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公開番号2025160834
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-23
出願番号2024063661
出願日2024-04-10
発明の名称シリカ二次粒子と該シリカ二次粒子を含む膜形成用組成物
出願人日産化学株式会社
代理人個人,個人
主分類C01B 33/18 20060101AFI20251016BHJP(無機化学)
要約【課題】 多孔質シリカ粒子、特に、凝集法によって製造されるシリカ二次粒子の細孔特性を評価する指標として、示差走査熱量計(DSC)を用いてシリカ二次粒子の細孔内氷の融解ピーク温度を測定し、その値から算出される平均メソ孔径を用いることで、気体分離膜の気体透過係数改善に好適なシリカ二次粒子を把握する。
【解決手段】 シアーズ法または窒素ガス吸着法で測定される平均一次粒子径(A1)が5~50nmのシリカ粒子のテトラアルコキシシランおよびトリアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を介してのシリカ二次粒子であり、シリカ二次粒子から構成される細孔に水分を包含してなる該シリカ二次粒子を示差走査熱量計で低温から高温に掃引して計測される氷から水への相転移に伴う吸熱ピークを、-6℃以下に少なくとも1つ有するシリカ二次粒子。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
シアーズ法または窒素ガス吸着法で測定される平均一次粒子径(A

)が5~50nmのシリカ粒子のテトラアルコキシシランおよびトリアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を介してのシリカ二次粒子であり、シリカ二次粒子から構成される細孔に水分を包含してなる該シリカ二次粒子を示差走査熱量計で低温から高温に掃引して計測される氷から水への相転移に伴う吸熱ピークを、-6℃以下に少なくとも1つ有することを特徴とするシリカ二次粒子。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
示差走査熱量計で高温から低温に掃引して計測される水から氷への相転移に伴う発熱ピークを、-40~-20℃の間に少なくとも1つ有することを特徴とする請求項1記載のシリカ二次粒子。
【請求項3】
示差走査熱量計で計測される平均メソ孔径が3~15nmのメソ孔を有する請求項1記載のシリカ二次粒子。
【請求項4】
式(1)または式(2)記載の加水分解性シラン由来の表面修飾基を有する請求項1記載のシリカ二次粒子。
TIFF
2025160834000020.tif
25
151
式(1)中、R

はそれぞれアクリロキシ基、メタクリロキシ基、アリール基、アルキル基、グリシドキシ基、アミノ基、又はそれら官能基を含む炭素原子数1~10のアルキレン基を含み、Si原子にSi-C結合で結合しているものであり、R

はそれぞれアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基からなる加水分解基であり少なくとも1つのR

の加水分解基はシリカ粒子表面でSi-O-Siの結合を形成し、aは1~3の整数を示す。
式(2)中、R

はそれぞれアルキル基で且つSi-C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R

はそれぞれアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基、アリーレン基、NH基、又は酸素原子を示し、bは0~3の整数を示し、cは0又は1の整数である。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のシリカ二次粒子を、酸性もしくはアルカリ性の水性媒体又は有機溶媒に分散し、前記平均一次粒子径(A

)と、動的光散乱法により測定される平均二次粒子径(A

)との比(A

/A

)が1を超え40以下であるシリカゾル。
【請求項6】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のシリカ二次粒子と、マトリクス樹脂とを含む膜形成用組成物。
【請求項7】
気体分膜用である請求項6記載の膜形成用組成物。
【請求項8】
マトリクス樹脂が、下記式(I)で表されるセルロースアセテートと、
TIFF
2025160834000021.tif
46
151
(nは、50~500の整数、R

は、-H又は-COCH

を表し、少なくとも一か所が-COCH

である。)
下記式(10)で示されるテトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミンR

(NH



とを縮重合させることにより得られる下記式(II)で示される繰り返し構造を有するポリイミドと、
TIFF
2025160834000022.tif
41
151
(R

は4価の有機基を表す。)
TIFF
2025160834000023.tif
40
151
(R

は4価の有機基を表す。R

は芳香族ジアミンからアミンを除いた残基であり、炭素原子数6~14の芳香族基を表す。nは50~500の整数を表す。)
固有微多孔ポリマーとからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7記載の膜形成用組成物。
【請求項9】
前記固有微多孔ポリマーが下記式(III)で表されるPIM-1である、請求項8記載の膜形成用組成物。
TIFF
2025160834000024.tif
47
151
(nは50~1000の整数を表す。)
【請求項10】
シアーズ法または窒素ガス吸着法で測定される平均一次粒子径(A

