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公開番号2025142075
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2025120319,2024224830
出願日2025-07-17,2024-12-20
発明の名称ポリエステルフィルム
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20250919BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
離型フィルムからセラミックグリーンシートを剥離する工程における剥離性を向上させることができ、更に、ピンホール等の表面欠陥の発生を抑制することもできるポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】
粒子を含み、一方の表面の弾性変形仕事率が55%超であって、以下の(1)及び(2)を満足する、ポリエステルフィルム。
(1)算術平均高さ(Sa)が15nm以下。
(2)最大山高さ(Sp)が150nm以下。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
粒子を含み、一方の表面の弾性変形仕事率が55%超であって、以下の(1)及び(2)を満足する、ポリエステルフィルム。
(1)算術平均高さ(Sa)が15nm以下。
(2)最大山高さ(Sp)が150nm以下。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
150℃、5分間の熱処理後における縦方向及び横方向の収縮率が2.8%以下である、請求項1記載のポリエステルフィルム。
【請求項3】
150℃、5分間の熱処理後における横方向の収縮率が1.5%以下である、請求項1又は2記載のポリエステルフィルム。
【請求項4】
前記粒子の含有量が、含有させる層に対して、質量割合で250ppm以上10000ppm以下である、請求項1又は2記載のポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記粒子の平均粒径が1μm以下である、請求項1又は2記載のポリエステルフィルム。
【請求項6】
前記粒子のモース硬度が9以下である、請求項1又は2記載のポリエステルフィルム。
【請求項7】
前記粒子は少なくとも粒子(a1)及び粒子(a2)を含み、前記粒子(a1)が、アルミナ粒子であり、前記粒子(a2)が、前記粒子(a1)以外の粒子である、請求項1又は2記載のポリエステルフィルム。
【請求項8】
前記一方の表面を形成する層が粒子を含み、前記粒子は少なくとも粒子(a1)及び粒子(a2)を含み、前記粒子(a1)及び(a2)のpH7におけるゼータ電位が、前記粒子(a1)が正の値であって前記粒子(a2)が負の値である、又は、前記粒子(a1)が負の値であって前記粒子(a2)が正の値である、請求項1又は2記載のポリエステルフィルム。
【請求項9】
前記pH7でのゼータ電位が正の値となる粒子の含有量が、前記一方の表面を形成する層に対して、質量割合で50ppm以上5000ppm以下である、請求項8記載のポリエステルフィルム。
【請求項10】
前記pH7でのゼータ電位が負の値となる粒子の含有量が、前記一方の表面を形成する層に対して、質量割合で100ppm以上8000ppm以下である、請求項8記載のポリエステルフィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステルフィルムに関する。詳細には、例えば、積層セラミックコンデンサーの製造工程においてセラミックグリーンシートの支持体として用いられるポリエステルフィルムに関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムに代表されるポリエステルフィルムは、機械的特性、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種用途に使用されており、例えば、フィルム表面の平滑性を利用して、層間絶縁樹脂離型用基材、ドライフィルムレジスト用基材、積層セラミックコンデンサー(Multi-Layered-Ceramic-Capacitor;MLCC)のセラミックグリーンシートを形成するための離型フィルム等に用いられている。
【0003】
積層セラミックコンデンサーの製造工程においては、まず、ポリエステルフィルム上に離型剤等を塗工・乾燥し、離型層を有する離型フィルムを作製し、当該離型フィルム上にチタン酸バリウム等のセラミック成分及びバインダー樹脂を含むセラミックスラリーを塗工・乾燥した後、スクリーン印刷法等によって電極を印刷・乾燥して、電極印刷済のセラミックグリーンシートを作製する。次いで、得られたセラミックグリーンシートを所定形状に裁断して、セラミックグリーンシートを離型フィルムから剥離する。剥離されたセラミックグリーンシートを多数積層して一体化した後、個々のチップに切断し、焼成炉で内部電極及び誘電体層を焼結させることにより、積層セラミックコンデンサーは製造される。
【0004】
積層セラミックコンデンサーの小型及び高容量化に際して、セラミックグリーンシートの薄膜化が進んでいる。セラミックグリーンシートの薄膜化が更に進行すると、離型フィルムの表面に微小な突起があれば、これに起因して、セラミックグリーンシートにピンホール等が発生することが懸念されている。また、セラミックグリーンシートを離型フィルムから剥離する工程においては、破断等の剥離不良が発生する可能性が高まることが懸念されている。
【0005】
特許文献1には、ポリエステル基材の片側に設けられた剥離剤層を備えたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムであって、前記基材の剥離剤層側に対してハイドロキシアパタイト等のフィラーを配合し、微小表面硬度計を用いて20mNの荷重を印加したときに測定される荷重変位曲線における弾性変形仕事率を45%以上とし、剥離剤層の基材とは反対側の面における二次元の算術平均粗さ(Ra)を1nm以上20nm以下、二次元の最大突起高さ(Rp)を10nm以上200nm以下とする剥離フィルムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-144248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
今後、セラミックグリーンシートの更なる薄膜化が進展すると、ピンホール等の表面欠陥が発生する懸念がこれまで以上に高まると共に、離型フィルムからセラミックグリーンシートを剥離する工程においては、破断等の剥離不良が発生する懸念がこれまで以上に高まることが想定される。したがって、離型フィルムの剥離性を向上させると共に、表面欠陥の発生を抑制することが求められる。
