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公開番号2025096190
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2024211779
出願日2024-12-04
発明の名称リパーゼの安定性向上方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12N 9/20 20060101AFI20250619BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】リパーゼの安定性向上方法の提供。
【解決手段】2分子以上のポリペプチドを含み、該2分子以上のポリペプチドがジスルフィド結合を介して結合されており、該2分子以上のポリペプチドのうち少なくとも1分子のポリペプチドが、配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列からなるリパーゼ活性を有するポリペプチドである、リパーゼの複合体、リパーゼ複合体の製造方法、及びリパーゼを複合体化する工程を含む、リパーゼの安定性向上方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
2分子以上のポリペプチドを含み、該2分子以上のポリペプチドがジスルフィド結合を介して結合されており、該2分子以上のポリペプチドのうち少なくとも1分子のポリペプチドが、配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列からなるリパーゼ活性を有するポリペプチドである、リパーゼの複合体。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記リパーゼ活性を有するポリペプチドが、配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有し且つ配列番号4の番号付けで208位及び272位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基がシステインであるアミノ酸配列からなる、請求項1記載のリパーゼの複合体。
【請求項3】
2分子のポリペプチドからなり、該2分子のポリペプチドがジスルフィド結合を介して結合されており、該2分子のポリペプチドが、それぞれ独立して、配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有し且つ配列番号4の番号付けで208位及び272位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基がシステインであるアミノ酸配列からなるリパーゼ活性を有するポリペプチドである、請求項1記載のリパーゼの複合体。
【請求項4】
配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有し且つ配列番号4の番号付けで208位及び272位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基がシステインであるアミノ酸配列からなるリパーゼ活性を有するポリペプチドを少なくとも1分子含む2分子以上のポリペプチドを、ジスルフィド結合を介して結合する工程を含む、リパーゼの複合体の製造方法。
【請求項5】
前記結合工程の前に、配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有し且つ配列番号4の番号付けで208位及び272位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基がシステインであるアミノ酸配列からなるリパーゼ活性を有するポリペプチドを提供する工程をさらに含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有し且つ配列番号4の番号付けで208位及び272位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基がシステインであるアミノ酸配列からなるリパーゼ活性を有するポリペプチドを少なくとも1分子含む2分子以上のポリペプチドを、ジスルフィド結合を介して結合する工程を含む、リパーゼの安定性向上方法。
【請求項7】
前記結合工程の前に、配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有し且つ配列番号4の番号付けで208位及び272位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基がシステインであるアミノ酸配列からなるリパーゼ活性を有するポリペプチドを提供する工程をさらに含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有し且つ配列番号4の番号付けで208位及び272位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基がシステインであるアミノ酸配列からなる、リパーゼ活性を有するポリペプチド。
【請求項9】
請求項8記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項10】
請求項9に記載のポリヌクレオチドを含むベクター又はDNA断片。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リパーゼの安定性向上方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
リパーゼは、洗濯洗剤、食器用洗剤、油脂加工、パルプ処理、飼料、医薬中間体合成など様々な用途において有用である。洗浄においては、リパーゼは脂質中のエステル結合を加水分解して脂肪酸を生成することによって油を含む汚れの除去に寄与する。
【0003】
洗浄用リパーゼは油性の汚れを除去するための洗浄剤組成物に採用されてきた。特許文献1には、スルホコハク酸アルキルエステルを含む洗浄剤をリパーゼと共に汚れと接触させた後、外力を加えずに放置することで油汚れを洗浄する方法が記載されている。また、特許文献2に記載のように、食器洗い用の洗浄剤組成物はステンレス製や樹脂製のシンク廻りの洗浄にも用いられることがあり、キッチンのシンク廻りに付着した水垢などを洗浄する機能を付与するには、クエン酸などのキレート剤を高濃度で配合することが考えられる。こうした洗浄剤の組成は、一般的な洗浄剤と比較して水分量が多く、溶剤を界面活性剤よりも多く含むといった特徴を有する。
【0004】
一方、酵素をはじめとするタンパク質の機能を向上すべくアミノ酸配列の改変が行われることがある。非特許文献1には、タンパク質中に存在するシステイン残基の側鎖は環境のpHと酸化還元電位に応じて異なる酸化状態で存在し、酸化状態の変化により部位特異的にアミノ酸の性質が大きく変化することで構造や機能が変化しうることが記載されている。また、非特許文献2では、タンパク質設計の際にシステイン残基の導入が避けられている。このようにシステイン残基の導入はタンパク質の構造や機能維持を阻害する可能性がある為、しばしば好ましくない変異として扱われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-17508号公報
特許第4776997号公報
【非特許文献】
【0006】
Diego Garrido Ruiz et al. Biochemistry 2022, 61(20): 2165-2176
Taihei Murakami et al. Antibodies 2022, 11(1), 10
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的な洗浄剤と比較して水分量が多く、溶剤を界面活性剤よりも多く含む洗浄剤組成物の酵素にとって過酷な環境において、配合したリパーゼの安定性は不明であったが、本発明者らが検討した結果、一般的な洗浄剤への配合時と比較して安定性が著しく低下することが明らかとなった。よって、本発明は、リパーゼの安定性向上方法及び優れた安定性を示すリパーゼを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、親リパーゼのアミノ酸配列の特定の位置のアミノ酸残基をシステインに置換したところ、得られたリパーゼ変異体が、該リパーゼ変異体を含む複合体を形成することができること、特に複合体の形態で親リパーゼと比して、多量の水分及び/又は界面活性剤より多量の溶剤の存在下での向上した安定性を有すること、すなわち、リパーゼの安定性はリパーゼの複合体化により向上することができることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、下記1)~8)に係るものである。
1)2分子以上のポリペプチドを含み、該2分子以上のポリペプチドがジスルフィド結合を介して結合されており、該2分子以上のポリペプチドのうち少なくとも1分子のポリペプチドが、配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列からなるリパーゼ活性を有するポリペプチドである、リパーゼの複合体。
2)配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有し且つ配列番号4の番号付けで208位及び272位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基がシステインであるアミノ酸配列からなるリパーゼ活性を有するポリペプチドを少なくとも1分子含む2分子以上のポリペプチドを、ジスルフィド結合を介して結合する工程を含む、リパーゼの複合体の製造方法。
3)配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有し且つ配列番号4の番号付けで208位及び272位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基がシステインであるアミノ酸配列からなるリパーゼ活性を有するポリペプチドを少なくとも1分子含む2分子以上のポリペプチドを、ジスルフィド結合を介して結合する工程を含む、リパーゼの安定性向上方法。
4)配列番号4、6、8、10、14、16、18又は20で示されるアミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有し且つ配列番号4の番号付けで208位及び272位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基がシステインであるアミノ酸配列からなる、リパーゼ活性を有するポリペプチド。
5)4)記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
6)5)記載のポリヌクレオチドを含むベクター又はDNA断片。
7)6)記載のベクター又はDNA断片を含有する形質転換細胞。
8)1)記載の複合体及び4)記載のポリペプチドの一方又は両方を含有する洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リパーゼの複合体化によりリパーゼの安定性を向上することができる。リパーゼの複合体を形成可能なリパーゼ活性を有するポリペプチドは、特に複合体の形態で優れた安定性を示し、多量の水分及び/又は界面活性剤より多量の溶剤を含む洗浄剤組成物にも好適に配合することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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