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公開番号
2025124700
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-26
出願番号
2025082541,2023567486
出願日
2025-05-16,2021-12-17
発明の名称
ヒト化抗DNAM-1抗体
出願人
国立大学法人 筑波大学
,
TNAX Biopharma株式会社
代理人
弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類
C07K
16/28 20060101AFI20250819BHJP(有機化学)
要約
【課題】本発明は、ヒトDNAM-1に特異的に結合するヒト化抗DNAM-1抗体を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の一態様は、それぞれ特定のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、およびそれぞれ特定のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有する、ヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
HCDR1として配列番号1のアミノ酸配列、HCDR2として配列番号2のアミノ酸配列、およびHCDR3として配列番号3のアミノ酸配列、ならびに
下記アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
LCDR1として配列番号4のアミノ酸配列、LCDR2として配列番号5のアミノ酸配列、およびLCDR3として配列番号6のアミノ酸配列、
を有する、ヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片。
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
配列番号10と95%以上同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および配列番号11と95%以上同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有する、請求項1に記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片。
【請求項3】
配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または
配列番号9のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、
を有する、請求項1または2に記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片。
【請求項4】
重鎖の238番目および239番目のアミノ酸残基がAである、請求項1~3のいずれか1項に記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片。
【請求項5】
配列番号14と95%以上同一のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号15と95%以上同一のアミノ酸配列を有する軽鎖を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片。
【請求項6】
配列番号14のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖、または
配列番号13のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖
を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のヒト化抗DNAM-1抗体。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片をコードする核酸。
【請求項8】
請求項7に記載の核酸を含有するベクター。
【請求項9】
請求項8に記載のベクターを含有する形質転換体。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか1項に記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片を含む、自然リンパ球(ILC)の活性化抑制剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト化抗DNAM-1抗体に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
DNAM-1は、CD226とも呼ばれる分子量65kDaの免疫グロブリンスーパーファミリーに属する接着分子であり、CD4
+
T細胞、CD8
+
T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、血小板などの造血系細胞に発現する活性化免疫受容体として同定された。
DNAM-1は、そのリガンドであるCD155またはCD112と結合すると、細胞傷害性のための活性化シグナルを媒介する。DNAM-1は、ヒトやマウスモデルにおいて、様々な炎症性疾患や癌の病態に関与していることが示されている。そして、抗マウスDNAM-1モノクローナル抗体は、マウスにおける実験的自己免疫脳炎および急性移植片対宿主病(GVHD)の発症を抑制すること、制御性T(Treg)細胞集団を増加させ、その結果、マウスの皮膚移植片の生存期間を延長させること等が報告されている。これらの報告から、抗DNAM-1モノクローナル抗体はこれらの疾患に有用であると考えられている。
本発明者らは、以前にマウス抗ヒトDNAM-1モノクローナル抗体を樹立した(特許文献1)。また、ヒト化抗DNAM-1抗体についても報告している(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開公報2017/183665号公報
【非特許文献】
【0004】
Yumi Yamashita-Kanemaru et.al., Suppression of Th1 and Th17 Proinflammatory Cytokines and Upregulation of FOXP3 Expression by a Humanized Anti-DNAM-1 Monoclonal Antibody, MONOCLONAL ANTIBODIES IN IMMUNODIAGNOSIS AND IMMUNOTHERAPY, Volume 40, Number 2, 2021
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のマウス抗ヒトDNAM-1モノクローナル抗体は、制御性T細胞を活性化して免疫反応を抑制することから、移植片対宿主病、臓器移植拒絶、自己免疫疾患、線維化疾患、炎症性腸炎、アレルギー等の予防または治療に使用できるとされている。しかし、特許文献1で樹立されたのはマウス抗体に過ぎず、ヒトにおける治療的価値の点等で、改善の余地が残されていた。
