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公開番号
2025139523
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-26
出願番号
2024057861
出願日
2024-03-12
発明の名称
カーボンナノチューブヤーンからなる圧力及び触感センサー
出願人
Siddarmark合同会社
代理人
主分類
G01L
1/20 20060101AFI20250918BHJP(測定;試験)
要約
【課題】高純度、均質、かつ柔軟性と機械的強度を備えているCNTヤーンを伸縮性繊維からなるリボンテープに蛇腹状に織り込むことにより、リボンテープに加えられる歪み、圧力変化、触感を電気信号に変換するセンサーを提供する。
【解決手段】リボンテープに1本の連続したCNTヤーンを織り込んだ、または編み込んだCNTヤーンリボンテープセンサーであり、連続して織り込まれたCNTヤーンは略一定間隔で平行に配置され、リボンテープ両端でU字形状に折れ曲がり、CNTヤーン同士は互いに接触していない。このリボンテープセンサーの電気抵抗値またはインピーダンス変化を電気信号として計測する。当該リボンテープ面を垂直に押し込んで撓ませることでCNTヤーンの間隔が変化し、当該リボンの電気抵抗またはインピーダンスが変化することでリボンテープに加えられた歪みあるいは伸びを電気信号に変換する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
繊維からなるリボンテープに1本の連続したカーボンナノチューブヤーンを織り込みまたは編み込み、連続するCNTヤーンはほぼ等間隔で平行に配置され、リボンテープ両端でU字形状に折れ曲がり、CNTヤーン同士は互いに接触していない、CNTヤーンリボンテープからなる歪みまたは圧力または触感を検知するセンサー。
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【請求項2】
請求項1に記載のセンサーにおいて、テープ幅が10mm以下、望ましくは8mm以下、さらに望ましくは5mm以下である触感センサー。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサーにおいて、カーボンナノチューブ以外の繊維が合成繊維であるセンサー。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサーにおいて、カーボンナノチューブ以外の繊維がエラストマーと非エラストマーからなるセンサー。
【請求項5】
請求項1に記載のセンサーにおいて、一次元的伸縮および三次元的変形を電気抵抗またはインピーダンス変化として電気的に出力するセンサー。
【請求項6】
請求項1に記載のセンサーを複数枚で熱可塑性樹脂フィルム、または紙、または不織布を挟み込んだ構造からなることを特徴とし、歪みまたは圧力変化または擦れの三次元的変形を複数の当該センサー間の電気抵抗値またはインピーダンス差を計測して電気信号として検知することを特徴とする圧力センサー。
【請求項7】
請求項6に記載の圧力センサーの厚みが1ミリメートル以下であり、望ましくは0.5ミリメートル以下であり、さらに望ましくは0.3ミリメートル以下である圧力センサー
【請求項8】
請求項1のリボンテープの電気抵抗値またはインピーダンス変化検知する制御回路及びデータ送信部が重量30グラム以下であり、3Vから3.7V駆動であり、CNTヤーンからのアナログ電気信号をデジタル信号に変換可能であり、サンプリングレートは50から4000Hzであり、BluetoothまたはWiFiでパーソナルコンピューター等の汎用電子機器と無線送受信可能であること、また制御回路及びデータ送信基板内にデータをロギングする機能を有することを特徴とする歪みまたは触感または圧力センサー用制御回路及びデータ送信部を有する圧力センサー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブ(CNT)から紡績した炭素繊維と同等の機械的強度を備え衣料用繊維と同等の物性を有するカーボンナノチューブヤーン(CNTヤーン)を繊維リボンテープに織り込むまたは編み込んだ高感度の圧力および触感感知センサーに関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
人間と機械を繋ぐインターフェースとして、各種のセンサーや画像処理により検出された動きを人工知能(AI)で数値処理を行い、人間の動きをデジタル化して記録再生する技術が多数提案されている。これらのセンサーや画像認識装置は健康状態の把握、遠隔治療診断、動作シミュレーションに加えて、ロボットやヒューマノイドの動作をより人間の動作に近づけるための技術として活用されている。
【0003】
これらの技術を用いてロボットの腕や手指を遠隔操作することにより物体を確実に掴む動作の制御は進歩している。そのため、ロボット手術装置や工事現場のクレーン操作などの労働現場の無人化工程などが大いに改善されている。しかし、人間の指先が感じる触感、皮膚が感じる圧力や擦れをセンシングする触感(Tactile)センサーは従来の半導体タイプの応用が多く、結果的にシリコンウエハのように硬く柔軟性に乏しい。半導体チップ製造技術とフレキシブル基板技術を応用して微小な半導体を樹脂フィルムの上に多数設けた面状のセンサーもあるが、樹脂フィルムは布帛のような柔軟さに欠けるので人体のような複雑な三次元的形状にフィットさせることが難しく、特定の形状や表面状態を持つ物体を扱うことにとどまっている。
【0004】
W.Huangらはスポンジ状の柔らかい圧力センサーについて報告した(非特許文献1)。CNTを樹脂に混練してスポンジ状の塊を作成し、この塊に加えられる圧力をオン・オフの電気信号として測定に成功した。しかし、スポンジ状構造の材料であるため水分を含むと塊全体の誘電率が変化するため電気的応答が変化するので実用化が難しい。H.LeeらはCNTをシリコーンゴムのエラストマーに混練してゴム状のシートを作成し、面内歪みを縦横多点で電気的変動を測定し、二次元の動的情報を数値処理して面に加えられる圧力を電気信号に変換する方法を報告している(非特許文献2)。このエラストマーシートはシート変形量がある一定以上にならないと検知できないこと、および二次元多点の動的処理なので高性能のコンピューターを必要とする。そのため大容量の電源が必要になり小型軽量化に難がある。またシート表面の触感や擦れの検知はできない。畠らはCNTシートを伸縮性の基板に貼り付けて伸縮センサーを開発することを試みた(非特許文献3)。一方向伸び縮み測定の歪みセンシング用として足の動きを電気信号として捉えることには成功したが、圧力変化や触感感知には至っていなかった。
