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公開番号2025082060
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-28
出願番号2023195288
出願日2023-11-16
発明の名称プレキャストコンクリート部材の支持構造
出願人三井住友建設株式会社
代理人弁理士法人大島特許事務所
主分類E01D 19/12 20060101AFI20250521BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】プレキャストコンクリート部材の設置作業の効率が良く、耐久性が損なわれないプレキャストコンクリート部材の支持構造を提供する。
【解決手段】支持構造は、プレキャストコンクリート床版6と、プレキャストコンクリート床版6の側面6aに設けられた複数の治具取付部16と、治具取付部16に着脱可能に取り付けられ、高さ調整可能にプレキャストコンクリート床版6を支持する複数の支持治具15とを備える。各支持治具15は、治具取付部16に固定されるベース部材21と、プレキャストコンクリート床版6の下面6bよりも下方へ突出するようにベース部材21に保持された支持脚22とを有する。支持脚22は突出寸法Pを変更可能に構成されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
プレキャストコンクリート部材と、
前記プレキャストコンクリート部材の側面に設けられた複数の治具取付部と、
前記治具取付部に着脱可能に取り付けられ、高さ調整可能に前記プレキャストコンクリート部材を支持する複数の支持治具と、を備え、
前記支持治具のそれぞれは、前記治具取付部に固定されるベース部材と、前記プレキャストコンクリート部材の下面よりも下方へ突出するように前記ベース部材に保持された支持脚とを有し、前記支持脚が下方への突出寸法を変更可能に構成されている、プレキャストコンクリート部材の支持構造。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ベース部材は、前記治具取付部に固定された状態で前記プレキャストコンクリート部材の上面よりも上方へ突出する上方突部を有し、前記上方突部が吊り具を着脱可能に構成されている、請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の支持構造。
【請求項3】
前記治具取付部は、前記プレキャストコンクリート部材の前記側面に埋設された複数のインサートナットを含み、
前記ベース部材は、前記インサートナットに螺合する複数のボルトによって前記治具取付部に固定される、請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の支持構造。
【請求項4】
前記インサートナットがセラミックからなる、請求項3に記載のプレキャストコンクリート部材の支持構造。
【請求項5】
前記ベース部材は、前記ボルトを挿通させるための複数のボルト挿通孔が形成されたベースプレートと、前記ベースプレートに一体に設けられ、前記支持脚を保持するために上下に貫通する雌ねじ孔を備えた脚保持部とを有し、
前記支持脚は、前記脚保持部を貫通するように前記雌ねじ孔に螺合する雄ねじ部を有する、請求項3に記載のプレキャストコンクリート部材の支持構造。
【請求項6】
前記支持脚は、前記雄ねじ部の上端に一体に設けられた頭部と、前記雄ねじ部の下端に前記雄ねじ部の軸線周りに回転可能に設けられた足部と、を更に有する、請求項5に記載のプレキャストコンクリート部材の支持構造。
【請求項7】
前記プレキャストコンクリート部材が、複数の主桁の上に載置されるプレキャストコンクリート床版であり、前記プレキャストコンクリート床版の橋軸方向を向く前記側面のそれぞれにおける前記主桁に整合する各位置に前記治具取付部が設けられている、請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の支持構造。
【請求項8】
前記プレキャストコンクリート床版の前記下面には、前記主桁から上方へ突出する結合部材を受容する受容孔が形成され、
前記プレキャストコンクリート床版には、前記受容孔の上部に接続する一端及び前記プレキャストコンクリート床版の前記橋軸方向の前記側面に開口する他端を有するエア抜きチューブが埋設されている、請求項7に記載のプレキャストコンクリート部材の支持構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート床版に好適なプレキャストコンクリート部材の支持構造に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、高速道路や自動車道路等の道路の橋梁部や高架橋部においてコンクリート床版の架け替え工事が多く行われている。コンクリート床版の架け替えにおいては、工期を短縮するためにプレキャストコンクリート床版が多く採用されている。プレキャストコンクリート床版は、橋軸方向に所定の長さを有する床版の分割体として構成され、橋軸方向に隣接するプレキャストコンクリート床版に対して場所打ちコンクリートによって結合される。
