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公開番号2025086186
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-06
出願番号2023200082
出願日2023-11-27
発明の名称リサイクルポリエステル系樹脂を含む成形体
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類C08J 5/00 20060101AFI20250530BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】リサイクルポリエステル系樹脂を含む成形体であって、強度に優れかつ白化が低減された成形体を提供すること。
【解決手段】リサイクルポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物を成形してなる成形体であって、ΔLは9.5以下であり、前記成形体の溶液のヘイズは1.50%以上である、成形体とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リサイクルポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物を成形してなる成形体であって、
ΔLは9.5以下であり、
前記成形体の溶液のヘイズは1.50%以上である、成形体:
ここで、前記ΔLは、以下の(1)~(6)を順に実施して得られる値である;
(1)前記樹脂組成物を、Tダイを備えた押出機を用いて270℃に加熱し、厚さ200μmのフィルムを成形する;
(2)得られた前記フィルムを、JIS K 6251のダンベル状2号形に打ち抜きダンベルを得る;
(3)得られた前記ダンベルについて、測色色差計を使用してL値を測定し、得られた値を引張前のL値とする;
(4)前記ダンベルを、JIS K 7113に準拠して引張試験機にて95℃および1000mm/分の条件で8.5倍になるまで延伸する;
(5)延伸された前記ダンベルについて、前記測色色差計を使用してL値を測定し、得られた値を引張後のL値とする;
(6)前記引張後のL値から、前記引張前のL値を引き、得られた差をΔLとする;
前記成形体の溶液のヘイズは、以下の(7)~(8)を順に実施して測定される値である;
(7)前記成形体をヘキサフルオロ-2-プロパノールに溶解し、固形分の濃度が0.05g/mLである溶液を得る;
(8)前記ヘキサフルオロ-2-プロパノールでゼロ調整したヘイズ計を使用して、得られた前記溶液のヘイズを測定する。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は3.7g/10分~30.0g/10分である、請求項1に記載の成形体:
ここで、前記MFRは、JIS K 7210-1に準拠して、乾燥130℃×8hr、温度270℃、荷重2.16kgの条件で測定して求められる値である。
【請求項3】
前記成形体の全光線透過率(TT)は80%以上である、請求項1に記載の成形体:
ここで、前記成形体の全光線透過率(TT)は、ヘイズ計を使用して測定し、得られた値である。
【請求項4】
前記リサイクルポリエステル系樹脂は、リサイクル[ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート]、リサイクル[ポリエチレンテレフタレート/グリコール変性ポリエチレンテレフタレート]およびリサイクル[ポリエチレンテレフタレート/共重合ポリエチレンテレフタレート]からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載の成形体。
【請求項5】
前記成形体はボトル形状である、請求項1~4の何れか1項に記載の成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクルポリエステル系樹脂を含む成形体に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、資源の再利用や環境保護の観点から、樹脂のリサイクルが求められている。しかし、ポリエステル系樹脂は、リサイクルする度に溶融粘度が低下して強度が悪化するという課題がある。このような課題を解決する技術として、鎖延長剤(「粘度改良剤」または「Melt viscosity improver:MVI」と称される場合もある。)を添加する技術が知られている(例えば、特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開2004/039887号公報
国際公開2004/041934号公報
国際公開2007/040041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術は、成形体の白化の観点からは、十分なものでなく、さらなる改善の余地があった。
【0005】
本発明の一実施形態は、前記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、リサイクルポリエステル系樹脂を含む成形体であって、強度に優れかつ白化が低減された成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本発明の一実施形態は、以下の構成を含むものである。
〔1〕リサイクルポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物を成形してなる成形体であって、
ΔLは9.5以下であり、
前記成形体の溶液のヘイズは1.50%以上である、成形体:
ここで、前記ΔLは、以下の(1)~(6)を順に実施して得られる値である;
(1)前記樹脂組成物を、Tダイを備えた押出機を用いて270℃に加熱し、厚さ200μmのフィルムを成形する;
(2)得られた前記フィルムを、JIS K 6251のダンベル状2号形に打ち抜きダンベルを得る;
(3)得られた前記ダンベルについて、測色色差計を使用してL値を測定し、得られた値を引張前のL値とする;
(4)前記ダンベルを、JIS K 7113に準拠して引張試験機にて95℃および1000mm/分の条件で8.5倍になるまで延伸する;
(5)延伸された前記ダンベルについて、前記測色色差計を使用してL値を測定し、得られた値を引張後のL値とする;
(6)前記引張後のL値から、前記引張前のL値を引き、得られた差をΔLとする;
前記成形体の溶液のヘイズは、以下の(7)~(8)を順に実施して測定される値である;
(7)前記成形体をヘキサフルオロ-2-プロパノールに溶解し、固形分の濃度が0.05g/mLである溶液を得る;
(8)前記ヘキサフルオロ-2-プロパノールでゼロ調整したヘイズ計を使用して、得られた前記成形体の溶液のヘイズを測定する。
〔2〕前記樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は3.7g/10分~30.0g/10分である、〔1〕に記載の成形体:
ここで、前記MFRは、JIS K 7210-1に準拠して、乾燥130℃×8hr、温度270℃、荷重2.16kgの条件で測定して求められる値である。
〔3〕前記成形体の全光線透過率(TT)は80%以上である、〔1〕または〔2〕に記載の成形体:
ここで、前記成形体の全光線透過率(TT)は、ヘイズ計を使用して測定し、得られた値である。
〔4〕前記リサイクルポリエステル系樹脂は、リサイクル[ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート]、リサイクル[ポリエチレンテレフタレート/グリコール変性ポリエチレンテレフタレート]およびリサイクル[ポリエチレンテレフタレート/共重合ポリエチレンテレフタレート]からなる群から選択される1種以上を含む、〔1〕~〔3〕の何れか1つに記載の成形体。
〔5〕前記成形体はボトル形状である、〔1〕~〔4〕の何れか1つに記載の成形体。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、リサイクルポリエステル系樹脂を含む成形体であって、強度に優れかつ白化が低減された成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせて得られる実施形態または実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
【0010】
〔1.成形体〕
本発明の一実施形態に係る成形体は、リサイクルポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物を成形してなる成形体であって、ΔLは9.5以下であり、前記成形体の溶液のヘイズは1.50%以上である、成形体:
ここで、前記ΔLは、以下の(1)~(6)を順に実施して得られる値である;(1)前記樹脂組成物を、Tダイを備えた押出機を用いて270℃に加熱し、厚さ200μmのフィルムを成形する;(2)得られた前記フィルムを、JIS K 6251のダンベル状2号形に打ち抜きダンベルを得る;(3)得られた前記ダンベルについて、測色色差計を使用してL値を測定し、得られた値を引張前のL値とする;(4)前記ダンベルを、JIS K 7113に準拠して引張試験機にて95℃および1000mm/分の条件で8.5倍になるまで延伸する;(5)延伸された前記ダンベルについて、前記測色色差計を使用してL値を測定し、得られた値を引張後のL値とする;(6)前記引張後のL値から、前記引張前のL値を引き、得られた差をΔLとする;
前記成形体の溶液のヘイズは、以下の(7)~(8)を順に実施して測定される値である;(7)前記成形体をヘキサフルオロ-2-プロパノールに溶解し、固形分の濃度が0.05g/mLである溶液を得る;(8)前記ヘキサフルオロ-2-プロパノールでゼロ調整したヘイズ計を使用して、得られた前記成形体の溶液のヘイズを測定する。
(【0011】以降は省略されています)

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