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公開番号2025095337
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023211265
出願日2023-12-14
発明の名称方位推定装置および方位推定方法
出願人株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社,株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人弁理士法人ゆうあい特許事務所
主分類G01S 7/40 20060101AFI20250619BHJP(測定;試験)
要約【課題】方位依存誤差を改善することが可能な方位推定装置および方位推定方法を提供する。
【解決手段】
送信アンテナ13の保護部材Bを通過して物標で反射された送信波のレーダ装置1への到来角を物標の方位として推定する方位推定装置は、電力プロファイルを記憶する電力プロファイル記憶部322と、受信電力を求める電力算出部313と、保護部材間距離を求める距離算出部314と、保護部材間距離に基づいて方位を推定する方位推定部316と、を備える。電力プロファイル記憶部には、互いに異なる2以上の方位からの重畳反射波に応じた受信電力と保護部材間距離とが紐づけられた電力プロファイルが、方位毎に記憶されている。電力算出部は、第1受信電力および第2受信電力を求める。距離算出部は、第1受信電力と、第2受信電力と、電力プロファイルと、に基づいて、保護部材間距離を求める。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
送信アンテナ（１３）から送信され、前記送信アンテナの保護部材（Ｂ）を通過して物標で反射された送信波のレーダ装置（１）への到来角を前記物標の方位として推定する方位推定装置であって、
前記送信アンテナと前記保護部材との距離である保護部材間距離と、前記送信波が前記物標で反射された反射波と前記保護部材で反射された反射波とが重なり合った重畳反射波に応じた受信電力と、が紐づけられた電力プロファイルを記憶する電力プロファイル記憶部（３２２）と、
前記重畳反射波に応じた前記受信電力を求める電力算出部（３１３）と、
前記電力算出部が求める前記受信電力に基づいて、前記保護部材間距離を求める距離算出部（３１４）と、
前記距離算出部によって求められた前記保護部材間距離に基づいて前記方位を推定する方位推定部（３１６）と、を備え、
前記電力プロファイル記憶部には、互いに異なる２以上の前記方位からの前記重畳反射波に応じた前記受信電力と前記保護部材間距離とが紐づけられた前記電力プロファイルが、前記方位毎に記憶されており、
前記電力算出部は、前記２以上の方位のうちの少なくとも第１方位から受信した前記重畳反射波に応じた第１受信電力を求めるとともに、前記２以上の方位のうちの前記第１方位とは異なる第２方位から受信した前記重畳反射波に応じた第２受信電力を求め、
前記距離算出部は、前記第１受信電力と、前記第２受信電力と、前記電力プロファイルと、に基づいて、前記保護部材間距離を求める、方位推定装置。
続きを表示（約 2,000 文字）【請求項２】
前記第１方位は、前記送信アンテナの正面に対する直交する方向であって、
前記電力算出部は、前記第１受信電力として、前記直交する方向から受信した前記重畳反射波に応じた前記受信電力を求める、請求項１に記載の方位推定装置。
【請求項３】
前記電力プロファイル記憶部には、前記保護部材間距離の設計値と前記保護部材間距離との誤差が前記送信波の波長の１／４以下となる位置に位置付けられた前記保護部材で反射された前記反射波を含む前記重畳反射波に応じた前記受信電力と前記保護部材間距離とが紐づけられた前記電力プロファイルが記憶されている、請求項１に記載の方位推定装置。
【請求項４】
前記保護部材は、前記送信アンテナに対向する部位に、屈曲して形成された屈曲部（Ｂ１０）を有しており、
前記屈曲部の曲率は、１を前記保護部材間距離で除算することで求められる値より小さく形成されており、
前記電力プロファイル記憶部には、前記屈曲部で反射された前記反射波を含む前記重畳反射波に応じた前記受信電力と前記保護部材間距離とが紐づけられた前記電力プロファイルが記憶されている、請求項１に記載の方位推定装置。
