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公開番号
2025089925
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-16
出願番号
2023204904
出願日
2023-12-04
発明の名称
ポリイミドアロイ樹脂粉末の製造方法、ポリイミドアロイ樹脂粉末、成形体およびフィルムの製造方法
出願人
株式会社カネカ
代理人
主分類
C08L
101/00 20060101AFI20250609BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明は、成形性に優れ、透明性が高く、かつ十分な機械強度を有する成形体およびフィルムの製造方法、その作製に用いられる樹脂粉末、及び樹脂粉末の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】ポリイミド樹脂とエステル結合を有する樹脂とからなるポリイミドアロイ樹脂粉末であり、
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末のガラス転移温度が、ポリイミド樹脂及びエステル結合を有する樹脂のガラス転移温度とは異なる200℃以下であり、
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末のガラス転移温度が、ポリイミド樹脂とエステル結合を有する樹脂のガラス転移温度の間の温度領域に存在し、
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末の1%重量減少温度が280℃以上であるポリイミドアロイ樹脂粉末。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリイミド樹脂とエステル結合を有する樹脂とからなるポリイミドアロイ樹脂粉末であり、
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末のガラス転移温度が、ポリイミド樹脂及びエステル結合を有する樹脂のガラス転移温度とは異なる200℃以下であり、
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末のガラス転移温度が、ポリイミド樹脂とエステル結合を有する樹脂のガラス転移温度の間の温度領域に存在し、
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末の1%重量減少温度が280℃以上であるポリイミドアロイ樹脂粉末。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末の溶融粘度が前記ポリイミドアロイ樹脂粉末の1%重量減少温度より低い温度において30KPa・sを下回り、
エステル結合を有する樹脂のガラス転移温度が150℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドアロイ樹脂粉末。
【請求項3】
前記エステル結合を有する樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂のいずれかから選択される1種以上からなる、請求項1に記載のポリイミドアロイ樹脂粉末。
【請求項4】
前記ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物成分由来の構造とジアミン成分由来の構造とを有し、
前記テトラカルボン酸二無水物成分として、エーテル結合を有するテトラカルボン酸二無水物、カルド構造を有するテトラカルボン酸二無水物、ビス(無水トリメリット酸)エステルから選択される1種以上を含み、
前記ジアミン成分として、ベンジジン骨格を有するジアミン、カルド構造を有するジアミン、のいずれか1種以上を含み、
前記ポリイミド樹脂は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)から選択させるアミド系溶媒に、溶媒100g当たり3g以上溶解する可溶性ポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドアロイ樹脂粉末。
【請求項5】
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末が、ガラス転移温度を1点だけ有することを特徴とする、請求項1に記載のポリイミドアロイ樹脂粉末。
【請求項6】
DMF、NMP、DMAcから選択させるアミド系溶媒に溶媒100g当たり3g以上溶解するポリイミド樹脂と、エステル結合を有する樹脂を溶媒に溶解する工程、
上記ポリイミド樹脂とエステル結合を有する樹脂が溶解した溶液と貧溶媒を混合し、ポリイミドアロイ樹脂を析出させる工程、
析出したポリイミドアロイ樹脂を乾燥させる工程を有することを特徴とする、ポリイミドアロイ樹脂粉末の製造方法。
【請求項7】
ポリイミド樹脂とエステル結合を有する樹脂が溶解した溶液が、固形分濃度5wt%の溶液において、ヘイズが10以下であることを特徴とする請求項6に記載のポリイミドアロイ樹脂粉末の製造方法。
【請求項8】
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末のガラス転移温度が、ポリイミド樹脂及びエステル結合を有する樹脂のガラス転移温度とは異なる200℃以下であり、
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末のガラス転移温度が、ポリイミド樹脂及びエステル結合を有する樹脂のガラス転移温度の間の温度領域に存在し、
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末の1%重量減少温度が280℃以上であることを特徴とする請求項6に記載のポリイミドアロイ樹脂粉末の製造方法。
