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公開番号2025156245
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025055987
出願日2025-03-28
発明の名称一過性遺伝子発現ベクターに導入された遺伝子からの遺伝子産物を製造する方法
出願人UBE株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12P 21/00 20060101AFI20251002BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】一過性遺伝子発現ベクターに導入された遺伝子からの遺伝子産物を製造する方法の提供。
【解決手段】本発明は、一過性遺伝子発現ベクターに導入された遺伝子からの遺伝子産物を製造する方法であって、
(1)ポリマー多孔質膜に生着した細胞に、一過性遺伝子発現ベクターをトランスフェクション中及び/又は後に振盪して培養する工程、及び
(2)前記工程(1)により得られる前記細胞又は前記細胞から産生される遺伝子産物を回収する工程
を含む、方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
一過性遺伝子発現ベクターに導入された遺伝子からの遺伝子産物を製造する方法であって、
(1)ポリマー多孔質膜に生着した細胞に、一過性遺伝子発現ベクターをトランスフェクション中及び/又は後に振盪して培養する工程、及び
(2)前記工程(1)により得られる前記細胞又は前記細胞から産生される遺伝子産物を回収する工程
を含み、
ここで前記ポリマー多孔質膜が、複数の孔を有する表面層A及び表面層Bと、前記表面層A及び表面層Bの間に挟まれたマクロボイド層とを有する三層構造のポリマー多孔質膜であって、ここで前記表面層Aに存在する孔の平均孔径は、前記表面層Bに存在する孔の平均孔径よりも小さく、前記マクロボイド層は、前記表面層A及びBに結合した隔壁と、当該隔壁並びに前記表面層A及びBに囲まれた複数のマクロボイドとを有し、前記表面層A及びBにおける孔が前記マクロボイドに連通している、
前記方法。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記一過性遺伝子発現ベクターが、ウイルスベクター産生用ベクターであり、前記遺伝子産物がウイルスベクターである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ウイルスベクターが、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、及びレンチウイルスベクターからなる群から1又は複数選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記トランスフェクションが、エレクトロポレーション、リポフェクション、ウイルスベクターによる感染、マグネトフェクション、及びマイクロインジェクションからなる群から1又は複数選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記トランスフェクションが、カチオン性ポリマー、カチオン性脂質、又はDEAE-デキストランを用いて実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記トランスフェクションが、ポリエチレンイミン系のトランスフェクション試薬を用いて実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記振盪が、10~300rpmで実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記細胞が動物細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマー多孔質膜が、平均孔径0.01~100μmの複数の細孔を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記表面層Aの平均孔径が、0.01~50μmである、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一過性遺伝子発現ベクターに導入された遺伝子からの遺伝子産物を製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、医薬品分野の市場において、従来用いられてきた低分子化合物からバイオ医薬品へのシフトが進んでおり、2023年時点では世界の医薬品売上高の約4割がバイオ医薬品で占められている。バイオ医薬品とは、遺伝子組換え技術や細胞培養技術などのバイオテクノロジーを応用して作製された医薬品であり、例えば、ワクチン、酵素、ホルモン、抗体、サイトカイン、又はベクター等がこれに含まれる。
【0003】
一般的に、バイオ医薬品は、所望の遺伝子産物を発現する発現ベクターを細胞に導入後に、その細胞を培養することにより産生される遺伝子産物を回収し、精製して製造される。例えば、遺伝子産物としてのウイルスベクターは、当該ウイルスベクターの産生に必要な遺伝子が組み込まれた1又は複数の発現ベクターをトランスフェクションなどの遺伝子導入手法によって産生細胞に導入した後に培養し、細胞から産生されるウイルスベクターを回収および精製することで得られる。ウイルスベクターなどのバイオ医薬品の産生効率を上げるために、様々な試みが実施されており、開発が進められている(例えば、特許文献1~4)。
【0004】
バイオ医薬品の製造において、細胞培養技術や遺伝子導入技術は特に重要な要素技術である。細胞を人工の環境で培養する場合は、主に、培養容器の培養面に単層状に接着させて二次元的に培養する平面培養法か、液体培養液中に浮遊させた状態で培養する浮遊培養法が用いられる。平面培養法では、細胞が接着できる場所が培養容器の表面に限られてしまうことから、大量の細胞を培養するためには培養容器の表面積を大きくする必要がある。また、二次元状の細胞が増殖して細胞同士が接着するとコンタクトインヒビションが生じ、細胞から産生されるタンパク質等の量が減少したり、遺伝子導入効率が大幅に低下するなどの問題もある。
【0005】
浮遊培養法は、生得的に浮遊状態で培養できる細胞(例えば、造血系の細胞など)、接着系細胞を浮遊培養に適用化させた細胞(例えばCHO細胞など)、スフェロイドを形成して浮遊培養できる細胞(例えば、iPS細胞やES細胞など)などに適用することができるが、接着系の細胞全般に用いられるものではなく、使用できる細胞種が限られていた。また、浮遊培養法は、平面培養法よりも多くの細胞を培養できる一方、細胞はせん断力に脆弱な細胞も多く、細胞種に応じて培養条件や撹拌条件を最適化する必要がある。
【0006】
接着系細胞の培養を可能とし、なおかつ、浮遊して培養するために用いられる細胞培養基材として、マイクロキャリアやポリイミド多孔質膜が知られている。マイクロキャリアは、細胞を付着させて培養できる小粒子であり、ワクチンやタンパク質の製造にも用いられている(特許文献5)。ポリイミド多孔質膜は、気体などの物質透過性に優れており、空孔率の高く、両表面の平滑性が優れている膜であり、相対的に強度が高く、高空孔率にもかかわらず、膜厚み方向への圧縮応力に対する耐力に優れるマクロボイドを多数有する基材である(特許文献6及び7)。接着系の細胞がポリイミド多孔質膜の表面と、内部のマクロボイド構造の内部において接着し、大量の細胞を培養することができる(特許文献7)。また、当該ポリイミド多孔質膜で培養した細胞は、タンパク質などの生体物質の産生が促進することが知られている(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6165752号公報
特表2023-518919号公報
特表2022-527407号公報
特表2021-519108号公報
国際公開第2003/054174号
国際公開第2016/121768号
国際公開第2016/121773号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、一過性遺伝子発現ベクターに導入された遺伝子からの遺伝子産物を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題の解決のため鋭意研究に努めた結果、特殊な構造を有するポリマー多孔質を用いて、一過性遺伝子発現ベクターをトランスフェクション中及び/又は後に振盪して培養した結果、一過性遺伝子発現ベクターが効果的に細胞に取り込まれ、遺伝子産物の製造が向上することを見出し、本発明に至った。
【0010】
限定されるわけではないが、本発明は以下の態様を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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