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公開番号2024163969
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-26
出願番号2023079739
出願日2023-05-14
発明の名称化合物又はこれと酸性化合物との塩、及びこれらからなる植物成長調節剤、並びにその化合物の製造方法
出願人学校法人神奈川大学
代理人個人
主分類C07D 209/18 20060101AFI20241119BHJP(有機化学)
要約【課題】植物体内での代謝を利用して持続的にIBAを供給可能なIBA前駆体化合物、及びそれからなる植物成長調節剤を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表す化合物又はこれと酸性化合物との塩を植物成長調節剤として用いればよい。式中、各R1は、独立に、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基、水酸基又はアルコキシ基であり、Aは、-OR2又は-O-X+であり、R2は、H又はアルキル基であり、X+は、Li+、Na+、K+、NH4 +又はN+R5 4であり、R3及びR4は、一方がHであることを条件に他方が水酸基又はアミノ基であるか、一体となって(=O)基を形成し、各R5は、独立に、H又は炭素数5以下のアルキル基であり、nは、0~4の整数である。
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【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)で表す化合物又はこれと酸性化合物との塩。
TIFF
2024163969000051.tif
31
149
(上記一般式(1)中、各R

は、それぞれ独立に、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基、水酸基又は炭素数1~5のアルコキシ基であり、Aは、-OR

又は-O



であり、R

は、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基であり、X

は、Li

、Na

、K

、NH


又はN




であり、R

及びR

は、一方が水素原子であることを条件に他方が水酸基又はアミノ基であるか、一体となって(=O)基を形成し、各R

は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数5以下のアルキル基であり、nは、0~4の整数である。)
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
下記化学式のいずれかで表す化合物又はこれと酸性化合物との塩。
TIFF
2024163969000052.tif
109
170
【請求項3】
下記化学式のいずれかで表す化合物又はこれと酸性化合物との塩。
TIFF
2024163969000053.tif
30
150
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の化合物又はこれと酸性化合物との塩からなる植物成長調節剤。
【請求項5】
前記植物成長が、側根及び根毛の形成若しくは伸長である請求項4記載の植物成長調節剤。
【請求項6】
以下の工程(a)~工程(c)を順次行う工程を含むことを特徴とする請求項1記載の化合物の製造方法。
工程(a):下記一般式(A)及び(B)で表す化合物をクロスカップリングさせることにより下記一般式(C)で表す化合物を得る工程
TIFF
2024163969000054.tif
27
146
(一般式(A)中、各R

は、それぞれ独立に、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基、水酸基又は炭素数1~5のアルコキシ基であり、Xは、ハロゲン原子であり、R

は、水素原子、又はインドール環窒素に対する保護基であり、nは、0~4の整数である。)
TIFF
2024163969000055.tif
19
146
(一般式(B)中、R

は、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基であり、R
3p
は、保護基を有してもよい水酸基又はアミノ基である。)
TIFF
2024163969000056.tif
30
135
(一般式(C)中、R

は、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基、水酸基又は炭素数1~5のアルコキシ基であり、R

は、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基であり、R
3p
は、保護基を有してもよい水酸基又はアミノ基であり、R

は、水素原子、又はインドール環窒素に対する保護基であり、nは、0~4の整数である。)
工程(b):一般式(C)で表す化合物を還元することで、下記一般式(D)で表す化合物を得る工程
TIFF
2024163969000057.tif
26
132
(一般式(D)中、R

は、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基、水酸基又は炭素数1~5のアルコキシ基であり、R

は、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基であり、R
3p
は、保護基を有してもよい水酸基又はアミノ基であり、R

は、水素原子、又はインドール環窒素に対する保護基であり、nは、0~4の整数である。)
工程(c):一般式(D)で表す化合物で表す化合物において、R

が水素原子であり、かつR
3p
で表す水酸基又はアミノ基が保護基を持たない場合には本工程を行わず、その他の場合に一般式(D)で表す化合物から脱保護を行うことで、下記一般式(E)で表す化合物を得る工程
TIFF
2024163969000058.tif
26
140
(一般式(E)中、R

は、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基、水酸基又は炭素数1~5のアルコキシ基であり、R

は、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基であり、R

は、水酸基又はアミノ基であり、nは、0~4の整数である。)
【請求項7】
以下の工程(d)~工程(f)を順次行う工程を含むことを特徴とする請求項1記載の化合物の製造方法。
工程(d):下記一般式(F)で表す化合物を還元することにより、下記一般式(G)で表す化合物を得る工程
TIFF
2024163969000059.tif
25
141
(一般式(F)中、各R

は、それぞれ独立に、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基、水酸基又は炭素数1~5のアルコキシ基であり、R

は、インドール環窒素に対する保護基であり、R

は、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基であり、nは、0~4の整数である。)
TIFF
2024163969000060.tif
24
146
(一般式(G)中、各R

