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公開番号2025110393
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-28
出願番号2025004016
出願日2025-01-10
発明の名称バイオポリマー製造方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12P 1/04 20060101AFI20250718BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】微生物によりバイオポリマーを製造するにあたってバイオポリマーの純度を高める方法の提供。
【解決手段】微生物によりバイオポリマーを製造する方法であって、精製工程において下記a)及びb)からなる群より選択される少なくとも1種のプロテアーゼを用いることを特徴とする、方法:a)配列番号1又は4と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなるプロテアーゼ、b)配列番号5又は8と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなるプロテアーゼ。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
バイオポリマー生産能を有する微生物によりバイオポリマーを製造する方法であって、バイオポリマーの精製工程において下記a)及びb)からなる群より選択される少なくとも1種のプロテアーゼを用いることを特徴とする、方法。
a)配列番号1又は4と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなるプロテアーゼ
b)配列番号5又は8と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなるプロテアーゼ
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
バイオポリマー生産能を有する微生物によりバイオポリマーを製造する方法において下記a)及びb)からなる群より選択される少なくとも1種のプロテアーゼを用いることを特徴とする、バイオポリマーの精製方法。
a)配列番号1又は4と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなるプロテアーゼ
b)配列番号5又は8と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなるプロテアーゼ
【請求項3】
プロテアーゼが下記a’)及びb’)からなる群より選択される少なくとも1種のプロテアーゼである、請求項1又は2記載の方法。
a’)配列番号1又は4と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、配列番号1の番号付けで、16位に相当する位置におけるバリン、65位に相当する位置におけるプロリン、83位に相当する位置におけるアラニン、273位に相当する位置におけるイソロイシン、359位に相当する位置におけるセリン、387位に相当する位置におけるアラニン、132位に相当する位置におけるスレオニン、166位に相当する位置におけるグリシン、167位に相当する位置におけるバリン、195位に相当する位置におけるグルタミン、294位に相当する位置におけるスレオニン及び369位に相当する位置におけるアスパラギンからなる群より選択される少なくとも1個のアミノ酸残基を有するプロテアーゼ
b’)配列番号5又は8と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、配列番号5の番号付けで、9位に相当する位置におけるグルタミン酸、253位に相当する位置におけるアスパラギン酸、255位に相当する位置におけるトリプトファン及び256位に相当する位置におけるグルタミン酸からなる群より選択される少なくとも1個のアミノ酸残基を有するプロテアーゼ
【請求項4】
プロテアーゼを、バイオポリマーを含有する微生物又はその菌体破砕物に作用させる、請求項1又は2記載の方法。
【請求項5】
バイオポリマーがポリヒドロキシアルカン酸(PHA)である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項6】
バイオポリマー生産能を有する微生物がCupriavidus属に属する微生物である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項7】
下記a)及びb)からなる群より選択される少なくとも1種のプロテアーゼを含有する、バイオポリマー精製用酵素組成物。
a)配列番号1又は4と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなるプロテアーゼ
b)配列番号5又は8と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなるプロテアーゼ
【請求項8】
プロテアーゼが下記a’)及びb’)からなる群より選択される少なくとも1種のプロテアーゼである、請求項7記載の酵素組成物。
a’)配列番号1又は4と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、配列番号1の番号付けで、16位に相当する位置におけるバリン、65位に相当する位置におけるプロリン、83位に相当する位置におけるアラニン、273位に相当する位置におけるイソロイシン、359位に相当する位置におけるセリン、387位に相当する位置におけるアラニン、132位に相当する位置におけるスレオニン、166位に相当する位置におけるグリシン、167位に相当する位置におけるバリン、195位に相当する位置におけるグルタミン、294位に相当する位置におけるスレオニン及び369位に相当する位置におけるアスパラギンからなる群より選択される少なくとも1個のアミノ酸残基を有するプロテアーゼ
