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公開番号2025061973
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-11
出願番号2025013855,2021550091
出願日2025-01-30,2020-02-25
発明の名称高親和性抗MERTK抗体およびその使用
出願人インスピアーナ, インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 16/30 20060101AFI20250404BHJP(有機化学)
要約【課題】高親和性抗MERTK抗体およびその使用を提供すること。
【解決手段】本開示は、Merチロシンキナーゼ(MERTK;例えば、ヒトMERTK)に特異的に結合する抗体(例えば、ヒト化抗体)、およびそのような抗体を含む組成物を提供する。本開示は、(i)MERTK(例えば、ヒトMERTK)に特異的に結合する本明細書に記載の抗MERTK抗体またはその抗原結合性断片、および(ii)抗体に直接コンジュゲートされているか、またはリンカーを介して抗体にコンジュゲートされている細胞傷害剤を含む抗体-薬物コンジュゲート、ならびにそのような抗体-薬物コンジュゲートを含む組成物も提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
図面に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
1.分野
本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2019年2月26日に出願された米国仮出願第62/810,841号の利益を主張する。
続きを表示(約 4,900 文字)【0002】
本出願は、2020年2月19日に作成され、94,274バイトのサイズを有する「13256-008-228_SEQ_LISTING.txt」という名称のASCIIフォーマットのテキストファイルとして本出願とともに提出された配列表を参照によって組み込む。
【0003】
本開示は、Merチロシンキナーゼ(MERTK;例えば、ヒトMERTK)に特異的に結合する抗体(例えば、ヒト化抗体)、およびそのような抗体を含む組成物を提供する。本開示は、(i)MERTK(例えば、ヒトMERTK)に特異的に結合する本明細書に記載の抗MERTK抗体またはその抗原結合性断片、および(ii)抗体に直接コンジュゲートされているか、またはリンカーを介して抗体にコンジュゲートされている細胞傷害剤を含む抗体-薬物コンジュゲート、ならびにそのような抗体-薬物コンジュゲートを含む組成物も提供する。本開示は、がんを処置するための方法であって、それを必要とするヒト対象に、(a)本明細書に記載のMERTK(例えば、ヒトMERTK)に特異的に結合する抗MERTK抗体もしくはその抗原結合性断片、または(b)(i)MERTK(例えば、ヒトMERTK)に特異的に結合する抗MERTK抗体もしくはその抗原結合性断片、および(ii)抗体に直接コンジュゲートされているか、もしくはリンカーを介して抗体にコンジュゲートされている細胞傷害剤を含む抗体-薬物コンジュゲートを投与するステップを含む方法も提供する。
【背景技術】
【0004】
2.背景
c-mer、MER、原癌遺伝子c-Mer、受容体チロシンキナーゼMerTK、チロシン-プロテインキナーゼMer、STKキナーゼ、RP38またはMGC133349とも称される、Merチロシンキナーゼ(MERTK)は、受容体チロシンキナーゼのTAMファミリーのメンバーであり、AXLおよびTYRO3キナーゼも含む。MERTKは、リガンド、中でも注目すべきは、可溶性タンパク質であるGas-6の結合による活性化を介して、細胞外空間からシグナルを変換する。Gas-6がMERTKに結合すると、その細胞内ドメインでMERTKの自己リン酸化が誘導され、下流のシグナル活性化が生じる(Cummings CT et al., (2013) Clin Cancer Res 19: 5275-5280;Verma A et al., (2011) Mol Cancer Ther 10: 1763-1773)。
【0005】
MERTKは、膜結合型と可溶型の両方で存在する。細胞外ドメインは、切断されて、可溶性の細胞外ドメインを生成することができ、これは、膜結合型MERTKに結合する可溶性Gas-6リガンドの能力および/または利用可能性を低下させることによって、細胞上のMERTK受容体の活性化を負に制御するデコイ受容体として作用すると仮説が立てられている(Sather S et al., (2007) Blood 109: 1026-1033)。その結果
、MERTKは、がんの進行、血管新生および転移に関する2つの役割を有する。一方、内皮細胞におけるMERTKのGas-6活性化は、共培養系において、がん細胞による内皮細胞の動員の阻害をもたらす。内皮動員は、腫瘍の血管新生、腫瘍成長および転移を可能にするがん細胞の重要な特色である。転移性乳がん細胞におけるMERTKの下方制御も、内皮動員を阻害することを示した(Png KJ et al., (2012) Nature 481: 190-194)。しかしながら、他方で、MERTKは、がん細胞において反対の役割を果たし、その過剰発現は、おそらく切断されたMERTKを放出して可溶性のMERTK細胞外ドメインタンパク質をデコイ受容体として生成することによって、転移の増加をもたらす。さらに、がん細胞におけるリガンド依存性のMERTKの活性化は、AKT経路を含む発癌経路を刺激する(Linger RM, Cohen RA, Cummings CT, Sather S, Migdall-Wilson J, Middleton DH, Lu X, Baron AE, Franklin WA, Merrick DT, Jedlicka P, DeRyckere D, Heasley LE, Graham DK. Mer or Axl receptor tyrosine kinase inhibition promotes apoptosis, blocks growth and enhances chemosensitivity of human non-small cell lung cancer (Oncogene. 2013 Jul 18;32(29):3420-31))。そのため、腫瘍細胞は、MERTKを過剰発現して、発癌シ
