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公開番号2025080065
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-23
出願番号2023193064
出願日2023-11-13
発明の名称ボールねじ装置
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類F16H 25/24 20060101AFI20250516BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】潤滑に必要な量のグリースはかき取らずにボール転走部上に残して良好な潤滑を維持すると共に、グリースの漏れを抑制できるボールねじ装置を提供する。
【解決手段】ボールねじ装置10は、外周ねじ溝21及びランド部22を有するねじ軸20と、内周ねじ溝を有するナット30と、外周ねじ溝21と内周ねじ溝との間に形成されるボール転走部BL上を転動する複数のボール26と、潤滑剤の漏れを防止するシール部材50と、を備える。シール部材50は、ナット30に固定される縁部52を備えた本体部51と、外周ねじ溝21及びランド部22に弾性的に接触するリップ部55を備え、リップ部55は、外周ねじ溝21との接触部のうち、ボール転走部BLとその近傍の範囲の少なくとも一部において、シール性能が他の部分より低いシール性能抑制部59を有する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
外周面に形成された螺旋状の外周ねじ溝と、軸方向に隣り合う前記外周ねじ溝間に形成されたランド部と、を有するねじ軸と、
前記ねじ軸の前記外周ねじ溝に対向するように内周面に形成された螺旋状の内周ねじ溝を有するナットと、
前記外周ねじ溝と前記内周ねじ溝との間に形成されるボール転走部上を転動する複数のボールと、
前記ナットに装着されて前記ねじ軸と前記ナット間の内部空間を塞ぎ、前記内部空間に封入された潤滑剤の漏れを防止するシール部材と、
を備えるボールねじ装置であって、
前記シール部材は、前記ナットに固定される縁部を備えた本体部と、前記ねじ軸の前記外周ねじ溝及び前記ランド部に弾性的に接触するリップ部を備え、
前記リップ部は、前記外周ねじ溝との接触部のうち、前記ボール転走部とその近傍の範囲の少なくとも一部において、シール性能が他の部分より低いシール性能抑制部を有する、
ボールねじ装置。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記シール性能抑制部は、前記シール部材の中心と、前記リップ部と前記外周ねじ溝の底の接触点とを結ぶ直線の位相を0°としたとき、
下記式(1)及び式(2)により求められるθ1~θ2の間の少なくとも一部に設けられる、
請求項1に記載のボールねじ装置。
θ1=Dw/2・sinγ1・cosβ・360/L・・・(1)
θ2=Dw/2・sinγ2・cosβ・360/L・・・(2)
但し、 Dw:ボールの直径
β:前記外周ねじ溝のリード角
L:前記外周ねじ溝のリード
γ1:前記ボールの中心と前記外周ねじ溝の底とを結ぶ直線の位相を0°としたとき、前記ボール転走部及びその近傍の範囲の位相の最小値
γ2:前記ボールの中心と前記外周ねじ溝の底とを結ぶ直線の位相を0°としたとき、前記ボール転走部及びその近傍の範囲の位相の最大値
【請求項3】
前記シール性能抑制部は、前記外周ねじ溝と前記リップ部との接触部の一部に設けられた径方向隙間である、
請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項4】
前記シール性能抑制部は、前記リップ部の周方向の一部の軸方向剛性が、他の部分の軸方向剛性より低い低剛性部である、
請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項5】
前記低剛性部は、前記リップ部の一部の軸方向厚さが他の部分の軸方向厚さより薄く形成された薄肉部である、
請求項4に記載のボールねじ装置。
【請求項6】
前記ナットの内側方向となる前記外周ねじ溝の内側壁に接触する前記リップ部の長さは、前記ナットの外側方向となる前記外周ねじ溝の外側壁に接触する前記リップ部の長さより短い、
請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項7】
前記ねじ軸と接触する前記リップ部の先端形状は、断面円弧状である、