また、ヒト化抗体は、一般的に、その親マウス抗体に比べて標的とする抗原への結合性が低下する、抗原への結合性を維持すると免疫原性が上がりやすい点等で改善の余地があった。
そこで、本発明者らは、新規なマウス抗ヒトDNAM-1モノクローナル抗体を取得し、ヒトにおける治療的価値の高いヒト化抗DNAM-1抗体を作製しようと考えた。
本発明は、ヒトDNAM-1に特異的に結合するヒト化抗DNAM-1抗体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の〔1〕~〔10〕に関する。
〔1〕 下記アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
HCDR1として配列番号1のアミノ酸配列、HCDR2として配列番号2のアミノ酸配列、およびHCDR3として配列番号3のアミノ酸配列、ならびに
下記アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
LCDR1として配列番号4のアミノ酸配列、LCDR2として配列番号5のアミノ酸配列、およびLCDR3として配列番号6のアミノ酸配列、
を有する、ヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片。
〔2〕 配列番号10と95%以上同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および配列番号11と95%以上同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有する、〔1〕に記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片。
〔3〕 配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または
配列番号9のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、
を有する、〔1〕または〔2〕に記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片。
〔4〕 重鎖の238番目および239番目のアミノ酸残基がAである、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片。
〔5〕 配列番号14と95%以上同一のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号15と95%以上同一のアミノ酸配列を有する軽鎖を有する、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片。
〔6〕 配列番号14のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖、または
配列番号13のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖
を有する、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のヒト化抗DNAM-1抗体。
〔7〕 〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片をコードする核酸。
〔8〕 〔7〕に記載の核酸を含有するベクター。
〔9〕 〔8〕に記載のベクターを含有する形質転換体。
〔10〕 〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載のヒト化抗DNAM-1抗体またはその抗原結合断片を含む、自然リンパ球(ILC)の活性化抑制剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ヒト化抗DNAM-1抗体を提供することができる。また、自然リンパ球(ILC)の活性化抑制剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、mAKB1のヒトDNAM-1との結合性を解析した結果を示す。
図2は、mAKB1とそのヒト化抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。復帰変異したアミノ酸残基を太字で、CDRを下線で示す。
図3は、mAKB1とそのヒト化抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。復帰変異したアミノ酸残基を太字で、CDRを下線で示す。
図4は、hAKB1-A、hAKB1-B、hAKB1-C、およびhAKB1-DのヒトDNAM-1との結合性を解析した結果を示す。
図5は、hAKB1-AおよびhAKB1-BのヒトDNAM-1との結合性を解析した結果を示す。
図6は、hAKB1-Aの重鎖コーディング領域の塩基配列を示す。
図7は、hAKB1-Bの重鎖コーディング領域の塩基配列を示す。
図8は、hAKB1-AおよびhAKB1-Bの軽鎖コーディング領域の塩基配列を示す。
図9は、hAKB1-Aの重鎖、hAKB1-Bの重鎖、ならびにhAKB1-AおよびhAKB1-Bの軽鎖のアミノ酸配列を示す。
図10は、hTKB1重鎖コーディング領域の塩基配列を示す。
図11は、hTKB1軽鎖コーディング領域の塩基配列を示す。
図12は、hTKB1の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を示す。
図13Aは、肺の自然リンパ球(ILC)におけるDNAM-1の発現を検討した結果を示す。
図13Bは、小腸の自然リンパ球(ILC)におけるDNAM-1の発現を検討した結果を示す。
図14は、野生型マウスおよびDNAM-1遺伝子欠損マウスを用いて、ILCにおけるサイトカインの発現量を解析した結果を示す。
図15は、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)の自然リンパ球(ILC)におけるDNAM-1の発現を検討した結果を示す図である。
図16は、自然リンパ球(ILC)におけるサイトカイン産生にmAKB1、hAKB1-A、hAKB1-B、およびhTKB1が与える影響を検討した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に本発明について具体的に説明する。
[ヒト化抗DNAM-1抗体]
ヒト化抗DNAM-1抗体とは、ヒトDNAM-1を特異的に認識する、ヒト化抗体の意味で用いる。特異的に認識するとは、ヒトDNAM-1タンパク質には結合するが、ヒトDNAM-1タンパク質以外には結合しないことを意味する。前記結合活性は、公知の方法、例えば免疫沈降法、ウェスタンブロッティング、EIA(enzyme immunoassay)、ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)、フローサイトメトリー、プルダウンアッセイ等の方法により測定することができる。
【0010】
ヒト化抗体とは、可変領域が原則、ヒト以外の抗体由来の相補決定領域(CDR)とヒト抗体由来のフレームワーク領域(FR)とからなり、定常領域がヒト抗体由来の定常領域からなる抗体である。
(【0011】以降は省略されています)
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