【請求項５】
校正行列を用いて前記重畳反射波の前記到来角に応じた位相を示すモードベクトルを補正するアレイ補正部（３１５）を備え、
前記アレイ補正部は、前記距離算出部によって求められた前記保護部材間距離に基づいた前記校正行列を用いて前記モードベクトルを補正し、
前記方位推定部は、前記アレイ補正部での前記モードベクトルの補正結果である補正モードベクトルと、前記物標で反射された前記送信波に対応する受信信号とを用いて、前記方位を推定する、請求項１に記載の方位推定装置。
【請求項６】
送信アンテナ（１３）から送信され、前記送信アンテナの保護部材（Ｂ）を通過して物標で反射された送信波のレーダ装置（１）への到来角を前記物標の方位として推定する方位推定方法であって、
前記送信アンテナと前記保護部材との距離である保護部材間距離と、前記送信波が前記物標で反射された反射波と前記保護部材で反射された反射波とが重なり合った重畳反射波に応じた受信電力と、が紐づけられた電力プロファイルを取得する電力プロファイル取得ステップ（Ｓ２４）と、
前記重畳反射波に応じた前記受信電力を求める電力算出ステップ（Ｓ３３、Ｓ３６）と、
前記電力算出ステップで求めた前記受信電力に基づいて、前記保護部材間距離を求める距離算出ステップ（Ｓ３８）と、
前記距離算出ステップによって求められた前記保護部材間距離に基づいて前記方位を推定する方位推定ステップ（Ｓ１４）と、備え、
前記電力プロファイル取得ステップでは、互いに異なる２以上の前記方位からの前記反射波に応じた前記受信電力と前記保護部材間距離とが紐づけられた前記電力プロファイルを、前記方位毎に取得し、
前記電力算出ステップでは、前記２以上の方位のうちの少なくとも第１方位から受信した前記重畳反射波に応じた第１受信電力を求めるとともに、前記２以上の方位のうちの前記第１方位とは異なる第２方位から受信した前記重畳反射波に応じた第２受信電力を求め、
前記距離算出ステップでは、前記第１受信電力と、前記第２受信電力と、前記電力プロファイルと、に基づいて、前記保護部材間距離を求める、方位推定方法。
【請求項７】
前記第１方位は、前記送信アンテナの正面に対する直交する方向であって、
前記電力算出ステップでは、前記第１受信電力として、前記直交する方向から受信した前記重畳反射波に応じた前記受信電力を求める、請求項６に記載の方位推定方法。
【請求項８】
前記電力プロファイル取得ステップでは、前記保護部材間距離の設計値と前記保護部材間距離との誤差が前記送信波の波長の１／４以下となる位置に位置付けられた前記保護部材で反射された前記反射波を含む前記重畳反射波に応じた前記受信電力と前記保護部材間距離とが紐づけられた前記電力プロファイルを取得する、請求項６に記載の方位推定方法。
【請求項９】
前記保護部材は、前記送信アンテナに対向する部位に、屈曲して形成された屈曲部（Ｂ１０）を有しており、
前記屈曲部の曲率は、１を前記保護部材間距離で除算することで求められる値より小さく形成されており、
前記電力プロファイル取得ステップでは、前記屈曲部で反射された前記反射波を含む前記重畳反射波に応じた前記受信電力と前記保護部材間距離とが紐づけられた前記電力プロファイルを取得する、請求項６に記載の方位推定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、方位推定装置および方位推定方法に関する。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、アレーアンテナと、受信回路を含む受信アナログ回路と、アレーアンテナおよび受信アナログ回路で生じる誤差を校正するための複数の校正データが格納されたメモリとを備えたレーダ装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。このレーダ装置は、物標からの到来角を概算して抽出し、抽出した到来角に応じて、複数の校正データから校正データを選択し、選択した校正データを用いて校正処理を行い、物標の到来角を計算する処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２０－００３３３４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、特許文献１には、レーダ装置が車両に取り付けられた実施形態が記載されている。レーダ装置が車両に取り付けられる場合、一般的には、レーダ装置は、車両のバンパの内側に取り付けられる。この場合、レーダ装置と物標との間に車両のバンパが存在することとなる。
