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公開番号2025160478
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-22
出願番号2025131131,2023561250
出願日2025-08-06,2023-06-13
発明の名称塑性流体を用いた微生物の保管方法
出願人日産化学株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 1/04 20060101AFI20251015BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】1種又は複数種の微生物を、他の微生物による汚染を抑制した状態で、長期間、高濃度で、微生物の機能低下を伴うことなく、液体状態で保管することができる組成物および方法を提供する。
【解決手段】本発明は、以下を含む、塑性流体組成物を提供する:
(1)微生物
(2)多糖類又は多糖類からなるナノファイバー、
ここで、当該微生物が細菌である場合は、1×107CFU/mL以上の微生物密度で含まれ、且つ、組成物中に分散しており、また、当該微生物が真菌である場合は、1×103CFU/mL以上の微生物密度で含まれ、且つ、組成物中に分散している。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下を含む、塑性流体組成物:
(1)微生物
(2)多糖類又は多糖類からなるナノファイバー、
ここで、当該微生物が細菌である場合は、1×10

CFU/mL以上の微生物密度で含まれ、且つ、組成物中に分散しており、また、当該微生物が真菌である場合は、1×10

CFU/mL以上の微生物密度で含まれ、且つ、組成物中に分散していることを特徴とする、組成物。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
降伏値が5~500mPaであり、
粘度が4~25℃において1.5~200mPa・sである、
請求項1記載の組成物。
【請求項3】
組成物が多糖類を含む、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
多糖類が脱アシル化ジェランガムである、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
組成物が多糖類からなるナノファイバーを含む、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項6】
ナノファイバーがセルロースナノファイバーである、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
微生物の保管用である、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項8】
微生物が2種類含まれる、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項9】
2種類の微生物が、細菌および真菌である、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
細菌が、Burkholderia arborisであり、真菌がYarrowia lipolyticaである、請求項9記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物の保管に関し、より具体的には、微生物を含有する塑性流体組成物等に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
一般的な微生物の保管技術としては、継代培養法、凍結保存法、及び、凍結乾燥法等が挙げられる。とりわけ、微生物を固形ゲル等に播種することにより、微生物を維持する継代培養法は最も一般的に行われている保管法である。しかし、継代培養法では微生物の固形ゲルへの植え替えに多大な労力を伴うことや、所望の微生物以外の微生物による汚染リスクが高いこと等、課題も多く有している。凍結保存法は、液体窒素等を用いて微生物を極低温下で凍結する技術であり、微生物を長期間保管する場合には最も有用な方法である。しかし、凍結保存法においては微生物を凍結状態から起眠する際に、融解、固形ゲルへの播種、及び、液体培養といった複数の起眠ステップを要するため、微生物の速やかな使用に適さない。
【0003】
保管のみならずその後の使用まで考慮した場合、凍結乾燥法が好適に用いられる。この方法は、微生物の保存性に優れ、かつ、使用の際にも、凍結乾燥させた微生物のパウダーを、起眠ステップ等に供することなく、使用することができる。しかし、凍結乾燥法にも課題はあり、例えば、液体中に存在する微生物を凍結乾燥させる際に微生物は凍結ストレス及び乾燥ストレスに曝されるため、微生物の生存率や機能の低下が起きやすい。また、凍結乾燥状態の微生物が通常の状態に戻り、その生理学的効果を発揮するには一定の時間を要する。従って、微生物による処理時間が短い条件においては、凍結乾燥された微生物の使用が困難となり得る。さらに、微生物のなかには凍結乾燥に適さない種も多数存在する。
【0004】
かかる背景から、微生物を比較的長期間保管でき、かつ、直接使用することができる液体型の微生物製剤の開発が進められている。液体型の微生物製剤は保管期間や使用形態において利点を有するが、一方で、液体型の微生物製剤では、保管中に製剤中の微生物が沈降し、容器底部において微生物の凝集塊を形成してしまう場合がある。凝集塊の内部に位置する微生物は、酸素や栄養を得ることができないため、生存率又は活性が低下してしまう。従って、微生物の沈降や凝集は微生物製剤の品質低下の一因となり得る。かかる微生物の沈降や凝集の発生を抑制するための手段として、製剤中の微生物の濃度を低くする手法が採用されている。そのため、現在市販されている微生物製剤の大半は、微生物濃度が低く、且つ、製剤のサイズは大型なものとなっている。その結果、液体型の微生物製剤は、保管スペース、輸送、保管時の温度管理等の点において高コストとなるとの課題が生じている。また、液体型の微生物製剤は、上述した通り、微生物の沈降が生じ得るため、品質を維持するために一定期間毎に撹拌を必要とするが、大きいサイズの液体型の微生物製剤は、撹拌にも多大な労力を必要とする点が課題となっている。
【0005】
撹拌に関してより具体的に説明すると、液体型の微生物製剤の一部には、使用する前に一旦培養装置に供され、微生物を増殖させた後に、所望の用途に使用されるものがあるが、このような微生物製剤の場合、一般的には、培養装置に付属する液体型の微生物製剤の保管用タンクに微生物製剤は貯蔵され、使用に供する一部の微生物製剤のみが培養装置に送られ培養され、使用に供される。このような形態の場合、液体型の微生物製剤は、一定期間、保管用タンクで貯蔵されるが、製剤に含まれる微生物がある程度のサイズを有する場合、微生物がタンク底面に沈殿してしまう。従って、保管用タンク中の微生物の偏りを解消するためには、常時或いは使用前に、タンク内の微生物製剤を撹拌する必要がある。かかる撹拌は微生物に物理的なストレスを与えてしまうのみならず、撹拌時に他の微生物による汚染を引き起こすリスクを高めてしまい得る。
【0006】
また、液体型の微生物製剤の溶媒としては所望の微生物以外の微生物による汚染を防ぐために滅菌水の使用が望ましいが滅菌水は比較的高コストである。従って、非滅菌水(例、水道水)を用いることが望まれるが、非滅菌水を用いた場合も他の微生物による汚染の問題が生じ得る。
【0007】
さらに、微生物製剤には、1種のみの微生物を含有するものだけではなく、複数種の微生物(例、細菌及び酵母)を含有する製剤も開発されている。性質の異なる複数の微生物を含有する微生物製剤に対しては凍結乾燥法の適用は困難であり、液体型の微生物製剤の形態での維持が好適であると一般的には考えられている。しかし、液体型の微生物製剤の形態で微生物を保管する場合も、例えば、溶液中で微生物が沈降するか浮遊するかは微生物の特性に依存する。上述した通り、微生物の沈降は微生物の生存率に影響を与え得るため、高品質の、複数種の微生物を含有する液体型の製剤の調製は容易ではない。
【0008】
ところで、脱アシル化ジェランガム(DAG)等の多糖類は、金属カチオン(例えばカルシウムイオン等の二価金属カチオン)を介して集合することにより、溶液中で三次元ネットワーク(不定型な構造体)を形成する。この三次元ネットワークを含む液体培地中で細胞を培養すると、細胞は当該三次元ネットワークにトラップされ沈降しないため、振とうや回転操作を要することなく細胞を培地中に浮遊状態で均一に分散させた状態で培養する技術が報告されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2014/017513号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
かかる背景から、本発明は、従前の複数の課題を一挙に解決し得る新規の液体型の微生物製剤の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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