b’)配列番号5又は8と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、配列番号5の番号付けで、9位に相当する位置におけるグルタミン酸、253位に相当する位置におけるアスパラギン酸、255位に相当する位置におけるトリプトファン及び256位に相当する位置におけるグルタミン酸からなる群より選択される少なくとも1個のアミノ酸残基を有するプロテアーゼ
【請求項9】
バイオポリマーがPHAである、請求項7又は8記載の酵素組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はバイオポリマー製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
バイオマスを原料として製造されるバイオポリマーは、石油化学プラスチックの代替として様々な用途に利用されている。バイオポリマーは高い生分解性を有するものが多く、近年環境保全の観点からその需要は拡大している。代表的なバイオポリマーとしては、デンプン、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)などが挙げられる。
【0003】
バイオポリマーの一種であるPHAは微生物発酵によって生産することができる。PHAは細胞内に顆粒として蓄積されるため、PHA製造ではPHA回収のための下流工程が必要である。PHA製造においてこの下流工程には大きなコストがかかっており、PHAの商業化を困難にする要因となっている。PHA回収にはクロロホルムなどの有機溶媒を用いた手法が広く用いられているが、有毒で揮発性の溶媒を大量に必要とするだけでなく、大量のエネルギーも必要とすることから、環境への負荷が懸念されている(非特許文献1)。
【0004】
一方、有機溶媒を用いずにPHAを回収するために、酵素を用いた手法が古くから研究されている。酵素によって細胞壁、タンパク質、糖、核酸、脂質などの細胞構成成分を分解することで、細胞脆弱化によるPHA放出の促進、夾雑物分解によるPHA純度向上、といった効果を得ることができる。酵素は、基質特異性が高く反応条件が穏やかであることから、PHAへのダメージが小さい、必要エネルギーや排水負荷が小さく環境影響が小さいというメリットを有する。
【0005】
酵素の中でも特にプロテアーゼがPHA回収に広く用いられており、アルカラーゼ、エスペラーゼ、アルカリプロテアーゼ、トリプシンなどが好適に使用されている(非特許文献1~3、特許文献1、2)。しばしば界面活性剤存在下やアルカリ条件下で使用されることから、これらの条件下でも高い活性を示しかつ安価な微生物由来プロテアーゼが特に利用されている。しかし、これまで用いられてきたような工業プロテアーゼはPHA回収に十分に最適化されていない可能性があり、またPHA回収における性能が向上した変異型プロテアーゼはこれまで報告されていない。酵素を用いたPHA回収では酵素コストが大きな課題となることから(特許文献3)、必要酵素量を低減するため、PHA回収において従来よりも高い性能を有するプロテアーゼが求められている。また、PHAの純度をさらに向上させる目的においても、高い性能を有するプロテアーゼが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
中国特許第1070534号明細書
国際公開第2023/021878号
中国特許出願公開第109504715号明細書
【非特許文献】
【0007】
Gonzalez, K., et al. Current microbiology 78 (2021): 1-10.
Neves, A. and Mueller, J. Biotechnology progress 28.6 (2012): 1575-1580.
Kapritchkoff, F.M., et al. Journal of biotechnology 122.4 (2006): 453-462.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、バイオポリマー生産能を有する微生物によりバイオポリマーを製造するにあたってバイオポリマーの純度を高める方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、バイオポリマー生産能を有する微生物によりバイオポリマーを製造する際のバイオポリマーの精製工程で用いると、該精製工程で従来汎用されているプロテアーゼに比して残渣量低減効果が高いプロテアーゼを見出し、また、該プロテアーゼを親プロテアーゼとして、該親プロテアーゼに比して残渣量低減効果が高いプロテアーゼ変異体を取得した。
【0010】
すなわち、本発明は以下の1)~3)に係るものである。
1)バイオポリマー生産能を有する微生物によりバイオポリマーを製造する方法であって、バイオポリマーの精製工程において下記a)及びb)からなる群より選択される少なくとも1種のプロテアーゼを用いることを特徴とする、方法。
a)配列番号1又は4と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなるプロテアーゼ
b)配列番号5又は8と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなるプロテアーゼ
2)バイオポリマー生産能を有する微生物によりバイオポリマーを製造する方法において上記a)及びb)からなる群より選択される少なくとも1種のプロテアーゼを用いることを特徴とする、バイオポリマーの精製方法。
3)上記a)及びb)からなる群より選択される少なくとも1種のプロテアーゼを含有する、バイオポリマー精製用酵素組成物。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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