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公開番号2025122986
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2024018775
出願日2024-02-09
発明の名称推定寒中期間出力装置、推定寒中期間マップ生成装置、推定寒中期間出力プログラム、推定寒中期間マップ生成プログラム、コンクリート工事方法、及びコンクリート建造物の製造方法
出願人国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人クオリオ,個人,個人,個人,個人
主分類G06Q 50/08 20120101AFI20250815BHJP(計算;計数)
要約【課題】各地域の寒中期間をより高い解像度で推定する、推定寒中期間出力装置及び推定寒中期間マップ生成装置、プログラム、工事方法及びコンクリート建造物の製造方法を提供する。
【解決手段】推定寒中期間出力装置は、複数の気象観測地点Aの各々における気象観測日と当該観測日における気温を含む気象データ並びに前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の地形因子、を含む情報(I)から推定される、複数の地域の各々の推定寒中期間のデータが格納された記憶部と、複数の地域のうちいずれかに存在する特定の位置の情報入力を受け付ける位置情報入力部と、特定の位置が含まれる特定の地域の推定寒中期間のデータを抽出する抽出部と、特定の地域の推定寒中期間のデータを出力する出力部とを備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数の気象観測地点Aの各々における気象観測日と当該観測日における気温を含む気象データ、並びに前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の地形因子、を含む情報(I)から推定される、前記複数の地域Xの各々の推定寒中期間のデータが格納された記憶部と;
前記複数の地域Xのうちいずれかに存在する特定の位置の情報入力を受け付ける位置情報入力部と;
前記特定の位置が含まれる特定の地域Xの推定寒中期間のデータを抽出する抽出部と;
前記特定の地域Xの推定寒中期間のデータを出力する出力部と;
を備える、推定寒中期間出力装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
複数の気象観測地点Aの各々における気象観測日と当該観測日における気温を含む気象データ、並びに前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の地形因子、を含む情報(I)から推定される、前記複数の地域Xの各々の推定気象データを取得する推定気象データ取得部と;
前記推定気象データより前記複数の地域Xの各々の推定寒中期間を算出する寒中期間算出部と;
前記算出された複数の地域Xの各々の推定寒中期間のデータに基づいてマップを生成するマップ生成部と;
前記マップを出力する出力部と;
を備える、推定寒中期間マップ生成装置。
【請求項3】
前記情報(I)が、前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の都市因子を含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の地域Xの各々の面積が0.1~16km

である、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の地域Xのうち隣り合う地域Xの外縁が接している、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の地域Xの各々が気象庁公表のメッシュ平年値の各メッシュ区画と対応しており、
前記複数の地域Xの各々に対応する前記各メッシュ区画の日平均気温の平年値に基づき、前記推定寒中期間が推定され又は算出される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項7】
コンピュータを、
複数の気象観測地点Aの各々における気象観測日と当該観測日における気温を含む気象データ、並びに前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の地形因子、を含む情報(I)から推定される、前記複数の地域Xの各々の推定寒中期間のデータが格納された記憶手段;
前記複数の地域Xのうちいずれかに存在する特定の位置の情報入力を受け付ける位置情報入力手段;
前記特定の位置が含まれる特定の地域Xの推定寒中期間のデータを抽出する抽出手段;
前記特定の地域Xの推定寒中期間のデータを出力する出力手段;
として機能させる、推定寒中期間出力プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
複数の気象観測地点Aの各々における気象観測日と当該観測日における気温を含む気象データ、並びに前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の地形因子、を含む情報(I)から推定される、前記複数の地域Xの各々の推定気象データを取得する推定気象データ取得手段;
前記推定気象データより前記複数の地域Xの各々の推定寒中期間を算出する寒中期間算出手段;
前記算出された複数の地域Xの各々の推定寒中期間のデータに基づいてマップを生成するマップ生成手段;
前記マップを出力する出力手段;
として機能させる、推定寒中期間マップ生成プログラム。
