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公開番号2025142373
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2024027832
出願日2024-02-27
発明の名称トビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子とその調製および応用
出願人中国計量大学
代理人個人,個人
主分類C12N 15/12 20060101AFI20250924BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】トビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子、その調製および応用を提供する。
【解決手段】NlGAL8 dsRNAを発現するRNAi干渉ベクターを構築し、それをメタリジウムアニソプリエ(Metarhizium anisopliae)に形質転換し、メタリジウムアニソプリエ分生胞子粉末を体表に噴霧接種する方法により、トビイロウンカの死亡率と体内NlGAL8の発現レベルを検出した。実験により、NlGAL8 dsRNAを発現するメタリジウムアニソプリエが標的遺伝子の発現を効果的に阻害し、トビイロウンカに対する殺虫効率を著しく向上させることが示された。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
トビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子であって、
トビイロウンカのガレクチンをコードする塩基配列は、NlGAL8と表記し、長さは936bpであり、前記塩基配列は配列番号SEQ ID No.1に示し、
前記トビイロウンカのガレクチンをコードするアミノ酸配列は、配列番号SEQ ID No.2に示されており、長さは311aaであることを特徴とするトビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
トビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子を調製する方法であって、
トビイロウンカからRNAを抽出し、cDNAに逆転写し、前記cDNAを鋳型としてcGAL8-FおよびcGAL8-Rを設計し、PCR増幅により配列番号SEQ ID No.1の配列を取得し、関連する塩基配列の予測を通じて、遺伝子によってコードされるアミノ酸配列番号SEQ ID No.2を取得することを含み、
前記cGAL8-Fは配列番号SEQ ID No.3に示し、
前記cGAL8-Rは配列番号SEQ ID No.4に示すことを特徴とするトビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子を調製する方法。
【請求項3】
トビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子を生物防除真菌メタリジウム アニソプリエ(Metarhizium anisopliae)の殺虫効率を改善するために使用することを特徴とするトビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子の応用。
【請求項4】
前記応用は、メタリジウム アニソプリエ内でdsNlGAL8を発現させ、pCAMBIA0380-TBプラスミドを骨格として用いて、NlGAL8-RNAi干渉ベクターを構築し、前記pCAMBIA0380-TBプラスミドはグルホシネート耐性遺伝子bar発現エレメントを含み、以下のステップを含み、
ステップ1)メタリジウム アニソプリエのクチナーゼ遺伝子のイントロン断片に対して、上流と下流にそれぞれBamHIおよびHindIII制限酵素部位を持つプライマーのペアを設計し、メタリジウム アニソプリエのゲノムDNAを鋳型とし、PCR増幅により得られた断片を二重酵素で消化した後、同じ酵素で消化されたpCAMBIA0380-TBプラスミドとライゲーションして、p0380-IN-TBプラスミドを得、
ステップ2)遺伝子融合法により、アスペルギルス ニデュランスのPtrpCプロモーターをdsNlGAL8フォワードフラグメントに融合させ、dsNlGAL8リバースフラグメントをアスペルギルス ニデュランスのTtrpCターミネーターに融合させ、このうち、上流の融合フラグメントは両端に人工合成のEcoRIおよびBamHI制限酵素部位を有し、下流の融合フラグメントは両端に人工合成のHindIIIおよびKpnI制限酵素部位を有し、
ステップ3)上流融合フラグメントをEcoRI/BamHI二重酵素で消化した後、同じ酵素で消化したp0380-IN-TBプラスミドとライゲーションし、得られたプラスミドをHindIII/KpnI二重酵素で消化し、同じ酵素で消化した下流融合フラグメントとライゲーションして、NlGAL8-RNAi干渉ベクタープラスミドpNlGAL8dsを得、
前記ステップ1)において、BamHIおよびHindIII制限酵素部位を有するプライマーは、配列番号SEQ ID No.9および配列番号SEQ ID No.10に示し、
前記ステップ2)において、dsNlGAL8のフォワードフラグメントのプライマーは配列番号SEQ ID No.13および配列番号SEQ ID No.14に示し、dsNlGAL8のリバースフラグメントのプライマーは配列番号SEQ ID No.15および配列番号SEQ ID No.16に示し、
前記ステップ2)において、PtrpCプロモーター用のプライマーは配列番号SEQ ID No.11および配列番号SEQ ID No.12に示し、TtrpCターミネーター用のプライマーを配列番号SEQ ID No.17および配列番号SEQ ID No.18に示す、
