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公開番号2025078941
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-21
出願番号2023191271
出願日2023-11-09
発明の名称フミン酸と鉄(II/III)イオンのキレート化合物の調製方法、フミン酸と鉄(II)イオンのキレート化合物の利用方法
出願人国立大学法人 名古屋工業大学
代理人
主分類C02F 1/00 20230101AFI20250514BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】
鉄(II)イオンや鉄(III)イオンが溶存する溶液の液性に注目し、フミン酸により簡便に、鉄(II)イオン及び鉄(III)イオン回収する方法と、回収した鉄(II)イオン及び鉄(III)イオンを利用する方法を提供すること。
【解決手段】
フミン酸と鉄(II)イオンを含むpHが1~5の溶液から、フミン酸と鉄(II)イオンのキレート化合物を含む凝集体1を得る工程を含む、フミン酸-鉄(II)イオンのキレート化合物を含む凝集体2の調製方法、及びフミン酸と鉄(III)イオンを含むpHが1~5の溶液から得られる、フミン酸と鉄(III)イオンのキレート化合物を含む凝集体2を、さらに水熱合成することにより得られる、フミン酸と鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物を含む凝集体22である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
フミン酸と、鉄(II)イオンを含む、pHが1~5の溶液から、前記フミン酸と前記鉄(II)イオンとのキレート化合物を含む凝集体を得る工程を含む、フミン酸-鉄(II)イオンのキレート化合物を含む凝集体の調製方法。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記pHは2~4である請求項1に記載のフミン酸-鉄(II)イオンのキレート化合物を含む凝集体の調製方法。
【請求項3】
前記キレート化合物を含む凝集体を水中に供給する工程を備える、請求項1又は2に記載のキレート化合物を含む凝集体の利用方法。
【請求項4】
請求項3に記載の水中は藻場を有する水域を含む、請求項1又は2に記載のキレート化合物を含む凝集体の利用方法。
【請求項5】
フミン酸と、鉄(III)イオンを含む、pHが1~5の溶液から得られる前記フミン酸と鉄(III)イオンとのキレート化合物を含む凝集体を、さらに水熱合成することにより得られる、フミン酸-鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物を含む凝集体。
【請求項6】
フミン酸と、鉄(III)イオンを含む、pHが1~5の溶液から得られる前記フミン酸と鉄(III)イオンとのキレート化合物を含む凝集体を、さらに水熱合成する、フミン酸と鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物を含む凝集体の調製方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フミン酸と鉄(II/III)イオンのキレート化合物の調製方法、フミン酸と鉄(II)イオンのキレート化合物の利用方法、フミン酸と鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
水質中に溶存する鉄イオンがある場合には、排水基準法を満たすように鉄イオンに対する処理が必要となる。その処理方法としては、鉄イオンを例えば吸着剤で吸着して除去する方法が一般的である。
【0003】
特許文献1には、集排水施設における集排水管閉塞防止工法において、鉄やカルシウム等の塩類が豊富に含有している地下水に対して、木、草、残滓の未分解の有機物を炭の製造過程で産出される強酸性の有機酸に適量漬け込み、長期間養生することで製造されるフルボ酸およびフミン酸を固形化して利用することで閉塞物に付着することにより、塩類のイオン化を維持して集排水管への付着を緩和することが開示されている。
また、特許文献2には、フミン質を含む被処理水が流入する電解槽と、被処理水に浸漬する第一電極及び第二電極等を備え、第一電極及び第二電極は、印加された際に、陽極側においてフミン質と鉄イオンとの反応により形成される第一生成物と、陰極側において水酸化物イオンと鉄イオンとの反応により形成される第二生成物とが凝集してフロックを形成するように配置されていることが開示されている。
【0004】
非特許文献1には、鉄イオンの回収に凝集剤を用いる場合に、フミン酸を添加することで、フロックの形成に影響を及ぼすことが記載されている。
また、非特許文献2には、鉄(III)イオンとフミン酸が持つカルボキシ基がキレート結合を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-172037号公報
特開2023-050354号公報
【非特許文献】
【0006】
X. Li, N. J. D. Graham, W. Deng, M. Liu, T. Liu, W. Yu, The formation of planar crystalline flocs of γ-FeOOH in Fe(II) coagulation ang the influence of humic acid. Water Research, 185 (2020) 116250.