【請求項9】
前記情報(I)が、前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の都市因子を含む、請求項7又は8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記複数の地域Xの各々の面積が0.1~16km

である、請求項7又は8に記載のプログラム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、推定寒中期間出力装置、推定寒中期間マップ生成装置、推定寒中期間出力プログラム、推定寒中期間マップ生成プログラム、コンクリート工事方法、及びコンクリート建造物の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
寒冷期のコンクリート工事(以下、寒中コンクリート工事)には、用いる調合とともに打込み後の管理が極めて重要な要素である。養生温度が低いとセメントの水和反応が遅延し、同一材齢で比較すると低温環境下にさらされたコンクリートは標準養生されたものと比較して強度が小さい。特に、硬化の初期段階に低温にさらされると、初期凍害を生じて所定の品質を得られない場合がある。従って、寒中コンクリート工事では十分な強度発現と耐久性を担保するために、加熱養生や被覆養生といった措置を施さなければならない。日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説 JASS 5 鉄筋コンクリート工事」(以下、「JASS 5」とも称す。)では、寒中コンクリート工事を行ううえで、寒中コンクリート工事の適用期間(以下、寒中期間)を定めている。
【0003】
寒中期間は、実際に施工を行う位置(施工を行う位置から最も近い観測所)における気象データに基づいて設定することが基本であるが、過去に遡って実測データを得ることが容易でない場合も多い。そこでJASS 5では、気象台や気象庁地域気象観測システム(AMeDAS、アメダス)の設置位置などを含む代表的な自治体名(主要都市)を挙げて、寒中期間の目安を示している。
またアメダスは日本全国に約1300箇所と、日本全体を網羅するように、およそ17km四方に1つの割合で設置されている。そのため、アメダスで観測された気象データを用いることにより、日本全体における寒中期間マップを作成することが可能である。例えば非特許文献1には、日本全国のアメダス891地点における気象データを用い、当該地点における寒中コンクリート工事の該当条件や、寒中期間の分布を色分けした寒中期間マップが示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
深瀬孝之、谷口円、濱幸雄、“寒中コンクリート工事に影響する気候特性に関する考察”、日本建築学会技術報告集、2019年10月、第25巻、第61号、p.1039-1044
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、JASS 5では主要都市の寒中期間の目安が示されているが、いずれも各都道府県の全体を網羅するものではない。また、JASS 5はおよそ10年周期で改訂がされるため、使用されるデータセットが古くなっている場合があり、年数が経過するほど実際の寒中期間との乖離が大きくなることが予想される。
また、例えば日本建築学会「寒中コンクリート施工指針・同解説」(以下、「寒中指針」とも称す。)には、宮城県の寒中期間として、仙台市と石巻市の2ヵ所の寒中期間が示されている。一方で、気象条件は地理的条件により大きく左右されるため、仙台市や石巻市とは地理的条件が大きく異なる市区町村では、上記のいずれの寒中期間も適切な指標にならない可能性がある。さらに、同市内であっても観測所から遠く離れた地域や地理的条件が大きく異なる地域では、上記の寒中期間の目安をそのまま適用するのは妥当性に欠ける場合がある。
さらに、上記寒中期間の算出をアメダス等の観測所により取得された気象データの観測値に基づいて行う場合、データの解像度は観測所の数に依存する。例えば上記非特許文献1で示される寒中期間マップは、日本全国における寒中期間の分布を色分けしているが、具体的な座標データを併せて示すものではない。また非特許文献1の寒中期間マップでは、各境界線は寒中期間の異なる観測所間を等分するように示されているにすぎず、実際の寒中期間とは異なる地域も存在すると考えられる。
【0006】
本発明は、各地域の寒中期間をより高い解像度で推定する、推定寒中期間出力装置、及び推定寒中期間マップ生成装置を提供することを課題とする。
また本発明は、コンピュータを、前記装置として機能させるプログラムを提供することを課題とする。
さらに本発明は、上記推定された寒中期間に基づき、コンクリート工事を寒中コンクリート工事とするか否かを決定する、コンクリート工事方法及びコンクリート建造物の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、特定の地域の観測気象データを用いて、地形因子等も考慮することにより、気象データが観測されていない地域を含めてより高い解像度で各地域の寒中期間を推定できることを見出した。また、これにより寒中期間の判定作業の効率化、施工計画の合理化に寄与できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明の上記課題は、以下の手段によって解決された。
〔1〕
複数の気象観測地点Aの各々における気象観測日と当該観測日における気温を含む気象データ、並びに前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の地形因子、を含む情報(I)から推定される、前記複数の地域Xの各々の推定寒中期間のデータが格納された記憶部と;