【0003】
プレキャストコンクリート床版の架設方法として、桁の上に複数の支持受材を設置し、支持受材の上に設置したプレキャストコンクリート床版と桁との間に充填材を注入して両者を一体化させる方法が公知である(特許文献1)。支持部材は、プレキャストコンクリート床版に作用する荷重を分散させるために設けられ、桁とプレキャストコンクリート床版の間に空間を形成するスペーサとしても機能する。
【0004】
特許文献1記載のプレキャストコンクリート床版には上下に貫通する複数の貫通孔が形成されている。プレキャストコンクリート床版用の架設機は、把持部をプレキャストコンクリート床版の貫通孔に挿入して把持することによってプレキャストコンクリート床版を持ち上げ、所定位置まで搬送して架設する。プレキャストコンクリート床版は、桁の上フランジに設置された複数のスタッドが貫通孔に入り込むように桁の上に設置される。その状態で間詰材が充填され、間詰材が硬化することにより、プレキャストコンクリート床版が桁に結合して一体になる。また、プレキャストコンクリート床版には、桁に対する高さを調整する高さ調整ボルトが設けられる。高さ調整ボルトはプレキャストコンクリート床版に対してねじ込み可能である。プレキャストコンクリート床版に対する高さ調整ボルトのねじ込み度合を調整して、プレキャストコンクリート床版から下方に延びる高さ調整ボルトの突出量を調整することにより、プレキャストコンクリート床版の高さが調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-139096公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載のプレキャストコンクリート床版には、上下方向に延在する複数の貫通孔が形成されているため、この貫通孔の上側開口からプレキャストコンクリート床版内に雨水等が浸入する虞がある。また、このプレキャストコンクリート床版には、高さ調整ボルトが貫通するように設けられているため、この貫通孔の上側開口からプレキャストコンクリート床版内に雨水等が浸入する虞もある。雨水の浸入を防止するためにプレキャストコンクリート床版の上面に防水層が施されることもあるが、防水機能は万全とは言い難く、雨水の浸入と自動車の繰り返し走行により、プレキャストコンクリート床版の劣化が生じる可能性がある。すなわち、それらによってプレキャストコンクリート床版の耐久性が損なわれる可能性がある。
【0007】
プレキャストコンクリート床版の高さを調整するために、高さ調整ボルトの代わりに高さ調整プレートを用い、高さ調整プレートの厚みを調整することが考えられる。しかしながらこの場合、プレキャストコンクリート床版の架設・撤去を繰り返す必要があるため作業効率が悪くなる。例えば、合成桁が4本の主桁(第1主桁~第4主桁)を有する場合、高さ調整プレートを用いてプレキャストコンクリート床版の高さを調整する手順は次の通りである。最初に、第1主桁及び第4主桁上に高さ調整プレートを設置し、プレキャストコンクリート床版を架設する。クレーンによる吊り上げ荷重を、プレキャストコンクリート床版の荷重の例えば50%とし、そのときの第2主桁及び第3主桁上に設置すべき高さ調整プレート高さを計測する。その後、プレキャストコンクリート床版を一旦撤去し、第2主桁及び第3主桁上に高さ調整プレートを設置した後、プレキャストコンクリート床版を再び架設する。各高さ調整プレートと床版間に隙間が生じる場合は、上記手順を繰り返し実施する。そのような手順を執るため、設置作業の効率が悪い。
【0008】
本発明は、以上の背景に鑑み、プレキャストコンクリート部材の設置作業の効率が良く、耐久性が損なわれないプレキャストコンクリート部材の支持構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、プレキャストコンクリート部材の支持構造であって、プレキャストコンクリート部材(6)と、前記プレキャストコンクリート部材の側面(6a)に設けられた複数の治具取付部(16)と、前記治具取付部に着脱可能に取り付けられ、高さ調整可能に前記プレキャストコンクリート部材を支持する複数の支持治具(15)と、を備え、前記支持治具のそれぞれは、前記治具取付部に固定されるベース部材(21)と、前記プレキャストコンクリート部材の下面(6b)よりも下方へ突出するように前記ベース部材に保持された支持脚(22)とを有し、前記支持脚が下方への突出寸法(P)を変更可能に構成されている。
【0010】
この態様によれば、支持脚の突出寸法を変更することでプレキャストコンクリート部材の高さを調整できるため、プレキャストコンクリート部材の設置作業の効率が良い。また、治具取付部がプレキャストコンクリート部材の側面に設けられるため、プレキャストコンクリート部材内に雨水が浸入することが抑制される。したがって、プレキャストコンクリート部材の耐久性が損なわれない。
(【0011】以降は省略されています)

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