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公開番号2025160977
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-24
出願番号2024063760
出願日2024-04-11
発明の名称軌道部材の固定方法、運動案内装置用基台付軌道部材
出願人個人,THK株式会社
代理人弁理士法人海田国際特許事務所
主分類B23K 11/14 20060101AFI20251017BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】プロジェクション溶接を用いて、軌道部材を基台に精度良く固定する。
【解決手段】運動案内装置10の軌道部材11を、取付基準となる基台31に対して固定する際に実行される軌道部材の固定方法であって、軌道部材11は、長手方向に対して直交する方向に貫通する複数の貫通穴11bを有し、複数の貫通穴11bのそれぞれに設置可能な被溶接部材51を用い、基台31の上面に軌道部材11の底面を載置した状態で複数の貫通穴11bのそれぞれに被溶接部材51を設置し、被溶接部材51の上面と、基台31の底面であって被溶接部材51と当該基台31との接触部位の鉛直方向の延長線上の位置のそれぞれに、一対の電極棒71a,71bを配置してプロジェクション溶接を実行することで、被溶接部材51と基台31との接触部位を溶接接合する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
長手方向に沿って転動体転走面が形成される軌道部材と、前記軌道部材に複数の転動体を介して相対移動自在に組み付けられる移動部材と、を備える運動案内装置の前記軌道部材を、取付基準となる基台に対して固定する際に実行される軌道部材の固定方法であって、
前記軌道部材は、長手方向に対して直交する方向に貫通する複数の貫通穴を有し、
前記複数の貫通穴のそれぞれに設置可能な被溶接部材を用い、
前記基台の上面に前記軌道部材の底面を載置した状態で前記複数の貫通穴のそれぞれに前記被溶接部材を設置し、前記被溶接部材の上面と、前記基台の底面であって前記被溶接部材と当該基台との接触部位の鉛直方向の延長線上の位置のそれぞれに、一対の電極棒を配置してプロジェクション溶接を実行することで、前記被溶接部材と前記基台との接触部位を溶接接合することを特徴とする軌道部材の固定方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の軌道部材の固定方法であって、
前記被溶接部材と前記基台との接触部位を溶接接合したときに、前記被溶接部材の上面が前記軌道部材の上面より上方に突出しないことを特徴とする軌道部材の固定方法。
【請求項3】
請求項1に記載の軌道部材の固定方法であって、
前記被溶接部材と前記基台との接触部位を溶接接合したときに、前記被溶接部材の上面が前記軌道部材の上面と面一となることを特徴とする軌道部材の固定方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の軌道部材の固定方法であって、
前記複数の貫通穴のそれぞれは、前記基台と接触する側が小径の穴であり、前記基台と接触する側とは反対側が大径の穴である径の異なる2種類の穴を組み合わせて形成されており、また、
前記複数の貫通穴のそれぞれに設置可能な前記被溶接部材は、前記貫通穴を構成する小径の穴に設置される軸状部と、前記貫通穴を構成する大径の穴に設置されるフランジ部と、によって構成されるボルト形状を有しており、
前記基台の上面に前記軌道部材を載置した状態で前記複数の貫通穴のそれぞれにボルト形状からなる前記被溶接部材を設置し、前記被溶接部材を構成する前記フランジ部の上面位置と、前記基台の底面であって前記被溶接部材を構成する前記軸状部の軸方向の延長線上の位置のそれぞれに、一対の電極棒を配置してプロジェクション溶接を実行することで、前記被溶接部材を構成する前記軸状部の反フランジ部側の先端と、前記基台の上面とを溶接接合することを特徴とする軌道部材の固定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の軌道部材の固定方法であって、
前記被溶接部材を構成する前記軸状部の反フランジ部側の先端が、先細形状となっていることを特徴とする軌道部材の固定方法。
【請求項6】
請求項4に記載の軌道部材の固定方法であって、
前記被溶接部材を構成する前記軸状部の反フランジ部側の先端が、球面形状となっていることを特徴とする軌道部材の固定方法。
【請求項7】
請求項4に記載の軌道部材の固定方法であって、
少なくとも前記被溶接部材の外周面又は前記貫通穴の内周面のいずれか一方が、通電防止効果を有する絶縁被膜で覆われていることを特徴とする軌道部材の固定方法。
【請求項8】
請求項4に記載の軌道部材の固定方法であって、
前記複数の貫通穴は、前記被溶接部材を構成する前記軸状部の反フランジ部側の先端が配置される近傍箇所が、前記貫通穴を構成する小径の穴よりも拡張した空間を有して形成されていることを特徴とする軌道部材の固定方法。
