TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025149916
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2025033392
出願日2025-03-04
発明の名称ソフトチョコレート
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23G 1/32 20060101AFI20251001BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】
油の分離や固形分の凝集が抑制された、なめらかな食感および性状のソフトチョコレートを提供すること
【解決手段】
以下の(1)~(5)の要件をすべて満たす、ソフトチョコレート
(1)無脂カカオ固形分が1質量%以下
(2)無脂乳固形分が6質量%以下
(3)α化澱粉又は加工澱粉類からなる群から選択される一つ以上の澱粉類を2質量%以上、10質量%以下含む
(4)HLB4以上のショ糖脂肪酸エステルを含む
(5)ソフトチョコレートの油分の固体脂含量(SFC)が、20℃で10%以下
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の(1)~(5)の要件をすべて満たす、ソフトチョコレート。
(1)無脂カカオ固形分が1質量%以下
(2)無脂乳固形分が6質量%以下
(3)α化澱粉又は加工澱粉類からなる群から選択される一つ以上の澱粉類を2質量%以上、10質量%以下含む
(4)HLB4以上のショ糖脂肪酸エステルを含む
(5)ソフトチョコレートの油分の固体脂含量(SFC)が、20℃で10%以下
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
加熱用である、請求項1のソフトチョコレート。
【請求項3】
S2U型トリグリセリドの含有量が、ソフトチョコレートの油分における全トリグリセリド中に25質量%以下である、請求項1又は2に記載のソフトチョコレート。
ただし、Sとは炭素数16~22の飽和脂肪酸、Uとは炭素数16~22の不飽和脂肪酸、を示す。
S2Uとは、Sが2分子、Uが1分子結合したトリグリセリドを示す。
【請求項4】
U3型トリグリセリドとSU2型トリグリセリドの合計の含有量が、ソフトチョコレートの油分における全トリグリセリド中に、60質量%以上90質量%以下である、請求項3に記載のソフトチョコレート。
ただし、U3とは、Uが3分子結合したトリグリセリドであり、SU2とは、Sが1分子、Uが2分子結合したトリグリセリドを示す。
【請求項5】
カカオバターの含有量が3質量%以下である、請求項1又は2に記載のソフトチョコレート。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のソフトチョコレートと、パン生地又は焼菓子生地が同時焼成された複合食品。
【請求項7】
以下の(1)~(5)の要件をすべて満たし、粉末原料を粉砕する工程を有する、ソフトチョコレートの製造方法。
(1)無脂カカオ固形分が1質量%以下
(2)無脂乳固形分が6質量%以下
(3)α化澱粉又は加工澱粉類からなる群から選択される一つ以上の澱粉類を2質量%以上、10質量%以下配合する
(4)HLB4以上のショ糖脂肪酸エステルを配合する
(5)ソフトチョコレートの油分の固体脂含量(SFC)が、20℃で10%以下
【請求項8】
以下の(1)~(5)の要件をすべて満たす、ソフトチョコレートを用いる、ソフトチョコレート加熱後の物性改善方法。
(1)無脂カカオ固形分が1質量%以下
(2)無脂乳固形分が6質量%以下
(3)α化澱粉又は加工澱粉類からなる群から選択される一つ以上の澱粉類を2質量%以上、10質量%以下含む
(4)HLB4以上のショ糖脂肪酸エステルを含む
(5)ソフトチョコレートの油分の固体脂含量(SFC)が、20℃で10%以下

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連技術
この出願は、令和6年3月26日に日本国特許庁に出願された出願番号2024-049264号の優先権の利益を主張する。優先権基礎出願はその全体について、出典明示により本明細書の一部とする。