は、それぞれ独立に、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基、水酸基又は炭素数1~5のアルコキシ基であり、R

は、インドール環窒素に対する保護基であり、nは、0~4の整数である。)
工程(e):一般式(G)で表す化合物にシアン化物アニオンを作用させることにより、下記一般式(H)で表す化合物を得る工程
TIFF
2024163969000061.tif
24
144
(一般式(H)中、各R

は、それぞれ独立に、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基、水酸基又は炭素数1~5のアルコキシ基であり、R

は、インドール環窒素に対する保護基であり、nは、0~4の整数である。)
工程(f):一般式(H)で表す化合物に、炭素数1~5のアルコールの存在下又は不存在下で酸又は塩基を作用させることにより、この化合物に存在するシアノ基を加水分解して下記一般式(I)で表す化合物を得る工程
TIFF
2024163969000062.tif
25
137
(一般式(I)中、R

は、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基、水酸基又は炭素数1~5のアルコキシ基であり、R

は、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基であり、nは、0~4の整数である。)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物又はこれと酸性化合物との塩、及びこれらからなる植物成長調節剤、並びにその化合物の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
オーキシンは、植物の発生、成長、分化及び様々な環境応答に関与することが知られている植物ホルモンである。天然オーキシンとしては、インドール-3-酢酸(IAA)が最も普遍的に分布していることが知られている。また、インドール-3-酪酸(IBA)及び4-クロロインドール-3-酢酸(4-CI-IAA)等の天然オーキシンが知られている。
【0003】
主要な天然オーキシンであるIAAやIBAは、化学的に不安定であるし、植物体内においては、IAAを分解するIAAの代謝経路が存在する。そのため、植物の生長調節等の目的でIAAを植物体に適用することは必ずしも現実的でなく、合成オーキシンが農薬又は植物化学調節剤として広く用いられている。こうした合成オーキシンとしては、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、1-ナフタレン酢酸(NAA)、2-メチル-4-クロロフェノキシ酪酸(MCPB)等が知られている。例えば2,4-Dは、除草剤や植物の組織培養試薬等として使用され、MCPBは、水田広葉雑草に対する選択的除草剤として使用されている。
【0004】
一方、IBAは、成長効果、発根促進、細胞伸長促進、形成層細胞の分裂誘導等の活性を有する植物成長調節物質であり、植物組織培養用等に用いられている。ここで、IBAは、オーキシンの生合成経路において、IAAと相互変換されることが知られており、IBAからIAAへの変換はβ酸化によって行われるとされる(例えば、非特許文献1を参照)。こうしたことから、従来、IBAは、IAAを介してこれらの作用を発現するものと考えられてきたが、最近では、IBA独自の作用として、例えば、植物の初期生育における側根の形成がIBAによって制御されるとの報告もなされている(非特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Mashiguchi, K.ら, 2011年, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 第108巻, p. 18512-18517
Woodward A及びBartel B., 2005年, Annals of Botany, 第95巻, p. 707-735
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、IBAは、成長効果、発根促進、細胞伸長促進、形成層細胞の分裂誘導等の活性を有する他、側根の形成や伸長を促す等の独自の効果を備えるので、その応用利用が期待される。しかしながら、IBAは、上記のように、植物体内でIAAに変換されたり代謝分解されたりする代謝不安定性があり、また、IAAとは異なり、持続的に作用する合成類縁体が知られていない。このため、IBAの応用利用が進んでないのが実情だった。
【0007】
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、植物体内での代謝を利用して持続的にIBAを供給可能なIBA前駆体化合物、及びそれからなる植物成長調節剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で表す化合物又はこれと酸性化合物との塩が、IBAと同様に、植物体における側根の形成や伸長を促す作用を備えることを見出し、また、これら化合物が、植物体内での代謝によりIBAに変換されることを確認した。本発明は、こうした知見に基づいてなされたものであり、以下のようなものを提供する。
【0009】
(1)本発明は、下記一般式(1)で表す化合物又はこれと酸性化合物との塩である。
TIFF
2024163969000002.tif
31
158
(上記一般式(1)中、各R

は、それぞれ独立に、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基、水酸基又は炭素数1~5のアルコキシ基であり、Aは、-OR

又は-O



であり、R

は、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基であり、X

は、Li

、Na

、K

、NH


又はN




であり、R

及びR

は、一方が水素原子であることを条件に他方が水酸基又はアミノ基であるか、一体となって(=O)基を形成し、各R

は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数5以下のアルキル基であり、nは、0~4の整数である。)
【0010】
(2)本発明は、下記化学式のいずれかで表す化合物又はこれと酸性化合物との塩でもある。
TIFF
2024163969000003.tif
110
170
(【0011】以降は省略されています)

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