ことを特徴とする、請求項3に記載のトビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子の応用。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はバイオテクノロジーの分野に属し、トビイロウンカのガレクチン、特にトビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子の調製および生物防除真菌メタリジウム アニソプリエ(Metarhizium anisopliae)の殺虫効率の改善におけるその使用に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
トビイロウンカは我が国のイネの主要な刺吸い口器害虫である。長距離を移動する習性があり、環境適応力が強く、イネのウイルスを蔓延させる。外部条件が適切な場合、簡単に爆発的に発生して甚大な被害を引き起こし、米生産に多大な損失をもたらす。長い間、トビイロウンカの防除には化学的防除が重要な手段とされてきたが、化学農薬の継続的かつ大規模な使用は生産コストを増大させるだけでなく、天敵を殺し、農薬に対する耐性が高まり、トビイロウンカ被害の再発生と残留農薬汚染の原因となる。
【0003】
生物学的防除は、化学殺虫剤の使用に代わって緑色植物の保護を実現する効果的な方法である。生物防除微生物は、広範囲で普遍的で病原性が高く、環境に優しく、害虫に抗生物質に対する耐性を与えにくいなどの利点があり、害虫の生物学的防除において重要な位置を占めている。その中でも生物防除真菌は、主に独特の体壁接触感染様式により様々な害虫を死滅することができる。口器による吸汁性害虫の防除には明らかな利点を有し、アブラムシやコナジラミなどの吸汁性害虫を防除するためのさまざまな市販製剤として開発されている。現在、国内外の多くの学者が、真菌の分離、培養、バイオアッセイ法を通じてトビイロウンカに毒性のある生物防除真菌株をスクリーニングしている。しかし、化学殺虫剤と比較して、生物防除真菌は殺虫速度が遅く、その野外での防除効果は害虫自身の免疫防御システムによって制限される。トビイロウンカの免疫防御反応を弱めることが、トビイロウンカに対する生物防除真菌の殺虫効率を向上させる鍵となる。
【0004】
RNAi技術は、標的遺伝子の転写発現を効率的かつ特異的に阻害できるため、害虫の予防および防除研究の分野で大きな応用価値がある。合成dsRNAによって、害虫の成長と発達、または重要な行動に影響を与える重要な遺伝子を標的としてサイレンシングすることで、昆虫の個体数を効果的に減少させ、害虫の予防と防除効果を得ることができる。この技術は主に、適切な標的遺伝子と安定したdsRNA送達システムに依存している。現在、dsRNA送達法としては、注射、摂食、ベクター媒介の3つの方法が主流であるが、このうち、注射方法は主に実験室で使用され、野外での害虫駆除には適していない。また、in vitroで合成されたdsRNAの安定性は外部環境の影響を受けやすいため、摂食法に基づくRNAiは害虫防除の効果は良くない。植物をベクターとして媒介するdsRNA送達法、すなわち伝子組換え法により植物内で昆虫の標的遺伝子のdsRNAを発現させる方法は、植物を餌とする昆虫の標的遺伝子の発現を効果的に低下させ、最終的には昆虫の死に至ることが可能であるが、同時に遺伝子組換え植物の安全性リスクを引き起こす傾向がある。一方、RNAiと真菌感染による相加的な殺虫効果を考慮すると、生物防除真菌はdsRNA送達にとって理想的なベクターである。しかし、標的遺伝子に干渉して害虫を殺すためにdsRNAを発現させるための媒体として生物防除真菌を使用することについての報告は現時点ではほとんどなく、関連する研究を強化する必要がある。
【0005】
ガレクチン(galectin)は、昆虫に広く存在する糖認識ドメインを含むタンパク質スーパーファミリーであり、糖鎖末端のガラクトシドを特異的に認識できる。ガレクチンは、昆虫においてパターン認識受容体として機能することが多く、外来の病原性微生物を認識し、昆虫の自然免疫を開始する過程で重要な役割を果たしており、害虫駆除の効果的な潜在的標的となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、トビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子とその調製、および生物防除真菌メタリジウム アニソプリエ(Metarhizium anisopliae)の殺虫効率を改善する際の使用を提供することである。本発明は、生物防除真菌とRNAiという2つの害虫防除方策を組み合わせて、遺伝子工学的手段により生物防除真菌の組換え菌株を構築する。この菌株は、dsRNAを発現してトビイロウンカの免疫防御に関連する遺伝子であるガレクチンNlGAL8遺伝子の発現を阻害し、それによってトビイロウンカに対する生物防除真菌の殺虫効率を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を採用する。
【0008】
まず、本発明は、トビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子を提供するものであり、このトビイロウンカのガレクチンをコードする塩基配列は、NlGAL8として記録され、長さ936bpであり、配列番号SEQ ID No.1に示す。
【0009】
本発明の好ましい実施形態として、トビイロウンカのガレクチンをコードするアミノ酸配列は配列番号SEQ ID No.2に示されており、長さは311aaである。
【0010】
第二に、本発明はトビイロウンカのガレクチンNlGAL8遺伝子を調製する方法を提供し、その方法は以下を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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