続きを表示(約 2,900 文字)【0002】
本発明は、ソフトチョコレートに関する。
【背景技術】
【0003】
パンやクッキーなどのベーカリー食品は、いわゆるクリームパンなどのクリームやフィリングが内包されたものがある。また、パンオショコラなどの棒状のチョコレートをサンドしたものがある。
このようにベーカリーと組み合わせる食材としてクリーム類、フィリング類又はチョコレート類が使用されるが、中でも濃厚な風味をベーカリー食品に付与するという点で、油を連続相とするチョコレート類やスプレッド類が好まれる場合がある。
特許文献1には、焼成前生地へ組み合わせる時には適度な硬さを有し、焼成後は滑らかなクリーム状のチョコレートの食感を有するチョコレート類が開示されている。特許文献2には、白色系チョコレート様食品であって、焼成することでサクサクとした新規な食感を有する焼成チョコレート様食品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-192651号公報
国際公開WO2014/141915号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者らは、ベーカリー食品に組み合わせるチョコレート類について考察した。チョコレート類の濃厚な風味が軟らかい性状で得られれば、新たなベーカリー食品の提供につながると考えられた。
そこで、なめらかな食感と性状を有するソフトチョコレートの開発に着手した。発明者らは、油脂の種類を選定することでなめらかな食感を有するソフトチョコレートが容易に創出できると考えた。しかし、チョコレート中の油脂分の融点を低くしただけでは、焼成などの熱を加える工程によって油が分離したり、固形分が凝集したりする不具合が生じ、なめらかな食感や性状のソフトチョコレートにならないことがわかった。
したがって、本発明の課題は、油の分離や固形分の凝集が抑制された、なめらかな食感および性状のソフトチョコレートを提供することである。
【0006】
引用文献1は油脂のグレーニングについての記載はあるが、油の分離や固形分の凝集に関する示唆は無い。
引用文献2はチョコレート様食品を焼成することで、サクサクとした新規な食感を得ることについて開示されており、なめらかな食感および性状のソフトチョコレートに関する示唆は無い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、無脂カカオ固形分が1質量%以下のソフトチョコレートの無脂乳固形分及び澱粉の量を調整し、特定のショ糖脂肪酸エステルを配合することで、油の分離や固形分の凝集が抑制された、なめらかな食感および性状が得られることを見出し、本発明に至った。
【0008】
即ち、本発明は、
(1)以下の1)~5)の要件をすべて満たす、ソフトチョコレート、
1)無脂カカオ固形分が1質量%以下
2)無脂乳固形分が6質量%以下
3)α化澱粉又は加工澱粉類からなる群から選択される一つ以上の澱粉類を2質量%以上、10質量%以下含む
4)HLB4以上のショ糖脂肪酸エステルを含む
5)ソフトチョコレートの油分の固体脂含量(SFC)が、20℃で10%以下
(2)加熱用である、(1)のソフトチョコレート、
(3)S2U型トリグリセリドの含有量が、ソフトチョコレートの油分における全トリグリセリド中に25質量%以下である、(1)又は(2)に記載のソフトチョコレート、
ただし、Sとは炭素数16~22の飽和脂肪酸、Uとは炭素数16~22の不飽和脂肪酸、を示す、
S2Uとは、Sが2分子、Uが1分子結合したトリグリセリドを示す、
(4)U3型トリグリセリドとSU2型トリグリセリドの合計の含有量が、ソフトチョコレートの油分における全トリグリセリド中に、60質量%以上90質量%以下である、(3)に記載のソフトチョコレート、
ただし、U3とは、Uが3分子結合したトリグリセリドであり、SU2とは、Sが1分子、Uが2分子結合したトリグリセリドを示す、
(5)カカオバターの含有量が3質量%以下である、(1)又は(2)に記載のソフトチョコレート、
(6)(1)又は(2)に記載のソフトチョコレートと、パン生地又は焼菓子生地が同時焼成された複合食品、
(7)以下の1)~5)の要件をすべて満たし、粉末原料を粉砕する工程を有する、ソフトチョコレートの製造方法、
