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公開番号2025074017
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2024181876
出願日2024-10-17
発明の名称成形体及び硬化性組成物
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20250502BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】長期に渡って高い耐摩耗性を維持することが可能な成形体を提供する。
【解決手段】シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物を主成分とする基部2と、前記基部2中に一部が埋没し、且つ一部が表面から突出する微粒子5とを有し、前記微粒子5はシリカ、アルミナ、チタニアのいずれかを主成分とし、前記基部2の表面に凸部を形成している粒子4を、マトリクス樹脂1中に分散させて成形体とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
マトリクス樹脂と、前記マトリクス樹脂中に分散した複数の粒子と、を含む成形体であって、
前記粒子が、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物を主成分とする基部と、前記基部に支持され前記粒子の表面に配置された凸部と、を有し、
前記凸部が無機物を主成分とし、
前記粒子が、前記基部と微粒子とを有し、前記基部は表面に凹部を有する粒子状であり、前記微粒子は前記基部の前記凹部に埋没した第一部分と、前記凸部を形成している第二部分と、を有することを特徴とする成形体。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
マトリクス樹脂と、前記マトリクス樹脂に分散した複数の粒子と、を含む成形体であって、
前記粒子が、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物を主成分とする基部と、前記基部に支持され前記粒子の表面に配置された凸部と、を有し、
前記凸部は前記基部よりもヤング率が高く、
前記粒子が、前記基部と微粒子とを有し、前記基部は表面に凹部を有する粒子状であり、前記微粒子は前記基部の前記凹部に埋没した第一部分と、前記凸部を形成している第二部分と、を有することを特徴とする成形体。
【請求項3】
前記基部のヤング率が0.005GPa以上25.000GPa以下であり、前記凸部のヤング率が50GPa以上500GPa以下であることを特徴とする請求項2に記載の成形体。
【請求項4】
前記微粒子がシリカ、アルミナ、チタニアのいずれかを主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形体。
【請求項5】
複数の前記粒子の粒子径が0.02μm以上15.00μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形体。
【請求項6】
前記基部の粒子径をD
A
、前記微粒子の粒子径をD
C
とした時、D
C
/D
A
が0.050以上0.650以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形体。
【請求項7】
下記式[1]で定義される前記微粒子の埋没率が、30%以上80%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形体。
微粒子の埋没率(%)
=(基部に埋まっている微粒子の深さ/微粒子の直径)×100 [1]
【請求項8】
前記マトリクス樹脂のヤング率が、1.0GPa以上5.0GPa以下の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形体。
【請求項9】
前記マトリクス樹脂が、ポリビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂のいずれかを少なくとも含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の成形体。
【請求項10】
膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、摺動部材に適した成形体及びその原料に適した硬化性組成物に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
樹脂材料は、一般に自己潤滑性が優れており、軽量である上に摺動時の騒音が少ないため、軸受、歯車、カム、ローラー等の摺動部材に使用されている。さらなるエネルギーロスや騒音の低減、部材劣化の抑制のためには、より低い摩擦係数とより高い耐摩耗性の摺動特性を示す樹脂材料が求められる。
特許文献1には、ポリカーボネート樹脂に、6面体以上の多面体の各面を凹面で形成した形状を表面に有する異形微粒子を含有した樹脂組成物によって樹脂成形体を得ることが開示されている。また、特許文献2には、有機樹脂粒子をポリオルガノシロキサンで被覆してなる複合粒子をプラスティックに添加することにより、滑り性や耐摩耗性を付与できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-057785号公報
特開2014-162920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者等の検討によると、特許文献1に開示された微粒子を用いた樹脂組成物では、樹脂組成物中に分散した微粒子が摺動面における対向部材との接触面積を低減すると共に固体潤滑剤として作用することで摺動特性の改善が期待される。また、微粒子の表面に多面体の凹部を有することで成形体を構成するマトリクス樹脂との接触面積が増大するため、高負荷の摺動条件においてもマトリクス樹脂から離脱しにくいという利点がある。しかしながら凹面を取り囲む材料もシリコーンであることから、長期間の摺動や、高負荷の摺動によって、微粒子の表面の凸部や、微粒子の全体が押しつぶされたり変形したりすることで対向部材との接触面積が増大し、初期の摺動特性を維持できないという課題がある。
