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公開番号2025149770
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024064284
出願日2024-03-26
発明の名称単糖類の製造方法
出願人雪国アグリ株式会社
代理人
主分類C12P 19/02 20060101AFI20251001BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、より効率的かつ簡便に単糖類を製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】マンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、またはそれらを構成糖とする天然物に酵素を作用させる前に、アルコールもしくは含水アルコールに浸漬させることにより、単糖の遊離量を増加させることができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
マンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、またはそれらを構成糖とする天然物に対して、酵素を作用させて、単糖類を製造する方法であって、前記酵素を作用させる前に、天然物をアルコールもしくは含水アルコールに浸漬させることを特徴とする単糖類の製造方法。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記アルコールもしくは含水アルコールに浸漬させた後、アルコールをマンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、またはそれらを構成糖とする天然物から除去した後に酵素を作用させることを特徴とする請求項1記載の単糖類の製造方法。
【請求項3】
前記天然物が、ココヤシ、パーム、こんにゃく芋、グアー豆、コーヒー豆、またはイナゴ豆である請求項1記載の単糖類の製造方法。
【請求項4】
前記酵素が、マンナナーゼ、マンノシダーゼまたはガラクトマンナナーゼである請求項1記載の単糖類の製造方法。
【請求項5】
前記アルコールもしくは含水アルコールが、エタノールもしくは含水エタノールである請求項1記載の単糖類の製造方法。
【請求項6】
前記単糖類がマンノースである請求項1記載の単糖類の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、単糖含有組成物の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは単糖の遊離量増加が可能な単糖含有組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
単糖類は産業において種々の用途が存在する。グルコースは、例えば、賦形剤、キレート剤、医薬中間体、ガラス及び金属の洗浄剤、食品添加物として、及び洗剤の添加物として有用である(特許文献1)。ガラクトースはいくつかの医薬の中間体であり、製薬業界においてタンパク質治療薬の生物学的生産の最適化における細胞代謝モジュレーターとして用いられる。更に、ガラクトースは、キュウリ、ニンジン、ジャガイモ、トマトを冒す植物病原体などの特定の植物病原体によって引き起こされる植物病害に対する防除剤として有効であることが明らかになっている。マンノースは、抗がん作用(非特許文献1)や尿路感染症の予防(特許文献2)といった様々な生理活性作用が報告されており、機能性糖質として注目されている。
【0003】
マンノースについては、ココヤシ、パーム、こんにゃく芋、グアー豆、コーヒー豆、イナゴ豆など様々な植物に含まれていることが報告されている。その製造方法に関しては、マンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、またはそれらを構成糖とする天然物を酸分解や酵素分解することにより製造する方法が提案されている(特許文献3、特許文献4)。前者の酸分解する方法は、加熱工程で大きなエネルギーを必要とすること、あるいは中和処理により多量の塩が生成することから、環境負荷やコストの観点において好ましい方法ではなかった。後者の酵素分解する方法は、マンノースの収量が多く、また安全性の高い製造方法ではあるが、用いられる酵素がヘミセルラーゼを産生する菌体そのものや市販の工業用ヘミセルラーゼであることから、食品への使用が難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許第5215591号
特許第6257031号公報
特開2000―70000号公報
特開平11-046787号公報
【非特許文献】
【0005】
P. S. Gonzalez, et al.,Mannose impairs tumour growth and enhances chemotherapy.NATURE 563,719―723(2018)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、マンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、またはそれらを構成糖とする天然物から、効率的かつ簡便に単糖類を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、マンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、またはそれらを構成糖とする天然物に酵素を作用させる前に、アルコールもしくは含水アルコールに浸漬させることにより、単糖の遊離量が増加することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の(1)~(6)を要旨とするものである。
(1)マンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、またはそれらを構成糖とする天然物に対して、酵素を作用させて、単糖類を製造する方法であって、前記酵素を作用させる前に、アルコールもしくは含水アルコールに浸漬させることを特徴とする単糖類の製造方法。
(2)前記アルコールもしくは含水アルコールに浸漬させた後、アルコールをマンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、またはそれらを構成糖とする天然物から除去した後に酵素を作用させることを特徴とする(1)記載の単糖類の製造方法。
(3)前記天然物が、ココヤシ、パーム、こんにゃく芋、グアー豆、コーヒー豆、またはイナゴ豆である(1)記載の単糖類の製造方法。
(4)前記酵素が、マンナナーゼ、マンノシダーゼまたはガラクトマンナナーゼである(1)記載の単糖類の製造方法。
(5)前記アルコールもしくは含水アルコールが、エタノールもしくは含水エタノールである(1)記載の単糖類の製造方法。
(6)前記単糖類がマンノースである(1)記載の単糖類の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、酵素を作用させる前にアルコールもしくは含水アルコールに浸漬させることにより、マンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、またはそれらを構成糖とする天然物から単糖類の遊離量を増加させることができる。そのため、食品にも安心して使用することが可能な、高純度の単糖類を簡便かつ効のため、食品にも安心して使用することが可能な、高純度の単糖類を簡便かつ効率良く製造することができる。また、本発明の製造方法は、工業的な製造にも適応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のマンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、またはそれらを構成糖とする天然物は、マンナン、グルコマンナン、ガラクトマンナンを構成糖としていれば特に限定されるものではなく、例えば、ココヤシ、パーム及びその油抽出残さ(コプラミール、パーム核ミールなど)、ゾウゲヤシ(種子)、こんにゃく芋及びその加工品(荒粉、精粉、飛粉など)、グアー豆及びその加工品(グアーガムなど)、コーヒー豆またはその抽出残渣(コーヒー粕)、イナゴ豆及びその加工品(キャロブパウダー、ローカストビーンガムなど)などが挙げられる。当該天然物は、天然物そのものを用いても良いし、精製したものを用いても良い。また、それらの混合物を用いても良い。
(【0011】以降は省略されています)

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