しかしながら、本発明者らが検討を重ねた結果、セラミックグリーンシートの離型フィルムから剥離しやすくする観点から、例えば離型フィルムに所定のフィラー(粒子)等を配合することが考えられるが、前記のようにして剥離性を向上させると、フィラー(粒子)等に起因してピンホール等の表面欠陥が発生する傾向があるため、両者を高度に両立することは困難であることが明らかとなった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みなされたものであり、離型フィルムからセラミックグリーンシートを剥離する工程における剥離性を向上させることができ、更に、ピンホール等の表面欠陥の発生を抑制することができるポリエステルフィルムを提供する。
【0009】
本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、特定のポリエステルフィルムを用いることにより、前記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明者らは、例えば、粒子を配合する場合は、粒子の組成、平均粒径、粒度分布、硬度、及びポリエステルとの親和性等、ポリエステルの種類、並びに製膜条件等の諸条件を調整することによって得られた特定のポリエステルフィルムを用いることにより、前記課題を解決できることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、以下を提供する。
[1]
一方の表面の弾性変形仕事率が55%超であって、以下の(1)及び(2)を満足する、ポリエステルフィルム。
(1)算術平均高さ(Sa)が15nm以下。
(2)最大山高さ(Sp)が150nm以下。
[2]
150℃、5分間の熱処理後における縦方向及び横方向の収縮率が2.8%以下である、[1]記載のポリエステルフィルム。
[3]
150℃、5分間の熱処理後における横方向の収縮率が1.5%以下である、[1]又は[2]記載のポリエステルフィルム。
[4]
粒子を含み、前記粒子の含有量が、含有させる層に対して、質量割合で250ppm以上10000ppm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[5]
粒子を含み、前記粒子の平均粒径が1μm以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[6]
粒子を含み、前記粒子のモース硬度が9以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[7]
粒子を含み、前記粒子は少なくとも粒子(a1)及び粒子(a2)を含み、前記粒子(a1)が、アルミナ粒子であり、前記粒子(a2)が、前記粒子(a1)以外の粒子である、[1]~[6]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[8]
前記一方の表面を形成する層が粒子を含み、前記粒子は少なくとも粒子(a1)及び粒子(a2)を含み、前記粒子(a1)及び(a2)のpH7におけるゼータ電位が、前記粒子(a1)が正の値であって前記粒子(a2)が負の値である、又は、前記粒子(a1)が負の値であって前記粒子(a2)が正の値である、[1]~[7]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[9]
前記pH7でのゼータ電位が正の値となる粒子の含有量が、前記一方の表面を形成する層に対して、質量割合で50ppm以上5000ppm以下である、[8]に記載のポリエステルフィルム。
[10]
前記pH7でのゼータ電位が負の値となる粒子の含有量が、前記一方の表面を形成する層に対して、質量割合で100ppm以上8000ppm以下である、[8]又は[9]記載のポリエステルフィルム。
[11]
前記pH7でのゼータ電位が正の値となる粒子がアルミナ粒子である、[8]~[10]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[12]
前記pH7でのゼータ電位が負の値となる粒子がシリカ又は有機粒子である、[8]~[11]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[13]
前記一方の表面を形成する層が粒子を含み、前記一方の表面を形成する層に含まれる全粒子の含有量に対するモース硬度8以下の粒子の含有量の比(モース硬度8以下の粒子の含有量/全粒子の含有量)が、質量割合で、0.6以上0.95以下である、[1]~[12]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[14]
前記一方の表面を形成する層が粒子を含み、前記粒子の主成分がモース硬度8以下の粒子であり、前記モース硬度8以下の粒子の含有量が、前記一方の表面を形成する層に対して、質量割合で1800ppm未満である、[1]~[13]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[15]
前記(2)の最大山高さ(Sp)が100nm以下である、[1]~[14]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[16]
面配向度(ΔP)が165以上である、[1]~[15]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[17]
前記一方の表面の算術平均高さ(Sa)と他方の表面の算術平均高さ(Sa)との比(他方の表面の算術平均高さ(Sa)/一方の表面の算術平均高さ(Sa))が、2以上18以下である、[1]~[16]のいずれかに記載のポリエステルフィルム(但し、他方の表面の算術平均高さ(Sa)>一方の表面の算術平均高さ(Sa))。
[18]
少なくとも2層からなる、[1]~[17]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[19]
3層からなる、[1]~[18]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[20]
粒子を含み、前記粒子の含有量が、一方の表面層に対して、質量割合で250ppm以上2800ppm以下である、[18]又は[19]記載のポリエステルフィルム。
[21]
粒子を含み、前記粒子の含有量が、他方の表面層に対して、質量割合で2000ppm以上8000ppm以下である、[20]記載のポリエステルフィルム。
[22]
前記ポリエステルフィルムが、前記一方の表面を形成する表面層、中間層、及び他方の表面を形成する表面層をこの順に備え、前記中間層の厚みが、前記各表面層の厚みよりも厚い、[1]~[21]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[23]
前記ポリエステルフィルムが、前記一方の表面を形成する表面層、中間層、及び他方の表面を形成する表面層をこの順に備え、前記各層の厚みの比(表面層の厚み:中間層の厚み:表面層の厚み)が、1~10:10~35:1~5である、[1]~[22]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[24]
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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