【０００５】
このようなレーダ装置と物標との間にレーダ装置を保護するバンパのような保護部材が存在する場合、当該保護部材は、レーダ装置が測定する到来角に誤差を発生させる要因となる。具体的には、レーダ装置からの送信波および物標で反射した反射波が保護部材による屈折や反射の影響を受けることによって、一部の到来角での受信信号の振幅や位相の誤差、アンテナ間の相互結合誤差が生ずる。このような到来角に依存する誤差について、以下では方位依存誤差とも呼ぶ。
【０００６】
発明者らの鋭意検討によれば、方位依存誤差は、レーダ装置と保護部材との間の距離に依存することを見出した。したがって、レーダ装置と物標との間に保護部材が存在する場合、誤差を校正するために、レーダ装置と保護部材との間の距離を求め、求めたレーダ装置と保護部材との間の距離に基づいて物標の到来角を補正する必要がある。
【０００７】
しかしながら、特許文献１に記載のレーダ装置は、到来角を補正するにあたり、保護部材に起因する方位依存誤差を考慮しておらず、保護部材に起因する上述の方位依存誤差を改善することができない。
【０００８】
本開示は、方位依存誤差を改善することが可能な方位推定装置および方位推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本開示の１つの観点によれば、
送信アンテナ（１３）から送信され、送信アンテナの保護部材（Ｂ）を通過して物標で反射された送信波のレーダ装置（１）への到来角を物標の方位として推定する方位推定装置は、
送信アンテナと保護部材との距離である保護部材間距離と、送信波が物標で反射された反射波と保護部材で反射された反射波とが重なり合った重畳反射波に応じた受信電力と、が紐づけられた電力プロファイルを記憶する電力プロファイル記憶部（３２２）と、
重畳反射波に応じた受信電力を求める電力算出部（３１３）と、
電力算出部が求める受信電力に基づいて、保護部材間距離を求める距離算出部（３１４）と、
距離算出部によって求められた保護部材間距離に基づいて方位を推定する方位推定部（３１６）と、を備え、
電力プロファイル記憶部には、互いに異なる２以上の方位からの重畳反射波に応じた受信電力と保護部材間距離とが紐づけられた電力プロファイルが、方位毎に記憶されており、
電力算出部は、２以上の方位のうちの少なくとも第１方位から受信した重畳反射波に応じた第１受信電力を求めるとともに、２以上の方位のうちの第１方位とは異なる第２方位から受信した重畳反射波に応じた第２受信電力を求め、
距離算出部は、第１受信電力と、第２受信電力と、電力プロファイルと、に基づいて、保護部材間距離を求める。
【００１０】
また、本開示の他の観点によれば、
送信アンテナ（１３）から送信され、送信アンテナの保護部材（Ｂ）を通過して物標で反射された送信波のレーダ装置（１）への到来角を物標の方位として推定する方位推定方法は、
送信アンテナと保護部材との距離である保護部材間距離と、送信波が物標で反射された反射波と保護部材で反射された反射波とが重なり合った重畳反射波に応じた受信電力と、が紐づけられた電力プロファイルを取得する電力プロファイル取得ステップ（Ｓ２４）と、
重畳反射波に応じた受信電力を求める電力算出ステップ（Ｓ３３、Ｓ３６）と、
電力算出ステップで求めた受信電力に基づいて、保護部材間距離を求める距離算出ステップ（Ｓ３８）と、
距離算出ステップによって求められた保護部材間距離に基づいて方位を推定する方位推定ステップ（Ｓ１４）と、備え、
電力プロファイル取得ステップでは、互いに異なる２以上の方位からの反射波に応じた受信電力と保護部材間距離とが紐づけられた電力プロファイルを、方位毎に取得し、
電力算出ステップでは、２以上の方位のうちの少なくとも第１方位から受信した重畳反射波に応じた第１受信電力を求めるとともに、２以上の方位のうちの第１方位とは異なる第２方位から受信した重畳反射波に応じた第２受信電力を求め、
距離算出ステップでは、第１受信電力と、第２受信電力と、電力プロファイルと、に基づいて、保護部材間距離を求める。
（【００１１】以降は省略されています）

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