S. A. Boyd, L. Sommers, D. W. Nelson, Copper (II) and iron (III) complexation by the carboxylate group of humic acid. Soil Science Society of America Journal, 45 (1981) 1241.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、鉄(II)イオンや鉄(III)イオンが溶存する溶液の液性に注目し、イオン状態を維持したまま簡便に、鉄(II)イオンや鉄(III)イオンを回収しようとすることは行われていなかったという問題があった。そこで、本発明では鉄(II)イオンや鉄(III)イオンが溶存する溶液の液性に注目し、フミン酸により簡便に、鉄(II)イオン及び鉄(III)イオン回収する方法と、回収した鉄(II)イオンを利用する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明は以下の通りである。
[1]フミン酸と、鉄(II)イオンを含む、pHが1~5の溶液から、前記フミン酸と前記鉄(II)イオンとのキレート化合物を含む凝集体を得る工程を含む、フミン酸-鉄(II)イオンのキレート化合物を含む凝集体の調製方法である。
ここで、フミン酸-鉄(II)イオンのキレート化合物を含む凝集体は、フミン酸-鉄(II)イオンのキレート化合物の性状を記載するもので、化学的な実質ではフミン酸-鉄(II)イオンのキレート化合物を意味する。
[2]前記pHは2~4である[1]に記載のフミン酸-鉄(II)イオンのキレート化合物を含む凝集体の調製方法である。
[3]前記キレート化合物を含むお凝集体を水中に供給する工程を備える、[1]又は[2]に記載のキレート化合物を含む凝集体の利用方法である。
[4][3]に記載の水中は藻場を有する水域を含む、[1]又は[2]に記載のキレート化合物を含む凝集体の利用方法である。
[5]フミン酸と、鉄(III)イオンを含む、pHが1~5の溶液から得られる前記フミン酸と鉄(III)イオンとのキレート化合物を含む凝集体を、さらに水熱合成することにより得られる、フミン酸-鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物を含む凝集体である。
フミン酸-鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物を含む凝集体とは、フミン酸と鉄(III)イオンとのキレート化合物の水熱合成物を含む凝集体のことである。また、フミン酸-鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物を含む凝集体は、フミン酸-鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物の性状を記載するもので、化学的な実質ではフミン酸-鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物を意味する。
[6]フミン酸と、鉄(III)イオンを含む、pHが1~5の溶液から得られる前記フミン酸と鉄(III)イオンとのキレート化合物を含む凝集体を、さらに水熱合成する、フミン酸と鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物を含む凝集体の調製方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるフミン酸-鉄(II)イオンのキレート化合物を含む凝集体、及びフミン酸-鉄(III)イオンのキレート化合物を含む凝集体の調製方法によれば、フミン酸により鉄(II)イオン及び鉄(III)をそれぞれ効率的に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態である、フミン酸と鉄(II)イオンのキレート化合物を含む凝集体及びフミン酸と鉄(III)イオンのキレート化合物を含む凝集体の調製方法を、模式的に示す図である。
フミン酸による(a)鉄(II)イオンの回収率、(b)鉄(III)イオンの回収率を、それぞれ示す図である。
(a)鉄(II)イオンから得たキレート化合物を含む凝集体、(b)鉄(III)イオンから得たキレート化合物を含む凝集体のXPSスペクトルを、それぞれ示す図である。
(a)硝酸鉄(II)九水和物、(b)塩化鉄(III)六水和物が、フミン酸による鉄(III)イオン回収率に及ぼす影響を、それぞれ示す図である。
フミン酸による鉄(III)イオン回収率の温度依存性を示す図である。
フミン酸-鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物を含む凝集体の調製方法を示す図である。
フミン酸-鉄(III)イオンのキレート・水熱合成物を含む凝集体のXRDによる結晶性の調査結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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