1)無脂カカオ固形分が1質量%以下
2)無脂乳固形分が6質量%以下
3)α化澱粉又は加工澱粉類からなる群から選択される一つ以上の澱粉類を2質量%以上、10質量%以下配合する
4)HLB4以上のショ糖脂肪酸エステルを配合する
5)ソフトチョコレートの油分の固体脂含量(SFC)が、20℃で10%以下
(8)以下の1)~5)の要件をすべて満たす、ソフトチョコレートを用いる、ソフトチョコレート加熱後の物性改善方法、
1)無脂カカオ固形分が1質量%以下
2)無脂乳固形分が6質量%以下
3)α化澱粉又は加工澱粉類からなる群から選択される一つ以上の澱粉類を2質量%以上、10質量%以下含む
4)HLB4以上のショ糖脂肪酸エステルを含む
5)ソフトチョコレートの油分の固体脂含量(SFC)が、20℃で10%以下
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によって、油の分離や固形分の凝集が抑制された、なめらかな食感および性状のソフトチョコレートを提供することができる。
特に、パン生地や焼菓子生地と同時焼成を行うなどの加熱後であっても、油の分離や固形分の凝集を抑制されたソフトチョコレートを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明においてチョコレートとは、チョコレート類、バタークリーム、スプレッド類のことをいい、油脂が連続相をなす食品全般のことをいう。本発明において言うところのチョコレート類とは全国チョコレート業公正取引協議会が規定するところの、「純チョコレート」、「チョコレート」、「準チョコレート」及び「チョコレート利用食品」に限定されるものでなく、油脂を必須成分とし、カカオマス、ココア、全粉乳、果汁乾燥粉末、野菜乾燥粉末、カカオバター、カカオバター代用脂、ハードバター等を利用した油脂加工食品をも包含する食品のことを言う。そのため、例えば野菜や果物由来の粉末を混合させる抹茶風味、イチゴ風味といった、油脂をベースとして可食物を分散させた食品を総称するものであってもよい。
本発明において、ソフトチョコレートとは、チョコレートの中でも可塑性を有する軟らかい性状のものをいう。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

不二製油株式会社
グミ類
1か月前
不二製油株式会社
加工食品
1か月前
不二製油株式会社
油性食品
10日前
不二製油株式会社
油脂組成物
29日前
不二製油株式会社
被覆用油性食品
1日前
不二製油株式会社
パン類の製造方法
7日前
不二製油株式会社
カカオ含有飲食物
今日
不二製油株式会社
冷凍霜付き抑制剤
6日前
不二製油株式会社
易溶融解性食品素材
1日前
不二製油株式会社
ソフトチョコレート
1日前
不二製油株式会社
包餡食品用フィリング
今日
不二製油株式会社
組織状植物性たん白素材
13日前
不二製油株式会社
焼成菓子類用油脂組成物
今日
不二製油株式会社
レバー様食品の製造方法
14日前
不二製油株式会社
動物性食品代替用ペースト
10日前
不二製油株式会社
食物繊維含有ペストリー類
7日前
不二製油株式会社
焼成後冷凍複合ベーカリー食品
今日
不二製油株式会社
植物ベースのマカロン様焼き菓子
6日前
不二製油株式会社
植物ベースの起泡性水中油型乳化物
今日
不二製油株式会社
冷凍喫食用起泡性水中油型乳化組成物
今日
不二製油株式会社
植物ベースの油中水型乳化物及びその製造方法
今日
不二製油株式会社
油性食品基材及び該油性食品基材を用いた油性食品
10日前
不二製油株式会社
フォーミング用植物乳及びフォーミング用植物乳の製造方法
21日前
不二製油株式会社
カカオ含有飲食物およびカカオ収斂味抑制剤
1か月前
株式会社東洋新薬
飲料
今日
奥野製薬工業株式会社
処理方法
2日前
株式会社エポック社
絞出具
2日前
不二製油株式会社
被覆用油性食品
1日前
不二製油株式会社
カカオ含有飲食物
今日
不二製油株式会社
易溶融解性食品素材
1日前
不二製油株式会社
ソフトチョコレート
1日前
不二製油株式会社
包餡食品用フィリング
今日
不二製油株式会社
焼成菓子類用油脂組成物
今日
アサヒ飲料株式会社
飲料
今日
アサヒ飲料株式会社
飲料
今日
アサヒ飲料株式会社
飲料
今日
続きを見る