000
Ishiwata et al., Am. J. Pathol. 153: 213, 1998
Cho et al., Am. J. Pathol. 170:1964, 2007
Kunii et al., Cancer Res. 68:2340, 2008
Nakamura et al., Gastroenterol. 131:1530, 2006
【発明の概要】
【0006】
いくつかの実施態様において、抗FGFR2IIIb抗体が提供され、重鎖可変領域は
:(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)配列番号7のアミノ酸
配列を含むHVR-H2;及び(iii)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-H3
を含み;かつ軽鎖可変領域は:(iv)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L1;
(v)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号11のア
ミノ酸配列を含むHVR-L3を含み;抗体は、アフコシル化されている。いくつかの実
施態様において、抗体はAsn297でのフコースを欠いている。いくつかの実施態様に
おいて、複数の抗FGFR2IIIb抗体を含む組成物が提供され、組成物中の各抗FG
FR2IIIb抗体の重鎖可変領域は:(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-
H1;(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-H2;及び(iii)配列番号
8のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み;かつ組成物中の各抗FGFR2IIIb抗
体の軽鎖可変領域は:(iv)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配
列番号10のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号11のアミノ酸配
列を含むHVR-L3を含み;組成物中の抗体の少なくとも95%がアフコシル化されて
いる。いくつかの実施態様において、組成物は、抗体産生細胞株の上清であってもよい。
いくつかの実施態様において、組成物は、緩衝化された組成物である。いくつかの実施態
様において、重鎖可変領域ドメインが、配列番号4のアミノ酸配列を含む。いくつかの実
施態様において、軽鎖可変領域ドメインが、配列番号5のアミノ酸配列を含む。いくつか
の実施態様において、重鎖可変領域ドメインが、配列番号4のアミノ酸配列を含み、かつ
軽鎖可変ドメインが、配列番号5のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、
重鎖が、配列番号2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、軽鎖が、配列
番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、重鎖が、配列番号2のアミ
ノ酸配列を含み、かつ軽鎖が、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様に
おいて、複数のアフコシル化抗FGFR2IIIb抗体を含む組成物が提供され、抗体は
、配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び配列番号5のアミノ酸配列を含
む軽鎖可変ドメインを含む抗体と、FGFR2IIIbに対する結合について競合する。
【0007】
いくつかの実施態様において、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施態様
において、抗体はキメラ抗体である。いくつかの実施態様において、抗体はヒト化抗体で
ある。本明細書に記載の任意の実施態様において、抗体は、κ軽鎖定常領域を含んでもよ
い。本明細書に記載の任意の実施態様において、抗体は、IgG1重鎖定常領域を含んで
もよい。
【0008】
いくつかの実施態様において、抗体は、同じアミノ酸配列を有するフコシル化抗FGF
R2IIIb抗体に比較して、インビトロでの増強されたADCC活性を有する。いくつ
かの実施態様において、アフコシル化抗FGFR2IIIb抗体が、フコシル化抗FGF
R2IIIb抗体による特異的溶解よりも、少なくとも10、少なくとも15、少なくと
も20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくと
も45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、又は少な
くとも75パーセントポイント高い特異的溶解を引き起こす。いくつかの実施態様におい
て、ADCC活性が、標的細胞としてFGFR2IIIbを発現するBa/F3細胞、及
びエフェクター細胞として単離されたヒトPBMCを使用して決定される。
【0009】
いくつかの実施態様において、抗体は、同じアミノ酸配列を有するフコシル化抗FGF
R2IIIb抗体に比較して、FcガンマRIIIAに対する増強された親和性を有する
。いくつかの実施態様において、アフコシル化抗FGFR2IIIb抗体は、フコシル化
抗FGFR2IIIb抗体よりも、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、
少なくとも5倍、少なくとも7倍、少なくとも10倍、少なくとも12倍、少なくとも1
5倍、少なくとも17倍、又は少なくとも20倍高い親和性でFcガンマRIIIAに結
合する。いくつかの実施態様において、FcガンマRIIIAは、表面プラズモン共鳴を
使用して決定される。いくつかの実施態様において、FcガンマRIIIAは、Fcガン
マRIIIA(V158)及びFcガンマRIIIA(F158)から選択される。いく
つかの実施態様において、FcガンマRIIIAは、FcガンマRIIIA(V158)
である。
【0010】
本明細書に記載の任意の実施態様において、抗体は、FGFR2IIIbに結合しても
よいが、FGFR2IIIcに結合なくてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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