【0005】
他方、産業用技術分野ではロボット制御用センサー技術として圧力・触感センシングに関係する出願がある。特許文献1では金属繊維をエラストマーシートの厚み方向に充填することでシート表面に加わる圧力と分布を電気的に検知することを訴求している。この方法では多数の金属繊維の電気抵抗値変化を測定するため、非常に多くの配線が必要になり実用化は容易ではない。特許文献2ではフッ化ビニリデンフィルム、特許文献3ではフッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレン共重合体フィルムを用いた圧電フィルムを提案している。これは圧電材料からなるフィルムに圧力あるいは歪みを生じさせることで生じる電気を検知する。薄型かつ高温で使用可能なフィルムを用いたコンデンサや圧電パネルなどの電子デバイスに適用することを目的としている。面全体の歪みにより発電をする構造なので、シートの局所的な圧力検知や触感検知するセンサーではない。特許文献4は、面に加えられた圧力を膜で空圧に変換し、測定箇所とは離れた場所に設置した圧力センサーデバイスで圧力変化を検知する。空圧を使うことで半導体圧力センサーに生じる圧力残留応力の残存を打ち消す装置を提案している。特許文献5は、金属線を撚り合わせた芯線の周りにピエゾテープを巻き付け、その周りを絶縁フィルム、メッシュ状の金属シールド線で覆い、さらにそれを絶縁材料でカバーしたワイヤを平織りあるいは編み物にして面の触感センサーとして使用する材料を提案している。しかし、縦横多数のセンサーワイヤを用いるので本数の二乗の多次元入力解析になり計算が複雑化するので高性能のコンピュータとその駆動電力を必要とする。
【0006】
風船状やビーズチェアのような変形可能なもので対象物を包み込むようにして掴むロボットハンド構造も提案されているものの、ヒトの指先や皮膚のように圧力や触感を電気信号に変換することや、ロボットのフィンガー先端で立体形状物や柔らかい物体を掴む際に加える力の制御をフィンガー表面に取り付けたセンサーで直接検知するためには擬似的な皮膚のような柔らかい薄い布帛状のセンサーが望まれる。他方、二次元面をセンシングするために特許文献5や非特許文献3のように縦横メッシュ状に多数の測定点を設けることは多点入力制御となり制御関数が複雑化して高性能のコンピュータと容量の大きな駆動電源を必要とする。必然的にコンピュータ装置全体が大きくなり複雑化する。
【0007】
従って、圧力・触感センシングに求められるのは、布帛状で1つまたは数点の出力で信号を取得し、耐久性が高く日常生活で生じる水濡れ等でも使用可能、かつ摩擦等にも応答するセンサーである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開S59-3234公報
WO2017/014123
特許第6760404公報
特表2020/510201公報
WO2019/117037
特許第7083996広報
Huang,W.,et al.(2017):Flexible and Lightweight Pressure Sensor Based on Carbon Nanotube/Thermoplastic Polyurethane Aligned Conductive Foam with Superior Compressibility and Stability.ACS Applied Materials & Interfaces,2017,9,48,42266-42277.
Lee,H.et al.(2017):Soft Nanocomposite Based Multipoint,Multi-directional Strain Mapping Sensor Using Anisotropic Electrical Impedance Tomography.Scientific Reports,7:39837.
畠賢治、戦略的創造研究推進事業 CREST「プロセスインテグレーションによる機能発現ナノシステムの創生:自己組織プロセスによる創生された機能性・複合CNT素子による柔らかいナノMEMSデバイス」研究終了報告書、平成20年10月~平成26年3月。
Chui,R.W.,Fosdick,A.,Conner,R.,Jiang,J.,Bruenner,B.A.and Vargas,H.M.(2009):Assessment of two external telemetry systems(PhysioJacket and JET)in beagle dogs with telemetry implants.J Pharmacol Toxicol Methods 60,58-68.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、高純度、均質、かつ柔軟性と機械的強度を備えているCNTヤーンを伸縮性繊維からなるリボンテープに蛇腹状に織り込むことにより、リボンテープに加えられる歪み、圧力変化、触感を電気信号に変換するセンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
CNTは無機人工ナノ材料であり、その新しい物理化学的特性は新しい技術プラットフォーム材料として有望である。最近、長さ数十~数百マイクロメートルの繊維状物質である金属不純物を含まない、長さと直径が揃ったCNTを長さ約1km以上の均質ヤーンにすることが可能になったことが報告されている(特許文献6)。この均質CNTヤーンは10
5
S/m以上の導電性と、高い柔軟性と機械的強度を備えているため絹糸や合成繊維と同様に扱うことができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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