前記複数の地域Xのうちいずれかに存在する特定の位置の情報入力を受け付ける位置情報入力部と;
前記特定の位置が含まれる特定の地域Xの推定寒中期間のデータを抽出する抽出部と;
前記特定の地域Xの推定寒中期間のデータを出力する出力部と;
を備える、推定寒中期間出力装置。
〔2〕
複数の気象観測地点Aの各々における気象観測日と当該観測日における気温を含む気象データ、並びに前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の地形因子、を含む情報(I)から推定される、前記複数の地域Xの各々の推定気象データを取得する推定気象データ取得部と;
前記推定気象データより前記複数の地域Xの各々の推定寒中期間を算出する寒中期間算出部と;
前記算出された複数の地域Xの各々の推定寒中期間のデータに基づいてマップを生成するマップ生成部と;
前記マップを出力する出力部と;
を備える、推定寒中期間マップ生成装置。
〔3〕
前記情報(I)が、前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の都市因子を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の装置。
〔4〕
前記複数の地域Xの各々の面積が0.1~16km

である、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の装置。
〔5〕
前記複数の地域Xのうち隣り合う地域Xの外縁が接している、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の装置。
〔6〕
前記複数の地域Xの各々が気象庁公表のメッシュ平年値の各メッシュ区画と対応しており、
前記複数の地域Xの各々に対応する前記各メッシュ区画の日平均気温の平年値に基づき、前記推定寒中期間が推定され又は算出される、前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の装置。
〔7〕
コンピュータを、
複数の気象観測地点Aの各々における気象観測日と当該観測日における気温を含む気象データ、並びに前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の地形因子、を含む情報(I)から推定される、前記複数の地域Xの各々の推定寒中期間のデータが格納された記憶手段;
前記複数の地域Xのうちいずれかに存在する特定の位置の情報入力を受け付ける位置情報入力手段;
前記特定の位置が含まれる特定の地域Xの推定寒中期間のデータを抽出する抽出手段;
前記特定の地域Xの推定寒中期間のデータを出力する出力手段;
として機能させる、推定寒中期間出力プログラム。
〔8〕
コンピュータを、
複数の気象観測地点Aの各々における気象観測日と当該観測日における気温を含む気象データ、並びに前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の地形因子、を含む情報(I)から推定される、前記複数の地域Xの各々の推定気象データを取得する推定気象データ取得手段;
前記推定気象データより前記複数の地域Xの各々の推定寒中期間を算出する寒中期間算出手段;
前記算出された複数の地域Xの各々の推定寒中期間のデータに基づいてマップを生成するマップ生成手段;
前記マップを出力する出力手段;
として機能させる、推定寒中期間マップ生成プログラム。
〔9〕
前記情報(I)が、前記複数の気象観測地点A及び複数の地域Xの各々の都市因子を含む、前記〔7〕又は〔8〕に記載のプログラム。
〔10〕
前記複数の地域Xの各々の面積が0.1~16km

である、前記〔7〕又は〔8〕に記載のプログラム。
〔11〕
前記複数の地域Xのうち隣り合う地域Xの外縁が接している、前記〔7〕~〔10〕のいずれかに記載のプログラム。
〔12〕
前記複数の地域Xの各々が気象庁公表のメッシュ平年値の各メッシュ区画と対応しており、
前記複数の地域Xの各々に対応する前記各メッシュ区画の日平均気温の平年値に基づき、前記推定寒中期間が推定され又は算出される、前記〔7〕~〔11〕のいずれかに記載のプログラム。
〔13〕
〔7〕~〔12〕のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
〔13〕
【0009】
本発明において、「寒中期間」とは、「寒冷期のコンクリート工事の適用期間」(すなわち、コンクリート工事の際に加熱養生や被覆養生といった適切な措置を施す必要がある期間)を意味する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の推定寒中期間出力装置ないし推定寒中期間マップ生成装置は、各地域の寒中期間をより高い解像度で推定し、当該推定に基づいて特定の地域の推定寒中期間を出力でき、また当該推定に基づいて推定寒中期間マップを生成することができる。
また、本発明の推定寒中期間出力プログラムないし推定寒中期間マップ生成プログラムによれば、コンピュータを、前記装置として機能させることができる。
さらに、本発明のコンクリート工事方法ないしコンクリート建造物の製造方法は、コンクリート工事を行うに際し、当該コンクリート工事を寒中コンクリート工事とするか否かを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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