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公開番号2025155417
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2024059240
出願日2024-04-01
発明の名称結核菌群検出用オリゴヌクレオチド及びその用途
出願人東洋紡株式会社,国立大学法人 筑波大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C12Q 1/689 20180101AFI20251006BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】結核菌群を特異的に検出できるプローブを提供すること。
【解決手段】特定の塩基配列の(A)79~130番目若しくは(B)277~312番目、又は特定の塩基配列の(C)37~84番目の塩基配列或いはそれらに対して相補的な塩基配列において連続する15塩基以上24塩基以下の塩基配列を含むか、或いは該塩基配列と1~3個の塩基の相違を有する塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、5’末端及び3’末端の少なくとも一方の末端塩基がシトシンであり、5’末端及び3’末端の一方の末端塩基のシトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチドを有する、結核菌群検出用プローブが開示される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記のオリゴヌクレオチド(A)~(C)のいずれかを有する結核菌群検出用プローブ:
(A)配列番号57で示される塩基配列の79~130番目の塩基配列又はそれに対して相補的な塩基配列において連続する15塩基以上24塩基以下の塩基配列を含むか、或いは該塩基配列と1~3個の塩基の相違を有する塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、5’末端及び3’末端の少なくとも一方の末端塩基がシトシンであり、5’末端及び3’末端の一方の末端塩基のシトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド;
(B)配列番号57で示される塩基配列の277~312番目の塩基配列又はそれに対して相補的な塩基配列において連続する15塩基以上24塩基以下の塩基配列を含むか、或いは該塩基配列と1~3個の塩基の相違を有する塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、5’末端及び3’末端の少なくとも一方の末端塩基がシトシンであり、5’末端及び3’末端の一方の末端塩基のシトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド;
(C)配列番号58で示される塩基配列の37~84番目の塩基配列又はそれに対して相補的な塩基配列において連続する15塩基以上24塩基以下の塩基配列を含むか、或いは該塩基配列と1~3個の塩基の相違を有する塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、5’末端及び3’末端の少なくとも一方の末端塩基がシトシンであり、5’末端及び3’末端の一方の末端塩基のシトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記オリゴヌクレオチド(A)~(C)の長さが19~24塩基である、請求項1に記載の結核菌群検出用プローブ。
【請求項3】
前記オリゴヌクレオチド(A)~(C)の長さが15~19塩基である、請求項1に記載の結核菌群検出用プローブ。
【請求項4】
前記オリゴヌクレオチド(A)が配列番号23~28のいずれかで示される塩基配列又はそれに対して相補的な塩基配列を含み;
前記オリゴヌクレオチド(B)が配列番号29~31のいずれかで示される塩基配列又はそれに対して相補的な塩基配列を含み;
前記オリゴヌクレオチド(C)が配列番号48~56のいずれかで示される塩基配列を含む、請求項1に記載の結核菌群検出用プローブ。
【請求項5】
前記蛍光色素が、グアニンとの相互作用により消光する蛍光消光色素である、請求項1に記載の結核菌群検出用プローブ。
【請求項6】
前記蛍光色素が、フルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、並びにBODIPY及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1つの蛍光消光色素である、請求項1に記載の結核菌群検出用プローブ。
【請求項7】
前記蛍光色素が、4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3-プロピオン酸(BODIPY-FL)、カルボキシローダミン6G,TAMRA,ローダミン6G,テトラブロモスルホンフルオレセイン(TBSF)、及び2-オキソ-6,8-ジフルオロ-7-ジヒドロキシ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸(Pacific Blue)からなる群より選択される少なくとも1つの蛍光消光色素である、請求項1に記載の結核菌群検出用プローブ。
【請求項8】
請求項1に記載のオリゴヌクレオチド(A)~(C)を有する結核菌群検出用プローブから選択される少なくとも2種を含む、結核菌群検出用プローブセット。
【請求項9】
前記オリゴヌクレオチド(A)を有する結核菌群検出用プローブ及び前記オリゴヌクレオチド(B)の特徴を有する結核菌群検出用プローブから選択される少なくとも1種と、前記オリゴヌクレオチド(C)を有する結核菌群検出用プローブから選択される少なくとも1種とを含む、請求項8に記載の結核菌群検出用プローブセット。
【請求項10】
前記オリゴヌクレオチド(B)を有する結核菌群検出用プローブから選択される少なくとも1種と、前記オリゴヌクレオチド(C)を有する結核菌群検出用プローブから選択される少なくとも1種とを含む、請求項9に記載の結核菌群検出用プローブセット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、結核菌群を特異的に検出するためのプローブ、及び当該プローブを使用する検出方法、試薬、キット等に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
結核は結核菌(Mycobacterium tuberculosis(MTB))を始めとする結核菌群(MTB complex)によって引き起こされる感染症である。結核が発症した人は主に呼吸器症状を呈する。さらに、結核患者が咳やくしゃみなどによって空気中に結核菌群を排出すると、結核菌群は空気を介して他の人へと感染する。結核菌群は感染力が強いため、結核菌感染者を迅速かつ正確に検査することは、公衆衛生上、非常に重要である。
【0003】
結核菌群の検査方法としては古くから培養同定法が用いられてきた他、最近では核酸増幅法による検査も行われている。核酸増幅法としてはPCR法やリアルタイムPCR法、TRC法などが主に用いられている(特許文献1、非特許文献1、特許文献2)。核酸増幅法のターゲットとなる核酸についてはリボソームRNA遺伝子やrpoB遺伝子などが挙げられる。また、結核菌群特有のマルチコピー領域であるIS6110領域は、研究室や医療施設でのインハウス検査で広く利用されてきたターゲットの一つである(非特許文献2)。
【0004】
結核菌群のゲノムDNAにおいて、IS6110は最大で20コピー前後存在すると言われている。一方で、結核菌群の中にはIS6110を欠損した株も存在している。また、IS6110領域の配列には一塩基多型が存在しており、株によって塩基が異なり得る箇所がある。そのため、IS6110をターゲットとして結核菌群を検出する従来の方法では、IS6110欠損株やこの領域に一塩基多型を有する株を検出できない場合がある。
【0005】
また従来知られているIS6110領域をターゲットとする検出方法では、TaqManプローブ又は分子ビーコンプローブ等のダブル標識核酸プローブ(加水分解プローブなどとも呼ばれる)を用いたリアルタイムPCRが主に実施されている(非特許文献1、2)。本方法では、コントロールRNAを基準にウイルス量を定量することが可能であるが、PCRのサイクル毎に測光する必要があるため、最も短い場合でも検出に約1時間を要することが多い。
【0006】
核酸増幅産物を検出する別の方法としては、融解曲線解析法が知られている。融解曲線解析法は、核酸増幅と検出を別工程で実施することができ、最短30分間程度で比較的簡便に測定が可能である。さらに蛍光標識核酸プローブを用いた融解曲線解析は、自動分析装置を利用した遺伝子検査にも適合させ易いという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第4905130号公報
特許第6142524号公報
【非特許文献】
【0008】
B.M.Melissa et al., Journal of Clinical Microbiology, 2011, 49, p.3458-3462
HY.Wang et al., Scientific Reports, 2019, 14;9(1).113
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、結核菌群を特異的に検出する更なる有用な方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを所定の方法で蛍光標識したプローブを用いることによって、結核菌群を特異的に検出可能であることを見出した。また更に検討を重ね、当該プローブを2種以上組み合わせて使用することにより、より特異性高く結核菌群を正確に検出できることを見出した。本発明者らは、上記の知見を基に更に検討を重ねることにより、本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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