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公開番号
2025090215
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-17
出願番号
2023205310
出願日
2023-12-05
発明の名称
モダクリル繊維の製造方法
出願人
株式会社カネカ
代理人
個人
,
個人
主分類
D01F
6/10 20060101AFI20250610BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】モダクリル繊維製品を高濃度で紡糸原液に溶解させつつ、得られた紡糸原液を用いて湿式紡糸を行うことによって、モダクリル繊維製品のリサイクルを行うモダクリル繊維の製造方法を提供すること。
【解決手段】油剤を含むモダクリル繊維製品と、洗浄液としての有機溶媒とを接触させることにより、油剤の含有量が特定の量以下に低減された脱油繊維を得ることと、脱油繊維を、特定の溶媒に溶解させて紡糸原液を得ることと、紡糸原液を用いて湿式紡糸を行うことと、を含む方法によりモダクリル繊維を製造する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
油剤を含むモダクリル繊維製品と、洗浄液とを接触させることにより、前記油剤の少なくとも一部が除去された脱油繊維を得ることと、
前記脱油繊維を、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びアセトンからなる群から選択される少なくとも1種に溶解させて紡糸原液を得ることと、
前記紡糸原液を用いて湿式紡糸を行うことと、を含み、
前記洗浄液が、有機溶媒を含み、
前記脱油繊維における下記式(a):
脱油繊維における油剤付着量(%omf)=脱油繊維に付着する油剤の質量/脱油繊維の質量×100 式(a)
で算出される油剤付着量が0.15%omf以下である、モダクリル繊維の製造方法。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
前記有機溶媒が、炭化水素、アルコール、ケトン、及びエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のモダクリル繊維の製造方法。
【請求項3】
前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、及び2-ブタノールからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のモダクリル繊維の製造方法。
【請求項4】
前記洗浄液の温度が45℃以上98℃以下である、請求項1に記載のモダクリル繊維の製造方法。
【請求項5】
前記湿式紡糸を行う前に、紡糸原液を濾過することを含む、請求項1に記載のモダクリル繊維の製造方法。
【請求項6】
前記紡糸原液中の前記脱油繊維の濃度が5質量%以上35質量%以下である、請求項1に記載のモダクリル繊維の製造方法。
【請求項7】
前記紡糸原液の電気伝導度が350μS/cm以下である、請求項1に記載のモダクリル繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、モダクリル繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
アクリル系繊維として知られるモダクリル繊維は、その独特の風合いや優れた発色性、染色堅牢度等の特徴を有することから、衣料、建築、及び産業資材用等の種々の用途に用いられている。石油製品であるモダクリル繊維について、人間活動の持続可能性の点で、そのリサイクルについて強い要求がある。アクリル系繊維をリサイクルする方法としては、粉砕されたアクリル系繊維を溶媒に溶解させた後、得られたアクリル系樹脂の溶液を用いて湿式紡糸する方法が提案されている(特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-112114
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、油剤を含むモダクリル繊維製品を溶媒に溶解させる場合、モダクリル繊維製品が溶媒に溶けにくいことから、十分に高い濃度でモダクリル樹脂を含むドープ(紡糸原液)を調製できないことが多い。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、モダクリル繊維製品を高濃度で溶媒に溶解させて紡糸原液を作製し、得られた紡糸原液を用いて湿式紡糸を行うことによって、モダクリル繊維製品のリサイクルを行うモダクリル繊維の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、油剤を含むモダクリル繊維製品と、洗浄液としての有機溶媒とを接触させることにより、油剤の含有量が特定の量以下に低減された脱油繊維を得ることと、脱油繊維を、特定の溶媒に溶解させて紡糸原液を得ることと、紡糸原液を用いて湿式紡糸を行うことと、を含むモダクリル繊維の製造方法により、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
より具体的には、本発明は、以下の(1)~(7)を提供する。
(1)油剤を含むモダクリル繊維製品と、洗浄液とを接触させることにより、油剤の少なくとも一部が除去された脱油繊維を得ることと、
脱油繊維を、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びアセトンからなる群から選択される少なくとも1種に溶解させて紡糸原液を得ることと、
紡糸原液を用いて湿式紡糸を行うことと、を含み、
洗浄液が、有機溶媒を含み、
脱油繊維における下記式(a):
脱油繊維における油剤付着量(%omf)=脱油繊維に付着する油剤の質量/脱油繊維の質量×100 式(a)
で算出される油剤付着量が0.15%omf以下である、モダクリル繊維の製造方法。
(2)有機溶媒が、炭化水素、アルコール、ケトン、及びエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である、(1)に記載のモダクリル繊維の製造方法。
(3)有機溶媒が、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、及び2-ブタノールからなる群から選択される少なくとも1種である、(1)、又は(2)に記載のモダクリル繊維の製造方法。
(4)洗浄液の温度が45℃以上98℃以下である、(1)~(3)のいずれか1つに記載のモダクリル繊維の製造方法。
(5)湿式紡糸を行う前に、紡糸原液を濾過することを含む、(1)~(4)のいずれか1つに記載のモダクリル繊維の製造方法。
(6)紡糸原液中の脱油繊維の濃度が5質量%以上35質量%以下である、(1)~(5)のいずれか1つに記載のモダクリル繊維の製造方法。
(7)紡糸原液の電気伝導度が350μS/cm以下である、(1)~(6)のいずれか1つに記載のモダクリル繊維の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、モダクリル繊維製品を高濃度で溶媒に溶解させて紡糸原液を作製し、得られた紡糸原液を用いて湿式紡糸を行うことによって、モダクリル繊維製品のリサイクルを行うモダクリル繊維の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
≪モダクリル繊維の製造方法≫
モダクリル繊維の製造方法は、
油剤を含むモダクリル繊維製品と、洗浄液とを接触させることにより、油剤の少なくとも一部が除去された脱油繊維を得ることと、
脱油繊維を、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びアセトンからなる群から選択される少なくとも1種に溶解させて紡糸原液を得ることと、
紡糸原液を用いて湿式紡糸を行うことと、を含む。
洗浄液は、有機溶媒を含む。
脱油繊維における下記式(a):
脱油繊維における油剤付着量(%omf)=脱油繊維に付着する油剤の質量/脱油繊維の質量×100 式(a)
で算出される油剤付着量が0.15%omf以下である。
上記のモダクリル繊維の製造方法によれば、油剤を含むモダクリル繊維製品の有機溶媒への溶解性を高めるとともに、モダクリル繊維製品に由来する不溶成分が除去されることにより、良好に湿式紡糸を行うことができる。
【0010】
本出願の明細書において、油剤を含むモダクリル繊維製品と、洗浄液とを接触させることにより、油剤の少なくとも一部が除去された脱油繊維を得ることを、「脱油工程」とも記す。
脱油繊維を、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びアセトンからなる群から選択される少なくとも1種に溶解させて紡糸原液を得ることを、「紡糸原液調製工程」とも記す。
紡糸原液を用いて湿式紡糸を行うことを、「紡糸工程」とも記す。
(【0011】以降は省略されています)
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