)が5~50nmのシリカ粒子のテトラアルコキシシランおよびトリアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を介して二次粒子化してシリカ二次粒子を得る工程と、
このシリカ二次粒子から構成される細孔に水分を包含してなる該シリカ二次粒子を示差走査熱量計で低温から高温に掃引して計測される氷から水への相転移に伴う吸熱ピークを測定して、-6℃以下に少なくとも1つの吸熱ピークを有するものを気体分離膜用のシリカ二次粒子とすることを特徴とするシリカ二次粒子の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカ二次粒子および該シリカ二次粒子を含有する膜形成用組成物に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ナノテクノロジー研究の一還として、平均粒子径が1nm位から数百nm位までのナノメートルオーダーの微粒子(ナノ粒子)に関する研究が盛んに行われている。素材をナノサイズ化したナノ粒子では、従来のバルク材料とは異なり、様々な機態・特性を発現・付与できることが知られており、幅広い産業分野での応用が期待されている。
【0003】
一方、無機成分と有機成分をナノレベル又は分子レベルで混ぜ合わせることによって、両者のメリットを相乗的に高めることのできる有機-無機複合材料が注目を集めている。この概念は、エネルギー・環境問題を解決する上でその有用性が注目されている高分子気体分離膜にも適応がなされており、高分子マトリクス中に無機物ナノ粒子を添加した有機-無機複合材料の作製によって、既存の方法では達成できなかった高い機械的強度や熱的安定性、気体透過特性の達成が望まれている。
【0004】
高分子膜の気体透過特性を利用して気体を分離する方法は、気体の相変化を伴わずに気体の分離・回収ができ、他の気体分離法に比べて操作が簡便で装置の小型化が可能であり、また連続的に気体分離を行うことができるため、環境負荷が少ないという特性を有している。このような省エネルギー型の高分子気体分離膜法は、近年、特に温室効果ガスの分離・回収や酸素富化空気の作製、天然ガスの精製技術として注目を集め、実用化が期待されているが、さらに気体分離性能および気体透過量の点での改善が必要とされる。
【0005】
前述したように、高分子膜に無機物ナノ粒子を含有させることにより気体透過特性を改善する試みもなされている。しかしながら、無機物ナノ粒子の添加量を増加させるに従い、膜強度の低下が問題になり、高粒子含有率を達成できないことから、気体透過性を数倍程度までしか向上できないことが課題となっている。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1では、高分子膜に無機物ナノ粒子を含有させて気体分離膜特性を改善する方法として、シリカナノ粒子表面に対して嵩高いハイパーブランチ高分子またはデンドリマー高分子を結合させることにより、有機溶媒中や高分子マトリクス中での凝集が無く、均一性に優れ、気体透過係数が大きく改善された気体分離膜が提唱されている。しかし、経時的なエージングによる気体透過係数の減少が問題となっている。
【0007】
一方、多孔質シリカ粒子、特に、細孔径が2~50nm未満のメソ孔を有する多孔質シリカ粒子は、一般的に界面活性剤のミセルを鋳型とするテンプレート法や、シリカのコロイド溶液を噴霧乾燥するスプレードライ法、無機結着剤でシリカ一次粒子を凝集させ二次粒子を得る凝集法によって製造される。このような多孔質シリカ粒子は、吸着剤、触媒担体、分離膜、センサ等の分野に用いることができる。多孔質シリカ粒子のメソ孔は堅牢で熱的、機械的、化学的に安定であるため、気体分離膜に多孔質シリカ粒子を添加することで、気体透過係数の改善と、エージングに対する耐久性の改善を同時に達成できる。
【0008】
非特許文献1には、平均細孔径2~10nm、細孔容積0.18~1.34cc/g、窒素吸着法による比表面積270~630m

/g、TEM観察による粒子径100~140nmであって、テンプレート法で作製された多孔質シリカ粒子について開示されている。
【0009】
特許文献2には、細孔半径ピーク5~10nm、メソ孔細孔容積0.5~2.0cc/g、窒素吸着法による比表面積90~350m

/g、レーザー回折法による平均粒子径0.1~1.0μmであって、凝集法で作製された多孔質シリカ粒子について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2010-222228号公報
特開2013-91589号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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