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公開番号
2025118886
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-13
出願番号
2025081949,2021513667
出願日
2025-05-15,2020-04-08
発明の名称
筋疾患治療用医薬組成物
出願人
国立大学法人東京科学大学
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C12N
15/113 20100101AFI20250805BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】骨格筋及び/又は心筋において優れたアンチセンス効果を示す核酸複合体、及びその核酸複合体を有効成分として、骨格筋や心筋等で発症する筋疾患の治療又は予防用の組成物を開発する。
【解決手段】標的遺伝子の転写産物にハイブリダイズし、当該転写産物に対するアンチセンス効果を有する第1核酸鎖、及び当該第1核酸鎖に相補的な塩基配列を含み、かつ、コレステロール又はその類縁体その類縁体が結合した第2核酸鎖がアニールしてなる二本鎖核酸複合体を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
第1核酸鎖と第2核酸鎖とを含み、被検体の骨格筋又は心筋において標的遺伝子の転写産物又は翻訳産物の発現量を抑制若しくは亢進する、又は標的遺伝子の転写産物又は翻訳産物の機能を阻害するための二本鎖核酸複合体であって、
前記第1核酸鎖は、前記標的遺伝子の転写産物の全部又は一部にハイブリダイズすることが可能な塩基配列を含み、かつ前記転写産物に対してアンチセンス効果を有し、
前記第2核酸鎖は、前記第1核酸鎖に相補的な塩基配列を含み、かつコレステロール又はその類縁体を結合しており、
前記第1核酸鎖は前記第2核酸鎖にアニールしている、前記二本鎖核酸複合体。
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【請求項2】
前記第1核酸鎖が少なくとも4個の連続デオキシリボヌクレオシドを含む、請求項1に記載の二本鎖核酸複合体。
【請求項3】
前記第1核酸鎖がギャップマーである、請求項2に記載の二本鎖核酸複合体。
【請求項4】
前記第1核酸鎖がミックスマーである、請求項1又は2に記載の二本鎖核酸複合体。
【請求項5】
前記第2核酸鎖が、前記第1核酸鎖中の少なくとも4個の連続デオキシリボヌクレオシドに相補的な、少なくとも4個の連続リボヌクレオシドを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の二本鎖核酸複合体。
【請求項6】
前記第2核酸鎖が天然リボヌクレオシドを含まない、請求項1~5のいずれか一項に記載の二本鎖核酸複合体。
【請求項7】
前記第2核酸鎖の核酸部分が修飾若しくは非修飾のヌクレオシド間結合により連結されたデオキシリボヌクレオシド及び/又は糖修飾ヌクレオシドからなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の二本鎖核酸複合体。
【請求項8】
前記第2核酸鎖がコレステロール又はその類縁体を結合している、請求項1~7のいずれか一項に記載の二本鎖核酸複合体。
【請求項9】
前記コレステロール又はその類縁体が前記第2核酸鎖の5’末端及び/又は3’末端に結合している、請求項1~8のいずれか一項に記載の二本鎖核酸複合体。
【請求項10】
前記第2核酸鎖に切断性(cleavable)又は非切断性(uncleavable)リンカーを介してリガンドが結合している、請求項1~9のいずれか一項に記載の二本鎖核酸複合体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨格筋及び心筋で発現する標的遺伝子の発現を特異的に抑制することのできる二本鎖核酸複合体、及びそれを有効成分として含有する筋疾患の治療又は予防用医薬組成物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
筋疾患の一種である筋ジストロフィーは、骨格筋の筋線維が変性又は壊死することにより筋肉の萎縮や筋力低下を生じる進行性の遺伝性筋疾患である。重症化すると歩行困難等の運動機能に障害を生じる他、呼吸器不全や心不全により死に至るケースも少なくない。筋ジストロフィーは、遺伝形式や臨床症状により、デュシャン型、ベッカー型、肢帯型、顔面肩甲上腕型等の様々な病型が知られている(非特許文献1)。
【0003】
現在までのところ筋ジストロフィーの根治療法はなく、多くは対症療法によって対応している。例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは、従来ステロイドによる骨格筋障害の治療が行われてきた。米食品医薬品局(FDA)は、2017年2月に5歳以上の小児並びに成人におけるディシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療薬として、デフラザコート(daflazacort:商品名Emflaza(登録商標))を承認している。この治療薬は、免疫系の活動を低下させ、炎症を抑制するコルチコステロイド剤である。また、米国FDAは、2016年9月にデュシャンヌ型筋ジストロフィー治療薬として、新たにエテプリルセン(eteolirsen:商品名EXONDYS 51)を承認している。この治療薬は、ジストロフィン遺伝子発現時におけるpre-mRNAスプライシングにおいてエクソンスキッピングを誘導し、51番目のエクソンを欠損したmRNAが合成されるように設計された核酸医薬である。
【0004】
筋ジストロフィーの有病率は、人口10万人当たりに17~20人と言われているが、関連する治療薬の市場規模は年々拡大しており、2022年には785億ドルに達するとの推定がある。
【0005】
近年、核酸医薬と呼ばれる医薬品の開発において、オリゴヌクレオチドが関心を集めており、また特に、標的遺伝子の高い選択性及び低毒性の点から、アンチセンス法を利用する核酸医薬の開発が積極的に進められている。アンチセンス法とは、標的遺伝子より転写されたmRNAやmiRNAの部分配列を標的センス鎖として、それに相補的なオリゴヌクレオチド(アンチセンスオリゴヌクレオチド:本明細書では、しばしば「ASO(AntiSense Oligonucleotide)」と表記する)を細胞に導入することにより、標的遺伝子によってコードされるタンパク質の発現を選択的に改変又は阻害する方法である。
【0006】
アンチセンス法を利用した核酸として、本発明者らは、これまでにアンチセンスオリゴヌクレオチドとそれに対する相補鎖とをアニーリングさせた二本鎖核酸複合体を開発している。例えば、特許文献1では、トコフェロールを結合させた相補鎖とアニーリングさせたアンチセンスオリゴヌクレオチドが、肝臓に効率的に送達され、また、高いアンチセンス効果を有することを開示している。また、特許文献2では、エクソンスキッピング効果を有する二本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドを付加ヌクレオチドがギャップマー(アンチセンスオリゴヌクレオチド)の5'末端、3'末端、若しくは5'末端及び3'末端の両方に付加されている短いギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドを開発した。さらに、特許文献3では、治療用オリゴヌクレオチドを送達するための二本鎖剤も開発している。
【0007】
前述のように筋ジストロフィーの死因の多くは、変異遺伝子の発現によって発症する呼吸器不全や心不全である。もしも、前述の核酸医薬によって横隔膜等の骨格筋や心筋で発現するそれらの遺伝子の発現を調節することができれば、筋ジストロフィーによる死亡率を低減できる可能性がある。また、他の筋疾患であるミオパチーや心筋症等についても同様の方法で治療や予防が可能となり得る。
【0008】
しかしながら、骨格筋、又は心筋に効率的に送達され、当該部位において優れたアンチセンス効果を示す核酸複合体は、現在まで開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2013/089283号
国際公開第2014/203518号
国際公開第2014/192310号
【非特許文献】
【0010】
杉田秀夫, 小澤▲英▼二郎, 埜中征哉 編集, 1995, 新筋肉病学.南江堂,東京: pp469-550
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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