グナル伝達を促進する。また、腫瘍細胞は、デコイ受容体として作用する可溶型の細胞外MERTK受容体を分泌して、可溶性Gas-6リガンドが内皮細胞上のMERTKを活性化する能力(および/または利用可能性)を低減し、最終的に内皮動員、血管新生およびがんの進行をもたらす(Png KJ et al., (2012) Nature 481: 190-194)。
【0006】
MERTKは、マクロファージホメオスタシスのモジュレートおよび抗炎症状態の維持にも関与する。マクロファージにおいて、MERTKは、アポトーシス細胞の貪食性クリアランス、ならびにIL-10および急性炎症性サイトカインの放出を媒介し、その発現は、MERTKへのGas-6依存性結合によって刺激される(Zizzo et al., (2012) J. Immunology Oct 1;189(7):3508-20;Cook et al., J Clin Invest. 2013;123(8):3231-3242)。
【0007】
歴史的に、MERTKが、癌遺伝子としてのみ機能すると思われていたので、がんの処置のために、MERTKの阻害剤を生成しようと努力されてきた(例えば、抗がん化合物として開発された強力な小分子MERTK阻害剤である、化合物UNC1062)(Liu
J et al., (2013) Eur J Med Chem 65: 83-93; Cummings CT et al., (2013) Clin Cancer Res 19: 5275-5280;Verma A et al., (2011) Mol Cancer Ther 10: 1763-1773)。近年、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)は、最も急速
に成長しているがん治療薬のクラスの1つになっている(Beck A et al., (2017) Nat Rev Drug Discov 16: 315-337;Peters C and Brown S, (2015) Biosci Rep 35: art:e00225)。
本明細書における参考文献の引用は、それが本開示に対する先行技術であるという自認として解釈されるべきではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Cummings CT et al., (2013) Clin Cancer Res 19: 5275-5280
Verma A et al., (2011) Mol Cancer Ther 10: 1763-1773
Sather S et al., (2007) Blood 109: 1026-1033
Png KJ et al., (2012) Nature 481: 190-194
Linger RM, Cohen RA, Cummings CT, Sather S, Migdall-Wilson J, Middleton DH, Lu X, Baron AE, Franklin WA, Merrick DT, Jedlicka P, DeRyckere D, Heasley LE, Graham DK. Mer or Axl receptor tyrosine kinase inhibition promotes apoptosis, blocks growth and enhances chemosensitivity of human non-small cell lung cancer (Oncogene. 2013 Jul 18;32(29):3420-31)
Zizzo et al., (2012) J. Immunology Oct 1;189(7):3508-20
Cook et al., J Clin Invest. 2013;123(8):3231-3242
Liu J et al., (2013) Eur J Med Chem 65: 83-93
Beck A et al., (2017) Nat Rev Drug Discov 16: 315-337
Peters C and Brown S, (2015) Biosci Rep 35: art:e00225
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
3.概要
本明細書において、高親和性でMERTK(例えば、ヒトMERTK)に特異的に結合する抗体およびその抗原結合性断片を開示する。本明細書に記載の抗体またはその抗原結合性断片のいずれかの具体的な実施形態では、抗体は、MERTK(例えば、ヒトMERTK)の細胞外ドメインを特異的に認識し、細胞外ドメインは、配列番号132のアミノ酸配列を含む。
【0010】
具体的な実施形態では、抗MERTK抗体またはその抗原結合性断片は、MERTK(例えば、ヒトMERTK)に特異的に結合し、細胞表面からのMERTKの内部移行をもたらす。具体的な実施形態では、抗MERTK抗体またはその抗原結合性断片は、Gas-6が誘導するAKTのリン酸化を遮断する。別の具体的な実施形態では、抗MERTK抗体またはその抗原結合性断片は、MERTKの活性化を防止する。別の具体的な実施形態では、本明細書に記載の抗MERTK抗体またはその抗原結合性断片は、ヒトMERTKの細胞外部分を特異的に認識する。別の具体的な実施形態では、抗MERTK抗体またはその抗原結合性断片は、がん細胞によるコロニー形成を低減する。特定の実施形態では、本明細書に記載の抗MERTK抗体または抗原結合性断片は、モノクローナルである。別の特定の実施形態では、本明細書に記載の抗MERTK抗体またはその抗原結合性断片は、2つの同一の軽鎖および2つの同一の重鎖を含む免疫グロブリンである。具体的な実施形態では、抗MERTK抗体は、ヒト化抗体である。
(【0011】以降は省略されています)

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