【請求項9】
請求項4に記載の軌道部材の固定方法であって、
前記基台は、前記被溶接部材を構成する前記軸状部の反フランジ部側の先端と接触する箇所が、前記貫通穴を構成する小径の穴よりも拡張した空間を有して形成されていることを特徴とする軌道部材の固定方法。
【請求項10】
請求項4に記載の軌道部材の固定方法であって、
前記基台と前記被溶接部材は金属材料で構成されており、
前記軌道部材は前記金属材料とは異なる種類の材料で構成されるものであることを特徴とする軌道部材の固定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道部材の固定方法および運動案内装置用基台付軌道部材に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
テーブル等の移動体の直線運動や曲線運動を案内するための機械要素として、案内部分にボール、ローラ等の転動体を介在させた運動案内装置は、軽快な動きが得られるので、自動車、ロボット、工作機械、半導体・液晶製造装置、医療機器等、様々な分野で利用されている。
【0003】
運動案内装置の一種であるリニアガイドは、長手方向に転動体転走面が形成される軌道部材と、移動部材とを備える。移動部材は、軌道部材に直線運動可能に組み付けられる。軌道部材と移動部材との間には、摩擦抵抗を低減するために複数の転動体が転がり運動可能に介在される。運動案内装置のサーキット状の無限循環路は、軌道部材の転動体転走面と移動部材の負荷転動体転走面との間の負荷転動体転走路と、負荷転動体転走路と平行に延びる転動体戻り通路と、負荷転動体転走路と転動体戻り通路とを接続するU字形状をした一対の方向転換路によって構成される。
【0004】
以上のような従来の運動案内装置において、軌道部材の取付対象である基台への固定設置は、軌道部材に形成されたボルト孔を利用するものであった。例えば、下記特許文献1には、軌道部材を基台に対して設置するために、軌道部材に複数形成されたボルト孔を利用し、このボルト孔を導通して基台に対して螺合するボルトの締結力によって、基台に対する軌道部材の固定設置が行われる運動案内装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-303459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、基台に対する軌道部材の固定設置に際して、基台へのドリル加工やタップ加工を無くすことができれば、工数の削減につながり好ましい。また、基台に対する軌道部材の固定設置にボルトの締結力を用いることを省略できれば、工数の削減の他にボルトの弛みを無くして安全性を高めることができるので、さらに好ましい。しかし、従来技術には、そのような課題を解決できる手段は存在しなかった。
【0007】
また、ボルトを用いて軌道部材を基台に固定する方法では、ボルトの締結力によって軌道部材にひずみが生じる場合があり、このひずみがウェービング特性等に悪影響を及ぼし、運動案内装置の案内精度を低下させる虞があった。そのため、ボルトを用いることなく軌道部材と基台とを精度良く固定する方法が求められていた。
【0008】
本発明は、上述した従来技術に存在する課題に鑑みてなされたものであって、基台へのドリル加工、タップ加工をなくし、軌道部材を締め付けることをなくして工数を削減するとともに、ボルトの弛みを無くして安全性を高めることを目的とするものである。
【0009】
また、本発明は、軌道部材を基台に固定設置するための方法として、新たにプロジェクション溶接を用いた手法を提案するものである。そして、本発明の更なる目的としては、かかる手法を提案することで、軌道部材を基台に精度良く固定するための方法と、この方法によって得られる運動案内装置用基台付軌道部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る軌道部材の固定方法は、長手方向に沿って転動体転走面が形成される軌道部材と、前記軌道部材に複数の転動体を介して相対移動自在に組み付けられる移動部材と、を備える運動案内装置の前記軌道部材を、取付基準となる基台に対して固定する際に実行される軌道部材の固定方法であって、前記軌道部材は、長手方向に対して直交する方向に貫通する複数の貫通穴を有し、前記複数の貫通穴のそれぞれに設置可能な被溶接部材を用い、前記基台の上面に前記軌道部材の底面を載置した状態で前記複数の貫通穴のそれぞれに前記被溶接部材を設置し、前記被溶接部材の上面と、前記基台の底面であって前記被溶接部材と当該基台との接触部位の鉛直方向の延長線上の位置のそれぞれに、一対の電極棒を配置してプロジェクション溶接を実行することで、前記被溶接部材と前記基台との接触部位を溶接接合することを特徴とするものである。
(【0011】以降は省略されています)

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