請求項1に記載のボールねじ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじを安定して潤滑することができるボールねじ装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
射出成形機等で使われる高負荷駆動用ボールねじは、高荷重、ハイサイクルなどの過酷環境で使用されるため、常に良好な潤滑状態を維持する必要があり、多量のグリースが自動的に供給される。そのため、グリースの飛散による機械周辺部などの汚染やグリースのランニングコスト増が問題となる。これに対して、ねじ軸の全周に隙間なく密着することでグリース密封に特化したシールが考案されている。このシールを使用することで、グリースが漏れ難くなり、グリース飛散による汚染やグリース供給量の低減が期待できる。しかし、大幅にグリース供給量を低減してグリースが過少な状態となると、密着したシールがねじ軸上のグリースをかき取ってしまい、潤滑状態が悪化する虞がある。そのため、グリース削減効果は限定的となる。
【0003】
特許文献1には、潤滑剤含有ポリマ部材の内径面に、ねじ溝とボールとの接触部付近にのみ接触する突部を備え、内径面の他の部分は、ねじ溝と間に一定の間隔を有している。そして、ボールねじが駆動されると、潤滑油含有ポリマ部の突部から潤滑油が経時的に徐々に滲み出し、ねじ軸のねじ溝に供給されて潤滑するようにした直動案内装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ナット及びねじ軸の軌道溝とボールとの間に、シールのねじ軸に対する「しめしろ」よりも小さい寸法の隙間を設け、ナットが軸方向で往復運動する際に生じる、シールのリップ部とねじ軸との軸方向接触位置の変化により、ナットに封入された潤滑剤をリップ部の異なる位置に付着させ、リップ部とねじ軸との接触面の潤滑状態を良好にし、リップ部の早期摩耗を抑制してボールねじのシール性能向上を図ったボールねじが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-176713号公報
特許第5195434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の直動案内装置は、潤滑油含有ポリマ部から滲み出した、比較的少量の潤滑油によりねじ溝を潤滑するものであり、多量のグリースを必要とする高荷重、ハイサイクルなどの過酷環境で使用される高負荷駆動用ボールねじには、適用し難い問題がある。
【0007】
また、特許文献2に記載のボールねじは、シールのリップ部とねじ軸との接触面を潤滑してリップ部の早期摩耗の抑制を図ったものであり、本発明が課題とするボールと転動路との間、特にボールからの荷重が負荷される転動路の負荷部(ボール転走部)を潤滑するものではない。
【0008】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、潤滑に必要な量のグリースはかき取らずにボール転走部上に残して良好な潤滑を維持すると共に、グリースの漏れを抑制できるボールねじ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の上記目的は、ボールねじ装置に係る下記[1]の構成により達成される。
[1] 外周面に形成された螺旋状の外周ねじ溝と、軸方向に隣り合う前記外周ねじ溝間に形成されたランド部と、を有するねじ軸と、
前記ねじ軸の前記外周ねじ溝に対向するように内周面に形成された螺旋状の内周ねじ溝を有するナットと、
前記外周ねじ溝と前記内周ねじ溝との間に形成されるボール転走部上を転動する複数のボールと、
前記ナットに装着されて前記ねじ軸と前記ナット間の内部空間を塞ぎ、前記内部空間に封入された潤滑剤の漏れを防止するシール部材と、
を備えるボールねじ装置であって、
前記シール部材は、前記ナットに固定される縁部を備えた本体部と、前記ねじ軸の前記外周ねじ溝及び前記ランド部に弾性的に接触するリップ部を備え、
前記リップ部は、前記外周ねじ溝との接触部のうち、前記ボール転走部とその近傍の範囲の少なくとも一部において、シール性能が他の部分より低いシール性能抑制部を有する、
ボールねじ装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明のボールねじ装置によれば、潤滑に必要な量のグリースは、かき取らずにボール転走部上に残して良好な潤滑を維持し、かつグリースの漏れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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