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公開番号2025119891
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-15
出願番号2024014989
出願日2024-02-02
発明の名称電子写真部材、定着装置及び電子写真画像形成装置
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G03G 15/20 20060101AFI20250807BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】長期の使用にわたるトナーに対する優れた離型性と、良好な画質とが得られる電子写真部材の提供。
【解決手段】基層、該基層の外周面上の弾性層、及び該弾性層の外周面上の表面層、を有する電子写真部材であって、該表面層は、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含み、該表面層の外表面には、該テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の、円相当径が異なる複数の結晶が露出しており、該電子写真部材の外表面の少なくとも一部は、該結晶の表面で構成され、かつ、該結晶で粗面化されており、該外表面の所定の領域における該観察領域の各々の算術平均高さSaを求めたとき、該算術平均高さSaを階級とし、階級幅を0.05μmとする該観察領域の頻度分布において、所定の関係を満たす、電子写真部材。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
基層、該基層の外周面上の弾性層、及び該弾性層の外周面上の表面層、を有する電子写真部材であって、
該表面層は、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含み、
該表面層の外表面には、該テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の、円相当径が異なる複数の結晶が露出しており、
該電子写真部材の外表面の少なくとも一部は、該結晶の表面で構成され、かつ、該結晶で粗面化されており、
該電子写真部材の該外表面上に、該電子写真部材の周方向に沿う方向の長さが5mm、該周方向に直交する長手方向の長さが10mmの長方形の領域を、該長方形の領域の該長手方向の中央が、該電子写真部材の該長手方向の中央と一致するように配置し、該長方形の領域を、一辺が500μmの正方形によって200個の観察領域に区画し、該観察領域の各々の算術平均高さSaを求めたとき、
該算術平均高さSaを階級とし、階級幅を0.05μmとする該観察領域の頻度分布において、
該算術平均高さSaが0.10~0.40μmの階級に属する観察領域群X1に含まれる該観察領域の数をx1としたとき、該x1が160≦x1≦200を満たし、
該算術平均高さSaが0.10~0.20μmの階級に属する観察領域群X2に含まれる該観察領域の数をx2とし、
該算術平均高さSaが0.25~0.40μmの階級に属する観察領域群X3に含まれる該観察領域の数をx3としたとき、該x1及び該x2が下記式(1)を満たし、該x1及び該x3が下記式(2)を満たすことを特徴とする、電子写真部材:
0.25・x1≦x2≦0.75・x1 (1)
0.25・x1≦x3≦0.75・x1 (2)。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記x1及び前記x2が下記式(3)を満たし、前記x1及び前記x3が、下記式(4)を満たす、請求項1に記載の電子写真部材:
0.30・x1≦x2≦0.70・x1 (3)
0.30・x1≦x3≦0.70・x1 (4)。
【請求項3】
前記観察領域群X2に含まれる前記観察領域のうちの少なくとも1個の観察領域内における、前記結晶の面積平均径z2が、10.0~25.0μmである、請求項1に記載の電子写真部材。
【請求項4】
前記観察領域群X3に含まれる前記観察領域のうちの少なくとも1個の観察領域内における、前記結晶の面積平均径z3が、35.0~60.0μmである、請求項1に記載の電子写真部材。
【請求項5】
前記200個の観察領域における表面層の算術平均厚みを求めたとき、該算術平均厚みの最大値と該算術平均厚みの最小値との差Δtが2.00μm以下である、請求項1に記載の電子写真部材。
【請求項6】
前記表面層の厚みが10~30μmである、請求項1に記載の電子写真部材。
【請求項7】
前記電子写真部材が、エンドレス形状を有する電子写真ベルトである、請求項1に記載の電子写真部材。
【請求項8】
前記電子写真部材が、定着ベルトである請求項7に記載の電子写真部材。
【請求項9】
電子写真画像形成装置における定着装置であって、
該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、
該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子写真部材である、ことを特徴とする定着装置。
【請求項10】
定着装置を備える電子写真画像形成装置であって、
該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、
該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子写真部材である、ことを特徴とする電子写真画像形成装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真画像形成装置の定着装置に用いられる電子写真部材、定着装置、及び電子写真画像形成装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