本発明者等の検討によると、特許文献2で開示された複合粒子を用いた樹脂材料は、樹脂材料中に分散した樹脂粒子の表面がシリコーンで被覆されていることにより、摺動特性が改善されるが、表面の突起もシリコーンであることから特許文献1に記載の粒子と同様の理由により、初期の摺動特性を維持できないという課題がある。また樹脂材料中に分散した粒子に関して、粒子内部の樹脂粒子と樹脂粒子表面の突起を構成するシリコーンの硬さの関係については開示されておらず、改善の余地がある。
上述の課題を解決するため、本開示では、良好な機械特性を有する成形体及びその原料に適した硬化性組成物を実現する上で有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る第1の成形体は、マトリクス樹脂と、前記マトリクス樹脂中に分散した複数の粒子と、を含む成形体であって、
前記粒子が、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物を主成分とする基部と、前記基部に支持され前記粒子の表面に配置された凸部と、を有し、
前記凸部が無機物を主成分とし、
前記粒子が、前記基部と微粒子とを有し、前記基部は表面に凹部を有する粒子状であり、前記微粒子は前記基部の前記凹部に埋没した第一部分と、前記凸部を形成している第二部分と、を有することを特徴とする。
本開示に係る第2の成形体は、マトリクス樹脂と、前記マトリクス樹脂に分散した複数の粒子と、を含む成形体であって、
前記粒子が、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物を主成分とする基部と、前記基部に支持され前記粒子の表面に配置された凸部と、を有し、
前記凸部は前記基部よりもヤング率が高く、
前記粒子が、前記基部と微粒子とを有し、前記基部は表面に凹部を有する粒子状であり、前記微粒子は前記基部の前記凹部に埋没した第一部分と、前記凸部を形成している第二部分と、を有することを特徴とする。
本開示に係る第1の硬化性組成物は、複数の粒子と、硬化性樹脂材料と、を含む硬化性組成物であって、
前記粒子が、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物を主成分とする基部と、前記基部に支持され前記粒子の表面に配置された凸部と、を有し、
前記凸部が無機物を主成分とし、
前記粒子が、前記基部と微粒子とを有し、前記基部は表面に凹部を有する粒子状であり、前記微粒子は前記基部の前記凹部に埋没した第一部分と、前記凸部を形成している第二部分と、を有することを特徴とする。
本開示に係る第2の硬化性組成物は、複数の粒子と、硬化性樹脂材料と、を含む硬化性組成物であって、
前記粒子が、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物を主成分とする基部と、前記基部に支持され前記粒子の表面に配置された凸部と、を有し、
前記凸部は前記基部よりもヤング率が高く、
前記粒子が、前記基部と微粒子とを有し、前記基部は表面に凹部を有する粒子状であり、前記微粒子は前記基部の前記凹部に埋没した第一部分と、前記凸部を形成している第二部分と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、良好な機械特性を有する成形体を実現する上で有利な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
粒子の凸部の作用を説明するための模式図である。
粒子の一実施形態の構造を説明するための模式図である。
成形体の製造に適した光造形装置の構成例を示す図である。
粒子No.3のSEM画像である。
成形体を備えた機械の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
先ず、本実施形態の成形体について説明した後、係る成形体の製造に適した硬化性組成物について説明する。本実施形態の成形体は、良好な機械特性を有しうる。本実施形態の成形体は、とりわけ長期に渡って高い耐摩耗性を維持することが可能である。本実施形態の成形体は、強度や弾性等の他の観点においても、良好な機械特性を有しうる。
【0009】
〔成形体〕
図1は、本実施形態の成形体の断面模式図であり、図中の1はマトリクス樹脂、4は粒子である。本実施形態の成形体は、マトリクス樹脂1と、粒子4とを含んでおり、粒子4はマトリクス樹脂1中に分散している。粒子4は、基部2と、凸部3と、を有している。基部2の表面及び凸部3の表面のそれぞれは、粒子4の外表面の一部であり、凸部3の表面は、基部2の表面に対して、粒子4の外側に向かって突出している。粒子4が凸部3を有することで、粒子4は非球形となっている。そのため、粒子4を非球形粒子と称することができる。凸部3は、基部2よりも硬質な材料を含む。基部2の主成分は有機物であり、例えばSi-O-Si結合(シロキサン結合)を有する有機ケイ素化合物(シリコーン)を主成分とする。凸部3の主成分は無機物であり、例えばシリコーンよりも硬質な材料を主成分とする。粒子4は硬度が異なる材料で複合的に構成されていることから、粒子4を複合粒子と称することもできる。
【0010】
このような構成とすることで、摺動面において負荷を受けた場合、より硬質な凸部3は変形せず、より柔らかい基部2の変形によって負荷を軽減することができる。そのため、本実施形態の成形体は、摺動面における対向部材との接触面積が変わりにくく、また粒子4はマトリクス樹脂1との接触面積が大きいため、離脱しにくく、且つマトリクス樹脂1の内部に埋没しにくい。従って、初期からの耐摩耗性が長期に渡って維持されると推測される。
(【0011】以降は省略されています)

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