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公開番号2025121383
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-19
出願番号2024223726
出願日2024-12-19
発明の名称バナジウムの回収方法、及びバナジウムとその他の金属とを含む溶液からバナジウムを選択的に回収する方法
出願人学校法人神奈川大学
代理人個人
主分類C22B 34/22 20060101AFI20250812BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】バナジウムを含む溶液から、簡便な手順でバナジウムを回収することのできる方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、バナジウム(V)を含むイオン(以下、バナジン酸イオンと呼ぶ。)が溶解している溶液に、脂肪族第二級アルコール又は脂肪族第二級チオアルコールである電子供与剤、及びケトン化合物を添加する添加工程と、上記添加工程を経た前記溶液に紫外線を照射することにより、上記溶液に含まれるバナジン酸イオンの還元体を析出させる紫外線照射工程と、上記紫外線照射工程により析出させたバナジン酸イオンの還元体を上記溶液から分取する分取工程と、を含むことを特徴とするバナジウムの回収方法である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
バナジウム(V)を含むイオン(以下、バナジン酸イオンと呼ぶ。)が溶解している溶液に、脂肪族第二級アルコール又は脂肪族第二級チオアルコールである電子供与剤、及びケトン化合物を添加する添加工程と、
前記添加工程を経た前記溶液に紫外線を照射することにより、前記溶液に含まれるバナジン酸イオンの還元体を析出させる紫外線照射工程と、
前記紫外線照射工程により析出させたバナジン酸イオンの還元体を前記溶液から分取する分取工程と、を含むことを特徴とするバナジウムの回収方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記電子供与剤が脂肪族第二級アルコールである請求項1記載のバナジウムの回収方法。
【請求項3】
前記電子供与剤が2-プロパノールである請求項1記載のバナジウムの回収方法。
【請求項4】
前記ケトン化合物がアセトンである請求項1記載のバナジウムの回収方法。
【請求項5】
バナジウム(V)を含むイオン(以下、バナジン酸イオンと呼ぶ。)及び共存金属(アルカリ金属及びアルカリ土類金属を除く。)を含む溶液に、脂肪族第二級アルコール又は脂肪族第二級チオアルコールである電子供与剤、及びケトン化合物を添加し、次いでその溶液に紫外線を照射して当該溶液に含まれるバナジン酸イオンの還元体を析出させることを特徴とする、バナジウムとその他の金属とを含む溶液からバナジウムを選択的に回収する方法。
【請求項6】
前記溶液のpHが5.0以上であることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記溶液のpHが13.0以下であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記共存金属がモリブデンである請求項5~7のいずれか1項記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バナジウムの回収方法、及びバナジウムとその他の金属とを含む溶液からバナジウムを選択的に回収する方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
バナジウムは、鋼板や触媒、さらにレドックス・フロー電池や水素貯蔵材料の成分として使われており、水素社会の実現に不可欠なレアメタルであるが、その鉱石の産出は、中国、ロシア等3か国で99%を占めている。このためリサイクル技術の確立が望まれているが、リサイクル率は17%と低い。その原因は、使用済み製品から成分を分離するために多大な労力が必要なこと、回収率が低い工程が存在すること、高環境負荷の排水や排ガスが発生して処理に費用がかかること等にある。例えば、従来の方法では、バナジウム成分は焙焼後、水中に浸出され(五価であるが、その化学種はpHに依存してVO

3-
からVO


までさまざまな形態がある。)、そこにアンモニア水を加えてNH

VO

の沈殿として回収しているが、完全には沈殿せず、かつ窒素含有排水が大量に発生する。
【0003】
バナジウムの回収方法の他の手段として、例えば特許文献1には、湿潤したフライアッシュを、(a)電位勾配下におく、(b)0.1MPa~1.0MPaの範囲で加圧する、又は(c)電位勾配下で0.1MPa~1.0MPaの範囲で加圧することによって回収液を得て、この回収液から膜分離法によりバナジウムを濃縮することが提案されている。また、特許文献2には、石油系燃料の燃焼によって生じる焼却灰から効率よくバナジウムを回収するバナジウム回収装置及びバナジウム回収システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開WO2017/104360号
特開2010-190522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、バナジウムを含む溶液から、簡便な手順でバナジウムを回収することのできる方法を提供することを目的とする。また、バナジウムは、例えば触媒等の分野でモリブデン等の金属と合金を形成させて用いられることがあるが、使用済みのこうした合金からバナジウムを選択的に回収する技術的要請もある。そこで、本発明の別の側面では、バナジウムとその他の金属とを含む溶液からバナジウムを選択的に回収する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、バナジウム(V)を含むイオン(以下、バナジン酸イオンと呼ぶ。)が溶解している溶液に、脂肪族第二級アルコール又は脂肪族第二級チオアルコールである電子供与剤及びケトン化合物を加え、これに紫外線を照射すると、溶液中のバナジン酸イオンが例えばバナジウム(II)の化合物であるVOのような水に不溶な化学種まで光化学的に還元され、完全に沈殿分離及び回収することが可能であることを見出した。本発明は、以上の知見に基づいて完成されたものであり、以下のようなものを提供する。
【0007】
(1)本発明は、バナジウム(V)を含むイオン(以下、バナジン酸イオンと呼ぶ。)が溶解している溶液に、脂肪族第二級アルコール又は脂肪族第二級チオアルコールである電子供与剤、及びケトン化合物を添加する添加工程と、上記添加工程を経た前記溶液に紫外線を照射することにより、上記溶液に含まれるバナジン酸イオンの還元体を析出させる紫外線照射工程と、上記紫外線照射工程により析出させたバナジン酸イオンの還元体を上記溶液から分取する分取工程と、を含むことを特徴とするバナジウムの回収方法である。
【0008】
(2)また本発明は、上記電子供与剤が脂肪族第二級アルコールである(1)項記載のバナジウムの回収方法である。
【0009】
(3)また本発明は、上記電子供与剤が2-プロパノールである(1)項又は(2)項記載のバナジウムの回収方法である。
【0010】
(4)また本発明は、上記ケトン化合物がアセトンである(1)項~(3)項のいずれか1項記載のバナジウムの回収方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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