【請求項9】
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末の溶融粘度が前記ポリイミドアロイ樹脂粉末の1%重量減少温度より低い温度において30KPa・sを下回り、
エステル結合を有する樹脂のガラス転移温度が150℃以下であることを特徴とする請求項6に記載のポリイミドアロイ樹脂粉末の製造方法。
【請求項10】
前記エステル結合を有する樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂のいずれかから選択される1種以上からなる、請求項6に記載のポリイミドアロイ樹脂粉末の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイミドアロイ樹脂粉末の製造方法、ポリイミドアロイ樹脂粉末、成形体およびフィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
液晶、有機EL、電子ペーパー等の表示装置や、太陽電池、タッチパネル等のエレクトロニクスデバイスにおいて、薄型化や軽量化、さらにはフレキシブル化が要求されている。これらのデバイスに使用されるガラス材料をフィルム材料に代えることにより、フレキシブル化、薄型化、軽量化が図られる。ガラス代替材料として、透明ポリイミドフィルムが開発され、ディスプレイ用基板やカバーフィルム等に用いられている。
【0003】
通常のポリイミドフィルムは、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液を支持体上に膜状に塗布し、高温処理することにより、溶媒除去と同時に熱イミド化を行うことにより得られる。しかしながら、熱イミド化のための加熱温度は高く(例えば300℃以上)、加熱による着色(黄色度の上昇)が生じやすく、ディスプレイ用カバーフィルム等の高い透明性が要求される用途への適用が困難である。
【0004】
高い透明性を有するポリイミドフィルムの製造方法として、有機溶媒に可溶であり、フィルム化後の高温でのイミド化を必要としないポリイミド樹脂を用いて、溶媒キャスト法により製膜する方法が提案されている。このような溶媒可溶なポリイミドとしては、透明性と機械特性のバランスを取る観点から、フッ素含有化合物が使用されている。例えば、特許文献1には、テトラカルボン酸二無水物成分として脂環式テトラカルボン酸二無水物を含みジアミン成分としてパーフルオロアルキル基を有するジアミンを含むポリイミドが、塩化メチレン等の低沸点溶媒に可溶であることが記載されている。しかし、特許文献1の様な有機溶剤に溶解させて成形する方法は、有機溶剤を使用する点において環境への負荷が高い。また、溶媒を揮発させる必要があるため、厚みのある成形体を作ることは困難である。
【0005】
溶媒を用いない成形方法としては、溶融押出成形や溶融射出成形等が挙げられる。しかし一般的に、ポリイミドはその高耐熱性と引き換えに、溶融押出成形や溶融射出成形等の成形加工が困難であった。一部の特異的なポリイミド(三井化学社のAURUM)においては、射出成形が可能であったが、400℃以上の非常に高い温度での成形が必要であり、通常の成形機では成形できないという問題点があった。また、高温成形を行う場合、ポリイミド樹脂の着色が進行するため、着色が少なく透明性に優れたポリイミドでの成形加工は一層困難であった。
【0006】
また、樹脂の特性を改良する方法としては、他の樹脂とアロイにする方法も知られている。特許文献1には、ポリイミド樹脂とアクリル樹脂とのアロイを形成することにより、機械強度と透明性に優れる事が記載されている。また特許文献1の明細書には、ポリイミドを含む溶液に貧溶媒を加える事で、ポリイミド樹脂粉末を得られるとの記載がされている。しかし、ポリイミド樹脂とアクリル樹脂のアロイ樹脂の粉末(ポリイミドアロイ樹脂粉末)の記載はなく、実施例においてもポリイミドアロイ樹脂粉末を得る例は開示されておらず、明細書に記載の方法で得られる粉末の特性及び成形性等に関して、何らの知見を得ることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2023/026982号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ポリイミドは、高耐熱かつ高強度である一方で、成形性に劣っており、無溶媒で成形するためには非常に高い温度での成形が必要であった。従来の透明ポリイミド樹脂では、透明性を保持したまま、透明性と成形性を両立することは容易ではない。かかる課題に鑑み、本発明は、成形性に優れ、透明性が高く、かつ十分な機械強度を有する成形体およびフィルムの製造方法、その作製に用いられる樹脂粉末、及び樹脂粉末の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討の結果、下記構成により上記課題を解決することを見出した。
【0010】
1).ポリイミド樹脂とエステル結合を有する樹脂とからなるポリイミドアロイ樹脂粉末であり、
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末のガラス転移温度が、ポリイミド樹脂及びエステル結合を有する樹脂のガラス転移温度とは異なる200℃以下であり、
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末のガラス転移温度が、ポリイミド樹脂とエステル結合を有する樹脂のガラス転移温度の間の温度領域に存在し、
前記ポリイミドアロイ樹脂粉末の1%重量減少温度が280℃以上であるポリイミドアロイ樹脂粉末。
(【0011】以降は省略されています)
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