プリンタ、コピー機、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置の定着装置に用いられる定着部材として、フィルム形状やローラ形状のものがある。これらの定着部材として、耐熱樹脂製又は金属製のフィルム形状若しくはローラ形状の基材上に、必要に応じて耐熱ゴム等からなる弾性層や表面層が形成されたものが知られている。例えば、表面層には離型性を有するフッ素樹脂などが用いられる。表面層においては、トナーに対して優れた離型性を有するフッ素樹脂として、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好ましく用いられる。
【0003】
近年、電子写真画像形成装置においてはプリントスピードのさらなる高速化、高画質化、省エネルギー性能や多種多様なメディアへの対応など、付加的な性能の向上が求められている。例えば、電子写真部材を定着部材として用いる場合、定着部材においては、幅広い定着条件に対応するため、トナーに対する離型性をさらに高めるための技術が検討されている。
特許文献1には、耐熱性樹脂製の基層、前記基層上に配置されている弾性材料製の弾性層、および前記弾性層上に配置されているフッ素樹脂製の離型層を有する定着ベルトにおいて、離型層に特定の凹凸形状を形成することにより、離型層の非粘着性を高める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-169530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、定着ベルトの外表面に凹凸形状を形成することにより、トナーに対する表面層の離型性を高めることができる。しかし、本発明者らが検討したところ、このような定着ベルトを定着部材として用いた場合、トナーの定着時に記録媒体が滑りやすくなり、トナーが通紙方向に溶け広がるため、細線の太りなどの画質の低下が生じる場合があることを見出した。これは、定着ベルトの外表面の凹凸形状により、記録媒体に対する真実接触面積が低下し、摩擦係数が小さくなることによるものと考えられる。
また、凹凸形状を形成するために、面転写やブラスト処理などの機械的な処理方法を用いた場合、使用するうちに加熱定着時の熱と圧力により凹凸形状が失われていき、トナーに対する離型性が低下する場合がある。
【0006】
本開示の少なくとも一の態様は、長期の使用にわたるトナーに対する優れた離型性と、良好な画質とが得られる電子写真部材の提供に向けたものである。また、本開示の少なくとも一の態様は、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する定着装置の提供に向けたものである。さらに、本開示の少なくとも一の態様は、高品位な電子写真画像を安定して形成することができる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の少なくとも一の態様によれば、
基層、該基層の外周面上の弾性層、及び該弾性層の外周面上の表面層、を有する電子写真部材であって、
該表面層は、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含み、
該表面層の外表面には、該テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の、円相当径が異なる複数の結晶が露出しており、
該電子写真部材の外表面の少なくとも一部は、該結晶の表面で構成され、かつ、該結晶で粗面化されており、
該電子写真部材の該外表面上に、該電子写真部材の周方向に沿う方向の長さが5mm、該周方向に直交する長手方向の長さが10mmの長方形の領域を、該長方形の領域の該長手方向の中央が、該電子写真部材の該長手方向の中央と一致するように配置し、該長方形の領域を、一辺が500μmの正方形によって200個の観察領域に区画し、該観察領域の各々の算術平均高さSaを求めたとき、
該算術平均高さSaを階級とし、階級幅を0.05μmとする該観察領域の頻度分布において、
該算術平均高さSaが0.10~0.40μmの階級に属する観察領域群X1に含まれる該観察領域の数をx1としたとき、該x1が160≦x1≦200を満たし、
該算術平均高さSaが0.10~0.20μmの階級に属する観察領域群X2に含まれる該観察領域の数をx2とし、
該算術平均高さSaが0.25~0.40μmの階級に属する観察領域群X3に含まれる該観察領域の数をx3としたとき、該x1及び該x2が下記式(1)を満たし、該x1及び該x3が下記式(2)を満たす電子写真部材が提供される。
0.25・x1≦x2≦0.75・x1 (1)
0.25・x1≦x3≦0.75・x1 (2)
【0008】
本開示の少なくとも一の態様によれば、
電子写真画像形成装置における定着装置であって、
該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、
該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、本開示の電子写真部材である、定着装置が提供される。
【0009】
本開示の少なくとも一の態様によれば、
定着装置を備える電子写真画像形成装置であって、
該定着装置は、定着部材と、該定着部材に対向して配置された加圧部材と、を具備し、
該定着部材及び該加圧部材の少なくとも一方が、本開示の電子写真部材である、電子写真画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示の少なくとも一の態様によれば、長期の使用にわたるトナーに対する優れた離型性と、良好な画質とが得られる電子写真部材を得ることができる。また、本開示の少なくとも一の態様によれば、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する定着装置を得ることができる。さらに、本開示の少なくとも一の態様によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成することができる電子写真画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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